(写真は私が初めて種から育てたブロッコリー・スプラウト。…といっても、とても簡単なんだけど^^;)
Sprouts(スプラウト/発芽食)ってご存知でしょうか。
私はこちらに来て、発芽させたものを中心に食べる「発芽食」とか、そうした発芽食を利用して、火を通していないものだけを食べる"Raw & Living Foods Diet"とかいう食事法を実践している人たちがいるというのを初めて知りました。
日本だと数年前から発芽玄米が話題になっていたので、「発芽させたお米は普通のお米よりもビタミンやミネラルなどの栄養が豊富で体にいい」というのは知っていましたが、お米以外に、ごま、あずき、ヒマワリの種、蕎麦の実、小麦(玄米ならぬ玄麦)、アーモンド…などなど、こんなものたちまで発芽させて食べている人たちがいるというのを知ってびっくり。
発芽食やロー・フード食の信奉者たちによると、この食事法の最大の利点は「エンザイム(酵素)」の効果的な利用というところにあるらしい。なんでも、人間は食べ物を食べるとき、分解酵素を自ら作り出すことによって食べたものの消化吸収をしているらしいんだけど、この酵素を作り出す能力というか、一人の人間が一生のうちに作り出すことの出来る酵素量には限りがあって、酵素を使えば使うほど、新たな酵素を作り出す能力が衰えていくそう。そしてそれが老化をすすませる最大の原因の一つなんだって。
ところが、火を通す前の食品は、野菜、穀類、肉類、魚類のいずれにかかわりなく、それ自身を分解する酵素(エンザイム)をそれ自身の中に備えているらしい。なので全てを生のまま食べるロー・フード食だと、自分の体で酵素を作り出さなくとも食べたもの全てを分解して、効率よく消化吸収ができる。そして自分の体の酵素を無駄遣いしないので、老化が進みにくくなるという効用があるのだそう。逆に、火を通した料理、しかも肉食中心だと、この分解酵素が毎日大量に消費されている状態になり、老化が速く進み、また心臓病やら癌やらにもかかりやすくなるらしい。
そして野菜の種子や穀物を発芽させた発芽食品は、この酵素が最も効果的に使われやすい状態になっているらしい。発芽食品の利点は他にもさらにたくさんあって、発芽することで種子に含まれているタンパク質がアミノ酸に変わってさらに吸収しやすくなるとか、ビタミンA、B類、C、E、Kなどが豊富になるとか(ビタミンA, C, Eには抗酸化作用がある)、クロロフィルや葉酸が生産されるとか、なんだかいいことずくめ。まあもともと種子というのはそれぞれの植物がこれから成長していくために必要なすべての栄養素を蓄え込んだ「生命の源」であるわけで、それを考えると、それを発芽させた食品が「スーパーフード」になるというのもある意味自然かもしれない。
なので、発芽食品を利用したロー・フード食を実践していると、なんとアンチエイジング、かつ癌や心臓病予防の効果が期待できる(!)…というわけです。
…ということを、アメリカで「ロー・フードの母」と言われているAnn Wigmore(アン・ウィグモア)という人の"The Sprouting Book"という本を読んで勉強したんだけど、その本の中に、ブロッコリー・スプラウトやアルファルファを始めとする種々のスプラウトの作り方(というか育て方?)、ならびにそれら様々のスプラウトを利用したお料理やお菓子のレシピがのっていたので、そのうちのいくつかをさっそく実践(実験)してみました。
まず最初にやったのがブロッコリー・スプラウト(上の写真)。
そしてこの下の写真は、自家製ブロッコリー・スプラウトを入れて作ったサンドイッチ。ちなみにこのとき使ったパンも自家製で、私が焼いたもの(Walnut Onion Bread:くるみと玉ねぎのパン)。スプラウトを見せるためにちょっとパンをずらして撮ったので、写真自体はあまり美しくないけど、そこは悪しからず…。(笑)↓
そして次にやってみたのが、発芽させた小麦を24時間水に浸して、小麦から出てきたエンザイム(酵素)を大量に含んだ酵素ドリンク、リジューベラック(rejuvelac)。(注:rejuvenate(若返らせる、生き返らせる)という単語と、lac(=ミルク)を合成した、アン・ウィグモアの造語だと思われる。)
