６１歳の伊王野

（２０１３．７．６　南湖公園：白河市）

「あしたは自転車でいってきていいわよ」
と、昨日“ワイフ君”が言っていました。



そこで午前４時、目が醒めると同時に準備して行こうと思ったのですが、何やかにやとしている間に、非情にも時間はどんどん過ぎ去って、とうとう午前６時半をまわってしまいました。晴れの予報にもかかわらず、安達太良は全く見えません。



郡山市富久山町の逢隈橋まで来ると、川原は依然としてハルシャギクの大草原状態。



同じ場所、磐越東線の鉄橋下です。ね、見事でしょう！



午前７時２６分、みちのく自転車道定点観測ポイントです。



カラスは人になれて必要以上の恐怖心はないらしく、わたしの挙動に少しだけ警戒心を見せるだけでした。そこで、大きい声を出して脅かしてやりました。カラスも心得たもので、一旦は飛び立つのですがすぐにちょっと先の位置に戻って来て、何だかこちらが軽くあしらわれているような気がしました。



今の季節、自転車道の路肩ではオカトラノオ（写真）やドクダミ、そしてテリハノイバラなどの白い花が目立ちます。



午前８時５分、須賀川市に到着。うっすらと青空が出てきました。



午前８時３７分、これがきょうの乙字ケ滝。





そういえば上の２枚の写真、この乙字ケ滝の断崖を見ていて気がついたのですが、これって節理？



午前９時２７分、中島村の“童里夢（ドリーム）公園”に到着。写真中央の木には大きな白い花が咲いていました。



この花を見たときに直感的に“タイサンボク”と思ったのは見事正解でした。純白の大きな花に近づくと芳香が漂っていました。



泉崎村関和久で見かけたニワナナカマド。これがなかなかいい風情で、わたしも“ワイフ君”も最近気になっている植物なのです。気になる植物といえば、先日の“スモークツリー”ですが、“ワイフ君”に４種類の苗木をAmazonで買ってあげました。



午前９時５２分、泉崎村と白河市の境、阿武隈川にかかる白河大橋を越えています。いよいよ晴れ間が見えてきました。



雑木林の土手のテリハノイバラ。



真っ白い花が楚々として好きなんです。



他人様のお庭のカシワバアジサイ。



八重の品種のスノーフレークなんていうものでしょうか。ところで、このカシワバアジサイなんですが、以前三春ハーブガーデンに行ったとき、入り口付近に飾ってあった見事な花が忘れられません。



これがその時の写真なのですが、白から薄緑、そして淡いピンクへと変化していく様には気が変になるほど惹かれます。これって同じ種類のカシワバアジサイなんでしょうか？



話が逸れてしまいましたが、この花も同じお宅に咲いていたものです。



ベルガモット（別名：タイマツバナ）という花のようです。ベルガモットといえば、香水に用いられる柑橘類として有名ですが、こちらはシソ科の植物で葉がベルガモットに似た香りがするからというようなことらしいです。



午前１０時３６分、南湖公園の駐車場の日陰でパンク修理の真っ最中です。パンクは久しぶりです。公園を清掃中のおばさま方に・・・
「おや、大変だねえ。自分で直せるの？」
なんて言われながら、
「今は自転車屋さんが少なくなっちゃったでしょう。どこにあるか分かんないから自分でやるしかないんです」



人が一生懸命パンク修理をしているっていうのに、スポークの上ではカメムシが・・・。なんて不謹慎なヤツなんだ。



パンク修理も無事済んで、これがきょうの南湖です。



水面に映り込んだ空と雲が夏らしい感じです。



南湖公園から国道２９４号線を伊王野へ気持ち良く下っています。と言いたいところなんですが、蒸し暑くて気持ち悪くなりそうなんです。熱中症の一歩手前のような気分なので木陰に入って一休み。



