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「毎日心も体も元気でナチュラル」をモットーに、日々の暮らしのあれこれを、気の向くままに書き綴った日記です

チャリティ・コンサートの報告

2011-04-20 | コミュニティ
 17日のチャリティ・コンサート。

 終わってみてまだいろんな思いが去来しているところだけど、全体的にみれば、かなりの成功をおさめた…と言っていいと思う。

 来場者数が私の予想を大きく下回ってしまい(100-150名の予想に反し、実際に来てくれたのは50-60名ほど)、最初はどうなることかと思ったけれど…。(いやほんとに冷や汗ものだった

 →今回で得た教訓。人はカフェやお店の掲示板に貼ってあるポスターは見ない。
 (かなり大きくて人目を引くポスターだったので、何軒かのカフェやレストランやお店が特大サイズのポスターを貼らせてくれたときは嬉しくて、これできっとこのポスターを見てやってくる人がいるはず!…と思っていたのだけど、甘かった そして友人や知人に、もっとpersonalなメールで(グループメールではなく)招待状を送り、さらに何度かreminderを送るべき。…これをもう少しやっていれば、あともうちょっと来てもらえたような気がするなあ… ポスターとラジオ(で宣伝を放送してもらえたので)とfacebookだけで宣伝した気になっていた私はかなり甘かった。

 
 当日はコンサート開始1時間前に関係者が会場に集まり、それぞれに準備。演奏者はリハーサル、私たちハンドクラフト・プロジェクトの母親組はチャリティ・セールの準備(イヤリングその他のディスプレイ、受付デスクのセットアップなど)をするなか、時間はあっというまに過ぎ去り気がつくともう3時。


 〔写真1と写真2〕前方の後姿がHさん(私が今回のプロジェクトを起ち上げた最初からずっと助けてくれました。ありがとう、Hさん~)、真ん中奥と手前右はイヤリング制作に大活躍してくれたNさんとMさん。Nさんは育児と仕事とイヤリング制作と、3足のわらじをはいて頑張ってくださいました。Mさんはイヤリングのディスプレイ方法を工夫するのにも一役買ってくれて、公園で拾ってきた大きな木の枝(小枝がたくさんついているもの)で、イヤリングスタンドを作ってくれました。ナチュラルな雰囲気+鶴が飛んでいるようなディスプレイが大ヒット!Mさん、ありがとうございました♪ 〔写真3:R.Hさんから拝借〕そして大人気だった折り鶴イヤリング。

 わあ、もうコンサート開始時間! セットアップ作業はここでひとまず切り上げて、お客様を迎えなくては!

 …と慌てたものの、来てくれているお客様の数が私たちの予想していたよりもずっと少ないことに気づく。子どものいる家族もけっこう誘ったし、遅れてくるのかも…とか、案内にはコンサートの開始時間3時とだけ書いて、会場オープン2時半などの時間指定を全くしていなかったので、出遅れてくる人もけっこういるのかも…とか、いろいろ自分に言い訳をしてみたけれど、3時15分くらいまで待ってもお客様の数はほとんど変わりなし。
 演奏者の人たちももうスタンバイして待っているし、そろそろコンサートを始めないと… と、後ろ髪を引かれる思いでコンサート会場のsanctuary(聖堂)に入る。
 教会側と私とのコーディネート役を務めてくれたスーザンがまず始めの挨拶を述べ、私にバトンタッチ。私もごくごく簡単に挨拶を済ませて、演奏者代表のMさんにバトンタッチ。
 Mさんの挨拶と謝辞、そして演奏者仲間の紹介が終わるとコンサートが始まった。(ちなみにMさんは仙台出身でご家族の方が今回の震災で被災されたそうで、それが今回のチャリティ・コンサート活動の原動力になっているということ。)

 私はコンサート終了後にまとめの言葉と謝辞のスピーチをすることになっていたので、やはりコンサートは全て聴くべきだろうと自分に都合よく解釈(笑)し、レセプションルームでチャリティ・セールの準備や販売をしてくれているみんなには「ごめん~」と心の中で謝りつつ、最初から最後までほぼコンサート会場にとどまって音楽を聴かせてもらった。(役得、役得

