ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

花のたましい

2018-02-01 03:05:47 | 資料

みすずに興味を持ってみた。



  花のたましい

散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。

だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、

風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、

なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。



女流の美しい感性がここちよい。

若さゆえの未熟さも見えるがそれも若葉の匂いのようだ。

啄木もそうだが、こういう感性の持ち主が長生きをできないのは、この世界にとっておそろしく悲しいことだと思う。


春の野の花の心は風を呼びけふゆくたまのゆくへをぞ知る    揺之






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