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「毎日心も体も元気でナチュラル」をモットーに、日々の暮らしのあれこれを、気の向くままに書き綴った日記です

True Love Waits

2007-03-29 | 映画・本・音楽など
(Chris O'Rileyについて紹介する新聞記事の写真)

 昨日は、6ヶ月前からチケットを買って楽しみにしていたChris O'Rileyのコンサートへ行って来た。エイマーが出張先のシカゴからこのコンサートに間に合うように帰って来れるかどうか少し心配だったけど、ぶじ5時過ぎに家に着いたので、ほっ。
 このChris O'Riley(クリス・オ・ライリー)って、日本でもけっこう知られているのかな? アメリカやヨーロッパではかなり有名だと思うんだけど。クラシックの世界でも数々の有名な賞を取っていて相当な実力のあるピアニストだけど、彼をここまで有名で人気のあるピアニストにしたのは、クラシック以外のジャンルの曲(ロックやタンゴなど)をクラシックのようなピアノ曲に「写しとって=transcriptして」演奏するという、彼独自の斬新でユニークな試みだと思う。Nick Drake、Elliot Smith、George Harrisonなど、これまで数人のロック・ミュージシャンの曲を編曲しているようだけど、彼のレパートリーのなかで最も有名なのはなんといってもRadioheadの曲をカバーしたもの。(「カバーする」とか「アレンジ(=編曲)する」とか「adapt(翻案)する」とかいう言い方もあるけど、オ・ライリー本人は"transcription"(=転写)という言葉にこだわっているらしい。でも日本語にすると少し煩雑なので、ここでは便宜的にカバーとか編曲とかいう言葉を使います。)
 Radioheadのカバー曲で構成された"True Love Waits"(2003年6月初リリース)というCDに私が出会ったのは、2003年9月、LAでのこと。一年の在外研修の予定でLAに引っ越したばかりの頃に出会った友人が、「Hollywood Bowl(ハリウッドにある大きな野外劇場/コンサートホール)で、すごいコンサートを聴いた!Radioheadの曲をクラシックのピアノ曲にアレンジして弾く、Chris O'Rileyっていうピアニストのコンサート! これ、ほんとにすごかったよ! Michikoも聴いてみろ! ほれ、ここにCDがあるから!」と、すごい興奮状態で教えてくれたので、さっそくそのCDをコピーさせてもらったのがきっかけ。Radioheadの、アイロニーと諷刺の精神に満ちあふれつつも切なさと甘さと物悲しさの入り混じったあの独特の旋律がピアノの上で見事に再現されていて、すぐに私のお気に入りCDの一枚になった。クラシック界の異端児扱いしたり、「Radioheadの複雑さや深さを表現しきれていない」と批判したりする人もいるようだけど、私はRadioheadとO'Rileyのピアノはやはりそれぞれ別のものとして考えるべきだと思うし、それぞれに独自の魅力やよさがあると思うから、どちらも好き。
 ロック音楽にはかなりうるさいエイマーも、付き合いはじめた頃に私がO'Rileyをしょっちゅう聴いていたので、だんだん好きになったらしい。(まあ今でも「静かに過ごしたい夜なんかに聴くにはいい(=いつでも聴きたいというわけじゃない)」と、かなり留保をつけてはいるけれど。^^;)そんなこんなで、O'Rileyは私たちにとっても思い出深いアーティスト(ミュージシャン)だったので、インディアナ大学のコンサートホール(IU Auditorium)に彼がやってくると知ったときは、即チケットを買ったのだった(それが確か去年の10月くらい)。
 
 コンサートは素晴らしかった。昨日のコンサートで彼が演奏したのは、Shostakovich(ショスタコーヴィチ)の「26のプレリュードとフーガ 、Op. 87」から7曲と、Radioheadの曲から6曲、そしてElliot Smith(エリオット・スミス)の曲から2曲。これらを順に交互に弾いていくという構成。コンサートの最初の曲(ショスタコーヴィチのプレリュード&フーガOp. 87 #18 in F minor)を弾き始める前に、その曲にまつわる思い出を話してくれたのも印象的だった。彼の話をかいつまんで紹介すると、ショスタコーヴィチは、この「26の前奏曲とフーガ」を、1950年にバッハ生誕200周年を記念するバッハ・コンクールで優勝したロシア人ピアニスト、タチアナ・ニコライエワ(バッハ弾きとして有名)の演奏に触発されて作曲した。このコンクールで出会って以来、ショスタコーヴィチとニコライエワは生涯の親交を結び、彼はこの26の前奏曲とフーガをニコライエワに捧げたという。時はくだって1991年、オ・ライリーはたまたまニコライエワとちょうど同じ時期にNYでコンサートを開くことになり、同時期にNYに滞在していたということで、知人が彼とニコライエワを引き合わせてくれて友人になった。そしてたまたまそれと同時期に英国のサッチャー(元)首相がニコライエワの滞在していたホテルで講演することになったため、彼女はそのホテルで練習することができず、オ・ライリーの泊まっていたホテルへ練習させてほしいと言ってやってきた。もちろんオ・ライリーは二つ返事で承知し、彼女が数時間ほど自分の部屋でピアノを練習するのを堪能するという至福を味わった。そしてそのときに彼女が練習していたのが、このショスタコーヴィチの26の前奏曲とフーガだった。そしてその2年後、サンフランシスコで生涯最後の録音となったショスタコーヴィチの前奏曲とフーガの演奏録音を終えた直後にニコライエワは心臓発作(と言ってたと思う、たぶん)で亡くなったらしい。そんなこんなで、いろんな意味でこのショスタコーヴィチの前奏曲とフーガはオ・ライリーにとってはニコライエワの思い出と結びついていて、これを弾くときはいつもニコライエワのことを思い出す…という話だった。ニコライエワのバッハは私も昔から好きでよく聴いていたので、彼のこの話を聞いて、オ・ライリーに対する親近感と彼の弾くショスタコーヴィチへの期待がますますぐぐっと高まった。
 Radioheadのtranscriptionを弾くときは、(おそらくロック音楽のビート感を表現するために)左手をパーカッションのように連打するスタイルが頻繁に登場し、virtuosoというか、華やかで情熱的な演奏スタイルという感じ。それもとてもよかったけど、ショスタコーヴィチの演奏ではまた趣きが違って、もっと端正で穏やかな演奏スタイルで聴かせてくれた。ちょっとグレン・グールドの弾くバッハを彷彿とさせるような感じ。
 彼の演奏をたっぷりと堪能した2時間で、とても幸福な気持ちになったけれど、ただ一つ残念だったのは、こんなに素晴らしいコンサートだったのに、IU オーディトリアムが半分くらいしか埋まっていなかったこと。なんてもったいない!!! 前々から思っていたけど、IU Auditoriumはどうも宣伝の仕方があまりよくない。このオ・ライリーの演奏会だって、知らなかった人がけっこう多いんじゃないかな。そんなに大々的に宣伝してる感じがなかったもん。それとも、IUの音楽科の教授陣や学生たちは、オ・ライリーのようなピアニストは「邪道」とか「異端」とかって風に思ってるのかな…? IU Auditoriumよりもずっと大きいロサンゼルスのハリウッド・ボウルやAvery Fisher Hallを埋め尽くすオ・ライリーは、昨日の観客の少なさを内心どのように受け取っていたのかな…(と、しなくてもいい心配までついしてしまう私なのであった…^^;)

