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長寿幸せ企業への「変化と継続」2022-25

第4章『長寿幸せ企業』への取り組み(1)『長寿幸せ企業』ってどんな会社

章 『長寿幸せ企業』への取り組み

 経営危機や資金繰り問題が一段落ついたとき、健全企業となり、会社を後世まで残したいと思ったとき、この章をお読みください。

(1)『長寿幸せ企業』ってどんな会社

 『長寿幸せ企業』とはどういう企業を言うのでしょうか?

 結論から言えば、「長寿企業」であるためには「幸せ企業」で在り続けなければならないということです。「幸せ企業」であるから、「長寿企業」足りえるのです。
 社員さんからみた「幸せ企業」はどんなものかというと
  1. 家族を養い、幸せな家庭を築ける給与を得ることができる企業
  2. 社員さんが会社を軸として人生設計ができる長く続く企業
  3. 上記を満たした上で、やりがいを実感すること出来る企業
ではないでしょうか。
 私は、数多くの長寿企業を研究した結果、中小零細企業が長寿企業であるために必要なことは、
  1. 高成長企業であることより、その企業に関わる経営者や家族は勿論のこと、従業員、取引先、そしてお客様、さらに社会までもが、この会社で働けてよかった、この会社があってよかった、と誇りに思えるような会社で在り続けることだと考えています。
  2. 上のビジョン(経営目的)を達成するためには、原資が必要です。高収益企業や高成長企業でなくても、高収益な健全企業、優良企業であり続ける必要があります。
     実は、一時的に儲けたり、急成長したりすることのほうが簡単なのです。急激に成長するものは寿命が短い。これは天地自然の理です。つまり、少なくても(A)を達成するためには、一定の利益を出し続ける必要があります。
     「恒産なければ恒心なし」「衣食足りて礼節を知る」です。
 長寿企業すなわち100年以上継続して存続できている企業の経営理念や使命、信条、家訓、行動指針などを調べていきますと共通するキーワードがいくつか出てきます。
たとえば、「百年続く企業の条件」1という書籍の中に「老舗企業として大事なことを漢字一文字で表現するとどんな漢字ですか」という質問で814社の回答で一番多かったのが、「信」(197社)、続いて 「誠」(68社)、以下 「継」(31社) 「心」(28社) 「和」(23社) 「変」(22社) 「新」(22社) 「忍」(19社) 「質」(18社)だったそうです。
 私が、経営危機に瀕した中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする【俯瞰塾】で柱としているのが
①徳性と経営理念 : ブレない経営を支える柱
 道徳的に見て問題のあることは、どんなに儲かろうと手を出さない。
 「子曰く、之を導くに政を以ってし、之を斉える(ととのえる)に刑を以ってすれば、民免れて恥なし。これを導くに徳を以ってし、これを斉えるに礼を以ってすれば、恥有りて且つ格し(かつただし)。」2
②知恵と技能 : 知識や技術を行動することによって会得したもの
 時務学の基礎知識は使えば使うほど知恵になっていきます。
③継続と習慣 : これらを息をする如く継続していき習慣化できること
④変化と進化 : 時代に応じて、事業の柱などを変えていくこと
です。
 前記の漢字をこれに当てはめると
「信」 「誠」「心」「和」
は「質」
は「忍」「継」
は「変」 「新」
ということになりますね。

 「百年続く企業の条件」によると、創業や設立から100年以上存続している老舗企業が家訓・社是・社訓を持っている割合は77.6%もある。家訓・社是・社訓とは経営理念に沿った戒めや教えを短く文章で表したものです。この分析によるとカ・キ・ク・ケ・コの5つのキーワードがあるということです。
カは感謝、キは勤労、クは工夫、ケは倹約、コは貢献です。つまり、これらのキーワードを継続して実行できなければ、100年以上続く長寿企業にはなれないということです。 

 私の主宰する井上経営研究所は、経営危機に瀕した中小零細企業の再生・再建を通して健全企業に戻し、健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。

 私達の使命は、経営者一族だけではなく、企業に関わる全ての人々が「心からの笑顔」を取り戻すお手伝いをさせていただくことです。
 例えば憤啓塾(経営再建プログラム)俯瞰塾プレップ(経営改善プログラム)においてもこの4本柱がプログラムの柱になります。

は、

  • 嘘をつかないこと(たとえば、粉飾決算はプログラム着手後は全て公にして頂きます。私のクライアント様には1社たりとも粉飾されている企業はありません。これをお約束できない企業はプログラムに参加していただけません。公共工事入札のために経営事項審査が必要な建設業なども例外ではありません。)

  • 「ありがとう」を言える(客の側であっても)

  • 時間を守る、細切れの時間を大切にする。(目上の人との待ち合わせには余裕を持って待ち合わせ場所に行き、待ち時間を活用する準備ができるようにする)

  • 使ったものを次の人のために元に戻せる(立ち上がった後の椅子やトイレの蓋など)

  • 礼儀を守れる(迎え三歩に見送り七歩など)

これらに加えて経営者には「とにかく働くこと」と「自己犠牲」の精神が必要となります。

徳性の乏しい私は、これをお教えする立場などにはありませんが、徳性を高めるために「人間学」を一緒に学び、行動していきます。この特性は全ての判断や行動の「心柱」にしていきます。

は、

 憤啓塾(経営再建プログラム)俯瞰塾プレップ(経営改善プログラム)で、「今ある売上で最大の利益を絞りだす知識や技術」を学んで頂き、実践して頂き、単年度黒字化を達成を目指します。具体的には自社で月次決算や中長期の予想概算キャッシュフローを算出できるようになります。「売上対策」以外の「資産負債対策」や「経費削減対策」などはここで学びます。

は、

すべての対策が即効性があるわけではありません。これらを習慣化させていくことによりはじめて「知恵と技能」に変わっていきます。実はこの「継続」「習慣化」が一番難しく、プログラムに着手された企業の何割かがここで脱落していきます。これをクリアーして安定的な健全事業化(目標3年以内)ができます。

が「変化」です。①から③ができても「変化」することができなければ、企業も死滅します。ダーウィンではありませんが、「生き残れるものは、大きいものでも、強いものでもなく、変化できるもの」なのです。【経営再建プログラム】を終了した段階で、初めてスタートするのが「売上対策」=「新規事業開発」です。

1帝国データバンク資料館・産業調査部編 朝日新書p18

2論語・為政第二


次回は、第7章『長寿幸せ企業』への取り組み (2)井上経営研究所が考える『長寿幸せ企業』挑戦権
①なぜ、経営危機に陥った企業のほうが、優良企業や無借金企業になれるのか を予定しています。

このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A


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