みすずに興味を持ってみた。
花のたましい
散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。
女流の美しい感性がここちよい。
若さゆえの未熟さも見えるがそれも若葉の匂いのようだ。
啄木もそうだが、こういう感性の持ち主が長生きをできないのは、この世界にとっておそろしく悲しいことだと思う。
春の野の花の心は風を呼びけふゆくたまのゆくへをぞ知る 揺之