 オ・ライリーに興味をもたれた方は、ぜひこちらのサイト(NPR: Performance Today - Christopher O'Riley Plays Radiohead)で彼のプロフィールを読んだり、彼の演奏をMP3で聴いたりしてみてください(ここのサイトのページを下に辿っていくと、"O'Riley's Radiohead Transcriptions"という項目があって、その下に並んでいる曲名をクリックすると、MP3がダウンロードできます。これらの中では"Everything in Its Right Place"や"Knives Out"などがおすすめ)。彼はNational Public Radio (通称NPR;アメリカの公共ラジオ放送局)で"From The Top"という番組をもっていて(アメリカの若い音楽家やその卵を紹介し、しばしばオ・ライリーが彼らとアドリブで競演/共演したりする番組で、アメリカのクラシック音楽番組で最も人気が高いらしい)、ここのサイトへ飛ぶとこの番組の過去の放送なども聴くことができます。

 おしまいの前に、エイマーとレストランからコンサート会場まで散歩がてら歩いていく途中で撮った写真をいくつか。

    

 結婚記念日のお祝いにレストランで食事する約束は結局流れたままになってしまっていたけど、昨日のコンサートが何よりの結婚記念のお祝いになったかな。とても幸せな一日だった。

 追伸(おいおいブログで追伸するなって?) 
 昨日はこのコンサートの他にも、もう一ついいことがあった。エイミーがうちへ遊びに来てくれて、彼女にガーデニングの基礎を少し教わった。その後いっしょにお茶を飲みながら、私が最近凝っているスプラウト作りや天然酵母のパン作りの話をすると、彼女はスプラウトの手作りにすごく興味を示したので、今度は私が彼女にスプラウトの育て方を伝授。今作りかけのテーブルクロスのデザイン(ってほどのもんでもないけど^^;)についても彼女の意見を聞かせてもらって、なんかとってもいい具合にお互いの知恵や知識を交換。彼女と私はどちらかというと共通の趣味は少ない方だと思うけど(彼女は料理はあまり得意ではなく、デザイン関係やガーデニングなどが得意)、だからこそこうしてお互いを補足しあうこともできるのね。そういう関係を結べる友人はこれまで割と少なかったので、なんだか新鮮。なんでもかんでも出来合いのものを買って済ませる時代になっちゃったけど、だからこそ、こうやって「一から手作りすること」を大事にしたいよね、という点では意見がぴったり一致したから、やっぱり人間関係って底流にある価値観が共通しているというところが一番大事なんだなあ。彼女のおじいさんは自分と家族の食べる野菜や果物のほぼ全てを家庭菜園で育てていたらしい。そこまでいくのは私には到底むりだろうけど、でも少しずつでも自分の食べる野菜や果物を育ててみたいな。とりあえず今年はAmyの指導を受けながらトマトとバジルを植えてみるつもり。

オリジナルのりんご酵母ローフ、我が家の定番に?

2007-03-27 | パン・スイーツ

(りんご酵母で焼いたローフ第3号。りんご酵母でローフ型にして焼いたのはこれが3つめなので、りんご酵母ローフ第3号と命名してます。今回はオーツ麦をトッピング。隣に移っているのは、インディアナ州ローカル・プロダクト(現地生産品)のピーナツ・バター。甘味が抑えてあっておいしい。)

 これは先週焼いた、りんご酵母ローフ第3号。更新が少し遅れてるけど、他にいろいろ書きたいことがあったのと外に出る日が続いたのとで、今頃になってアップ。他にも書きたいネタがたくさんあるんだけど、でもやらなきゃいけないこともいろいろあるので、まあぼちぼちと追いつくように努力します。で、このりんご酵母ローフだけど、実は第1号を作ったときからなぜかエイマーにものすごく好評。 (第1号を焼いたときの詳しいレポートは「自家製りんご酵母のローフ」を参照。)翌日の朝薄くスライスしてトーストしたのを食べた瞬間、「これはNZを離れて(=アメリカに来て)以来、一番美味しいトースト・ブレッドだ!!」と叫んだくらい。「大げさじゃない。本気だよ!」と念を押していたので、一応ほんとだと思う(笑)。彼いわく、「NZで行きつけにしていたxxというすごく美味しいベーカリーのxxというパンの味に似てる」。((ごめんなさい、パン屋さんとパンの名前は忘れちゃいました 彼が出張から帰って来たら訊いて修正します。)
 「そうなの? どのへんがその美味しいパン屋さんの美味しいパンの味をそんなに思い出させるの?」 
 と訊くと、
 「"Sourdough breadと同様に噛めば噛むほど味わいの出てくる深みのある味だけど、sourdoughほど強い酸味がなくて、軽やか。スライスしたときにぼろぼろ崩れない。外の皮はカリッとしていて、それでいて中はmoist(しっとりしてる)。トーストした後にバターを塗ると、(アメリカの市販のパンによくあるように)パンの生地が沈み込んだりぽろぽろ崩れたりせずにすっと塗れて、しかもバターの染み込む量がちょうどいい。で、textureの面でも味の面でもバターとの相性が最高!…だからだよ」
 だって。
 なるほど。やっぱり決めてはバターとの相性なのね(笑)。しかも美味しいものの基準が常にNZにあることもいつも通り(笑)。でもその純粋なまでのNZびいきが可愛いといえば可愛い(ま、私にとってはね)。何はともあれ、こんなふうに言ってもらえるのはもちろん嬉しい で、嬉しかったし、りんご酵母もあまり長く保存しておくと酸味が出て来ちゃいそうだしで、その後たてつづけに同じローフを二本も焼いたという次第。
 私が凝り性だというのがわかってきたせいか、最近けっこう手厳しい批評を加える(=「うん、美味しいよ」の一言の後に「でも…」が続き、「これでもしxxが○○だったらもっと美味しかったかも…etc. etc.」とだめ押しを入れる)ようになってきたエイマー。なので、たまに「これは掛け値なしに美味しい!」とほめてもらえると、こちらも掛け値なしに嬉しい(^^;)。まあ手厳しいのは真剣に向き合ってくれてるということだから、ありがたいっちゃありがたいんだけど、やっぱりほめてもらえる方が嬉しいもんね。
 りんご酵母だとsourdoughほどは酸味が出ないっていうのはほんとだと思う。あんまり酸味の強いsourdoughは私もあんまり好きじゃない。かといって、最近Bloomingfoodsで試しに買ってみたオーガニックのwhole wheat breadとかだと、微妙に甘ったるい味がついてるし、生地が柔らかすぎてトーストしてバターを塗るとバターナイフがパンに突き刺さっちゃって、やっぱり何となく美味しくない。(まあそうは言っても便利だからこういうパンもたまに買っちゃうけど…。)だから私たち二人にはこのりんご酵母のローフがちょうどいいのかも。
 自分のオリジナルで、初めて「わがやの定番」と言えるパンのレシピができた! これってちょっといい感じじゃない?(と、自己満足かもしれないけど、でも本人(+うちの彼)が幸せだからそれでいいんだ~