予定よりオーバーして１２時１３分、『道の駅東山道伊王野』に着きました。小休止するも食欲は全く無し。冷たいアイスクリームが何よりのご馳走でした。



伊王野の街を抜けて白河の関方面へと向かいます。



相変わらずのナメクジ走りで県境への上り坂を走っていると、前方に水飲み場らしきものが現れました。冷たい水ですが飲めるかどうかイマイチなので、タオルで水を汲んで全身にたっぷりと浴びました。冷たくて生き返るようでした。



ここが県境です。こういうところで２８Ｔを試します。さすがに楽ちんです、ハハハ



路面の濡れた日陰は、ヒンヤリとしてとても気持ちのいいものです。そしてここを越えればさらに気持ちのいい長い下り坂が待っています。



白河の関跡から白河市内方面へは向かわずに、東へ折れて県道４４号線に抜けるつもりで走っていました。すると気になる看板が・・・『和泉式部庵跡化粧井』？



「ここから入っていくとあるんですか？」
と、前方からこちらへやって来たおばあさんに尋ねると
「こっから山へズーッと入っていくとあっから」
と教えられました。



ここでも２８Ｔが活躍です。スリックタイヤでツルツル滑りますが、なんとか走ってここまで来ました。けどこれから先はちと自信がありません。暗くて何かが出てきそうなんです。



一度は諦めて引き返そうと思ったのですが、ここがブロガーの意地なのです。『どうせ死んでも一度きり』と再び走り出すと、すぐ近くにその場所はありました。



いきさつは案内のとおり。何となく信じがたい部分もありますが、そういう謂われなのですから仕方がありません。





かたわらにある、これが“化粧ノ井”らしいです。新しく造られたように見えましたが、地上に見えている部分だけ危ないので直したのかも知れませんね。



県道４４号線を走っています。


（“糀屋”さんこと鈴木糀店）

ここに来た目的は、行く手に見える鈴木糀店なんです。ここで冷やし甘酒が飲みたかったんです。
「すいません、冷やし甘酒が飲みたいんですけど」
すると、ご主人曰く
「（袋詰めで）販売はしていますが、飲ませてはいないんです・・・」



なるほど、冷蔵ケースには様々な商品が並んでいます。“ひや甘酒”が正しい商品名のようです。
「あ、ちょとまってください。うちのものに氷をもってこさせますから」
親切にも、奥さまにそう言って準備をしてくださいました。そして、奥さまは切り子のコップに甘酒を注いでくれました。
ご面倒をかけてしまったお詫びをして
「いただきます」
と一口飲みました。冷たさの中にしっかりした上質な糀の甘みがなんともいえません。
「氷はいりません、これで十分に冷たいです。これは美味いです！」

奥さまは“ひや甘酒”のシャーベットがお薦めとのことで、凍ったものを一つ買って帰ることにしました。奥さまは凍ったものが溶けないようにキッチリ包んでくれたのですが、途中であまりの暑さにその包装を解き、ジャージの背ポケットに入れて走りました。ヒンヤリしてとても気持ち良く走れました。



午後３時５６分、乙字ケ滝まで戻って来ました。



冷たい滝の清水を再び全身に浴びて帰り支度をしました。



午後５時８分、国道４９号線の金山橋が見えてきました。ここからわが家までは丁度２０キロ。おおよそ１時間の行程です。



みちのく自転車道を走っていると、前方に“雨脚”らしきものが見えました。あんな風になって、ところどころ局地的な雨が降っているんですね。さあ雨が降ってこないうちに帰ろ。

６１歳になって初めての伊王野は、とてもカッタルくて今までになく疲れました。いや、とにかく蒸し暑い日でしたから体が夏モードにならず、日陰ばかり恋しかったのかも知れません。

甘酒で生き返った心地がした本日の走行距離１８５．６０　走行時間８：２２　平均速度２２．１　最高速度５３．５

★鈴木糀店“糀屋”さんのブログはこちらです。