こばさん

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富士登山記(その7)

2007-07-29 23:59:38 | 富士登山記



予想外に体力を使い、予定より遅れてお鉢巡り終了。
ここで一つ気になってたのが、バスの時間でした。
五合目から13時発の御殿場行きに乗る予定でいました。
下山にかかる時間は、早ければ2時間半。
ちょっと余裕を見て3時間。
現在の時刻は9時10分。
そろそろ出発しないと、ギリギリの時間です。
でもかなり休みたい・・・。

そんなこんなで9時半になりました。
20分休んだだけでしたが、体力は結構回復。
ちなみに13時のバスの次は15時。
何もないところで2時間過ごすのは大変なので、
13時目指して出発です。


下山道は登山道と別にあるのですが、



ここでいいんだよなと半分疑問を感じながら進んで行きました。
前にも人がいるし大丈夫だと思っていましたが、
角を曲がるとその人の姿はもうなく・・・。
おまけに前からブルトーザーが!



おいおい、この道で本当に合ってるの?
ブルトーザーの幅は道幅と同じくらい。
ちょっとよけるなんてことができません。
なので崖の方にあがりました。
すれ違うときにブルの運ちゃんは
「どうも」って手を上げてくれました。
やっぱりここで良さそうです。
(ちなみに、山小屋への物資の運搬はブルトーザーでやります)


そしてようやく後ろからも人が来ました。
その方はあっさりと僕を抜き去り、



どんどん進んで行きます。
もう慣れている方なんでしょうね。
でも道の端を歩いています。
踏み外したら真っ逆さまに落ちちゃいますよ。
こんなところですから。



足を滑らせたら、どこまで転げ落ちるんでしょう?


道は砂地で結構滑りやすいです。
途中で足をくじいたらしいおじいさんにも会いました。
まだまだ気を抜くことができません。


20分ほどすると、山小屋が見えてきました。



一番手前が昨日泊まった胸突江戸屋です。
今日は天気がいいので、屋根の上で布団を干しています。

そこにたどり着く前のところに残雪が。



まだこんなに積もっています。
もう雪はやだ。


江戸屋に一度寄って、預けていた荷物を受け取ります。
ちょっと休ませてもらって、お礼を言って、出発。
・・・の前に、トイレ。
今日は宿泊者ではないので200円払いました。
(宿泊者は100円)
そして10時10分出発。


しばらくはとても天気のいい中を歩いていたのですが、
次第に霧が出てきました。



と、このときは思っていたのですが、
よくよく考えれば、そう、
ここは雲の中なんです。
雲の中を散歩。
ああ、それならもっと感慨深く歩けば良かったです。
砂糖をかけて食べたかった。


順調に歩いて、予定通りに七合目の大陽館に。
昨日は見られませんでしたが、ここでは犬が飼ってあります。



いぬ年生まれですが、犬は嫌いです。


さあ、この大陽館からいよいよ砂走りです。
初めてのスパッツをぎこちなくつけました。
そして、いざ対面。



ほぼ一直線にあります。
足を踏み入れてみると・・・ズボッ。
ここまでの下山道も砂地で足が埋まりやすかったのですが、
ここはそれ以上。
一歩目の足が埋まり込んでしまう前に、
次の一歩を踏み出さないといけません。

すると僕の後ろにいた人が、軽やかに走って行きました。
すごく上手。もう何度も挑戦しているんでしょう。
そこで僕も挑戦!よーい、ドン!!
・・・とスタートしましたが、前方に大きな石ころ(いや、小さな岩)を発見。
ブレーキをかけますがうまく止まれず、仰向けにバタッ!!
派手に転びました。
ここからが、悲劇の始まりでした。

いざ立ち上がろうとしますが、
足が勝手に埋まっていって、足場を固定できません。
そのまま前のめりになって、今度はうつ伏せに、ドテッ!!
下手くそなヘッドスライディングでした。
でも今思えば、このままヘッドスライディングで下っていけば
非常に楽だったのではないかと思います。

