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会社に足を運べる企業見学会 9月20日(火)~10月12日(水)

2022-08-16 19:04:15 | ニュース(告知)
 9月20日(火)から10月12日(水)に生協主催で6つの企業による企業見学会2022が開催される。実際に企業所在地に足を運ぶことで企業や働く方の雰囲気などを肌で感じることが出来る。学年不問だが、事前申し込みが必要だ。<奥田百合子>


(画像:神戸大学生協キャリアサポートのサイトより スクリーンショット)

 コロナウイルス感染症の影響を受け中断していた企業見学会が今年から再開される。企業所在地に足を運ぶことで、企業の雰囲気や働く方の様子などを実際に知ることが出来る。学年不問なので、就活生だけではなく1・2年生も参加可能だ。2022年度は、住友倉庫、森平舞台機構、山陽特殊製鋼、オカムラ、住友ベークライト、オービックがの6企業が参加する。

【企業見学会2022サイト】= http://seagull.coop.kobe-u.ac.jp/recruit/kengaku/index2022.html

《企業見学会2022》
▼住友倉庫: https://www.sumitomo-soko.co.jp/
▽日時=2022年9月20日(火)13:30~17:00。
▽場所=住友倉庫神戸支店(神戸市中央区江戸町85―1)。
▽定員/最少催行人数=15名/10名。
▽申し込み締め切り=8月19日(金)。
▽申し込みサイト=https://www.kucoop.jp/wfm_v2/0920kengaku/

▼森平舞台機構:https://www.morihei.com/
▽日時=2022年9月21日(水)9:30~16:30。
▽場所=森平舞台機構 大阪出張所(森平舞大阪市中央区南船場4―12―20 クロスウイング南船場4階)。
▽定員/最少催行人数=5名/10名。
▽申し込み締め切り=9月4日(日)。
▽申し込みサイト=https://www.kucoop.jp/wfm_v2/0921kengaku/

▼山陽特殊製鋼:https://www.sanyo-steel.co.jp/
▽日時=2022年9月22日(木)。
▽場所=山陽電鉄「飾磨(しかま)駅」北側バスロータリー(開催場所へは送迎バスで移動)。
▽定員/最少催行人数=10名/5名。
▽申し込み締め切り=9月9日(金)。
▽申し込みサイト=https://www.kucoop.jp/wfm_v2/0922kengaku/

▼オカムラ:https://www.okamura.co.jp/
▽日時=2022年9月27日(火)。
▽場所=オカムラ 大阪ショールーム受付(大阪市北区大深町4-20グランフロント大阪タワーA21階)・
▽定員/最少催行人数=5名/2名。
▽申し込み締め切り=9月13日(火)。
▽申し込みサイト=https://www.kucoop.jp/wfm_v2/0927kengaku/

▼住友ベークライト:https://www.sumibe.co.jp/index.html
▽日時=2022年9月29日(木)。
▽場所=住友ベークライト尼崎工場 正門奥の守衛室(尼崎市東塚口町2丁目3番47号)。
▽定員/最少催行人数=20名/5名。
▽申し込み締め切り=9月22日(木)。
▽申し込みサイト=https://www.kucoop.jp/wfm_v2/0929kengaku/

▼オービック:https://www.obic.co.jp/
▽日時=2022年10月12日(水)。
▽場所=大阪府大阪市中央区平野町4-2-3 オービック御堂筋ビル2階。
▽定員/最少催行人数=30名/10名。
▽申し込み締め切り=9月30日(金)。
▽申し込みサイト=https://www.kucoop.jp/wfm_v2/1012kengaku/

▼主催・問い合わせ=神戸大学生協キャリアデザイン企画課。
メール:career[at]kucoop.jp
※送信する際は[at]を@に置き換えてください。
電話番号:078-805-1582




RCUSSオープンゼミナール 8月27日(土)にオンラインで

2022-08-15 19:21:23 | ニュース
 第280回神戸大学RCUSSオープンゼミナールが、8月27日(土)14時から17時に、オンライン(zoomウェビナー形式、ライブ動画視聴)で開催される。南海トラフ地震の臨時情報についての勉強会と、伊勢湾台風時の名古屋市民の避難について講演が行われる。なお、参加にあたっては、専用フォームからの事前視聴申し込みが必要となる。〈久保田一輝〉


