☆秘伝 湘南ではたらく税理士のblog☆    ・・・職人税理士の勘どころ・・・

湘南地区!?小田原で事務所を構えるローカルな税理士です。

気まぐれなまま、言葉を連ねています。。。

蟹工船の再読。

2008-07-02 11:28:52 | 政治
昭和4年に刊行された、小林多喜二の小説「蟹工船」(新潮文庫)が、

最近、再び売れ始めているとのこと。

プロレタリア文学の代表作だけに

これまでも年間5000部ほどは売れていたようですが

今年に入って4月に7000部増刷だそうです。

それでも品切れ状態になり、急遽5万部を再増刷とのこと。

その数、例年の100倍。

というわけで、私も読んでみました。

多分、20年ぶりくらい。

バブル経済に違和感を覚えた思春期

その解決を文学にまで求めた頃に、手にした文庫本の1つです。

いま改めて読んでみると、研究者の端くれとしては

また当時とは異なった思いが去来します。

この突然の【蟹工船】ブームは

新聞紙上で発表された作家の高橋源一郎・雨宮処凜両氏の対談といわれています。

その紙上で、現在のフリーターと状況と酷似しているという話が持ち上り

結果として、若い世代を中心に売れているということらしい。

・・・確かに、低賃金で過酷な労働を強いられる「蟹工船」の貧しい労働者と

  定職に就けずアルバイトで日々の生活を営むフリーターの境遇は

  重なって見えているのかもしれない・・・。

でも、これを同じレベルで議論してしまうことには、若干、違和感を感じてしまう。

当時と決定的に異なるのは、情報量。

あらゆる情報が得られる現代と【蟹工船】の時代では

厳しい言い方をすれば、意思決定プロセスが異なるのです。

これ以上は言及しませんが・・・

でも、プロレタリア文学の代表作に触れるのは

決して損ではないと思います。

私も、おそらくこんな機会がなければ

【蟹工船】を読み返すこともなかったでしょう。

読んでない方は是非、お読みください。

昔読んだ方、再読してみてください。

・・・すべてはクライアントのために・・・

近藤誠一税理士事務所http://www.kondokaikei.jdlibex.jp

つづく。