大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

本人意見書

2009-04-18 11:00:31 | 裁判闘争記
 私は、法律のことはよく分かりませんが、一般通念として大同大学の対応はおかしいと思います。それを私の口から言いたかったので、弁護士さんと相談をして裁判所にその時間をとってもらいました。
 その原稿を意見書として裁判所にも提出しています。調書に添付するようお願いしました。
 以下、その原稿を出しておきます。

 高森

 
 意見書

 私は、茶谷講師を通して、大同大学より「環境を科学する」という講義を担当しないかという話をいただいたときに、大同大学の方針に共感し、ぜひ講義を担当したいと思いました。なぜなら、私はボルネオ島やスラウェシ島などのアジアの熱帯雨林、沖縄やパラオなどのサンゴ礁、アフリカのサバンナなど、世界の生態系の取材を続けており、そこで起こっていることを学生のみなさんに紹介し、これから私たちが自然とともにどうやって生きていけばいいのかをともに考えるよい機会を与えられたと思ったのです。私が見てきた生態系は、どこも素晴らしい大自然でしたが、一方で人間の手によって破壊が進んでいました。この現状をどう考え、私たちはどういう行動選択をすべきなのか、科学的な実証や理論も解説しつつ、紹介することで、学生のみなさんにも環境について考えてもらえるいい機会を作れると思ったからです。大学で授業を行うことで、内容を深め、雑誌や書籍にまとめ、社会に対して問題提起を行う。そうした一連の作業の第一歩を、この授業で行うつもりでした。
 ところが、ペンネームを使えるかどうか、またその理由を問い合わせただけで、大同大学側から、こうしたお仕事のチャンスを奪われてしまいました。ペンネームの使用は他の勤務校では大学でも予備校でもすでに認められています。大同大学には大同大学の事情もあると思いましたが、それを説明してもらいたいと思いました。ペンネームにそれほど固執しているわけでもないので、正当な理由があれば本名での出講でも異存はありませんでした。ところが、理由を問い合わせただけで、「今回の話は白紙に戻させていただきます」といわれ、労働契約を一方的に解除されてしまいました。
 大学の非常勤講師のお仕事で契約書や辞令を取り交わすのは、授業が始まってからの場合が多く、それまで待っていてはきちんとした授業を行うために必要な研究や準備をする時間がなくなってしまいます。したがって、大学側からメールや口頭でお仕事の依頼をいただいた時点で、次年度において授業時間を確保するとともに、授業の準備に入ります。
 たとえば私が講義を5年間にわたって行っている大学で講義の依頼が仲介者を介してなされたときのことです。仲介者に対して私が受諾する旨伝えたあと、12月にシラバス作成の依頼があるまで何の連絡もなく、その後いつから授業が始まるかの連絡があっただけで、辞令が交付されたのは初回の授業のときでした。
 私たち非常勤講師は、ひとつひとつの授業を受け持ち、学生に伝える行為の中で、より分かりやすい表現へと磨き上げ、論を練り上げていきます。こうした経験は書籍や論文の執筆の材料にもなり、教育経験と出版物の業績へとつながります。これによってキャリアが決まっていきます。したがって、今回の不当な契約解除で私のキャリア形成にも少なからず影響があると考えられます。
 以上のような事情から、大同大学での授業を行うことを強く希望しております。このような事情をお考えいただきまして、担当することになっていた後期の授業が始まる前に司法のうえでの判断をいただきたいと思っており、8月までに結論が出るよう集中審理をお願い申し上げます。

 以上

ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
 ↓ ↓
人気ブログランキングへ

第1回公判の感想

2009-04-17 04:00:30 | 裁判闘争記
 4月15日、第一回公判がつつがなく終わりました。

 こちらの訴状に対して、相手方が出してきた答弁書は想定の範囲内でした。これから、争点をきちんとつめていく必要があります。
 こちらの主張に対する反論も、ペンネームを使ってはならない理由もあまり明確ではなく、手続き上「契約の成立にいたっていない」というのが主な主張でした。

 まずは優位に裁判をはじめられたんじゃないかと思います。
 警戒すべき点については出してくる時期を見ている可能性もあり気をゆるめるわけにはいきません。今後もしっかり理論的にも運動的にもつめてすきのない闘いをしていきたいと思います。
 傍聴が少なく、裁判官にプレッシャーをかけられるレベルには到底たりませんでした。

 今後の公判には是非傍聴をお願いします。

 傍聴に来ていただいた方はありがとうございました。今後ともご支援よろしくお願いします。

人気ブログランキングへ
ご支援いただける方は、このバナーをクリック!!