(画像:RCUSSオープンゼミナールサイトのスクリーンショット)

 都市安全研究センター(Research Center for Urban Safety and Security)とは、「安全かつ快適な都市の理念を構築し、及びそれを実現するための手法、システムについて総合的に教育研究を行い、もって活力ある都市の創出に寄与する」ことを目的に設置された神戸大の研究組織。都市に生じる多種多様な災害について総合的な研究を行っている。RCUSSオープンゼミナールは、同センターの研究内容の公開と、関係する研究者の研究発表を目的として毎月開催されている。

《第280回神戸大学RCUSSオープンゼミナール》
●日時=8月27日(土)14時から17時。
●会場=オンライン開催(zoomウェビナー形式、ライブ動画視聴)。
●申し込みフォーム=ウェビナー登録 - Zoom
●プログラム=
1.「南海トラフ地震臨時情報を住民と一緒に考える勉強会の実践」
  岡田 恵実 豊橋市役所防災危機管理課
2.「伊勢湾台風における名古屋市の避難者の分布と移動」
  荒木 裕子 京都府立大学生命環境科学研究科環境科学専攻准教授
●司会=北後明彦 神戸大学名誉教授
●主催=神戸大学都市安全研究センター
●共催=神戸市危機管理室、神戸市消防局
神戸大学未来世紀都市学研究アライアンス
神戸大学減災デザインセンター
●問い合わせ=神戸大学都市安全研究センター(RCUSS):安全で快適な都市の実現を目指して… 神戸大学 自然科学系先端融合研究環 都市安全研究センター(RCUSS) (kobe-u.ac.jp)
TEL: 078-803-6437(センター事務室 山崎)
FAX: 078-803-6394、MAIL: open@rcuss-usm.jp



壷井達也さんインタビュー② こぼれ話「野菜炒めにこだわり」

2022-08-14 21:00:00 | 神大LIVE
 神戸大で勉学に励みながら、フィギュアスケートで一流への道を突き進む人がいる。国際人間科学部発達コミュニティ学科2年生の壷井達也さんだ。2022年4月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定。今秋の2022-2023シーズンからはシニア級に昇格し、いよいよ世界のトップへ挑む。この記事では、壷井さんの海外遠征での苦労や楽しみ、神戸大での生活など、様々な壷井さんの姿をQ&A形式で紹介する。<本多真幸、出口華、笠本菜々美、塚本光>

▼前回の記事「壷井達也さんインタビュー フィギュアスケートで世界のトップへ」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/debe828766ca8db140aea62da8d7094e


(写真:壷井達也さん。神戸大鶴甲第2キャンパスで。2022年6月28日撮影)


体調管理 なるべくたくさん食べる

記者)スポーツ選手はパフォーマンス維持のための体調管理が大事だと思いますが、食生活で何か気を使っていますか?

壷井)なるべく量を食べるようにしています。痩せやすい体質なので、少し食事を落とすとすぐに体重が減ってしまうんですよ。体重が減ると、ジャンプの時の一瞬の力とかが出せなくなると感じるので、なるべく体重が増えるように食べてます。筋力つけすぎると邪魔になって回転が遅くなるというのはありますが、自分に関しては筋力がつきすぎることはないかなと。痩せると何もできなくなるので、痩せないことの方が重要です。


下宿生活 学食利用、ときには自炊も

記者)下宿で一人暮らしをしているとのことですが、食事はどうされていますか?

壷井)学食を利用してます。おいしかったメニューは、オクラの巣ごもり卵ですね。あと、自炊もします。作ることが多いのは野菜炒めで、素材の味を生かすために、味付けは塩と胡椒と醤油をちょっとだけ使うのがこだわりです。一度、春雨炒めみたいなものを作って中野(園子)コーチに持って行ったことがあって、「おいしかったよ」って言われました。


神戸大生が「登山」と呼ぶ 標高の高いキャンパスへの通学

記者)壷井さんが在籍するキャンパスと駅との標高差は200m近くあり、駅から大学まで急な上り坂が続いています。壷井さんはどう通学していますか?