それを作っているところがこの写真。↓
そしてこのリジューベラックを作ったときの副産物である発芽小麦を利用して作るピザ・ブレッドのレシピを見つけたので、昨日の夕食にはそのレシピでピザを作ってみた。breadという名前はついているものの、イーストを使うわけでもなく、したがって発酵させるわけでもない。どうやって作るのかというと、この発芽した小麦と胡麻少々をフードプロセッサーでががっと挽いてパンの生地のような状態にし(といっても、ペースト状と言った方がいい感じだったけど)、そこにケルプ(という昆布だしのようなもの)少々とお醤油少々を風味付けに加えて、それを太陽の光または45℃くらいのオーブンで約8時間くらいかけてじっくり焼く(乾燥させる)---これだけ。(80℃以上の高温で調理するとせっかくの酵素が死んでしまうので、こうやって自然乾燥、またはごくごく低温でじっくり調理するみたい。)
ピザの台が出来上がって、そこにトッピングをしたところがこれ↓
(左端が少し欠け気味になっているのは、どうしても我慢できずに少し味見したから。笑)
しかしこの高温で調理すると酵素が死んでしまうというポイント、実は今この記事を書いている最中に気づいた。このポイントからすると、ピザのトッピングをした後も、レシピ通り低温で6時間くらい調理しなきゃいけなかったんだなあ。でも6時間も火を通す余裕がなかった(んなことしてたら夜中になりそうだった)ので、ピザのトッピングを載せた後は、ついつい通常通りの200℃の高温で約10分っていう焼き方をしちゃったんだよね。ああ~。せっかくの酵素を死なせちゃったよ。あそこまで苦労して作ったのに…。私のバカ。
これはまたもう一回作ってリベンジしなくっちゃ。
出来上がりは写真を撮るのを忘れていたので残念ながら写真はなし。味はまあまあ美味しかったよ。でも本音を言えば、やっぱり普通のイーストを入れて作ったピザ生地の方が美味しいかも…(笑)。私はハードコアなロー・フードの信奉者にはなれそうにない、かな。ま、出来る範囲でちょこちょこと取り入れていきましょう、ということで…
Sprouts(スプラウト/発芽食)ってご存知でしょうか。
私はこちらに来て、発芽させたものを中心に食べる「発芽食」とか、そうした発芽食を利用して、火を通していないものだけを食べる"Raw & Living Foods Diet"とかいう食事法を実践している人たちがいるというのを初めて知りました。
日本だと数年前から発芽玄米が話題になっていたので、「発芽させたお米は普通のお米よりもビタミンやミネラルなどの栄養が豊富で体にいい」というのは知っていましたが、お米以外に、ごま、あずき、ヒマワリの種、蕎麦の実、小麦(玄米ならぬ玄麦)、アーモンド…などなど、こんなものたちまで発芽させて食べている人たちがいるというのを知ってびっくり。
発芽食やロー・フード食の信奉者たちによると、この食事法の最大の利点は「エンザイム(酵素)」の効果的な利用というところにあるらしい。なんでも、人間は食べ物を食べるとき、分解酵素を自ら作り出すことによって食べたものの消化吸収をしているらしいんだけど、この酵素を作り出す能力というか、一人の人間が一生のうちに作り出すことの出来る酵素量には限りがあって、酵素を使えば使うほど、新たな酵素を作り出す能力が衰えていくそう。そしてそれが老化をすすませる最大の原因の一つなんだって。
ところが、火を通す前の食品は、野菜、穀類、肉類、魚類のいずれにかかわりなく、それ自身を分解する酵素(エンザイム)をそれ自身の中に備えているらしい。なので全てを生のまま食べるロー・フード食だと、自分の体で酵素を作り出さなくとも食べたもの全てを分解して、効率よく消化吸収ができる。そして自分の体の酵素を無駄遣いしないので、老化が進みにくくなるという効用があるのだそう。逆に、火を通した料理、しかも肉食中心だと、この分解酵素が毎日大量に消費されている状態になり、老化が速く進み、また心臓病やら癌やらにもかかりやすくなるらしい。
