ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

丘にたち

2018-05-16 04:34:16 | 添削

丘にたちしみじみ夕日あびにつつ満ち足らふまでなきにけるかな   小熊秀雄


古語の文法を軽く無視して詠んでいるところがかなりおもしろいが、胡散臭い。

歌の意趣に本人の情感がついてきていない。要するに、これは嘘なのだ。

夕日を見ながら泣いたなどと言って、泣かなかったか、それとも泣きまねをする自分を想像しただけなのか。

どちらにしろ、夕日を見て泣くなどという、時々人間が陥る情感を、あまりわかってはいない。


かたをかに夕日は照りてかなしみをだきつつ内の涙を呼びぬ    揺之






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