 この下の写真はりんご酵母ローフ第2号。こちらは第1号と同じく黒ごまをトッピング。こんな少しふっただけでも香ばしい風味が加わるのがごまの嬉しいところ。このときはクープがすごくきれいに割れたなあ。

  


 ポイントは、自家製酵母でつくった中種がよく発酵するまで気長に待つことと、粉の配合を中力~強力粉(Bread flour)200g程度に対してRye flour(ライ麦粉)とWhole wheat flour(全粒粉)を25gずつくらい加えることかな。Bread flourだけよりもパン生地の色がかすかに黄金色を帯びて、見た目も味も美味しくなるから。

 ついでだけど、別項目にして記事を書く余裕がないので、りんご酵母で作ったスコーン・ブレッドもここにアップ。ま、同じりんご酵母つながりということで…(^^;)。レーズン、プルーン、くるみ、ピーカン・ナッツ、いちじく、クランベリー入りと、かなり盛りだくさんのスコーン・ブレッド。これは食べる直前に焦げ目がつくくらいまでよ~くトーストして、サワークリームとジャムを添えて食べると、すごくおいしかった! そして12個作ったうちの半分にはなんとチョコチップまで入れた。こちらは焼いた直後は中のチョコチップがいい具合に溶けて、半分に割るとチョコレートがとろ~り。ああ~極楽~♪

  
 
 りんご酵母の次は、現在バナナ酵母に挑戦中です。

落ち葉かき、終了!!

2007-03-27 | ガーデニング
(写真上・すべての落ち葉を集め終えたところ・・・。この大量の落ち葉を見よ!(こらこら自慢するな・笑))

 ああ~終わった~!! ようやく庭中のすべての落ち葉を集め終えた!! ばんざ~い!!!
 「あのう~、「落ち葉かき、終了!」って、これ普通は秋の日記につくべきタイトルなんですけど…」っていう突っ込みがあちこちから入りそうなんだけど、まあそれは置いといて(笑)。
 この後この大量の落ち葉をいったいどうするのかという問題が実はまだ残っているんだけど、とりあえず落ち葉がお花にダメージを与えるかもしれない状況からは脱したので、ひとまずこれで一段落。(しかしこんなに大量にあっちゃ、庭ゴミ用の紙袋に全部移し替えるだけでもまたかなりの作業になりそう。いったい何袋分になるのやら。いっそ燃やしてしまいたい!…)
 
 今日の朝は7時半に起きて、8時から作業開始。で、日が高くなって温度も上がってくる11時ごろまでに作業を終えることができた。(ちなみに昨日の日中最高気温は29℃で、既に夏のような熱さ。ほんの1、2週間前は8℃とかの日もあったのに…。お花がにょきにょき芽を出すわけだよ。)

 下の写真は今朝の作業風景。
 
 

 庭の隅々まで手を入れて落ち葉をどける作業は大変だったけど、落ち葉をどけていると、そこここから花や木の新芽が顔をのぞかせているのに出会い、それだけで報われた気分になる。花や木の新芽を見ると、その度にぱっと気持ちが明るくなるものね。生命の力って偉大。こんな大量の枯れ葉の下でずっと光のもとに出てくるのを待っていたんだと思うと、落ち葉をここまで放っておいてごめんねという気持ちと、よく頑張ったねという愛おしい気持ちが心の中で交錯。
 しかしチューリップや水仙の葉の形はすぐにそれとわかるものの、それ以外のいろんな花やその新芽は、その姿形を見てもいったいどの花なのか、ほとんどわからないものばかり。これから夏にかけての数ヶ月間に少しずつどんな花が咲くのかわかっていくんだろうな。なんだかわくわく。それに一部の花壇には、なんか野菜らしき植物の芽も出ていた。これ、なんの野菜なんだろう…。私が好きな野菜ならいいなあ~…(と、既に心は色気よりも食い気の方へ・笑)。
 
 では最後に、落ち葉集め開始前と終了後の写真を並べてアップ。

 
(落ち葉掃除を始める前。3日くらい前の写真)


(そしてこれが今朝の落ち葉掃除終了後の写真。この濃い緑の部分は全てツタで覆われている箇所で、落ち葉をかき出すのがほんとに大変だった。このツタ、次の落ち葉掃除シーズンまでに一掃して芝生にしちゃおうかなあ…。誰かガーデニングのたしなみのある人、もしよいアイディアがあれば教えてください。)

 写真奥に見える茶色い部分は、お隣のおうちの庭(隣とこないだから言っているけど、実際には裏と言う方が正しいかな。庭は地続きだけど、玄関から訪ねようとすると、道をぐるっと回って歩いて3分くらいのところにありそうだから)とうちの庭の境目の部分で、どちらの家の管轄になるのかはっきりしない部分。微妙なので両家ともほっといているのか、ずっとwilderness(荒れ地)というか自然林のような状態になっている。落ち葉の一部はここに少し積み上げさせてもらった。^^;)

達成感!

2007-03-26 | ガーデニング
(今朝のガーデニング開始時の写真)

 今日はなんだかすごい達成感。
 なんせ、昨日の日記にも書いたあのすごい量の落ち葉を、庭中からほぼ集め終えたんだもん。(全部、と書けないのがつらいとこだけど…^^; でもほんとにあともう一息!)
 まずは今朝の仕事開始時の写真から、もう一枚。これは庭のあちこちに落ちていた木の枝を拾い集めたもの。枝だけでもこんなにあるよ!



この木の枝、数日前にエイマーが庭掃除をしてくれたときにところどころで集めてくれて、庭の数カ所にぽんぽんといくつか木の枝の束が置いてあったんだけど、そのときはなんだか現代アートっぽかった。数年前に現代アート界で流行(?)してた、nature artとかlandscape artっていうたぐいのインスタレーションっぽい感じ。なのでもうしばらくそのまま置いときたい気もしたんだけど、そうすると落ち葉掃除の邪魔になるので、しかたなく一カ所にまとめて移動した(笑)。その結果が上の写真。

 そして下の写真はキャンバス布を使って落ち葉を移動させているところ。芝生の上に落ち葉を置いたままにしておくと、その下の芝生が枯れてしまうので、とりあえずエイマーが出張から帰って来て最後の処理をしてくれるまでの間、応急処置として石畳のエリアに移動させた。



 ↑こんな大量の落ち葉、よく放置してたな~…。我ながら感心…(苦笑)。これ、すべて(かき集めた落ち葉の向こうに見えている)緑のツタの広がっているエリアに放置してあったもの。



