NZ食べ物編その2は、今回の滞在中に私たちが訪れたレストランのルポ。一応ランキングの形をとっていますが厳密なものではなく(>当たり前)、要するに行ったところを印象深かった順にご紹介しているだけですので、あしからず~。
No.1:
50 On Park Restaurant and Bar at The George Christchurch
今回の里帰り中、2歳の息子を義母に預けて夫と夫婦二人で一週間のNZ南島旅行をしたときに訪れたホテル(
The George)のレストラン。The Georgeは世界有数のラグジュアリーホテルとして高い評価を受けていて、数々の賞を受賞しているとても素敵(かつ高級)なホテルなのですが
(その一例を挙げると、アメリカの大手旅行雑誌"Travel+Leisure"誌が毎年選ぶ『世界トップランクのホテル100』のひとつに例年ピックアップされていて、2009年度はオセアニアの"City Hotel"部門で10位(ニュージーランドでは2位)にランキング)、実はその経営者が知人(=大学院時代に2年ほど務めた家庭教師先のご家庭)で、なんとそのご縁で今回まったくのNo Chargeでこのホテルに泊めていただきました(!)。そしてこのホテル内にある二つのレストランも数々の賞を受賞している有名なレストランなのですが、その一つ、
50 On Park Restaurantでのディナーにまでご招待いただき、美味しいお食事とワインを心ゆくまで堪能させていただいた…というわけなのです。(あ、私は妊婦なのでワインは
(あまり・笑)飲めませんでしたが。)
そんなわけで、ご招待していただいている身分として、やはりそれにふさわしく振る舞うべきかな~と思い(笑)、カメラをレストランに持参するのは自粛したので、残念ながらレストランでの食事の写真はなし。
でもどこか日本の懐石料理やフレンチのコースを思わせる盛りつけやプレゼンテーションで、特に最初にシェフの特別サービスということで持ってきていただいたアミューズ(=オードブル)の、ニュージーランド産の帆立貝柱、牡蠣、海老、そして旬の野菜をそれぞれ使って作った4品の盛り合わせが、味付けも盛りつけも懐石フレンチ風で、最高に美味しかったです♪(アメリカの片田舎のレストランでは、なかなかこういうお料理に出会えないので、ほんとにほんとに感激(涙)。) あ~でもやっぱり写真がないと記憶がだんだん薄れていっちゃうなあ… 写真を撮らなかったのをちょっとだけ(?)後悔。
でもまあ夫は私がカメラを持っていかない方が「ゆったり落ち着いた気分で食事ができるので、その方がいい」とよく言っているし、まあそれはそれでよかったのかも。久々の夫婦水入らずのディナーデートだったんだものね。(そんなわけで、ここでの食事を皮切りに、南島旅行中はレストランでのお料理写真を撮ることは忘れて、夫婦二人の時間をゆったり過ごすことを優先しようという話になったので、この間の写真はほとんどなし。)
そして今現在の自分たちの収入からすれば、かなり身分不相応な6つ星~7つ星レストランに泊めていただき、さらに身に余るおもてなしをしていただいたことに感謝しなくては。Kさん(ご夫妻ならびにお母様)、本当にどうもありがとうございました。
No.2:
The Farm at Cape Kidnappers (Hawke's Bay)
こちらも実は母体は高級リゾートホテルで、しかもこれまた世界有数(上記"
Travel+Leisure"誌の2009年度『世界トップランクのホテル100』で総合部門全世界21位にランキングされている)。この
The Farm at Cape Kidnappersが実は夫の故郷から車で30分ほどの場所にあり、今回、夫の
Camille-Dreyfus Teacher-Scholar Award受賞祝いと、私の第2子出産の前祝い、そして家族再会のお祝いを兼ねてということで、義母夫妻が私たち夫婦と、夫の妹+そのBFを招待してくれる形で、ここのレストランでご馳走に預かりました。
ほんとはこちらも場所柄を考えるとカメラを持参するのは憚られたのですが、前回のThe Georgeや、次のNo.3に挙げるレストランで写真を全く撮らなかったのがやっぱり心残りだったので、とりあえず一応念のため…とカメラを持参し、そして「せっかく持ってきたんだから」と半ば勢いにまかせて(^^;)写真撮影してしまいました。あ、もちろんお店の人たちに写真撮影の許可をもらってからにしましたけどね。
そんなわけで、こちらで撮った写真をいくつか公開。
まずはラウンジに通され、ここでしばしシャンペンとオードブルを楽しみながら、インテリアや、オーナーのコレクションの家具などを鑑賞。
左写真に写っているシャンデリアは、デミ・ムーアとブルース・ウィリスがかつて夫婦時代に自宅で使っていたものだとか。
この上の写真で義母夫妻が座っているソファも、デミ・ムーアとブルース・ウィリスのものだったそう。右写真はこのラウンジでいただいたオードブル(野菜の巻き寿司、ローストビーフの大根・人参サラダ添え、オイスターのクリームソース和え)。全て美味。
