「レンタルなんもしない人」と言われる人がいるそうである。その人に密着した番組を見た。
彼は「何もしない」ことを自らの職業としていると自認している。普通であれば「何もしない人」は「無職」と言うはずである。でも彼は自分自身を「無職」とは考えてはいない。「何もしない」ことを職業としているのである。しかもその職業からは原則として報酬は受け取らない。彼に依頼してきたひとの要望に応じて、一緒にご飯を食べたりコンサートに同行しているのである。それらの費用は依頼主が負担する。レンタルさんはそれに要した交通費の実費を頂くだけである。
世の中には無報酬で何かをやることがあり、それらの行為をボランティア活動と言っている。
レンタルさんの行為はボランティア活動に似ているが、自らは自身が行っていることをボランティアとは思っていない。どうやら「職業」と思っているようである。
「何もしないこと」が職業になるという、不思議なことが今は起こっている、と理解するほかはないようである。