 落ち葉がだいぶ片付いて、ようやく緑の芝生が生き生きと見える(ような気がする感じの)ようになってきたところ(どんなんやねん)。しかし、隣のおうちの芝生と比べるとまだまだ… 隣のお宅は、どうもご主人がガーデニングがご趣味らしく、ほんとにいつ見ても完璧!!…に芝生が手入れされている。こんど思い切ってドアをノックして芝生をきれいに保つ秘訣をたずねてみようかしらん。

 朝の9時から11:30まで作業してお昼を食べた後はいったんガーデニングは休憩。日差しの量が少しおさまった4時ごろから再開、そしてそのまま日がとっぷりと暮れてしまう8時半までノンストップで作業し続けた。その結果が、じゃーん! これ↓



 ちょっと暗すぎてよくわからないかもなんだけど、集めた落ち葉の山。明日の朝またもう一回写真に撮って追加でアップするつもりだけど、とりあえず今日の達成感を今日中にブログにアップしておきたかったので、薄暗い中で撮ったこの写真も載せておきます。あしからず。

 ガーデニングを休憩していた間は、先週あたりから計画していた「テーブルクロスをつくる作戦」に着手。うちのダイニングテーブル、直径2mくらいもあるすごく大きなラウンドテーブルで、市販のテーブルクロスではこんなサイズどこにも見つからない。それじゃ自分で作っちゃおう、ということで、先週Hobby Lobbyという手芸用品店で布を仕入れて来た。友人から借りてるミシンを2週間後には返さなきゃいけないので、これもガーデニングと同じくらい緊急度が高い。今年の結婚記念日の私たち二人への記念の品としてこのテーブルクロスを作ろうと思ったっていうのもあるし。(エイマーのお母さんに、結婚1周年目は紙を使った品、2周年目は木綿の品を贈りあうのよ、と聞いていたので。15周年は銀、30周年は金、50周年はダイヤ…とか、そういうのあるよね。ちゃんと覚えてないのでこの数字と品物の組み合わせはかなりでたらめだけど。こういう大きな節目以外にも、実は1年ごとに贈り合う品の種類に決まりがあるらしい。えーと、3年目はガラス製品だったかな…。)
 テーブルクロスはまっすぐ縫うだけだから簡単だけど、リバーシブルにしようと思って布を2種類買ってきたのと、何せサイズが大きいのとで、縫う分量が多い…。ふう。でも出来上がりが楽しみ♪ 色は来たる夏に向けて、涼しげな白地に紺の組み合わせ。





 今日はガーデニングとテーブルクロス作成以外にも、フラメンコの「セビジャーナス」という踊りの練習も少しやった。これ、今週の木曜日に"International Spouses Circle”の集まりでデモンストレーションすることになっているので…。タマラというスペイン人の女の子と組んで踊るので、まあそんなに緊張しなくて済みそうなんだけど、でもやっぱり少しくらいおさらいしておかないとね。何せこっちに来てから約1年近くフラメンコ踊ってないもん。久しぶりに練習用スカートや衣装のドレスを引っ張りだして来て、鏡の前で少し練習すると、また無性にフラメンコがやりたくなってきてしまった。
 でもここでは先生がいないんだからしょうがない。今はピアノに専念しよう。

 それから今日の達成感に貢献したことがあともうふたつ。手作り納豆の仕込みをしたのと、先週できあがったバナナ酵母で中種づくりを開始したこと。はあ~。なんかいろいろやったな。ピアノの練習が1時間しかできなかったのだけがちょっと心残りだけど…。明日がんばろう。

ガーデニング(へのプレリュード?)

2007-03-25 | ガーデニング
 エイマーは今日からシカゴへ。
 今朝目が覚めたとき、なぜか突然クレープが食べたくなって、朝から何枚もクレープを焼いてそれを朝食にした。(うちは平日の朝はだいたいsteel-cut oatsを使ったオートミールで、土日はパンケーキとかクレープとかベーコンと卵焼きとか、何かいつもと違うものを食べるのがなんとなく習慣。)一緒に食べたのは、バターとシナモンシュガーとヨーグルトで蒸し煮にしたりんごと、こないだ作ったいちごソースの残り、それからクレープには定番のnutella(ヌテラという、ヘーゼルナッツとチョコレートのクリーム)…などなど、いろんなものを乗せてくるくる巻いて食べた。クレープってこうやっていろんなものを乗せていろんな味が楽しめるのがいいんだよね。

 …と、ここまでは前置き。
 今日の本題は、そう、「ガーデニング」。
 エイマーが今日から4日間出張ということで、しばらくピアノ三昧、新しい種類の酵母でのパン作り挑戦、納豆づくり、読書三昧、そしてブログの更新…と、ここしばらくやりたくてもなかなかやれなかったことにcatch upするいい機会だ!・・・と意気込んでいたのに、今日はなぜかガーデニング(というか、ただの荒れ果てた庭の手入れという方が正しいけど)で一日が終わってしまった。うわーーーん!! なんでこうなるの~
 それというのも、ここ数日急に暖かくなって庭のあちこちに花が咲きはじめたせい。ガーデニングの経験がこれまで皆無に等しい私は、秋の落ち葉掃除だけでもふうふう言ってて、冬の間は庭の手入れのことなんてすっかり忘れていた(^^;)んだけど、可憐な花がそこここに現れはじめると、現金にもにわかに庭の様子が気になってきた。
 で、改めてうちの庭をじっくり見て回ると、秋の落ち葉集めを徹底的にやらなかったせいで、けっこうあちこち荒れ果てた風情になっていることに気づいた。(去年の秋に私が落ち葉掃除で四苦八苦していた様子は、こちらに詳しく書いてあります。→「落ち葉掃除 その1」「落ち葉掃除 その2」)これはまずい!! 慌ててブルーミントンでは一番頼りになると言われているMay's Nursery(草花の種や球根や苗を扱うガーデニング・センターみたいなもの)に電話して、「去年引っ越して来たばかりの家の庭で、花が植えられていると知らずに落ち葉を残しておいた箇所があって、根が傷んでるみたいなんですけど、どうすればいいでしょうか?」と、お店の人に訊いてみた。(我ながらけっこう厚かましい…(汗)。)でもお店の人は快く質問に答えてくれて、今からでも落ち葉をどければ大丈夫よ」と言ってもらえたので、ちょっと安心。しかし、これはもう今日すぐさま落ち葉かきを始めるしかない!
 という決意でさっそく庭仕事開始。お天気もちょうどよかったので、他にいろいろとやりたいことがあったのに……という思いは懸命に振り払って、今日は一日ひたすら庭仕事に専念した。
 今うちの庭に咲いているのは水仙、クロッカス、そして名前がわからない花が2、3種類ほどだけだけど、チューリップの花やアイリスの花ももう少しすると咲きそうだし、…やっぱりお庭をきれいにしなくっちゃ!という一心で、ひたすら葉っぱをかき集める作業を続ける。でも、やってもやっても終わらない! ああ…こんなに集め残してたとは思わなかった…。落ち葉を残しておくと後でこんなツケが回ってくるなんて、分かっていたらあのときちゃんとやっていたのに…。つくづく無知ってこわい。結局今日一日では終わらせることができず、作業は明日に持ち越すことになった。ふう・・・。
 この作業の合間合間に心を和ませてくれたお花たちの写真を、ここで一部アップしておきます。でも水仙とクロッカス以外、花の名前がわからないのがちょっと残念…。
 

