大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

東海圏大学非常勤講師組合について

2009-04-21 23:08:39 | 東海圏大学非常勤講師組合
 私が所属しているのは東海圏大学非常勤講師組合です。
 
 今回の契約解除事件が発生してから、連絡を取り、団体交渉の申し入れ、地方労働委員会でのあっせん、提訴から裁判闘争まで、ほとんど支えられてやっています。
 私も、仕事が忙しいので、一人ではほとんど闘うことは不可能。宣伝資材1つ作れません。今回、訴訟にまで踏み切れたのは、この組合の全面的な支援あってのことです。

 このところ非正規雇用の問題があらゆるところで噴出していますが、大学非常勤講師も非正規の最たるもの。せめて、大学に約束くらいちゃんと守ってもらいたいという気持ちは組合のみなさんも共有してくれています。

 東海圏(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県(西部中心))あたりで、この組合活動に関心のある方、非常勤講師の地位向上をしたい方は、アクセスをしてみてはいかがでしょうか?

 組合のホームページはこちらです。

高森

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第1回公判 傍聴記

2009-04-21 03:48:35 | 裁判傍聴記
4月15日午前10:30から名古屋裁判所において、高森さんを原告、大同大学を被告とした第一回公判が開かれました。組合にとって初めての裁判であり、原告の高森さん自身も、傍聴する私たち(光沢、松岡)も裁判に臨むのは初体験でした。組合側としては高森さんの言い分が間違ったものでないという確信がありましたので、意外とリラックスした気持ちで臨みました。私たちのほかに7名の方がたが支援者として傍聴に参加して下さいました。

竹内弁護士はまず、大同大学に非常勤講師雇用に関する規約があれば、次回の公判までに出すように要請しました。また本件は今年度後期授業のための訴えなのでできるだけ速やかに裁定して欲しいなどを訴えました。高森さんは上申書において、非常勤講師は授業の依頼があった時点ですぐに授業に向けて準備をはじめ、また一生懸命授業を行う機会を与えられることによって、研究実績、著作、教育の実力などを培っていくのだ、そのために一つ一つの講義が賃金のためだけでない大切なものであるという主張をされました。ペンネーム使用の不許可の理由を聞いただけで雇用を取り消されるのは不当だ、言う主張はもちろんのことです。原告側のこれらの主張に対して被告側からの反論は、書類上で高森さんの採用に関しては、複数の応募者のひとりであったので、いったん採用したことを覆したわけではないという対応でした。私たち組合が認識していることとまったく違う主張でしたが、法廷内で被告側からとりたてて生の声が聞こえなかったのは、第一回の公判としてはある程度予測していたこととはいえ、竹内弁護士や高森さんの普段と変わらない声質でありながら断固とした様子と比較して、静かすぎるという印象が残りました。今後どのように展開していくか期待を持ちながら、非常勤講師全体のための裁判という意思を揺るがず持ち続けている必要があります。

初回はあっけなく終わると聞いていましたが、裁判所全体の雰囲気、法廷の様子、弁護士や高森さんの態度など肌で感じ見聞きして、私には思ったより満足のいく体験でした。退廷後、隣接の弁護士会館で傍聴者に対して竹内弁護士から、裁判とはどんなものか、また傍聴人としての心得などを聞いたことも、知識が増え理解が深まったという点で、満足度が高まった要因だと思います。愛知争議団から参加して下さっおふたりは労働問題のベテランで、弱者はひとりひとりで大きな力に立ち向かうとすれば、誰でも自信を喪失する、だからみんなで支えあわなければならない、今日の傍聴人は9人だが、もっともっと多くしてこちら側が大同側をぐんぐん押しやっって圧倒するくらいでないといけない、とのことでした。

裁判の最初に、裁判長が話し合いで和解はできないかと大同大学側に打診しました。これに対し大同大学側は雇用の意思はないと答えました。このことにもわかるように、今回の裁判官はあまり訴えの深刻性を認識していない傾向があるので、非常勤講師が簡単に解雇される立場にあるという問題を良く理解していないという側面がある、だからいろいろな材料でこの件の深刻さをアピールするべきだ、という忠告も頂きました。高森さんの若い友人が5人も関心を持って支援に駆けつけてくれたことは、組合にとっても励ましでした。「裁判とは法律世界のことで遠く感じていたが、ごく日常的な言葉で話されていたことが意外だった。」という意見が印象的でした。



