デンマークの社会とは何であったのか

前回、デンマークの教育の成功の本質は
一貫したウェイがあることとかいた。

では、どのようなウェイなのか?
一つ間違いなくいえることは
デンマークが「自律」を促進している社会だということだろう。

つまり、
デンマークでは、学校・社会・家庭の3つが一貫して
「自律」を促進する環境になっているということ。

その「自律」の重要性は、
OECDのDeSeCo Projectのキーコンピテンシーにも上げられている通り
ビジネス界においてもその重要性は広く認識されており
目指すべき人材像に「自律」を掲げている会社も少なくない。


エドワード・L・デシなどによると
「自律」は「内発的動機」に必要なものであり、
そして、その「内発的動機」は「創造」や「問題解決」をもたらし、
その結果「幸福感」にいたることがわかっている。

「創造」や「幸福感(従業員満足)」などと
多くの組織で課題となっているものの根幹にこの「自律」がある。


自分で自分をコントロールする「自律」が
心の内側から湧き出るやる気「内発的モチベーション」につながり
それが「よりよい活動」をうみ、「幸福度」の増進につながる。

その「自律」をどう育成されるのかということはあまり知られていない。
これだけ注目されている「自律」であるが、
「自律はどうすれば育つか?」といわれて
その本質を答えられる人はどれだけいるだろうか。

ちなみに少なくとも「規律・管理統制・命令」で「自律」が育つわけはなく、
それらは対極にあるものである。
しかし「自律してほしい」といいながら、管理・命令ばかりしている人は、
誰の周りにもいるのではないだろうか。


「自律」を育てるデンマーク社会。
どうやってデンマーク社会の幸福度世界NO1になったのか、
その最も本質的で重要なことを下記の本が説明してくれている。


この「人を伸ばす力 内発と自律のすすめ」は
何度読んでも新しい発見がある。
なぜこの本があらゆる方面で活用されないのか理解できないほど、
「ヒト」や「学び」の考え方の正真正銘の本質がかかれている。
はっきりおすすめと自信を持っていえる名著

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ
エドワード・L. デシ,リチャード フラスト
新曜社






※キーコンピテンシーとは、
OECDによるDeSeCo Projectにおいて、これからの社会において大切な3つのキー・コンピテンシーが定義されている。
Desecoの出発点は旧来の学力観では重要な資質を見落としてしまうということ
Successful lifeとwell-functioning societyに貢献するコンピテンシーに焦点を当てた。人間が望ましい社会生活を送るのに必要な能力

3つのキーコンピテンシー
●Use tools interactively (e.g. language, technology) (相互作用的に道具を用いる)
●Interact in heterogeneous groups (異質な集団内で相互交流する)
●Act autonomously(自律的に行動する)

(参考:競争やめたら学力世界一 フィンランド教育の成功」福田誠治 著
Key competencies for successful life and a Well-Functioning society.2003)
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