IBMは8月7日、Linuxがコスト削減だけでなく
消費電力や環境破壊の削減にも最適であることを
大企業やデータセンターに納得させるための構想をスタートさせた。
この「Big Green Linux」構想は、IBMと同社クライアントによる
データセンターの消費電力削減の支援を目指して5月に立ち上げられた
「Project Big Green」の一環である。
IBMはこの新構想を、カリフォルニア州サンフランシスコでの
トレードショー「LinuxWorld and Next Generation Data Center」
開幕に合わせ、NovellやLinux Foundationと一緒にスタートさせた。
この構想は単一の製品発表が中心ではない。
Linuxをベースにしたエネルギーの効率化を目指すIBMの複数の
新システムやプロジェクトを大々的に売り込むものとなっている。
IBMのLinux担当国際部門幹部Inna Kuznetsova氏によると
ハイエンドシステムの「System z」や「System p」の両プラットフォームと
一緒に、データセンター集約プラットフォームとしてLinuxを販売する活動が
既に成果を挙げつつあるという。
同社のLinuxサーバの売上高の約30%は、x86以外のシステムが
占めるようになった、と同氏は語っている。
Linuxはこれまで、ローエンドのx86システムと組み合わせられてきた。
IBMは先週、自らのアドバイスを取り入れて、約3900台の社内サーバを約30台の
System z Linuxメインフレームに集約し
それによって消費電力を約80%削減する計画を明らかにした。
同社のデータセンターは総面積が800万平方フィート(約74万平方メートル)以上
35万人以上のユーザーをサポートしているという。
同社はまた、これまで10年をかけて、世界155カ所にあったデータセンターを
7カ所に集約したという。
IBMは7日、PowerプロセッサベースのSystem pプラットフォームで集約を行う2社の
新しい主要クライアント獲得を明らかにした。
自動車メーカーのVolkswagenとスペインの通信事業者Telefónica Móviles Españaだ。
競合するUNIXプラットフォームからLinuxやIBM版UNIXのAIXが
動作するSystem pには、ここ1年半で700社近くの企業が移行した
とIBMは語っている。
IBMはまた、業界初の「データ仮想化」製品だとするLinuxベースの
「Information Server Blade」をデータ統合プロジェクト向けに発表した。
同ブレードは、社内全体の情報を表示することができ
スケーリングによって大量のデータ処理も可能だ、と同社は語っている。
ソフトウェアの方では、データセンターの効率化に対象を絞った
Linuxカーネルへの貢献をIBMは強調した。
これらは、CPUのクロックスピードや電圧のスケーリング
そしてアイドル状態のプロセッサを長く低消費電力の
「ティックレス」状態にしておくのに役立つ機能だ
IBMは語っている。オープンソースサービス
IBMは7日に発表された提携でNovellともコラボレートし、Novellの「SUSE Linux Enterprise Server」の一部として
オープンソースベースの「WebSphere Application Server Community Edition」
(WAS CE)を販売およびサポートする。
IBMの主張によると、この提携は、大企業や中小企業のオープンソース統合を
助け、エネルギー効率の新たな可能性を切り開くのに役立つという。
IBMは、オープンソースの「Apache Geronimo」アプリケーションサーバを
ベースにしたWASを、7日の時点で累計100万本配布したことを明らかにした。
コラボレーションのスタートに向け、IBMとNovellは、Linuxデスクトップ用の電子メール、インスタントメッセージング、
およびオフィス生産性ツールを統合するグループウェアクライアントソフトウェア
を発表した。このソフトウェアはEclipseフレームワークをベースにしており、
SUSE Linux Enterprise Desktopが基盤になっている。
また、IBMの電子メールおよび生産性ソフトウェアが組み込まれている。
IBMはさらに、分散したサーバをLinuxに集約する高可用クラスタ
「IBM Implementation Services for Linux」も発表した。
コンピュータクラスタは、密接に接続されて連動することで
1台のパワフルなシステムとして機能するコンピュータの集合。
クラスタは、多くのアプリケーションでメインフレームに取って代わるものと
見られており、低価格システムを集めて構築することができるため
価格も魅力となっている。(出所:CNET Networks)
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つづく。