切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

《独居癌爺さんのつぶやき・・・ NHKニュース枠での故エリザベス女王の国葬中継。ずいぶん長い時間を取っていたが、これは??》   2022.9.19

2022-09-19 23:40:15 | つぶやき


 今日の夕食時、ちょうど7時だったので NHK のニュース7を見ていたが、主要ニュースは当然台風14号のことだと思っていた。もちろんそれは流されたがすぐに画面はイギリスからの衛星中継に変わり、同時刻に始まった故エリザベス女王の国葬の様子が解説とともに流され始めた。

 エリザベス女王がイギリス国内だけに限らず、世界的に見ても知名度が高いだけではなく、70年にわたる長い女王の地位にあって、様々な貢献をしてきたことは誰しも一定認めるところだろう。その人柄もあって日本国民にも評価は高いようだ。天寿を全うして亡くなられたことに対する弔意は当然のことといえると思う。また天皇夫妻が招待を受けて国葬に参加しているのも、両国の関係をそのまま表しているものだと言えるだろう。
 そういった点から、外国の国葬に対してあれこれ言うつもりは全くないし、招待を受けて参加している国家元首等についても、それは構わないだろう。ただ今日の NHKニュースは本来7時半までのはずが、時間を超えてもイギリス王室に詳しいジャーナリストが、同じような解説を繰り返しながら実況中継を続けていた。ある意味「特番」扱いのようなイメージを受けた。

 果たしていくら世界的に高名な女王の国葬であっても、日本における番組編成が特別なものに変更されるということは、果たしてどうなんだろうかと思わざるを得ない。イギリス本国においてはエリザベス女王は「偉人」と言えると思うが、ここ日本においては直接的にそういったものではないものだと思われる。現天皇が若い頃にイギリスに留学し、お世話になったという話が何度も繰り返されていたが、別にそれはエピソードの一つに過ぎず、だからといって放送枠を変えてまでも特別扱いするほどのものであるのか、甚だ疑問に思う。
 もちろん他局では放送の変更などをやっていないし、おそらく夜のニュースでは扱うだろう。だからといって時間延長してまで放映することはないだろうと思われる。 NHK 本部はこのあたり、どのような考えや思いがあって実施したんだろうか。

 たまたまエリザベス女王が亡くなられて、イギリスにおいて「国葬」の実施ということになったわけだが、それ以前に日本においては「国葬」が物議を醸し出していた。
 もちろん参議院選挙応援演説中に射殺された故安倍晋三氏の件だ。彼が首相を退いてから菅政権が誕生し、1年後には現在の岸田政権になった。ところがあろうことか突然、岸田総理大臣は故安倍晋三氏に対してその偉功?に応えるべく、9月27日に「国葬」を実施すると明らかにした。



 びっくり仰天。安倍氏の「国葬」というのをどこの誰が、どういう方法で決めたのか。その法的根拠はどこにあるのか。何も分からないし実は根拠も何もない。すでに何度もテレビのニュースや新聞等で報道されているように、現在の日本においては「国葬」に関する取り決めも何もない。ただ一度だけ、かつての首相であった吉田茂氏に対して国葬が実施されたケースがあるだけだ。その時の根拠も曖昧なまま決められたと思われる。もちろん法的な根拠も何もないからだ。それでも戦後日本の復興時における、吉田茂氏の功績が極めて大きいということで当然のように、報道メディアはこぞって一日中報道合戦を、というより中継分担をして、吉田茂氏を追悼したということだ。従って根本的な問題はなんら問題にされずに今日に至っている。

 岸田首相は「安倍晋三氏の国葬」の理由として、歴代政権の最長記録を更新し、日本の国際的地位を高めた。そしてアベノミクスを進めたなどと、完全に安倍首相を独断的な主観的な安倍晋三氏に対する功績(と思い込んでいる)の部分のみを上げて、「国葬」にふさわしいと説明したのだ。



 まさか本気で言っているのか。これが現在の総理大臣の言葉だと思うと、全く国会議員のそして閣僚等の劣化が、そのまま現れたように見えても仕方がないといった有様だ。
 歴代最長の政権の、一体どこが功績なのか。長期政権というのはどこの国においても歴史が証明しているように、独裁化し周りはものが言えなくなり、むしろ政治の腐敗につながるというのは、日本でも外国でも証明されている事実だ。長く勤めたからすごいなどというのは詭弁に過ぎない。
 日本の国際的な地位を引き上げたなんて、何を基準に言っているのか。トランプ政権が誕生して、誰よりもいち早くすっ飛んで行ったのは故安倍晋三首相だ。トランプ氏の独裁っぷりに自分と合うものを見出したんだろう。とにかくアメリカと仲良くして貿易や経済的に日本が不利な立場に置かれようが何しようが、アメリカの言う事何でも聞きますというのが国際的な地位の向上なのか。中国の経済的軍事力的な進出に恐れを抱いていたが、安倍晋三氏がとにかくアメリカと仲良くしておかなければならないというところから、焦りに焦ってへりくだっただけの話だ。
 アベノミクスの三本の矢なんて、自分の名前を付けて悦に入っていたが、結局のところはかつての小泉政権が犯した致命的な経済政策がそのまま引き継がれ、経済の長期的な停滞と日本国内における格差拡大をさらに増大させたというのがその姿だ。