壷井)行きはバスですが、帰りは歩くこともあります。もう少し標高の低いキャンパスで授業があるときは、行きでもだいたい歩いてます。一番高いところにあるので、下りでもちょっとしたトレーニングですね(笑)。


「神戸組」の仲間と励む練習

記者)「神戸組」で一緒に練習する坂本花織さんや、三原舞依さんとは、上下関係なく仲が良いのでしょうか?

壷井)仲良いですね。坂本選手や三原選手とは昔から会う機会が多かったので。中学3年生ぐらいの頃、海外の大会に一緒に行ったことがあって、そのあたりから話すようになりました。


海外遠征 楽しみも苦労も


記者)旅行がお好きだそうですが、最近は行けていますか?

壷井)忙しいので、旅行単体ではあまりできてないです。ただ、試合になると練習時間が限られて、意外とやることがないので、ホテルの周辺を散策してますね。最近だと、大会の結果と結びついているかもしれませんが、4月の世界ジュニアで行ったエストニアはすごく良かった。大会と連携したホテルで、朝、昼、夜とご飯がついていたのですが、おいしかったです。また、海が近くにあったので散歩に行きました。とてもきれいでした。


記者)海外への移動はやはり大変ですか?

壷井)4月の世界ジュニアでのエストニアは、ロシア上空を迂回したこともあって移動に1日以上かかりました。長時間移動してからすぐの練習は、やはり動きにくくてしんどいです。

壷井)でも、最近はだいぶ慣れてきたかな。時差ぼけすることもありますが、大学生になって睡眠時間がバラバラになるじゃないですか。そういった生活が海外に行くときにも『時差ぼけ対策』として生きてくるのかもしれないです……(笑)。


(写真:インタビューに応じる壷井達也さん。神戸大鶴甲第2キャンパスで。2022年6月28日撮影)

壷井達也(つぼい・たつや)
 2002年生まれ。愛知県、中京大中京高校出身。2021年4月、神戸大学国際人間科学部発達コミュニティ学科に入学し、現在2年生。2022年4月の世界ジュニア選手権で3位。同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定され、6月にはシスメックスへの所属を発表。2022-2023シーズンからシニア級デビューする。


神戸大の看板猫ゴメスを追悼 ベンチには花束が

2022-08-14 07:00:00 | ニュース
 8月9日、神戸大の看板猫ゴメスが天国へ旅立った。三日後の12日には、ゴメスの世話をしていた生協職員の一瀬さんによって、学生会館下のベンチにゴメスの死を知らせる張り紙が張られ、骨壺と花束が置かれた。ニュースネットは、一瀬さんや、海外出張の度にお土産のキャットフードをあげていたという教員、Twitterでゴメスの魅力発信を行っていた学生といった、ゴメスと関わりの深かった人たちに想いを聞いた。<佐藤ちひろ、本多真幸、奥田百合子>

関連記事=
▽「【速報】神戸大の看板猫ゴメス 苦しまずに息を引き取る」https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/a67261970bc680e7ba6b4633a1211578
▽「神戸大の看板猫ゴメスがTV出演 2月22日(火)のNHK-BSプレミアム『世界ネコ歩き』」https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/8850846a10523f8506cedb3405e9b3b6


(写真:学生会館で。2022年8月12日撮影。)


長年世話した生協職員 「学生を癒し、励ます存在」

 生協職員の一瀬さんは、ここ10年間、ゴメスの朝昼晩のごはん、春夏秋冬の寝るところを準備してきた。「この10年間、入学してきた学生の半分くらいはゴメスに会いに来てくれたのではないでしょうか。ゴメスは学生たちを毎日毎日励ましていました。学生は大学で勉強して卒業し、社会に出ていきますが、ゴメスはこのサイクルの中でほかの人にはできない、重要な役割を担っていたと思っています。」ゴメスに会いに来た何人かの学生に話を聞くと、ゴメスが彼らを励まし、癒しているのがわかったという。