裁判に至る経緯

2009-04-17 02:40:42 | 裁判の経緯
裁判に至るまでの経緯を簡単にまとめました。
事件のおもな経過と概要
2008年10月3日 大同工業大学は、来年度開講の「環境を科学するⅡ」(後期)を担当する非常勤講師として、別の大学の教員を通じて高森晃一の紹介を受け、同教員を通じて当事者に打診をした。
10月21日 高森は引き受ける旨の意思表示を同教員経由で行った。
10月29日 大同工業大学教養部の窓口担当者(教員)から、「授業担当をお引き受けいただき、誠にありがとうございました」の返事があり契約成立、同じ文面で、「新規に非常勤講師をご担当いただく方には、【履歴書】の提出をお願いしております。簡単なもので結構ですので、お送りいただけますと幸いです。(メール添付でOKです)」との連絡が付加されていた。 11月4日 高森は大同工業大学あて履歴書を送付するとともに窓口担当者あて「なお、出講名は、ペンネームの高森識史でお願いできますでしょうか?」と問い合わせ。
11月7日 「ペンネームでのご出講につきましては、教室主任と確認ならびに相談しましたところ、大変恐縮ではございますが、ご期待に沿うことはできません。御本名でのご出講をお願いしたく存じます。いかがでしょうか?この点、ご了承いただきたく存じます」との返事のメール。
同日 上記メールに対して「他の機関では、……通用名の使用は認められております。貴校でも、たとえば作家の公演をするときに、本名で、ということはないと思います」。「それができない理由をお知らせいただけないでしょうか?」とのメールを送信する。 11月10日 窓口担当者から、「先生がペンネームでのご出講を強く希望されている件につきまして、再度、協議いたしました。/(他の機関では)認められているのかもしれませんが、本学では、やはりご要望に沿うことはできません(慣行慣例です)。誠に申し訳ございません。/大変残念かつ恐縮ではございますが、今回の件はご縁がなかったということで、白紙に戻させていただきたく存じます。/誠に申し訳ございません」とのメールが届き、一方的に契約を解除。
11月16日 高森は「それでは、出講名を通称にすることは難しいようなので、とりあえず本名でも構いません」とのメールを送るが、返事なし。
11月21日 東海圏大学非常勤講師組合は、本件問題につき、団体交渉申入書を大学理事長あてに送付。
11月25日 回答期限につき、回答なし
11月26日 O人事総務部長に電話で問い合わせ。団体交渉には応じられないとの姿勢。
12月8日 愛知県労働委員会にあっせんの申請
12月24日 愛知県労働委員会にてあっせんの実施。復職を求めたのに対し、被申立人大同工業大学側はこれを拒否し、あっせんを打ち切った。 この段階に至って、大同大学と話し合いの機会は失われ、法廷に出てきていただくよりしかたがない状態になりました。

人気ブログランキングへ
ご支援いただける方は、このバナーをクリック!!

そもそも高森ってどんな人?

2009-04-16 01:40:42 | 裁判の経緯
高森が、どういう経歴の持ち主か、紹介者の推薦文より一部抜粋します。

1:高森氏の豊富な教育経験
 氏は長年受験業界・科学教育業界で実践的授業能力を有している。
 また小学生から大学生までさまざまな人に対する教育経験をも兼ね備えている。
 生徒の人気がないと勤められない大手予備校でも多数の授業を受け持つばかりでなく、高度な専門知識を必要とする模試作成業務も多数担当している。
 さらに『新しい科学の教科書』『新しい高校生物の教科書』などの執筆編集にも携わっており、理科教育の分野で高い技術を持つ。
 その上、M大学で教養科目の『生物学』も担当し、大学生への教育経験も十分である。

2:環境教育について
 休暇にはボルネオ、スラウェシ、インド、沖縄などの現地に視察に出かけ現地の生態系についての知識も豊富である。
 また氏自身が撮影した多数の写真を有しており、授業で映写すれば学生の為になる。
 また氏はエコツーリズムについての聞き取り調査も行っている。
 その成果の一部は雑誌『Rikatan』の記事として発表される予定で、その草稿を拝見したところ専門性の高い難しい知識を予備知識のない生徒学生たちにも分かりやすく伝えるものであった。

3:高森氏の幅広い教養
 氏は以前より生命倫理、セクシュアリティやHIVなど社会と科学の接点での発言を多数行っており(『STS教育読本』『クィア・ジャパン リターンズ』など)、単に科学一辺倒ではなく、社会問題も含めた幅広い知識も有している。

人気ブログランキングへ
ご支援いただける方は、このバナーをクリック!!


「問い合わせする人は不要」?

2009-04-16 01:19:33 | 裁判の経緯
 誰しも労働条件について、機会があれば会社側にさまざま質問できます。希望を述べたり賃金のことや残業代、有給休暇などのこともあるかもしれません。会社は、それらについて、懇切ていねいに答えてくれるはずです。また、労働条件の明
示は、法律で決まっています。さらに、労働基準法2条は、労働条件は労働者と使用者が対等に決定すべきものと規定しています。つまり、労働条件は、労働者と会社とが話し合いをして合意したものでなければいけません。そのためには、前提
として、どんなことでも質問できなければなりません。
 しかし、大同工業大学は、「ペンネームを使っていいですか?」という質問に対して、いきなりクビにしてきたのです。労働条件を話し合って決めることを無視しています。
 高森さんは、大学の理不尽な対応について、話し合いで解決できないかと、東海圏大学非常勤講師組合に加入し、団体交渉しようとしました。労働組合員が労働組合の立場で団体交渉を申し入れた場合、使用者には団体交渉に応じる労働組合法
上の義務が発生するからです。そして、11月21日時点で、組合は団体交渉を申し入れました。
 ところが大学側は、高森さんと大学との間には、どんなかたちの労働契約も存在していない、契約がない以上団体交渉に応じる義務も何もないと、団体交渉を拒否しました。
 しかし、大学側窓口担当者から10月29日に、「授業担当をお引き受けいただき、誠にありがとうございました」との返事があったのです。講義担当につき、大学側と高森さんの双方の意思が確認され、労働契約が成立したのです。
 その後、愛知県労働委員会にあっせんを申請しました。そこに大学側も来ましたが、「契約は存在しない」との一点張りです。結局、大学側は解決金の提示はするものの講義の担当を蹴って、あっせんは不調に終わりました。

人気ブログランキングへ
ご支援いただける方は、このバナーをクリック!!