ケアマネ稼業を始めて三年半になるが、「ヤバイ」と感じることが増えた。何より酒量が十倍になった。ホッピーと焼酎が毎夜のお友達だ。ま、私はそれまで下戸に近かったけど…。
しかし問題はそんなことではなかった。老人ホームに勤めて三年半、いろいろ見て聞いて知ったあげく、「このままでは、資産も子供もないニンゲンは、老後の前に悲惨な最期をとげるしかない!」と確信するようになったのだ。それはいてもたってもいられないくらい「ヤバイ」実感だった。
そこで私は、同じ境遇にある友人三人に連絡を取った。どこが「同じ」かというと、皆、普通の勤め人で、中年で、男で、独身なのだ。昨年の暮れ、四人は新宿の居酒屋に集まった。
「このままじゃ、オレらヤバくね?」
という私の提言に、三人とも重くうなづいた。今のままじゃイカン、断固協力し合おう!という一点では結びつきあった。でも、具体策はなかなか出てこない。それぞれ職場でガンジガラメだし、親との関係や距離も違う。もっといったら年収も貯金額も違う。庶民どうしだから大した違いはないのだけれど、小さな違いが逆に愛おしい。というか譲りがたい。
この春にもう一度会合を持ち、結束は深まりカラオケも盛り上がったが、いまいち、「じゃあ、どうしようか」という一歩が出ない。私はかなり焦った。
「…これでは単なる中年チョンガーの定期呑み会じゃん」
それも大事だけど、今度ばかりは、私の奥底の「ヤバイ感」が、「それで終らせてはならぬ!」と叫んでいる。
そこで三回目には女性に参加してもらった。こういう「横ツナガリ」を目指す集まりの場合、女性の方がずっと活発に動けるハズだ…という経験知が、私にはあった。男は上下関係を意識し過ぎてすぐにギコチナクなるのだ。
私の読みは当たっていたと思う。二人の女性によって「助け合い共同体」という輪郭がクッキリ浮かび上がってきた。ふと私は、
「落語の長屋付き合いが理想なんだよねエ…」とつぶやいた。
私は子供の頃からン十年落語を聞き続けているが、カネも物もないけど、お互いに心配し支えあっている…という「落語の長屋」の世界は、実にうらやましく感じる。もちろんあれはファンタジーかも知れないけど、ウソでもいいから目指してみたい。
だって、本当に皆、競争して「勝ちたい」の?死ぬ思いで働き、同僚を蹴落としてまで職場で生き残って「良い服」や「良いクルマ」を持ちたい?
六人とも大人だから色んな経験や考えを持っている。でも、「長屋付き合い」というキーワードには、深く共感してくれた。
もう、やるしかない!と思った。といっても、小さな、ふだんのことから関係を変え、作っていこう。大きな言葉はウソが多いからね。政治家の公約みたいになって、自分も他人も縛り、騙してしまう。
後出しジャンケンみたいになるといやだから言っておくけど、今まで集まった六人は皆クリスチャンである。といって、私は四十近くになって洗礼を受け、教会活動はほとんどしてない「なんちゃってクリスチャン」だし、他の人たちは私よりずっとまともな信徒だけど、信仰的なクサみはない人たちばかりなんですよ。
そんな私と友人たちの、日常のアレコレを書いていこう…と思っています。
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しかし問題はそんなことではなかった。老人ホームに勤めて三年半、いろいろ見て聞いて知ったあげく、「このままでは、資産も子供もないニンゲンは、老後の前に悲惨な最期をとげるしかない!」と確信するようになったのだ。それはいてもたってもいられないくらい「ヤバイ」実感だった。
そこで私は、同じ境遇にある友人三人に連絡を取った。どこが「同じ」かというと、皆、普通の勤め人で、中年で、男で、独身なのだ。昨年の暮れ、四人は新宿の居酒屋に集まった。
「このままじゃ、オレらヤバくね?」
という私の提言に、三人とも重くうなづいた。今のままじゃイカン、断固協力し合おう!という一点では結びつきあった。でも、具体策はなかなか出てこない。それぞれ職場でガンジガラメだし、親との関係や距離も違う。もっといったら年収も貯金額も違う。庶民どうしだから大した違いはないのだけれど、小さな違いが逆に愛おしい。というか譲りがたい。
この春にもう一度会合を持ち、結束は深まりカラオケも盛り上がったが、いまいち、「じゃあ、どうしようか」という一歩が出ない。私はかなり焦った。
「…これでは単なる中年チョンガーの定期呑み会じゃん」
それも大事だけど、今度ばかりは、私の奥底の「ヤバイ感」が、「それで終らせてはならぬ!」と叫んでいる。
そこで三回目には女性に参加してもらった。こういう「横ツナガリ」を目指す集まりの場合、女性の方がずっと活発に動けるハズだ…という経験知が、私にはあった。男は上下関係を意識し過ぎてすぐにギコチナクなるのだ。
私の読みは当たっていたと思う。二人の女性によって「助け合い共同体」という輪郭がクッキリ浮かび上がってきた。ふと私は、
「落語の長屋付き合いが理想なんだよねエ…」とつぶやいた。
私は子供の頃からン十年落語を聞き続けているが、カネも物もないけど、お互いに心配し支えあっている…という「落語の長屋」の世界は、実にうらやましく感じる。もちろんあれはファンタジーかも知れないけど、ウソでもいいから目指してみたい。
だって、本当に皆、競争して「勝ちたい」の?死ぬ思いで働き、同僚を蹴落としてまで職場で生き残って「良い服」や「良いクルマ」を持ちたい?
六人とも大人だから色んな経験や考えを持っている。でも、「長屋付き合い」というキーワードには、深く共感してくれた。
もう、やるしかない!と思った。といっても、小さな、ふだんのことから関係を変え、作っていこう。大きな言葉はウソが多いからね。政治家の公約みたいになって、自分も他人も縛り、騙してしまう。
後出しジャンケンみたいになるといやだから言っておくけど、今まで集まった六人は皆クリスチャンである。といって、私は四十近くになって洗礼を受け、教会活動はほとんどしてない「なんちゃってクリスチャン」だし、他の人たちは私よりずっとまともな信徒だけど、信仰的なクサみはない人たちばかりなんですよ。
そんな私と友人たちの、日常のアレコレを書いていこう…と思っています。
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