ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

応急タイヤのすすめ

2019年09月10日 14時29分43秒 | なぜ?どうして?
少し前から新車の小型車にはパンクしたときにユーザーが対処するのに「パンク修理キット」が備わっています。これはタイヤに注入する「パンク修理剤」とバッテリー駆動の空気入れで構成されています。

余程前には車には5本のタイヤが備わっていたことがあります。5本目のタイヤは「スペアタイヤ」と呼ばれていました。5本目のタイヤの使い道は4本のタイヤの1本に故障が発生したとき、そのタイヤの代替品として使うためのものです。ですからそれは「スペア」だったのです。野球で言えば「ピンチヒッター」の役割です。ピンチヒッターは正規の選手の代替ではありますが、れっきとした「正選手」です。スペアタイヤは一時しのぎの代替品ではなく「正選手」だったのです。
さて、話を車のタイヤに戻しましょう。タイヤにはパンクの故障は付き物でした。私の車歴の中で、パンクした回数はかなりの回数にのぼります。おそらく十数回はあるでしょう。チューブタイヤの時代には1年に1回ぐらいの頻度であったかに思います。
タイヤがチューブレスになりしかもタイヤがスチールベルテッド(スチールラジアルのこと)の構造を採用されるにつれ、パンクが発生する頻度はそれまでに比べると劇的に少なくなりました。それでも時たま起きるパンクのために車メーカーはスペアタイヤを標準で装備していました。その後、標準タイヤと同じサイズのタイヤは重くて収納場所もとるなどの理由で、スペースセイバータイヤと呼ばれるものに変わっていきます。これは文字通りにスペースを倹約するタイヤだったのです。
ところが昨今の小型車にはこのスペースセイバータイヤさえも装備されないのが普通です。冒頭に申し上げた「タイヤ修理キット」がその代わりとなっているのです。
この「タイヤ修理キット」と似たものを実際に使用したことがあります。
それはタイヤのパンク穴をふさぐ薬剤がタイヤ内に充填するための圧縮気体と共に一つのボンベに充填されているものでした。
それを使った経験を申し上げると、はっきり言って使える代物ではありませんでした。その理由は一つには大きなパンク穴をその薬剤ではふさぐことができなかったこと。そしてパンクしたタイヤの空気圧を十分に補うことが出来なかったこと。さらにはそのキットの有効使用期限は短くて製造日からしばらくたつと薬剤の効果はとても落ちてしまうことでした。さらにはこれを使用して修理したタイヤはガススタンドなどでの加硫剤による本格修理が不可能になってしまうことでした。今の車に装備されている「パンク修理剤」が昔わたくしが使ったことのあるものと基本的には違わないものであるとすれば、この「パンク修理キット」もまた「使えない代物」なのでしょうか。
こんなもには頼りたくはないので、このたびこんなタイヤを用意してみました。
このタイヤにはこんな表示があります。
temporary use onlyの標記にあるように「その場しのぎ」にのみ使うようにとのことなのです。そして別のところには使用速度は時速80キロまでとあります。
temporaryにだけ使っても良いタイヤなのですが、タイヤ修理剤よりはかなりましですね。これで高速道路を100キロオーバーで走りたいとは思いませんが、まがりなりにもタイヤの形をしています。タイヤ修理剤よりは信頼がもてますね。
知人がこのタイヤのおかげで助かったことがあります。高速道でタイヤがパンクしているのに気づかずそのまま走ってしまい、タイヤを使用不能にしたことがあったそうです。その人は普段から応急タイヤを装備していて隣県までの行程を無事に往復できたそうです。その話を聞いていたので私も準備しようと思ったのです。
さて、パンクなどの緊急事態に備えるために「JAF」の会員になっている人が多くおります。「わたしはそんな時のためにJAFの会員になっているのだから、大丈夫だ」とは思ってはいるのではないかと推察しますが、JAFは万能ではありません。JAFが出動できない事態だってあるかも知れないのです。

火災保険に入っているから「火の用心」はしなくて良いのだとは誰も考えないのに、自分の車に関してはメーカーやJAFまかせなのはちょっと不思議でなりません。
最後にこの応急タイヤを車に収めたのを見ていただいて、おしまい。



補足
応急タイヤが使用される頻度は極めて少ないとされています。廃車になる車に装備されている応急タイヤの多くに使用された痕跡がないそうです。使用率がほとんど無いならばそれは要らないものだとメーカーは考えて応急タイヤの装備をやめているのかも知れませんが、それならば「パンク修理キット」などの役にも立たない代物でお茶を濁さないで、「パンクしないタイヤ」の装備を真剣に考慮すべきでしょう。わたくしはタイヤのパンクを「発生の確率」とは捉えてはならないと思います。パンクして困るのは自動車を使うユーザーなのです。メーカーの都合にユーザーが合わせる必要はありません。自分が必要と思う装備は自分で用意すべきでしょう。
有名な欧州車の一部には応急タイヤを置けるスペースさえも無いそうです。もしそれを車に装備しようと思えば人が乗る車室内に置くしかない、と知人は言っておりました。絶対に故障しないタイヤなど今はないにもかかわらず、このメーカーの姿勢には疑問を持ってしまいます。







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