夜深くて君のねぶりし床の辺の夢にささやく星のひめごと

夜深くて君のねぶりし床の辺の夢にささやく星のひめごと　　　　揺之




　　明日からしばらくお休みをいただきます。

さみしさをひとりの酒に溶かしてはけふあやまちしことばをおもふ

さみしさをひとりの酒に溶かしてはけふあやまちしことばをおもふ　　　　揺之

ひたあをき空をあふぎて降るほどに色をかぶりて我が身を忘る

ひたあをき空をあふぎて降るほどに色をかぶりて我が身を忘る　　　　揺之

ひとすぢのくるしくながき尾をひきて流れ星降る深更の空

ひとすぢのくるしくながき尾をひきて流れ星降る深更の空　　　　揺之

空晴れてゆふべの星をふりあふぎけふのうれひのしづかに澄めり

空晴れてゆふべの星をふりあふぎけふのうれひのしづかに澄めり　　　　揺之

あひたしといひてすがりし夢の間にいらへもきかずさめにけるかな

あひたしといひてすがりし夢の間にいらへもきかずさめにけるかな　　　　揺之

山に来て魚を探しき浜に来て栗を探しきいたづらの恋

山に来て魚を探しき浜に来て栗を探しきいたづらの恋　　　　揺之

まどひきて浜にひろひしうつせがひわするもむなししれものの恋

まどひきて浜にひろひしうつせがひわするもむなししれものの恋　　　　揺之

おく露のあはきひかりにまぎれてしわれのなみだの行く末をとふ

おく露のあはきひかりにまぎれてしわれのなみだの行く末をとふ　　　　揺之

春風にゆれてこぼるる白露の落ちにし恋のくやしかりけれ

春風にゆれてこぼるる白露の落ちにし恋のくやしかりけれ　　　　揺之