 ゴメスにお礼を言いに遠方からわざわざ会いに来る学生の父母もたくさんいた。一瀬さんは、「私は、ゴメスが学生を神大に連れてきて、卒業させていたと思っています。ゴメスの存在は、神戸大学というどこか殺伐とした社会に癒しを与え、閉塞感を打破していました。」とゴメスの存在の大きさを語った。「命を救えなかったことは残念で、申し訳ない思いです。ゴメスの努力をたたえて、天国での幸せを願っています。」

 骨壺を置いてから3、4日の間に、花束が3、4束、添え書きやペットフードも置かれていた。「想定外だったので涙するばかりです」。10月末までは骨壺を置いておこうと考えているという。


関係の深かった教員 「学生や教職員、皆に愛された」

 国際文化学研究科准教授の辛島理人さんは、2016年10月に神戸大に着任。学生会館にあった本屋に頻繁に行っていたこともあり、ゴメスをよく見かけていた。「人間が好きで、誰の膝の上にも乗る猫でした。性善説が根底にあったんだと思っています。」

 一瀬さんとは、とあるきっかけでゴメスの世話をしていることを聞き、話すようになったという。年10回ぐらいある海外出張の度に、お土産のキャットフードを買って、一瀬さんを通じて渡した。「グルメな猫でしたね。いろいろなキャットフードをあげましたが、パリで買ったオーガニックのものは、他のキャットフードよりも気に入ったらしくて、たくさん食べていたと聞いています。」

 辛島さんにとって一番の思い出は、昨年12月にゴメスがテレビ出演したとき、一発でカメラに映えする行動をしたことだという。「私も出演したのですが、カメラが回って私がベンチに座ったら、すぐ膝に乗って目を細めました。女優みたいでしたね。」

 近年足腰を悪くして移動範囲が狭まっているのを見て、老い先短いとは思っていたという。「7日に一瀬さんから『ゴメスの体調が悪い』と電話をもらいました。今までたくさんの猫を世話してきた一瀬さんが連絡してくるということはもう数日の命なのかなと感じました。」

 「9日にゴメスに会いに一瀬さんの家へ行ったのですが、間に合いませんでした。ゴメスはまるで寝ているような雰囲気でしたね。約20歳(人間でおよそ96歳に相当)という年齢だけにいつ亡くなってもおかしくなかったですが、行方知れずに亡くなるよりは、一瀬さんに看取られながらだったのはよかったのかなと。大往生だったと思います。残念ではありますけど、十二分に生きた。学生や教員など数多くの人に愛され、ゴメスも彼らを愛していました。」


魅力をSNSで発信し続けた学生 「多くの人の心をつかんだ神戸大のアイドル」

 約1年半前から「神戸大学 ゴメス bot(中の人休止中)(@kobe_gome2)」でゴメスの日常を写真に撮り発信している山本(工研1年)さんは、「ゴメスは多くの人に愛されて幸せ猫でした。彼女の姿や生き方は多くの人の心を掴んで,心に猫型の穴をあけていきました。ゴメスは生協書店や学生会館に来る学生をいつも見守っていました。彼女が何を考えていたかはわかりませんが,これからも学生を見守ってくれることには変わりないでしょう。」と天国のゴメスに思いを馳せた。


(画像:神戸大学 ゴメス bot(中の人休止中)より)


「ゴメス信者(@AimfortheTopNo1)」を運営する学生(理2年)

ゴメスの隣にいつもいた1人として、神大のアイドルことゴ
メスの冥福を心から祈ります。神の国でも幸せにね、ゴメ
ス。また、ゴメスファンの皆様方には、毎日猫のゴメスの
幸せを見守ってくださり、感謝申し上げます。
せかい1可愛い三毛猫ゴメスを、私たちはけっして忘れず
にいます。




(画像:ゴメス信者より)


