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長寿幸せ企業への「変化と継続」2022-25

第4章(3)健全企業から優良企業、無借金企業へ・・そして、まず「幸せ企業」を実現 第1回

章『長寿幸せ企業』への取り組み
 経営危機や資金繰り問題が一段落ついたとき、健全企業となり、会社を後世まで残したいと思ったとき、この章をお読みください。

) 健全企業から優良企業、無借金企業へ・・そして、まず「幸せ企業」を実現 第1回

 前節で、正常企業よりも良くなりたいという気持ちが強い経営再建に取り組んだ企業の方が、優良企業や無借金企業に早く到達することが多いが、「なんとかしなければ・・」との思いが強い経営者であれば、「第二の創業」と捉えて「経営改善」に取り組むだけですので、当然、経営危機に陥った企業のほうよりも早く確実に、優良企業や無借金企業になれるのは言うまでもないと言いました。


 今回は、正常企業が『長寿幸せ企業』の挑戦権を持つ「幸せ企業」に成長していくために必要な知恵や技能についてお話します。正常企業とは、経常利益が黒字で、繰越欠損金がない状態の企業だと考えてください。当然、債務超過の会社は正常企業ではありません。


 まずは、図Stage-1「優良企業(無借金企業)への取り組み」を参照しながらお話を進めていきます。因みに赤字で【 】は弊所のオリジナル実践経営支援ツールです。具体的な策や資料については各章やホームページをごらんください。


 『長寿幸せ企業』になるには、「幸せ企業」にならなければなりません。「幸せ企業」になるには無借金企業や超優良企業であり続けなければ、単なる正常企業では、従業員が生活の安定や未来の生活設計をたてたり、夢を描くことはできません。


① 使命・理念と行動規範 (詳しくは第1章をお読みください) 

 ● 経営理念などが額に入れて社長室の壁に飾っているだけ
 ● 毎日従業員全員で唱和することもない
 ● 経営者自身が心からそれを願っていない

 このような場合は、使命や理念の再構築をしなければなりません。しかし、そんな経営者がその前にすることがあります。それは少なくとも半年間、定時就業時間はお客様と接する売り場や店舗、ライン従業員やパートさんが働く現場や工場で最低でも各部門で1ヶ月間従業員と一緒に汗を流してください。
 これをやらない限り、「第二の創業者」の資格はありません。経営者の仕事は就業時間終了後と土日にやればいいのです。
 
② 財務会計から管理会計へ(詳しくは第3章(2)・第6章をお読みください)

 別の呼び方ですると、財務会計は制度会計とか事後会計と呼ばれ、管理会計は経営会計とか事前会計と呼ばれます。申告をする企業であれば、かならずやっているのが財務会計です。しかしながら、「管理会計をやっています」と堂々といえる企業はどれだけあるのでしょうか。ほとんどの企業は銀行から要求されるので、毎年予算を作成しているというくらいが現実でしょう。
 本当の意味での事前会計・経営会計をして、毎月事前に対策に活用するのがほんとうの意味の管理会計です。
 ● 経理改革で自社月次決算
 ● 経営者自らが【連動式財務三表】を作成でき、未来の数字を読める

 中小零細ファミリー企業では、経営者も経理についてはちんぷんかんぷんで経理や奥さん任せというところが多いのが現状です。各部門で1ヶ月間従業員と一緒に汗を流したあと、経理部門で脳みそに汗をいっぱいかいて、 経営者自らが【連動式財務三表】を作成でき、未来の数字を読めるようになり、少なくとも翌月末までに、最終的には毎翌月10日までに自社で管理会計上の月次位決算ができるようにすることが超優良企業の最低条件です。


③ 【PDCA事業計画書】(詳しくは第4章(2)・第6章をお読みください)

 PL(損益計算書)だけの数年分の事業計画書ではなく、企業の使命やビジョン、長期経営戦略からつながっている中期(3~5年)、短期(1年)の事業計画書をつくれるようでなければなりません。さらに、短期事業計画は月次事業計画と連動して、前期実績・当期計画(P)、当期実績(D)、原因究明(C)、対策および実行期限(D)を画策出来るものでなければ役に立ちません。そのために極端な言い方をすれば1万円単位の誤差に目をつぶってでも、速さを優先させるべきです。毎月10日まで自社で月次決算して【PDCA事業計画書】を完成することができれば、翌11日に営業会費で今月から対策を講じることができます。2ヶ月後に税理士から試算表をもらっても、経営上はほとんど役に立ちません。


④ 新規事業開発・新規営業開発(詳しくは第7章をお読みください)

 「変化」し、「進化」し続けられる企業だけが生き残れるのです。
 健全企業が同じ事業を変化なしに繰り返していけば必ず経営危機に陥ってきます。なぜなら、本人は立ち止まって足踏みをして活動している気になっていますが、会社を取り巻く環境はどんどん前に進んでいっています。足踏みをしていることはそこに取り残されていくことなのです。そのため、好むと好まざるにかかわらず、企業は変化し続けなければなりません。それも、現業に力を抜くことなく変化して、進化する必要があります。

 まれに、ひらめきやアイデアが新規事業に結びつくことがありますが、やはり、マーケティングやフレームワーク、フィンランドメッソドなどの思考法を学びながら、実践を繰り返していく必要があります。
 特にMBAなどで学ぶ新規顧客、新規市場を生み出す方法「マーケティング理論」は参入障壁の高い新規事業を生み出すためには必須項目です。俯瞰塾の会員企業の経営者の多くが、
「難しくて、読むだけでも大変」といわれるマーケティング書籍ですが、新規事業開発チームで実際にSWOT分析やコトラーのセグメンテーション・ターゲティングやポジショニングを使って、壁にぶつかっては再度学んでいくほうが知識を早く知恵に変えることができます。

 【実践マーケティングワークシート】はまだまだ開発途中ですが、俯瞰塾会員企業の実践の成果を他の会員が更に改善していく会員企業内「バザール方式」で活用されています。

⑤ これらを継続して、習慣化させる
Stage-1の各項目を継続実践することはまさに、優良企業であるための最低条件だと考えます。
 

次回は、第7章『長寿幸せ企業』への取り組み 健全企業から優良企業、無借金企業へ・・そして、まず「幸せ企業」を実現 第2回 を予定しています。

このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A


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