何とか立ち上がって、今度はほとんどの人がしているように
サッザッと足を砂に埋もらせながら、
ゆっくりゆっくり進んで行こうとしました。
ですがこれをやっていると、つま先に負担がかかります。
前にも書きましたが、ちょっと外反母趾気味でハンマートウ。
なのでしばらくすると痛くて痛くてたまらなくなりました。
そこで少し休もうとしますが、勝手に足が動いていきます。
そう、もはやここは蟻地獄。
もう抜け出すことができません。

仮に立ち止まれても、かなりの体重を足にかけなくてはなりません。
ですがさっきのお鉢巡りで下半身はボロボロ。
すぐにひざがガクガク震えてきます。
そしてまたスッテンコロリン。
全く前に進んで行けません。

先の曲がり角に大きな岩があります。
とにかくあそこまで行って座って休もうと思い、
まっすぐ踏み出すとつま先を痛めますから、
足の甲を斜めに、たとえて言えば
スキーの止まり方のような足の運びで(スキーをやったことがないので何と言うのか知りませんが)
一歩50cmくらい進んで行きました。

ようやく岩にたどり着いて、休憩。
そこまで40分かかりました。
うまく走れば5分くらいしかかからないのではないかと思います。
時刻は11時40分。
13時のバスに乗るためには、急いで下らないといけません。
でも行こうという気になれず、12時まで休んでいました。
この間に江戸屋で買っていたペットボトル500ml1本を一気に空けました。
もう肉体は悲鳴を上げています。

それからも一歩50cmのペースで下山。
もう足は棒のように。
歩きながら考えていたのは、
「河口湖にしておけば良かったなあ。あっちなら馬で帰れたのになあ」
それにしても長い砂道。
でも、止まない雨はない、そう信じて歩き続けました。

緑が見えてきました。



もう近いのかなと期待しながらも、全くゴールが見えず。
緑にも癒されません。
下りがつらいとは噂には聞いていましたが、これほどだとは。


そして、そしてそして、そして、

13時20分、ようやく着きました。砂払五合目。
まだゴールじゃないですよ。
ともかくもゆっくり体を休められる所に着きました。
大陽館出発から実に2時間20分。
標準で1時間ですから、何と倍以上かかりました。
下りは怖い。
ちなみに、あまりの疲労でこの辺りの写真は撮るのを忘れていました。


20分休憩。そして最後の行程。
ここからゴールまで標高で300m。長さ2km。
時間で30分です。
今の体力からすれば、40分なら御の字。
1時間ぐらいかかるつもりで出発しました。

入り口は樹林帯。



これなら楽に行けそうだと思いましたが、



また砂地が・・・。
1時間を覚悟しました。

でもまたすぐに樹林帯へ。それは最後まで続きました。
ただここの下りも、やっぱり大変でした。
とにかく軽やかには歩けません。
何人もの人に追い抜かれました。
でもここは自分との勝負。
自分のペースを守り続けます。

本当に苦しい時間でした。
登りが順調だっただけに下りも問題なく終わると考えていたのですが
山というのはそんなに甘い所ではありませんでした。
そして予定の30分を過ぎて砂払五合目から50分たったとき、
ようやく見えました!昨日お参りをした古御岳神社が!



ああ、やっと家に帰れる~~。
ゴールが見えてようやく元気に。
でも最後の階段がつらい。
それでもそれでも、ついに来ました。



行き止まりではありません。
ここが出口です。
14時30分、5時間かかって下山。
そして昨日雨宿りをした山小屋に戻ってきました。
もう冷たいものが食べたくて食べたくて、
ソフトクリームを2個。
ジュースを500ml飲みました。

そして15時発のバスで御殿場へ。
そこからまたバスで新宿へ。
一番きつかったのは、新宿のバス降り場から駅まで歩いていく道でした。
人が多くて歩きにくい。
人身事故で止まった電車を待たされて、
ようやく我が家に19時着。
長い長~~~い旅がようやく終わりました。

そしてアイスクリームを3個食べました。


まだまだつづく



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