 Twitterでは、「神戸大の唯一の癒しが...」や「合掌🙏良い猫生だったのではないでしょうか?生まれ変わっても神大へ来てくださいネ。また、会いましょう👍」「ゴメスさん…。岩合さんの『ネコ歩き』で拝見してファンでした。ご冥福をお祈りいたします。合掌。」など、ゴメスとの思い出を語る投稿が多く見られた。たくさんの学生や教職員に愛されたゴメスは今も心の中で生き続けている。


壷井達也さんインタビュー① フィギュアスケートで世界のトップへ

2022-08-13 20:44:30 | 神大LIVE
 神戸大で勉学に励みながら、フィギュアスケートで一流への道を突き進む人がいる。国際人間科学部発達コミュニティ学科2年生の壷井達也さんだ。2022年4月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定。今秋の2022-2023シーズンからはシニア級に昇格し、いよいよ世界のトップへ挑む。ニュースネットは、普段の練習での努力や神戸大での生活など、壷井さんの素顔にせまった。<本多真幸、出口華、笠本菜々美、塚本光>


(写真:インタビューに応じてくれた壷井さん。神戸大鶴甲第2キャンパスで。2022年6月28日撮影。)


小学生で苦労も、中学生から驚異的な伸び

 出身は愛知県岡崎市で、スケートを始めたのは3歳のころ。先に習い始めた姉の影響で、リンクに行く機会が増え、その流れで自分もスケート教室に入った。トップレベルの選手達は、小学生のうちにダブルアクセル(二回転半)を跳べるようになるというが、壷井さんが習得できたのは中学1年になってからだった。

 しかし、そこからの成長は速かった。3回転ジャンプ全5種類の習得には、他の人だと1、2年かかる場合が多い中で、壷井さんは約4か月で習得。「きっかけを1つ掴めたことが、成長できたポイントだと思います」。全日本中学校大会に2回出場し、中3のときに優勝した。


怪我での挫折を機に、スポーツ科学に興味

 高校は、安藤美姫さんや浅田真央さん、宇野昌磨さんらを輩出した、中京大中京高校に進学。スポーツクラスに入ることもできたが、理系に興味があったので、一般生徒と同じ進学のクラスを選んだ。

 高校1年生の冬には全日本ジュニア選手権で優勝した。しかし、2年生の夏に足首を捻挫。その年の全日本選手権の直前練習でも怪我をして棄権するなど、試合に出られない時期が続いた。「怪我が立て続けに起こって、将来のことを考え始めました。ちょうどそのときスポーツ科学という分野に興味があったので、『怪我の予防など、怪我で苦しんできたからこそできるような勉強をしてみたい。スポーツ科学が学べる大学に進みたい。』と思うようになりました」


自ら選んだ神戸大で、新たな生活

 11月の全日本ジュニア選手権を区切りとして完全にスケートリンクから離れ、勉強にシフトした。共通テストでは5教科7科目を受験。テストの結果を見つつ、スポーツ科学を学べる国立大学で、また、近くにスケートリンクがあり練習環境を保てることから、神戸大国際人間科学部の発達コミュニティ学科を受験し、見事合格した。

 受験後、久しぶりにリンクで滑った時には、感覚がほとんどなくなっており、ジャンプを跳ぶのも怖かった。しかし、「何もない状態からのスタートだったので、身についていた変な癖や、体の動かし方を一から見直すことができたという部分ではよかったです」

 大学生になり、拠点を愛知県から兵庫県へと移した。スケートリンクは、時期ごとに尼崎、西宮、神戸のリンクを併用。北京五輪銅メダルや世界選手権金メダルの坂本花織さん(神院大、シスメックス)や、四大陸選手権で2度の優勝を果たした三原舞依さん(甲南大大学院、シスメックス)を指導する、中野園子コーチの下で練習に励む。練習は朝、夕方、週末で、週6日行われる。朝練のある日は、5時ぐらいに起きて練習場所に向かい、終わった後に授業がある日はそのまま大学に行く。


通し練習、積極的なジャンプ練習で体力つける

 中野コーチの指導の特徴は、練習量だ。プログラムを最初から最後まで行う通し練習を、何回も繰り返す。通し練習を通じて身体に無意識レベルまで動きを染みつかせることで、本番でも緊張せず動けるようになる。「それまで、曲をかけてジャンプとスピンを全部入れての通し練習というのをあまりしてこなかったので、中野チームに入ってから練習量がすごく増えて、体力的に結構きついですね。ただ、無意識レベルにまで動きを落とし込めているという実感はあります」

