画寫庵Progressive

松平惟光の写真日言己巾占。

まず、腰に手を当てまして…

2005年01月15日 | 西洋鏡・紙魚手帖
「ロッキー・ホラー・ショー」は正直、映画としてはけっこうダメダメだ。
なんともへタな演出に、行きあたりバッタリな脚本。映画として参考にするのはあまりに危険だ。
しかしこの映画を愛する人は多い。かくいう私もそう。
二枚組DVDまで持っている。(期間限定2980円だけど)
記念2枚組レアトラック入りサントラもある。レイカーズバンドの「タイムワープ」やメキシコ・キャスト版「SF怪奇映画・二本立て」もある。
舞台は観たことがない。舞台監督と映画の監督は同じ人だ。舞台はイイノカも知れない。その演出をそのまま持ってきた結果かも知れない。

しかし映画だけでも充分魅力がある。完成していないからこその魅力かも知れない。
音楽とキャラクターは絶大な吸引力を持っている。もっともっと面白くできる底力と才能が見え隠れする。でも完成はしていない。観る者はそこに自分の入り込む隙を見つけて楽しむ。
参加型のエンターテイメントである。コスプレや映画の進行に合わせてライスシャワーをしたり新聞を広げたり、歌に合いの手を入れたりするのがこの映画上映の最大の特徴といわれているが、そういう表面的な「参加」ではない。それらは参加のひとつのやり方だが、本質に入り込むわけではない。

日本で、魅力ある設定やキャラクターを、不完全なままで供する「参加型」として意図的にヒットさせたのがエヴァなんだろうと思う。ロッキーホラーと同じなんだと思えば、何故エヴァがああいうものになったかの理解がようやく出来るようになった。もっともエヴァは個人的には参加しようとは思わなかったし、思わないけれど。

※ところでサントラには「プラネット、シュマネット、ジャネット」の後半部分(「ユーアーホットトドッグ♪」のとこね)が収録されてないけどなんで?
※日本でローリー寺西によって舞台公演が行われたけど、キャストがなあ…。なぜリフ・ラフ=オーケンじゃないのだ。

※気になる人もいると思うので、私の文章では「エンターテイメント」と表記。綴りはentertainmentなので最近は「エンターテインメント」と表記するのが一般化しているけれど、じつはこの"N"は実際の発声では聞こえない。

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