 そしておまけにデタラメな政治をやりたい放題。森友加計問題だけではなく、桜を見る会なども含めて公的文書の改ざん、使途不明の税金の問題、どこで何が決まったのかわからない諸々の政策など、いわば自分にとって邪魔な存在は、新たな組織を作って独裁的に何でも決められるようにしてきたのが安倍首相の本質的な姿だ。

 そういったものを国民の大勢が知っているからこそ、「国葬反対」の声が日を追うごとに高まっている。今や各メディアのアンケートのどれをとっても、反対派が多くなっている。こういった事実をどのように受け止めるのか。しかも更に二階幹事長などは「黙って手を合わせる」などと多分国民に向けて言ったんだろうが、彼はそんなに偉いのか。国会議員や閣僚というのは国民に口で命令することができるのか。そんなバカな話はない。



 だいたいが大半の国会議員どもは、「日本国憲法」の全文を読んだことがあるんだろうかと思う。「国権の最高機関は」と問われて、まさか答えられない国会議員や閣僚はいないはずだが、本当に答えられない一部の議員はいるのかもしれないと思わざるを得ない有様だ。
 つまり岸田首相は、閣議で数人の話し合いで勝手に「国葬」を決めただけで、日本における民主主義の正当なルールをまったく無視して決めたのだ。つまり「国会」の場における議論を経ずして、そして議決もせずに自分たちの主観に基づいて勝手に決めた「偽物の国葬」というものに過ぎない。

 東京新聞の電子版を読んでいると、9月27日の「国葬の生中継」について、主要なテレビ、新聞のメディアはまだ対応策に何らかの結論を出してるような感じではないらしい。ここまで国民の反対意見が多い中で、何時間も実況生中継を実施するわけにはいかないとの思いがあるようで、扱いに困っているメディアもあるということのようだ。多分生中継を一部どこかで取り入れることはあるだろう。あるテレビ局は1時間かもしれない。別の局は3時間かもしれない。そこに呼ばれる解説者はリベラルな人なのか、安倍晋三氏寄りの人なのか、コアな保守派の人たちなのか。ある意味こういったところも、そのメディアの姿勢を見る上では興味深いものがある。周知のごとく、フジ・サンケイグループ及び日テレ・読売グループは右派保守派として名を馳せている。時々リベラルな人達を出すこともあるが、基本姿勢は今言った通りだ。
 さてそんな中で NHK はどのようなスタンスで放送する気なのか。他の民放局と同じように1時間程度切り取って生中継を入れるだけで終わらすのか。それとも4時間も5時間も安倍晋三氏の業績を並べながら、膨大な映像で垂れ流して行く気なのか。こういったところも見どころとなる。

 今日のエリザベス女王の国葬を見た時に、穿った見方なのかもしれないが、9月27日の「安倍晋三氏の国葬」生中継への布石なのかもしれない、などと思ってしまった。何としても安倍首相の国葬を長々と放映するために、たまたまその前に本日行われたエリザベス女王のイギリスにおける国葬を、ニュース枠を広げてまで特別に放送したというのは、ある意味一つの実績であり、日本の元首相が亡くなった上での国葬なのだから、長い時間生中継で放映してもいいのではないかとの思惑があるのかもしれない。

  NHK はこのところ BPO に審査にかけられて、ある意味窮地に陥っている。東京オリンピック・パラリンピックの公式記録映画を制作する河瀬監督を追ったドキュメンタリーにおいて、とんでもないミスを犯したからだ。私自身はあれはミスではなく、あえて意図的にやっていると思っている。報道で知っている方も多いと思うが、記録映画の場面の一つに、東京オリンピック・パラリンピックに対し反対派の人たちが、デモをしている場面がある。当然国としては不都合だ。国家的な事業として取り組んできた東京オリンピック・パラリンピックに反対する国民がいるなんて許されない。
 そこで河瀬監督を追ったドキュメンタリー番組で、直接反対している若者にインタビューをし、その内容を字幕スーパーで、「お金で雇われてアルバイトで反対運動をしている。」と流したのだ。後日これが真っ赤なウソだということがわかり、大問題になった。つまり東京と国が実施した東京オリンピック・パラリンピックは正当なものでなければならない。国民の間に反対などあってはならない。公式記録映画からそれを潰すために意図的にやったと考える方がはるかに自然だ。無論 NHK は NHK 本部の指示ではなく、現場が勝手にやってしまったこと、という風に片付けた。誰が見たって嘘の言い訳にしか聞こえない。
 しかし今や2021年東京オリンピック・パラリンピックを舞台に何人かの贈収賄による逮捕者を出し、汚染オリンピック・パラリンピックとして大問題となっている。全く皮肉な話。

 まあ何にせよ9月27日には、各キーテレビ局が、そして NHK が、どのような姿勢で「国葬生中継放送」をするのか、お楽しみでもある。まあせめて15分程度ならいいということにしておこうか。


    (画像はニュース映像より)

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