 また、ジャンプはスケートで一番体力を使う技だが、早朝の練習でも「ガンガン跳ぶ」。体が動きにくい朝にジャンプが跳べれば、体が動きやすくなる夜はもっと楽に跳べるようになるという。

 中野コーチの指導で意識の面にも変化があった。「練習に緊張感があります。体の状態が日々変わる中で、今日は本当にできないって言い訳をしたくなる日が何回かあるんですけど、先生の前ではなるべくしないようにします。しんどい状態でも練習をやる。それが中野先生の考えかなと」


(写真:練習中の壷井達也選手。2022年7月に関空アイスアリーナで行われた、日本スケート連盟の強化練習で。本人提供。)


様々な仲間から受ける刺激

 神戸を拠点として練習を行っている選手たちは「神戸組」と呼ばれている。先述したように、坂本さんが世界選手権で優勝、三原さんが四大陸選手権で2度目の優勝と、「神戸組」の活躍は目覚ましい。壷井さんは、世界のトップで戦っている仲間から、練習に取り組む姿勢や技術など、多くのことを学ぶ。

 神戸大の体育会スケート部にも所属しており、大学生の大会に出場することもある。部には初心者も多く、基本的に指導する側に回る。「自分が自然と身につけて、あまり考えてやってこなかったことを質問されたりするので、いつも無意識にやっていることへの理解が深まるなど、新たな発見が得られることが多いです」。

 また、在籍する学科には、他のスポーツで様々な経歴を持つ学生がおり、そういった学友からも刺激を受けている。「スケートにはない練習方法や考え方を得ています」。


世界ジュニア選手権 堂々の3位に

 競技では、4月にエストニアで行われた世界ジュニア選手権に臨んだ。元は3月に開催予定だったところ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になったが、それが助かった。というのも、1月にドイツで行われた大会から帰国した際、ホテルでの隔離期間で筋肉が落ち、2月からかなり調子を落としていたからだ。

 延期のおかげで調子を戻すための充実した練習ができ、本番当日も、世界ジュニアはうまくいくという自信を持てた。そのフリーの演技では難しい4回転サルコウなどのジャンプを入れたが、大きなミスなく決め、堂々の3位。しかし、4回転は「まだいつでも跳べるところまではこれていない」という。


今秋いよいよシニアへ 「世界の選手に食らいつく」

 怪我で、国際試合での結果をなかなか残せず、ジュニア期間が長くなってしまったが、世界ジュニア選手権3位という成績を引っ提げて、いよいよ今秋からシニアに挑む。流れるスケーティングからジャンプした勢いを、降りた後もキープするという強みを生かしたい。

 目標としては、昨年9位だった全日本選手権での6位以内を掲げる。「シニアに上がって、海外の選手と一緒に出ることが多くなってきますが、それに少しでも食らいついていけるように頑張りたいと思います」



(写真:シニアに向けての抱負を掲げる壷井達也さん。鶴甲第2キャンパスで。2022年6月28日撮影)


 秋から始まるグランプリシリーズでは、イギリスで開催のMKジョンウィルソン杯(11月11日(金)~13日(日)と、フィンランドで開催のグランプリエスポー(11月25日(金)~11月27日(日))に出場予定。初めてのシニアの舞台でどんな結果を残すか。


次の記事では、海外遠征の苦労や楽しみ、神戸大での生活など、壷井選手の様々な姿をQ&A形式で紹介する。


▼次の記事=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/4172e987c634bad249e1e9b7180de47a

壷井達也(つぼい・たつや)
 2002年生まれ。愛知県、中京大中京高校出身。2021年4月、神戸大学国際人間科学部発達コミュニティ学科に入学し、現在2年生。2022年4月の世界ジュニア選手権で3位。同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定され、6月にはシスメックスへの所属を発表。2022-2023シーズンからシニア級デビューする。