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木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

竹細工職人

2023年06月24日 05時45分30秒 | 耕作放棄地

近隣に竹林がある故か、仲間達はうまく竹材を活用している。つまり竹材は立派な農業用資源とも言いうるかも。素材があっても活用する技術とノウハウが無いと無理なんだが、そちらも相応の対処が可能なようで。一番有り難いのは、素材が再生されることだろう。と言うか、むしろ程よく伐採する方が竹林環境には望ましい。こうした事情もあって、仲間達は良く竹材を利用するようだ。職人と名乗るのはおこがましいが、状態は近いかと自負している。

「昇り龍栽培」とか「空中栽培」とかの異名を使っているが、要は地表面より上部で栽培活動を行う事で、竹が基幹資材となっているのだ。まさしく竹あっての栽培で、大いに重宝している。仲間達がどのように活用しているか、使用事例を幾つかご紹介しようかと思う。なかなか器用に組み立てていると評価するのはうぬぼれだろうか。

事の性質上、栽培物はツル性の物が多い。マメ類やカボチャ或いはハヤトウリ等である。眺めていると、基本は緩めの斜面でツルを取り付かせ、その後角度を上げて上空へとの手法のようだ。なんぼツル性とはいえ、垂直近くでは登りづらい。野菜に優しい環境作りのようだ。竹の持つ可能性なのか、加工が極めて容易だ。ノコと鉈があれば大概の加工は可能で、仲間達も多くはその二者で使っている。とりわけ2~3年生の竹は柔らかく加工も楽だ、無論、若いだけあってか腐敗も早いのだが・・・・そこはまあ。

現場が畑なので釘や針金等は一切使用しない。万が一落下して畑に埋もれると、耕耘作業の邪魔になり負傷の原因とも成り兼ねないのだ。予防線を張るに限るだろう。従って使用するのは専らビニールテープだ。結構丈夫なテープで、大概のくくり作業には活用している。黒いテープで数百メートル単位で売られている。このテープを使って、縦横十文字仕様に組み上げるのが基本だろうか。サイズはお好み次第、栽培する野菜の種類で区別するようだ。

竹の素材が有り難いのは廃棄処分が容易との側面だ。何せ朽ちてきたら畑の一角で焼却処分とすれば良い。刈り取った雑草類を処分するとき、朽ちた古竹が種火となってくれ、焼却作業を助けてくれるのだ。まさしく竹は農作業の有用な資源、それも再生可能な素材と来ている。最近流行のSDGsでは無いが、周囲の環境をうまく活用したいものだ。それにしても先人達は竹の有用性に早くから注目していた模様。何せ、「竹細工職人」という職業分別が早くから存在していたのだから。仲間達が名乗るにはチト早いかと思うが、先人達の知恵にあやかりたいものだ。