ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

外出自粛は読書の好機

2020年04月19日 09時24分41秒 | コロナ
コロナウイルスの拡散を防ぐため、外出自粛が求められています。わたくしは元々、外出するよりは「引きこもり」を好む方なので、この度の「外出自粛要請」は苦にはなりません。
さて、外出自粛の有効活用を考えて実行しています。それは読書です。
今、手元に上記画像の書籍があります。次の3点です。

➀ 『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド)
➁ 『感染症の世界史』(石 弘之)
➂ 『利己的な遺伝子』(リチャード・ドーキンス)

➁の『感染症の世界史』を除けば数年前に購入したものです。
以上の書籍を簡単に紹介します。
➀は人間の歴史上の出来事を「銃などの武器、人間を脅かした病原菌、そして鉄製鋤(スキ)などの農具の発明」の例をあげて、考察したものです。
本書での著者の視点は『スペイン人はアステカ人の王国を征服したが、その逆でなかったのは、なぜか?』という疑問から出発しています。著者は出来事を成功した側からみるのではなく、成功しなかった事例を考察し、『アジア地域がヨーロッパのような発展とは違った道筋をたどったのは何故なのか』というような視点から文明史を叙述します。

次に➁の本についてです。この本の著者、石弘之氏は元は朝日新聞の編集委員を務めた環境ジャーナリストです。世界各地の感染症発生地域に自ら出かけ、その実態を取材・研究してきた方です。この本は2014年に洋泉社から出ましたが、2018年には角川ソフィア文庫に所収されています。この度の新型コロナウイルスを機に増刷されたものです。題名にある通り歴史上でどのような感染症が発生し、どのような結果を社会に与えたのかが書かれています。わかりやすので感染症が何であるのかの概観には役に立ちます。ちなみにこれを読んだわが家内の感想です。「なあーんだ。テレビで池上彰さんが言ってること、全部、この本に書いてあるウー。種本があったんだアー」との事でした。

さて、次の本です。➂は手ごわい本です。入手してから3年以上になりますが、今だ読み終えておりません。何しろ大部な書籍なのです。著者のドーキンスはイギリスの進化生物学者・動物行動学者である 。彼が一般向けに「遺伝子の進化とその役割」を書いた啓蒙書である。啓蒙書とは言ってるが、内容は易しくはない。それなので、3年もたっても読み終えていないのである。
この本の中で著者は言う。『全ての生物は、遺伝子にとっては単なる乗り物に過ぎない』と。人が日々の行動を自分の自由意思で行っているとか、ライオンが狩りをするのは本能で行っている、などは彼らの遺伝子が利己的な事由によりそうさせているに過ぎないと、言うのである。大胆な論であるが、この度のコロナウイルスの活動を見ると、なるほどなと思いたくもなる。

今日は3冊の本をとり上げてみた。自粛要請は私にとっては、読書をしなさいと言ってくれてるような気がするのである。読書がすぐに何かの役に立つかという事は、また別にしてもだ。

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