国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

牛丼屋さんで

2021-07-27 15:57:00 | 戯言
人格賭けジャンケンってあるよね♪

昔、結構、やっていました。

一番壮絶だったのが牛丼屋さんでの海原雄山ごっこである。

先にジャンケンで勝った方が席に座る。その反対側に海原雄山ごっこ担当者が座る。

「主、この店で一番うまいものを出せ」

↑このセリフで「は?」という顔をされる。この場合、小さい声で「あ、すいません」などと言って注文をする。

この後、届くわけだ。ここからが正面場。どれだけ海原雄山を愛しているかという問題になる。独り言を言いまくる。

「ふむ、一見、茶色であるがゆえに色彩が足りぬと言いたいところだが、自らの感覚に従い、玉子、紅しょうがをのせて彩を追加できるという趣向か。

いや、この茶色ですら、わびさびと言えなくもない。

(一口肉を食べて)この値段で提供できる肉など、たいしたことはないとたかをくくっていたが、薄く切ることによって歯ごたえをやわらかくするわけか。

いや、注目すべきはこのたれだ。肉の臭みをなくためにワインなどもいれておる。

そもそも日本人が肉を食べるために発明したすき焼きを応用したとも言える牛丼に洋食の技術が応用されるのは当然といえば当然。

おお。このたまねぎがあることにより、米と肉以外の要素があり、歯ごたえが重層的になっている。牛丼という名から当然、期待すべき味は牛肉とご飯ということになるのだが、たまねぎの・・・(以下略)」



あ。おいら、じゃんけんに負けて、海原雄山ごっこをやったなんてことはないですよ。

ほんと、ほんと。

※2006年の記事を一部改変
コメント (4)
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