(これはたぶん「シラー」(scilla)というユリ科のお花。でも自信はない)


(これは言わずと知れた水仙=daffodils。)


(これは去年の秋に私が植えた数少ない球根のうちのひとつ、クロッカス。ちゃんと芽が出て花が咲いた!うれしい~。その隣に植えたチューリップもちゃんと芽が出てる。花も咲いてくれるといいな。)


(これは調べてみたけど、何という名前の花なのか分からずじまい。もしご存知の方がいらしたら教えてください~。)
 
 これらの写真でもおわかりのとおり、お花の周りに落ち葉がいっぱい… お花さん、ごめんなさい
 これから一生懸命きれいにして、手入れも(私にできる範囲でだけど)するので、許してねー…。
 
 落ち葉集めは終えられなかったけど、しかし今日はひとつすごいことを達成した。実は去年引っ越して来てからずっと懸案だった、庭の一角のpoison ivyの一掃作戦にとうとう乗り出し、たぶんほぼ全ての茎(蔓?)を根っこから引き抜くことに成功した(と、思う)!!("poison ivy"というのは、インディアナ州の南部の方に自生するツタで、さわると体中にひどい痒みと腫れが広がるという、恐ろしい植物!一見ふつうのツタのように見えるからよけいに怖い…。これがなんとうちの庭の木に巻き付いていたのです。新聞でもpoison ivyに関する警告記事を目にして、切り抜きにしてはいたんだけど、まさかうちの庭にあるとは思わず、自分では全然気づかなかった。知らずに触る前に、うちに遊びに来た友人が気づいて教えてくれて、ほんとに助かった。) 冬の間、枯れているように見えても、痒みや腫れを引き起こす汁は脈々と蔓(つる)の中を流れているらしく、四季を通じて、このツタに近づくときは手足や顔の周りを極力服や手袋などで覆うようにして、厳重に注意しながら取り扱うように、と新聞記事には載っていたので、手袋を二重にはめて、慎重に慎重に根っこを抜いた。思いも寄らないところまで蔓が伸びていて、その生命力の強さに恐れをなしつつ、でも気づいた蔓は全て抜いた。(でもまだ残ってるかもしれないのがちょっと不安。)抜いた蔓はすぐにyard trash(庭ゴミ)用の二重紙袋に入れて厳重に封をした。抜かれた後も数ヶ月間は毒性を保ちながら生き続けるらしい。恐るべし、poison ivy。 どうか根絶できてますように…。
 しかし既に腕と腰の筋肉が痛いよ。

赤レンズ豆とココナツミルクのシチュー

2007-03-14 | お料理・食事
 
 これは今日の夕食に作った、赤レンズ豆とココナツミルクの煮込みシチュー。すっごく簡単なのにとっても美味しい。
 材料さえ手に入ればすぐに作れる一品なので、久々にうちの父親のためにレシピをのせておきます。レンズ豆って水に戻さずに使えて、しかもすぐに柔らかく煮えるので、お豆好きにはとっても嬉しい食材だよね。

 **材料(4-6人分)**
 玉ねぎ 小1個(みじん切り)
 生姜のみじん切り 小さじ2
 ハラペーニョ・ペッパー(メキシコ産の極辛唐辛子)大1個(粗みじん切り)
 赤レンズ豆 (計量カップで)500ml分(挽き割りにしてあるもの。英語だとsplit red lentils)
  (3-4回水を換えて洗っておく)
 ターメリック 小さじ1
 カイエンヌ・ペッパー 小さじ1/8(辛いので入れ過ぎに注意)
 ローリエ 1枚
 ココナツミルク(缶詰) 450gくらいのもの1缶
 香菜(コリアンダーの葉。cilantroとも呼ばれる。) みじん切り1/4カップ分+数束を盛りつけの飾り用に
 マスタードの種子 小さじ1
 ヨーグルト 1/4カップ
 
 一緒に食べるのにおすすめなものとして、
 バスマティ・ライス(1カップに対し2カップの水を入れて炊飯器で普通のお米と同じように炊けます)
 ブロッコリーまたはカリフラワー(蒸す。硬めに蒸してバターとショウガ小さじ1とターメリック小さじ1/2で炒めると、さらにベター)
 
 ***作り方***
1)バター(または好きな植物油)を大きめの底の厚い鍋で熱し、玉ねぎ、ショウガ、ハラペーニョを炒める。
2)2分ほど炒めたら、洗っておいたレンズ豆、ターメリック、カイエンヌ・ペッパー、ローリエ、水(または自家製のベジタブル・スープストックがあればそれを)3カップを入れ、塩小さじ2/3~1ほど(お好みで調整)を加えて沸騰させる。沸騰して来たら火を弱め、ふたを少しだけずらしてのせ、ことこととレンズ豆が柔らかくなるまで(約15分程度)煮込む。
3)ココナツミルクを加え、さらに5分ほど煮込む。ここで味見をし、好みで塩加減を調整し、食べる直前に香菜を加え入れて混ぜる。
4)盛りつけの直前に、マスタードの種子をバター小さじ1ほどで1分ほど熱し、それをシチューに加える。

*ブロッコリー(またはカリフラワーなど好みの野菜類)はレンティルのシチューを作っている間に蒸したりゆでたりしてスタンバイさせておく。
*香菜、マスタードなどはなければなくても可。香菜の代わりにパセリなどでもおいしい。

 今日のうちの夕飯は、これに人参の胡麻マヨネーズ和えを入れたサラダと海老とセロリの和え物を添えて食べたけど、実はこのレンズ豆のシチューとバスマティ・ライスだけでもかなりお腹がいっぱいになっちゃうかも…@@; (最近、夜はなるべく軽めにしようとしているんだけど…。ただいま、満腹中^^;)

 

自家製りんご酵母のローフ

2007-03-14 | パン・スイーツ
 前回報告したりんご酵母のバゲットに引き続き、今度は同じ酵母でローフ(山型パン)を焼いてみた。今回はストレート法ではなく、中種(酵母液をパンにする粉の一部と混ぜて前もって発酵させたもの)を使用する中種法でトライ。
 だんだん自家製酵母でのパン作りのコツがつかめてきたのか、それとも春が近づいて気温(とともに室温)が上がってきたおかげなのか、それともその両方か、とにかくだんだん自家製酵母のパンがうまく発酵するようになってきた。しかも中種を使用した今回は、やはりその分(ストレート法でやった前回よりも)しっかり発酵してくれた気がする。

ここでちょこっと、中種を作る行程の写真を一部公開。

(中種発酵開始(酵母液90gと粉90gを混ぜた直後))


(中種発酵開始から4時間後。二倍に膨らんでるのが分かるかな?輪ゴムが目印です。)


