ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

さしのべし

2018-05-31 03:28:07 | 添削

さしのべし妻が掌握りたり母となりたる掌のあたたかく    来嶋靖生


平凡だ。これは素人並である。

評者はこのような平明な歌を、すべてを語らないところに余韻を見てそれをよいとするが、それはごまかしだ。

西行のような手練れがつくる余韻はもっと深く、何者かがその中で生きている。

これには何もない。

そっけない金属片のようである。


子を産みてゆるくなりたるわがつまに何いふこともならず窓見る    揺之






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