 コンサートのプログラムはバラエティに富む選曲で、何より一人一人の演奏が本当に素晴らしかった! 心がこもっているというだけでなく、演奏技術のクオリティも本当に高かったと思う。IUの音楽科Jacobs School of Musicは、かの有名なNYのジュリアード音楽院とも肩を並べ、アメリカ国内でもトップ5に入るといわれている。そこの院生の演奏の質が高いのはもともと承知の上だったけれど、私の予想を上回るすばらしい演奏だった。

 プログラムは以下の通り。
Zoltán Kodály, Duo for Violin and Cello, Op. 7 2nd movement (8 min)
Rieho Yu (violin) Alan Okubo (cello)

Johann Sebastian Bach, Selections of Little Two-Part Clavier Pieces (7 min)
Koji Otsuki (piccolo cello) Maya Nojiri (cello)

Frederic Chopin, Selections from 24 Preludes, Op.28 (3 min)
Kaoru Yamamura (piano)

Adagio from Concierto de Aranjuez (11 min)
Nemanja Ostoich(guitar) Haruka Ostojić (piano)

Johannes Brahms, Piano Quintet in F minor, Op. 34 1st movement Allegro non troppo (11 min)
Kaoru Yamamura (piano) Mikela Asano (1st violin) Yuri Hirano (2nd violin) Eunje Yuri Kim (viola) Maya Nojiri (cello)

 こちらの演奏中の写真↓はすべてR.Hさんより拝借
 


 私はこの間ずっと赤ん坊の次男虎之介*を抱っこして聴いていたんだけれど、虎は最初の演奏が始まったとたん、不思議そうな表情をしながら私や隣の友人Aさんを見上げ、「この何かとても素敵な音はなんなの?」とでも言いたげにじっと私の目を見て、静かに耳をすますようにしてじーっと音楽を聴いていた。
 (突然ですが、この更新以降、うちの次男を「虎之介」(いちおう虎年生まれなので…)、通称「虎」、長男を「たんたん坊や」、通称「たんたん」というハンドルネームで呼ばせていただくことにします。パスワードをかけてない更新記事でしょっちゅう本名を出さなくてもよいように。)
 プログラム45分間のほぼ最初から最後まで、生後7ヶ月の赤ん坊の虎之介がこうしてずっと静かにしていたことにも驚いたけれど、さらに言うなら会場にいた他の子どもたちも皆、最初から最後までしーんと静かにして聴いていたので、そのことにもかなり感銘を受けた。
 
 やっぱりいい音楽には力があるんだと思った。
 それとおそらく、(普通の大きなコンサートホールとは違って)ステージと客席がとても近く、間に段差もない、とても親密な空間での演奏会だったということにも理由があるのかも。だから余計に大人も子どもも音楽の力に引き込まれたのだろう。
 かくいう私自身も、音楽に耳を傾けているうちに、来場者数の少ないことに対する懸念や心配などいつしか忘れてしまい、音楽を純粋に楽しみ聞き惚れている瞬間があったし。。。

 もちろんそう思うと、また余計に「この音楽をもっと多くの人に来て聴いてもらいたかった!」という無念さが募ったことも確かなのだけれど。…

     
演奏終了後、コンサートのオーガナイザー兼charity handcraft projectのオーガナイザーとして、終わりの挨拶をする私。写真はR.Hさんより。(記念の一枚になりました。R.Hさんどうもありがとうございます!) 
 
 終わりの挨拶スピーチでは、下書き原稿で入れていた母親グループの人たちに対する個人的な謝辞や、被災者たちへの黙祷、被害状況のアップデートなどはすべて割愛。(だって聴衆が少ないのにそんなに長々とスピーチするのも恥ずかしいもんね) そしてその代わりにというわけでもないけど、チャリティセールの売り上げを促進するべく、私たち母親グループがいかに育児や家事の合間を縫って一生懸命折り鶴イヤリングやコサージュアクセサリーを作ったかを切々と訴え、「売り上げは100%義援金となるので、この私たちのハンドクラフトをどうぞ私たちの日本への祈りだと思って、ゆっくりと見て回ってください」とダメ押し。笑