傍聴によって裁判とはどのようなものか、そしてそれにまつわる社会情勢なども多く知ることができます。社会の中の教育、非常勤講師という社会的立場もひとまわり大きな目で見ることができるようになります。高森さんの友人や争議団で長く労働問題に携わって来られた方々と知り合えて人間関係も広がります。できるだけ多くの方が労働者として、ひとりの人間としての価値を確認するためにも傍聴をされることを希望します。 

平成21年4月15日  執行委員 松岡かおる



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Union Extacyを応援します。

2009-04-19 23:10:55 | その他
 いま、大学非常勤講師のあまりの不遇にいろいろなところで立ち上がっている人たちがいます。
 京都大学時間雇用職員組合UnionExtacyもその1つ。名前からしてイってますね。こういうの大好きです。
 たった二人で労働組合を作って、もう組合員増えたのかな?

 京都大学にたいして、
(1)「時間雇用職員は通算5年で解雇」という規定を撤回させる。
(2)時給を2000円にさせる。

 ということを要求しています。

 ざっと簡単な経緯は、北海道大学理学部の栃内新先生が『5号館のつぶやき』というブログにまとめてくださっています。
 栃内先生は、一緒に『新しい高校生物の教科書』を作った仲です。まあ、ぼくの執筆部分は出来が悪くて、ずいぶんご迷惑もおかけしたことと思います。しかし、なかなか読んでおもしろい教科書ができたと自負しております。

 さて、そんなわけで、京都大学時間雇用教職員組合Union Extacyのブログを紹介しておきます。
 大学というところは、理系だとポスドク研究員、文系だと非常勤講師を中心に不遇な職業現場になっております。ただでさえ、厳しい労働条件なのに、さらに大学側が強いのをいいことに勝手にクビを切る、雇用するという約束を守らないなんてことがどうやら日常的に横行しているようなんです。
 それにノーをつきつけましょう。

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争点はここだ!② 成立した契約の破棄である

2009-04-19 23:00:53 | 法律論
 高森さんは、大学の理不尽な対応について、話し合いで解決できないかと、東海圏大学非常勤講師組合に加入し、団体交渉しようとしました。労働組合員が労働組合の立場で団体交渉を申し入れた場合、使用者には団体交渉に応じる労働組合法上の義務が発生するからです。そして、11月21日時点で、組合は団体交渉を申し入れました。
 ところが大学側は、高森さんと大学との間には、どんなかたちの労働契約も存在していない、契約がない以上団体交渉に応じる義務も何もないと、団体交渉を拒否しました。
 しかし、経過で明らかなように、大学側窓口担当者から10月29日に、「授業担当をお引き受けいただき、誠にありがとうございました」との返事があったのです。講義担当につき、大学側と高森さんの双方の意思が確認され、労働契約が成立したのです。
 その後、愛知県労働委員会にあっせんを申請しました。そこに大学側も来ましたが、「契約は存在しない」との一点張りです。結局、大学側は解決金の提示はするものの講義の担当を蹴って、あっせんは不調に終わりました。

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争点はここだ!① 契約の一方的な打ち切りである

2009-04-19 22:45:25 | 法律論
 大同工業大学は、「ペンネームを使用できますか?」との問い合わせに対する対応として、「前例のない事態に対処するだけの余裕がなかった」などの身勝手な理由により、非常勤講師の労働契約を破棄しました。争点は、労働者がその働く条件の希望を述べたりを問い合わせた場合に、使用者側が気に入らないとして、一方的にクビにしていいかどうか、そこで契約は成立していなかったのかです。労働基準法では、労働条件は労働者と使用者が対等に決定すべきとしていますが、これでは使用者側が気ままに一方的に決めていいことになってしまいます。

争点その①
契約の一方的打切りである

 誰しも労働条件について、機会があれば会社側にさまざま質問できます。希望を述べたり賃金のことや残業代、有給休暇などのこともあるかもしれません。会社は、それらについて、懇切ていねいに答えてくれるはずです。また、労働条件の明示は、法律で決まっています。さらに、労働基準法2条は、労働条件は労働者と使用者が対等に決定すべきものと規定しています。つまり、労働条件は、労働者と会社とが話し合いをして合意したものでなければいけません。そのためには、前提として、どんなことでも質問できなければなりません。
 しかし、大同工業大学は、「ペンネームを使っていいですか?」という質問に対して、いきなりクビにしてきたのです。労働条件を話し合って決めることを無視しています。

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