(そしてこれは発酵完了後の中種をパンの生地に練り入れるところ。うまく発酵した中種は山芋のとろろのようにどろっとしています。)

 できあがったパンは前回のストレート法のものに比べてりんごの香りこそ少し劣るものの、風味や食感(texture)はこちらの方が断然better。それにこのやさしい風味やもちっとした食感、噛むほどに増す味わい、天然酵母のパンって手はかかるけど、それだけの価値はあると思う。もちろん、市販イーストを使ったパンもそれはそれで美味しいと思うけれど…。(余談だけど、私がこっちで買った"The Bread Bible"や"The Bread"という本(どちらもアメリカでは最も権威あるパンの本の一冊に入る)のレシピで作っているパンは、どうも日本の一般のレシピで用いられているのに比べて、使用する粉の量に対するイーストの割合が少なく、発酵温度も低めで、その分発酵時間も長い気がする。だからうちで焼くパンは、市販イーストを使用したものでもイーストの味はそれほど気にならない。私の個人的な感想だけど…)
 いずれにせよ、天然酵母のパン作り、コツがつかめるにつれてだんだん楽しめるようになってきた。

 

 焼き上がったパンにナイフを入れて中の焼け具合を確かめる瞬間はいつもどきどき。味見する瞬間もどきどき。そしてこのパンをどんな風にして食べようか(ジャムをのせるかチーズをのせるかバターをのせるかetc.)、考える瞬間はわくわく。パン作りって、趣味と実益を兼ねててほんとにいい趣味だ~(自画自賛?)。


「Human Nature II」展

2007-03-11 | 映画・本・音楽など
(実際の展示の写真は撮らなかったので、これはinvitation cardに載っている写真を撮ったもの。悪しからず…)

 昨日はエイマーのオフィスへランチを持ち込んで一緒にお昼を食べた後、彼のお昼休み時間を使って、インディアナ大学の美術館のギャラリーで開催されていた"Human Nature II: Future Worlds"という展示を観に行って来た。これはブルーミントンで先々週あたりから始まった"Arts Week 2007"(期間は2週間くらいかな?)とも連動している、インディアナ大学の「Art & Science 」プロジェクトの一環で行われている展示の一つで、そのタイトルとコンセプトのとおり、「現在の科学テクノロジーの進歩につれて、人間や地球の未来とがどのように変化していくか」をテーマにした様々な作品が展示されていた。エイマーは化学研究者で、かつ芸術的な感性や創造力もかなり豊かな人なので(自分のパートナーをちょっと臆面もなくほめすぎ?すいません ま、新婚だし大目に見といてくだされ^^;)、アートと科学のコラボレーションの可能性を探ることにも興味をもっているらしいので、この展示は前々から観たいと言っていたんだけど、忙しさにまぎれてずっと行けてなかった。昨日が展示最終日ということに前日に気づいて、ようやく昨日行った。滑り込みセーフ。
 展示のなかで一番興味深かったのは(とエイマーが言ったのは)、上の写真の右下に写っている"Genesis"というタイトルのインスタレーション。この小さな写真じゃよくわからないかもしれないけど、これは大きな暗室にしつらえられた部屋の中で、四方の壁すべてにスクリーンが据えられ、向かって正面には遺伝子だか細胞だかの顕微鏡写真、その左隣には遺伝子暗号のような文字の羅列、右隣には「神は人間にこの地上のすべてを支配するよう定められた。水の中を泳ぐすべての魚、空を飛ぶすべての鳥、地上を動くすべてのけもの、これらすべてを人間が支配するように。」といった意味の英語、そして背面には何かのデータ信号か暗号のような点と線の羅列が映し出されている。そして背後では、どことなく耳障りで人を不安にさせるような音楽というか、効果音と不協和音の組合わさった音がBGMとして流れている。つまり、こうした遺伝子操作をすることの意味について、私たちにいろいろと考えさせるのが目的のインスタレーションということらしい。(暗号のような文字の羅列やデータの羅列が何を意味しているのかが私には最初分からなくて、この全体の意味は実は彼の解説を聞いてから理解したので、ただの受け売りなんだけど…^^;)。確かにそういう意味が込められていることを理解すると、興味深い作品だった。
 私がいちばん好きだったのは、"Macro-fauxology"というタイトルのついたスチール写真作品。人間の細胞や微小器官の形状を様々な材質のマテリアル(材料)を使って再現したものを写真に撮り、それらの写真が30枚くらい壁一面に並べられた作品。


("Macro-fauxology"という作品の一部。実際はこのような写真が何枚も一面に並べられていて、色も赤ー橙ー黄系、紫ー青ー緑系など、様々な色が組み合わされていた)

不思議な色と形の組み合わせが何とも言えず幻想的な雰囲気を醸し出していて、遠くから眺めると、まるで竜宮城の中に吸い込まれたかのよう。そして近づいてみると、人間や生物の様々な器官や細胞を模した形が、この作品の一部になっていることで、妙に可愛く見えてくる。なんだか愛しいとさえ思えてくる感じだった。

 今日は久しぶりにエイマーのオフィスへ遊びに行った(?)ので、彼のオフィスの写真を撮らせてもらった(勝手にだけど)。


(オフィスで仕事をしているエイマー。使っているパソコンは、もちろん(?)マック!)


(これは彼が最近研究会の仕事で行ったHope Collegeでもらってきたお土産。靴に彫り込んであるHope Collegeの文字が見えるかな?すごく大きな木靴なので、一瞬彼が履けるようにと彼のサイズを測って特注で作られたものかと思ってしまった…・笑。でもそうではなかったらしい。しかも彼、ためしに履こうとしてみたら、「ほんの少しだけど小さすぎて入らなかった」だって。いったいどんだけ大きい足しとるねん・笑)

 どれだけこの木靴が大きいか、この写真を見ていただけばわかるかな?↓


(ちなみに右上の「創」の字は、恥ずかしながら私の作品。モダン書道というか、アート書道というか、もっと自由に書を楽しもう、というコンセプトの新しい書道みたいなのを東京にいたときに少しかじって、そのときに作ったもの。「creativeであること」を一番の座右の銘にしているエイマーのために作りました。お粗末ながら…^^;)

 エイマーと美術展を観た後は、なつきちゃんとピアノのレッスン。この日も学ぶことがたくさんあった。
 今練習しているモーツァルトのソナタで昨日なつきちゃんに言われたのは、「きれいに弾けているけど、パッションや感情がまったく感じられない」。うるっ…。「きれいに弾けている」と言っても、もちろん「私のレベルなりに」、という意味だから、これははっきり言って「全然だめ」と言われたに等しい。はあ~…。でもでも、私はモーツァルトってふだん誰かの演奏してるCDとかを聴いてもあまり心が動かないし、だから自分で弾いててもなかなかパッションを見いだせないのかも…と、いちおう先生に向かって自己正当化しようとしてみたものの、なつきちゃんが「それでは少しだけ私が弾いてみます」と弾いてくれたのを聴くと、確かに私が弾いたときとまったく違う音楽に聞こえる。感情の動きもある気がする。「たとえばここのパッセージなんかは、小鳥が楽しそうに歌ってるような感じ、ここのパッセージはオペラで歌手が歌っているような感じ、そしてここは深いホルンの音のようなイメージで…」なんていうなつきちゃんの解説を聞くと、自分のイメージ不足が痛いほど思い知らされる。そうだな。ピアノをやってるからって、ピアノだけ聴いてちゃだめなのね。オーケストラの音楽を聴いたり、オペラを見たりして、いろいろとイメージをふくらませなきゃいけないんだ。文学研究でも、その小説だけ読んでちゃだめで、その時代の経済やら社会やら、様々な背景を勉強したり、その時代の音楽を聴いたり、そうやってイメージをふくらませないと、とっても単調な研究というか、通り一遍のつまらない「読み」になってしまうもんね。それとおんなじだなあ。はあ…何事も奥が深い。あたりまえだけど。
 