そしてこの後、ディナーテーブルに移動。
左写真はダイニングルームの様子。窓の外には百万ドルの(?)、Hawkes' Bay Areaの夜景が広がっています。写っているのは夫の妹とそのBF。右写真はStarterの白身魚の味噌ドレッシング和え。
ちなみにここでのディナーは、基本的にすべてシェフにお任せのコースのみとなっているようで、この日もオードブルから最後のデザートまで、合わせて7品のフルコースでしたが、全て次に何が出てくるか分からない、どきどきのお楽しみ。(あ、でもデザートは5種類くらいの中から各自が選べるようになっていましたが。)
それにしても、オードブルのお寿司や、ローストビーフに添えた大根・人参サラダ、Starterの味噌ドレッシング和えのお魚など、ここでも日本料理の影響が濃く見られるのはただの偶然だったのかな…? The Georgeは日本人の経営するホテル/レストランなので、日本料理の影響が強いのもむしろ当然のように受け止めたんだけど(でも経営者ご本人曰く、「『日本料理を取り入れて』といった指示は一切していない」んだそう)、このThe Farmでも然り、そして実は次のNo.3に挙げるレストランでも…(詳しくは後述)。
アメリカでも日本料理は大人気だけど、私が驚いたのはこれら3つのレストランでの日本料理の取り入れ方のレベルの高さ。やっぱり一流シェフと言われる人たちだと、日本料理の繊細さもちゃんと理解して、とても上手に自家薬籠中のものにしているということなのでしょうが、それとともに、改めて日本料理の奥の深さ、その食材の素晴らしさ、味付けの繊細さなどに感動し、誇らしい気持ちになりました(=^^=)
この辺になるともうひとつひとつのアイテムが何だったか記憶がおぼろげ…^^; 左写真はウズラの卵の乗ったパイと鴨肉のソーセージ(たぶん)、右は帆立貝柱のクリームソース和えとパスタ(美味しかった!)
左はサーモン、ポテトとボクチョイ添え(だったと思う、たぶん)、右はラムのフィレステーキ、ポレンタ添え。この辺に来ると私なんかはもうお腹が苦しくて、ラム肉は半分も食べきれませんでした… 無念(涙;;)
デザートにチーズ盛り合わせをチョイスした義母が、好みのチーズ3種類を選ぶところ。
左は夫と義父が選んだデザート(確かキャラメルのムースケーキとカカオのアイスクリーム、だったような… うーん記憶が曖昧だ@@;)、右は私と義妹の選んだ季節のフルーツのシャーベットと、レモンタルト、メレンゲ添え。このメレンゲがすごい@@
そんなわけですべてのコースが終わる頃にはすごい満腹状態でしたが、でも一品一品は少しずつ盛ってあるので、アメリカやNZのレストランで通常見られる、一皿にすごいボリュームのメインとサイドディッシュをばーんと盛りつけてあるスタイルの食事に比べると、こちらの方が私にはやはり食が進みました。いろんなものを少しずつだとけっこう食べられるんですよね。ステーキとかピザとか、一種類のものだけを多量に食べるのは私には向いてないんだ~と今回しみじみ気づかされました(笑)。
とてもゆっくり時間をかけてお料理がサーブされたこともあって、8時過ぎに到着して、すべて食べ終わったのは夜の11時半だったので、何と4時間半かけて食事をしていたことに…。(あ、言い忘れていましたが、ここは子ども同伴は不可
(ちなみに男性はジャケット着用・女性はセミフォーマル以上の服装)となっているので、2歳の息子は早めの夕食を食べさせてベッドに寝かしつけ、義母の友人に家で留守番に来てもらってから食事に行きました。)
The Georgeのレストランと甲乙つけがたかったのですが、コストパフォーマンスと、そしてボリュームと味付けがより日本人である私の好みに合っていたという点で、The Georgeのレストランの方を先に挙げました。どんなに美味しくても、胃の容量を超えると最後まで楽しめないですもんね。。。
でもここでもやっぱり、自分たちだけでならきっとほぼ行くことはなかったであろうとても素敵な空間へ、義母の厚意のおかげで連れて行ってもらえたことに心から感謝。子育てにいっぱいいっぱいの日常生活からほんのひとときでも解放されて、とてもゆったりとした気持ちで時間を過ごせたのが何よりうれしかったです。
(テーブルに同席した周りの大人たちと大人らしい会話を久々に楽しむこともできたし。←普段は友人知人とのディナーの席にも息子が同席しているので、たいてい時間の半分以上は息子の相手をしていて、結局大人との会話らしい会話はなかなかできないのが現実なんですよねえ~。)
No.3:
Botswana Butchery (Queenstown)
ここまで挙げた中で、唯一私たち夫婦が自腹を切って(笑)行ったレストラン。南島旅行中に訪れたQueenstownで。Queenstownに行くならぜひここのレストランへ行くといいわよ、というグルメな義母の勧めで行ったのですが、Botswana Butchery(ボツワナの肉屋)という名前からして、私は行く前は内心少しためらいがあったのですが(笑)、お肉大好きな夫は「ここはmust(=絶対外せない)だよね!」と行く気満々だったので(笑)、まあ半分仕方なく…という形でご相伴した形。