そして野菜の種子や穀物を発芽させた発芽食品は、この酵素が最も効果的に使われやすい状態になっているらしい。発芽食品の利点は他にもさらにたくさんあって、発芽することで種子に含まれているタンパク質がアミノ酸に変わってさらに吸収しやすくなるとか、ビタミンA、B類、C、E、Kなどが豊富になるとか(ビタミンA, C, Eには抗酸化作用がある)、クロロフィルや葉酸が生産されるとか、なんだかいいことずくめ。まあもともと種子というのはそれぞれの植物がこれから成長していくために必要なすべての栄養素を蓄え込んだ「生命の源」であるわけで、それを考えると、それを発芽させた食品が「スーパーフード」になるというのもある意味自然かもしれない。
なので、発芽食品を利用したロー・フード食を実践していると、なんとアンチエイジング、かつ癌や心臓病予防の効果が期待できる(!)…というわけです。
…ということを、アメリカで「ロー・フードの母」と言われているAnn Wigmore(アン・ウィグモア)という人の"The Sprouting Book"という本を読んで勉強したんだけど、その本の中に、ブロッコリー・スプラウトやアルファルファを始めとする種々のスプラウトの作り方(というか育て方?)、ならびにそれら様々のスプラウトを利用したお料理やお菓子のレシピがのっていたので、そのうちのいくつかをさっそく実践(実験)してみました。
まず最初にやったのがブロッコリー・スプラウト(上の写真)。
そしてこの下の写真は、自家製ブロッコリー・スプラウトを入れて作ったサンドイッチ。ちなみにこのとき使ったパンも自家製で、私が焼いたもの(Walnut Onion Bread:くるみと玉ねぎのパン)。スプラウトを見せるためにちょっとパンをずらして撮ったので、写真自体はあまり美しくないけど、そこは悪しからず…。(笑)↓
そして次にやってみたのが、発芽させた小麦を24時間水に浸して、小麦から出てきたエンザイム(酵素)を大量に含んだ酵素ドリンク、リジューベラック(rejuvelac)。(注:rejuvenate(若返らせる、生き返らせる)という単語と、lac(=ミルク)を合成した、アン・ウィグモアの造語だと思われる。)
それを作っているところがこの写真。↓
そしてこのリジューベラックを作ったときの副産物である発芽小麦を利用して作るピザ・ブレッドのレシピを見つけたので、昨日の夕食にはそのレシピでピザを作ってみた。breadという名前はついているものの、イーストを使うわけでもなく、したがって発酵させるわけでもない。どうやって作るのかというと、この発芽した小麦と胡麻少々をフードプロセッサーでががっと挽いてパンの生地のような状態にし(といっても、ペースト状と言った方がいい感じだったけど)、そこにケルプ(という昆布だしのようなもの)少々とお醤油少々を風味付けに加えて、それを太陽の光または45℃くらいのオーブンで約8時間くらいかけてじっくり焼く(乾燥させる)---これだけ。(80℃以上の高温で調理するとせっかくの酵素が死んでしまうので、こうやって自然乾燥、またはごくごく低温でじっくり調理するみたい。)
ピザの台が出来上がって、そこにトッピングをしたところがこれ↓
(左端が少し欠け気味になっているのは、どうしても我慢できずに少し味見したから。笑)
しかしこの高温で調理すると酵素が死んでしまうというポイント、実は今この記事を書いている最中に気づいた。このポイントからすると、ピザのトッピングをした後も、レシピ通り低温で6時間くらい調理しなきゃいけなかったんだなあ。でも6時間も火を通す余裕がなかった(んなことしてたら夜中になりそうだった)ので、ピザのトッピングを載せた後は、ついつい通常通りの200℃の高温で約10分っていう焼き方をしちゃったんだよね。ああ~。せっかくの酵素を死なせちゃったよ。あそこまで苦労して作ったのに…。私のバカ。
これはまたもう一回作ってリベンジしなくっちゃ。
出来上がりは写真を撮るのを忘れていたので残念ながら写真はなし。味はまあまあ美味しかったよ。でも本音を言えば、やっぱり普通のイーストを入れて作ったピザ生地の方が美味しいかも…(笑)。私はハードコアなロー・フードの信奉者にはなれそうにない、かな。ま、出来る範囲でちょこちょこと取り入れていきましょう、ということで…