 ショパンのエチュードは今の私のテクニックでは思うように弾きこなせないことがわかったので、とりあえず今のレベルで最善と思えるところまで仕上がったところでよしとして、次の曲を練習することになった。これまでの弾き方の癖を少しずつ矯正していきながら、またいつか戻ってくればいいので、あまり一つの曲や作曲家にobsessiveにならない方がいいというなつきちゃんのアドバイスに、ちょっと心が軽くなる。そして次に挑戦しようとなつきちゃんと決めたのは、なんとラフマニノフ(!!)。(ほんまに弾けるんかいな?・ちょっと不安。) 私はラフマニノフのピアノ協奏曲とかパガニーニ狂想曲なんかが大好きで、大学院生の頃、論文を書くときにBGMにしてしょっちゅう聴いていた。彼のピアノ曲を弾くのはずっと憧れだったけど、まさか自分が弾ける日がくるとは思ってもみなかった(って、まだ弾けてないけど・笑)。とりあえず、練習させてもらえるだけでも既に夢見心地。なつきちゃんが選んでくれた曲目は、プレリュード嬰ハ短調Op. 3 No.2。ラフマニノフは手がとても大きい人だったので、彼の作曲した曲は手が大きい人向きのものが多い。それで手が大きいというか、指が長めの私には向いてるとなつきちゃんは思ってくれているようなんだけど、果たしてその期待に応えられるかどうか・・・ とにかく、がんばります。

 昨日の夕飯はエイマーが同僚の人たちと外食する日だったので、一人で食べた。冷蔵庫の残り物を活用するレシピを一生懸命考えて、こないだ照り焼きにしたテンペをお肉の代わりに使い、ネギとセロリと一緒に炒め、そこにさらにキムチも少量投入し、最後にテンペを照り焼きにしたときのたれを自家製ベジタブル・スープストックでのばしてソースにしておいたものを焼きそばソースの代わりに使った、なんかかなり即興料理風の焼きそば。最後にかけた胡麻も大事な隠し味。題して、「照り焼きテンペとキムチ入りネギとセロリの焼きそば」(長いって・笑)。しかし適当に作った割にはけっこう美味しくできたので、いちおう写真もアップしときます。


リジューベラックでサワー種のパン?

2007-03-11 | パン・スイーツ
 こないだから実験していたリジューベラック酵母で作った中種の残りが冷蔵庫の中で使われないままになっていたので、これを一種のサワー種(sourdough culture)と見立てて、リジューベラック・サワー種(もどき)パンを作ってみた。配合も、いくつかのsourdough breadやpre-fermentを使うパンのレシピを参考にしつつ、あとは自分の直感を頼りに適当に割り出した分量でやったので、正真正銘、みちこ’s オリジナルのパン(といえば聞こえはいいけど、実際はただの実験・笑)。

 リジューベラック酵母にライ麦粉を掛け合わせて作った中種、だいたい1週間半くらい保存していたので、少し酸味も出て来ているし、これを使って作ったらきっとサワー種風の酸味のあるパンになるんじゃないかな、ということでのネーミングなんだけど、中継ぎを続けて定期的にやっていたわけではなかったので、この中種の酵母としての力は既にかなり弱っている。なので、これを生地の一部だけを先に発酵させておく手法における"pre-ferment"生地と見立てて使うことにした(なんか見立てばっかり・笑)。メインの生地部分はbread flour(日本でいう強力粉の一種)とwhole-wheat flour(全粒粉)、水、塩少々、そしてイースト。ただしイーストは通常の1/2以下の分量に。pre-ferment(中種)とメインの生地との割合は1:2にして、今回のパンでようやくリジューベラック酵母の中種を全部使い切った(バンザイ!^_^)♪

 その結果できたのが上の写真のパン。配合も何もかも自己流の実験的なパンだったけど、なかなか美味しく出来上がった♪
 しかしせっかく久しぶりに粉の分量も多めにしてsubstantialな(=食べ応えのある、しっかりした)パンを焼いたというのに、パンを焼いている間、ブログの更新やコメント書きに夢中になっていたせいで(笑)、オーブンの中のパン生地の様子をチェックするのを怠り、そのせいでちょっと焼き色がつきすぎのパンになってしまった…(無念)。
 これが焼き上がり直後のリジューベラック・サワー種のパン。↓



 これだけでは分かりにくいかもしれないので、参考までにふだん私が焼くパンの一例をここにアップ。焼き色の違い、わかるでしょうか?


(今年1月に焼いたmulti-grain bread=雑穀パン)

 うわ~ん、せっかく久々にしっかりしたパンが焼けたのにい~…私のばか! 
…と、焼いた直後はかなり自分の不注意を呪っていたんだけど、この少々焼け過ぎ気味のサワー種(もどき)パン、食べてみると意外にも美味しかった。かなり色が濃くなるまで焼かれたおかげか、ちょっとクレームブリュレなんかと似たようなキャラメルっぽい香りがして、これはこれで深い味わいのあるパンになっていたと言えるかも。(と、いつも最後にはすごく自分に都合良く解釈する私であった…・笑。)でも、実際にパンをかなり色が濃くなるまで焼いて、そういう焼き加減ならではの味わいを出すのが好みのパン職人もいるらしい(そしてちなみにそのことを"caramelizing the bread"というらしい)から、私の解釈もあながちひどい我田引水ではない(はず)

 いつものパターンで、パンを焼いた翌日(昨日)のランチ(エイマーのお弁当)は、そのパンで作ったサンドイッチ。


(二人分のサンドイッチ製作中…。ひとつは私のmost favoriteであるアボカドとトマトとクリームチーズにフレッシュバジルをのっけたもの、もうひとつはチェダーチーズとローストチキンのハム。彼の大好きなベーコンのサンドイッチは最近しばらくお休み。)


(パンを焼くのは好きでも、パンをきれいに均等に切るのが苦手な私…。スライスはたいてい彼の役目^^;)

 昨日はこのパンで作ったサンドイッチをエイマーのオフィスに持っていって二人で一緒に食べ、彼のお昼休みに大学内の美術館ギャラリーで開催されていたart展を観に行った。これについては「日々のあれこれ」のカテゴリーで、別記事にてご報告します。