…だったのですが、行ってみてそのお洒落な内装やら洗練された雰囲気にまず驚き、そしてお料理の美味しさにもかなり目から鱗が落ちました。まあbutchery(肉屋)というだけあって(このレストランの設立者兼シェフは、ボツワナ出身の肉切り職人
(?…寿司職人のイメージで)で、ボツワナの高級リゾートホテルやNYの高級ホテルレストランでの下積みやシェフの経験を経て、ここNZでお店を開くに至ったそう)、もちろん主力メニューのほとんどは肉、肉、そしてまた肉…(笑)なのですが、シーフードもけっこうあって、私はその中で
NZ特産の白身魚(名前は忘れた)の、大根サラダと味噌ヴィネグレット添え、というのをチョイス。これがなかなか日本人好みの味で、アメリカやNZのレストランでこの手のものを注文した時によくある、味噌や醤油を使いすぎて甘ったるすぎたり味が濃すぎたりというのが全くなく、とても繊細でバランスのとれた味加減だったのでびっくり。大根もおいしかったし。
夫は当然のごとく
牛プライムリブを注文していましたが、彼も肉のカットの仕方、焼き加減ともにとても満足していたようです。(お刺身なども包丁さばき次第で味が変わりますが、お肉もきっと上等のものになると包丁さばき如何で味や食感などがかなり違ってくるんでしょうね。。。)
あとは南島名物の
Whitebaits(ホワイトベイツ)という、日本のシラスに似た小さい魚(ニシンか何かの稚魚)を、フライパンでさっと炒め蒸ししてガーリックソースで和えたものを前菜に注文したのですが、これもとても美味しかったです。伝統的な南島名物のwhitebaitsは、天ぷらみたいなフライ(Fish&Chipsでよくあるのと同じ)にしてあることが多いそうなのですが、Botswana Butcheryのは衣をつけた揚げ物ではなく、フライパンでの素揚げというか炒め蒸しのような感じだったので、その点でも私にとってはポイントアップ。でも夫も「これは美味い」と感心していましたが。
で、ここのレストランを訪れたのも夫婦二人の南島旅行中だったので写真はなし。お店のサイトを探してみたけど、オフィシャル・ウェブサイトはどうもまだないようだし。。。
…なのですが、
代わりにこんな面白いブログでこのレストランが紹介されているのを見つけたので、よければこちらをのぞいてみてください。オーストラリア人女性のフードライターによるブログで、お店の内装の様子(お店入り口のドアの取っ手が肉切り包丁だったりするのとか)からお料理の様子(450gの牛プライムリブステーキとか)まで、けっこう面白い写真がたくさん載っています。
ここで食べてから数日後にたまたま夫が買ったNZの雑誌にこのレストランの紹介記事が載っていて、記者によるインタビューのなかで、設立者兼シェフのLeungo Lippe(ルノ・リッピ)氏が言っていたこんな言葉が心に残りました。
(あなたが尊敬する人物は誰ですか、という問いに答えて)"
Anyone who is making a difference in his/her own field."(=自分の分野〔仕事・専門等の領域〕で、何かしら新しいことや意味のあることをしている人。)*"make a difference"というのは相違を生ずる、効果をもたらす、重要である/重要なことをする、等の意味の成句で、ここでリッピ氏が言っているのは、自分の分野で従来通りのことをただ繰り返しているだけでなくて、何かしらの違いをもたらしている=新しく、重要な意味のあることをしているという意味だと解釈しています。(なんて私がわざわざ解説するまでもないかもしれませんが。)
(これまでに人から受けた最も重要なアドバイスは?という問いに答えて)"Everything is achievable."(=「何事も成せば成る」「やってやれないことはない」)
この二つとも、今の私にはけっこう耳が痛いかも…。日々、子育てと家事に追われて、ほとんど他に何もできてないし。こんなところで身内をほめるのも何ですが、うちの夫や私の母などは、"someone who is making a difference in his/her own field"に当てはまるかなあ。。。 そして二人とも、"Everything is achievable"というのを地で行ってるような人たちだし。それに比べて私は…と比べてしまうと、ちょっとみじめな気分になってしまったりして。
でもとりあえず、今の私にとっては、「私の仕事/分野」というのは子育てと家事なんだから、そこで自分にできる最善を尽くしていくのかないのかな、…と、ちょっとでも前向き志向に踏み出したところで今日の更新を終わります。
ではこの続き、NZのカフェのルポは次の更新でということで。