 でもその甲斐あってか(?)、チャリティセールはかなりの賑わいぶり。スーザンのご主人が私にそっと耳打ちした言葉通り、

"Maybe we have much fewer people than we expected, but maybe these few people are 'good few people', and they are willing to give."「来てくれた人は予想してたよりずっと少なかったかもしれないけど、来てくれたこの少数の人たちはきっと「いい少数者たち」で、寄付をしようという気持ちが本当にある人たちだと思うよ。」
 (余談だけど、シェイクスピアのヘンリー5世に出てくる有名なセリフ、"We few, we happy few, we band of brothers"をちょっと彷彿とさせる。)

ということだったのかも。
 実際、来てくれた人はたくさん買ってくれたし、コンサートには間に合わなかったけどごめんね~と言いつつチャリティセールに顔を出して、いっぱい買って行ってくれた友人知人も数人いたし。

 
 〔写真1〕折り鶴イヤリングを購入し、さっそくつけてくれている人。〔写真2〕イヤリングやコサージュ、そして私たち日本人母親グループのなかの1人でNashvilleに革製品のお店を持っているMさんが寄付してくれた革のアクセサリー類などを一生懸命品定めしているお客さんたち。

   
 〔写真1〕私とSt. Thomas教会との橋渡し役をしてくれたスーザン。彼女はこの教会の役員の仕事の他、birth doula(=分娩中の女性をサポートする女性)の仕事もしていて、実はうちの長男次男の出産のとき、どちらも彼女のお世話になった。〔写真2〕そして奇しくもコンサート当日に3歳の誕生日を迎えた長男のたんたん。近所のなかよしのお姉さんにプレゼントをもらっているところ。

 終わりのスピーチでもちらっと述べたんだけど、ちょうど3年前のこの日にも、スーザンは私のことを手伝ってくれていたんだと思うと、なんだかちょっと感慨深い。
 
   
 可愛すぎる売り子さんたち。Aちゃんの着物姿も可愛い~ でもそのAちゃんにさっそくちょっかいをかけているたんたんは…^^;


 全て終了した後、うちに帰って夫と一緒に集まった募金額を数えたところ、入り口の受付に置いておいた募金箱の中に入れてもらった分が698.58ドル、そしてチャリティ・セールの売り上げ額が868ドル、合計1566.58ドルの募金額が集まっていた。

 さらにBABSでのイヤリングとアクセサリーのこれまでの売り上げ額が110ドル、そしてBloomingfoodsから前日に届いたイヤリングの買い上げ金額としてのチェック345ドルを合わせると、これまでで集めた募金額は2023.58ドル。

 この募金額を多いと考えていいのか少ないと考えていいのか、基準がないのでよくわからないんだけど、でも自分としてはかなりよくやった方だと思いたい。私の(ひそかな)目標額は、入り口の募金で1000ドル、売り上げで1000ドル、計2000ドルくらいはいってほしいな~と思っていたから、それに比べるとわずかに足りないけど。。。

 ちなみに私たちのコンサートよりも2週間ほど先駆けて行われたIU主催の(震災に関する講演とコンサートを合体させた)チャリティ・イベントでは、400人の来場者数で約2300ドルの募金額が集まったそう。
 別に張り合うわけではないけど、大学にサポートしてもらったわけでもなく、そういうresources(資金源や人材)がほとんどない私たちのイベント+プロジェクトで、大学主催のイベントに迫る勢いの金額を集めたということは、誇りに思ってもいいことなんじゃないかな…と思う。

 みんな本当にがんばったものね。

 小さな子どもや赤ん坊がいると、自分の自由になる時間を確保するのは至難のわざ。そのなかで今回のプロジェクトに参加してくれたママさんグループの友人たちには、本当に心からありがとうと言いたい。たくさんの人が自分の得意分野や才能を活かして自ら進んで仕事をしてくれたし、全てに参加できるわけではなくても、自分にできる範囲のお手伝いはしたいと申し出て、ひたすら折り鶴を折る作業やら鶴にコーティングをする作業やら、縁の下の力持ち的な地道な作業を淡々とこなしてくれた人たちもたくさんいる。

 みんな本当にありがとう。そしてお疲れさま。

 でもこのイベント当日のお手伝いに参加してくれた人たちみんな、なんだか普段よりも生き生き、キラキラと輝いているように見えたのは私の気のせい? イベント終了後に同じ思いを共有してくれた人もいたから、きっと私の気のせいだけではないよね。子育て100%の毎日からちょっと離れて、子育てとはまったく違うことをしたり、自分の得意分野を活かしつつ、みんなと力を合わせてひとつのことを成し遂げたりイベントを作り上げたりする機会になって、最後はみんな意外と楽しんでいたのかも。(かくいう私自身もその1人^^)
 