りんご酵母のバゲット

2007-03-09 | パン・スイーツ
 
 第一回目のりんご酵母(2月初め頃に作ったもの)はどうも酵母の力が今ひとつ弱かった気がしたので、先週始め頃から第二回めのりんご酵母に挑戦。酵母液は先週の終わりには完成していたんだけど、リジューベラック酵母の実験もしていたし、それ以外のことでばたばたしたりしていたので、とりあえず冷蔵庫で保存しておいた。
 でも早く使わないと、せっかくの酵母の力がまた弱ってしまうかも…、と気持ちは焦る毎日。
 
 そんなわけで、昨日ようやくこの2回目挑戦のりんご酵母で最初のパンを焼いてみた。
 今回は、酵母そのものの力がどのくらいかを見てみるため、中種法(酵母液を少量の小麦粉と混ぜて4日~5日間くらいかけて作る方法。こうすると酵母の力が安定して強くなる)ではなく、ストレート法(酵母液をそのまま酵母として用い、作りたいパンの分量の小麦粉とこの酵母液をいきなり混ぜてパンを作る方法。この方法だと、パンのふくらみ方は中種法よりやや劣るけど、酵母のもとの香り、たとえばりんご酵母ならりんごの香り、いちご酵母ならいちごの香りが際立つパンができる)でやってみた。
 そうすると、やっぱりふくらみ方はあまりよくなかったものの、ほんとにりんごの香りがぷ~んと香る、ほのかに甘いパンができあがった。ほんとは型なし直焼きパンにする予定だったんだけど、成形する段階になってもけっこうだれっとした生地だったので、焼く前から「こりゃあまりふくらみそうにないな」と観念して、なんとかパンの形になってくれるようにとバゲットの型に入れて焼くことに。でもこれがけっこう正解だったみたい。パンのふくらみ方はそれほど強くなかったけど、前回のりんご酵母の時に比べて、あきらかに軽めの生地に仕上がってる! そして焼いている最中から、りんごの爽やかな香りがふんわりとキッチンから家の中に広がって、なんだかすごく気持ちが安らぐ感じだった。最初は「また天然酵母の実験してるの?」と(明らかに「懲りないね~」と言わんばかりの声で^^;)言っていたエイマーも、キッチンの隣の部屋で仕事をしながら、「お、けっこういい香りがしてくるね」とか言ってたし。
 

(焼き上がり直後)

 パンは焼きたてが一番、なんてよく言うけど、実は焼いてすぐにパンを切るのはBig No Noで、焼いてから最低1、2時間は待って、パンがある程度(または完全に)冷めてから切らないと、うまく切れないし、味もあまりよくない。パンの水分が完全に飛んでしまって、生地の状態が落ち着いた頃が一番の食べごろということらしい。(ケーキもマフィンも同じだけど、パンも焼きたて直後よりも、ある程度時間がたってからの方が美味しくなるものが多い。)でも、オーブンから出てきたばかりのパンって、香りも最高だし、ついついその場ですぐにスライスして味見してみたくなっちゃうんだよね。で、今回もその誘惑と一生懸命闘いながら1時間くらい待った末に(今回のバゲットは「超」細身だし、ま、こんくらい待てばいいよね!ということで)、ようやくパンをスライスして試食タイム。
 「ダ・ヴィンチ・コード」のDVDを見つつ、チーズ3種類とアプリコット・ジャムをのせたものをエイマーと一緒に食べた。りんごの香りとほんのり甘い味がするパンだったので、やっぱりジャムで食べたのが一番美味しかった。

 
 (パンをスライスしたところ)

 そして今朝はこのパンを使ってバゲット・サンドイッチを作ってみた。これが今日のエイマーと私のランチ。パリにいたときよく見かけた、細身のバゲットを丸ごと使ったバゲット・サンドイッチを想定していたんだけど、ぶつぶつ切ってしまったので、ちょっと違うものになっちゃったかな…。でも気分(だけ)はパリっ子のつもり(笑)。

 
 (これ3つとも、エイマーの分。これに加えてスナックとして手作りマフィンも一緒に持っていく。ちょっと食べ過ぎ?(笑)。奥のにはさんである黒い物体は、テンペというインドネシアの大豆発酵食品を照り焼き風に味付けしたもの。食感と味がちょっとお肉に似ていて、栄養的にもタンパク質や脂質が豊富なので、ベジタリアンはよくこれをお肉の代用食品として使っている。味付けに工夫するとけっこう美味しいよ。)

 昨日はこれに加えて、抹茶小豆マフィンも焼いてみた。これはマフィンのレパートリーの中では初めての試み(といっても別にそんなにたくさんマフィンのレパートリーがあるわけじゃないんだけど・笑)。今回はまだ試作だったので、味と食感はまだもう少し改善の余地ありって感じかな。それなりに美味しかったけど、甘みと油脂分をもう少し加えた方がよかったな~…と思ったので。(私が甘みが足りないっていうくらいだから、これはよっぽど砂糖を控えめにし過ぎたんだな^^;)

 
(今度また再トライして、もっと美味しく出来たときにレシピをアップします。)

 昨日の夕飯は、ごぼうが一本だけ存在を忘れ去られて籠のそこで眠っていたのを発見して、それを使いきってしまいたかったので、ごぼうと納豆のチャーハンを作り、それにかぼちゃとヨーグルトのサラダ、わかめと大豆もやしのスープを添えて食べた。エイマーにはどれも今イチの反応を返されたけど、私としてはどれもけっこうおいしかったんだい。
 ちなみに今日の夕飯は、エイマーが「今日は早めに夕食を食べて、またラボに戻って仕事をしなきゃいけないから、もしまだ夕食の支度できてないなら僕が作るよ」と電話して来たので、それなら、とエイマーに全部任せることにした。(もしかして納豆が続いたから、そろそろこういうものが食べたいっていう合図だったのかも…? ^_^;)。牛ひき肉と鶏の胸肉を帰り道に買って来て、牛肉のハンバーガーとチキン・バーガーと、二種類のバーガーを作ってくれるという。ヘルシー度では満点とは言いかねるメニューだったけど、でもこうして彼が一人で全部作ってくれて、それを見ながら私は雑誌を読んだりしてるっていうのはなかなかいい気分。。。人に作ってもらったものって、なぜか2倍くらい美味しく感じるんだよね。
 しかし、ひき肉をこねてハンバーグを作るところからパンにすべてをはさんでお皿に載せるまで、なんとキッチンで作業することものの20分くらいで作り終えてしまった。なかなかやるな。(っていうか、作業の速さでは、私全然負けてるかも…。)そいでもって、食べ終わった後は、さっと車に乗ってオフィスへ帰っていってしまった。なんかこうしてみると、一陣の風が吹き抜けていったような感じ。夕飯食べたっていう実感が今イチないかも…(笑)。でもま、サワークリームとトマトとチーズ、そして私の自家製スプラウトを一緒に挟んだバーガー、けっこうヘルシーで美味しかった。エイマー、さんきゅう。