 ******************

 このコンサートが終わって、だいぶ肩の荷を下ろせた私。月曜日はどこにも出かけないで、ずーっと家でゆっくりと息子二人の相手をして過ごした。ここのところずっと虎之介とたんたんの相手をあまりしてやれず、おまけにいろんなところに私の都合で引きずり回していたので、罪悪感も募っていたし、息子二人ともかなりストレスがたまっていたようだったし。。。 
 1日ゆっくりママと過ごせて、二人とも少し落ち着いた気がする(けど、気のせいかな?)

 そうそう、もうひとつおまけを付け加えておくと、月曜の朝はデンマークから来ているコラボレーター(共同研究者)と一緒に朝食を食べるからといって朝早くに家を出て行った夫。
 朝食を済ませた後、わざわざうちに戻ってきて、何と大きな百合の花束を3つもプレゼントしてくれた。
 昨日のチャリティ・イベントの成功、おめでとう。そしてオーガナイズの仕事、おつかれさま。
 と言って。
 
 彼はその後すぐまた仕事に戻って行ったんだけど、百合の花たちを花瓶に生けて、その美しい姿をしばしじーっと眺めていたら、はじめてちょっと涙がでてきた。そんなに意識してなかったけど、やっぱりちょっと気が張りつめていたのかも。


 
 夫はこういうところはツボを心得ている人なので、得な性分だよな~と思う(笑)。だってこれで、コンサート直前の4日間と、その直後の1週間ほど、仕事と出張でほとんど家を空けていること、怒れなくなっちゃったもん(笑)。
 でもまあこんなsweetなことを私にしてくれる人は、やっぱり夫以外にはいないから、ありがたく受け取っておきます。ありがとう。


 

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3 Comments

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お疲れさまでした (マルハナバチ)
2011-04-22 13:31:14
本当にお疲れさまでした。
確かにちょっと来場者は少なかったですがチャリティーセールは賑わって良かったですね。
たんたんくんにお誕生日プレゼントを渡してる女の子、すごくたくさん買ってくれたんです。しかも「お釣りは要らないわ~」なんて言って!
そしてコンサートは素晴らしかった!!
息子が生まれるまで頻繁にコンサートやオペラ観劇に行っていたのに、今ではすっかりそういうものとは無縁の生活なので感動もひとしおでした。
ご主人、とても優しい方ですね。私までホロリとしてしまいました。「得な性分だよな~」っていう照れ隠し(ですよね?)も微笑ましいです。
ありがとうございます♪ (michiko)
2011-04-24 11:40:21
マルハナバチさん、長い長いポストを読んでくださってどうもありがとうございます(笑)。そしてねぎらいの言葉をどうもありがとうございました。

でもほんとに楽しかったですよね!

私も息子たちが生まれる前まではよくコンサートや美術館などに行っていたのに、ほんとに今ではそういうものと全く無縁の生活になってしまって、(しかもピアノも習っていたのに今は全然弾く時間もないし)、だからよけいにあのコンサートはまるで水を得た魚というか、新鮮な水をたっぷりともらったお花になったような気がしました。

夫は、そうですね、優しいと思いますが、でもいかんせん忙しすぎるのが難点です(笑)。でもマルハナバチさんにほめてもらったこと、伝えておきますね(笑)。
はじめまして。 (レインボー)
2014-04-26 00:26:41
こんにちは。初めまして。カリフォルニア州に住む、レインボーと申します。子供の頃、仙台に住んでいたことがあり、そこで浅野みけらさんのお母様でピアニストでもある純子さんとは先輩・後輩でした。みけらさんがインディアナ大学に進学されたことは風の便りで聞いていましたが、このプログを拝見して、頑張っていらっしゃるんだなぁと思いました。かくいう私の愚息もバイオリンを弾いております。(現在はジュリアード音楽院で勉強しています)
みけらさんの近況をご存知でしたら、ぜひまたアップしてください。これまた風の便りでカリフォルニアのナパバレー交響楽団に入られた、と伺ったのですが、それがもし本当でしたら、地元なので聴きにいけるかな?と思っています。これからもブログは意見するのを楽しみにしています。

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