先週の土曜日、17日のブログに書いたO君と再会した。
結局O君関係で声を掛けていた人達4人は全員仕事の都合がつかず、
俺達夫婦といつもバンドを一緒にしている友達夫婦(Oh)、それにO君という
5人での再会。
結論から先に言うと、ひさしぶりに見るOくんは10年前と何ひとつ変わって
いなくて、俺達は皆、なんとも嬉し泣きに近いような笑顔になった。
ボサボサ髪の外見、話し方、考え方。そして何より肩の力の抜け具合も。
もう数十年前になるが俺達夫婦とOh夫妻、そしてO君とY子の6人でバンド
をしていた時期があった。もちろんその時は皆夫婦じゃなかったんやけど、
その6人の中の4人が2組の夫婦となり、OくんとY子はそれぞれ別の人と
結婚した。そんな関係で、バンド内で結婚した夫婦はそれからも家庭ぐる
みの付き合いが続いたが、Oくん、Y子とは疎遠になっていた。
そんな中での再会やから、自然と、近況のことよりもその当時のバンド活
動のことに話の花が咲く。
当時そのバンドは結構精力的に活動していて、ライブハウスには毎週出て
たし、ラジオにも出て、その番組の月間優秀賞をもらい豪華クルーズでの
船上パーティーに呼んでもらってプロと競演(もちろん前座やけど)したこと
もあった。O君はベース担当だったが、その柳に風のような飄飄とした性格
が沈着冷静を求められるベーシストにはまさにぴったりだったように思う。
そんな昔のことを中心に話は進み、やがて、久しぶりにその頃作ったオリ
ジナル曲を皆で演奏してみようということになった。オリジナルメンバーの
Y子がいないのでピアノがないのと、家にベースがなかったのでO君には
代わりに何十年も触ったことがない、というギターを持ってもらうことになり、
その頃とは少し違う環境ではあるけれど。
演奏が始まるとO君は指は思い通りには動かないものの、その頃弾いて
いたギターフレーズをおよそ弾きこなしていて、皆それには驚いた。
でも何より驚いたのはOくんが、「そうそう、このハーモニー、このギター、
あの頃のままやなぁ。俺はこの曲が大好きやったんや」と言ってくれたこと。
俺は極端に過ぎたことにには拘らない人なので、昔作った曲はおおよそ覚
えてはいるものの、よっぽど自信のあった曲以外はそれに執着もなければ、
ましてや忘れられない思い出になる、というようなこともない。
もし昔の曲をやるのなら、成長の証として、その頃を凌駕するギターアレン
ジやコーラスアレンジを加えるなりしないと、その頃のまんま、というのには
とても我慢できない人である。
どちらかというと、Oくんの性格は俺に近い、と思っていたので、昔のままや
なぁ…という喜び方をしてくれたOくんの反応にはホントにビックリしてしまっ
た。
最後には「このCDあるのなら絶対に頂戴な、絶対やで!」とまで言ってくれ、
最近リメイクしたCDを喜んで持って帰ってくれた。どうやら着メロにまでする
気らしい。
まぁ良く考えると、「全く変わってない」ということはそういうことや、でええん
やけど、Oくんの場合は「変わってない=成長していない」と感じないのが不
思議。それは、彼の中で、変化だの不変だのということを全く意識していな
いという、(不変の)確立された自我があるからだと思う。
モンスターペアレンツ他、現代の学校には想像を絶する問題がある。現役
高校教師のあるOくんの学校も例にもれず様々な生徒、親がいるらしい。
そんな激務の中でも彼は何も昔と変わらず肩の力を抜いて生きていた。
逆にそうでなければ、いちいち論外の話に過敏に反応していたのでは体が
持たないだろう。
教師というこだわりの職業には、こだわりを持たない部分をいかにうまく持て
るか、ということが問われているような気がした。
Oくん、生徒に時代遅れだと言われようがなんだろうが、この先10年、20年、
ずっと「力の抜けた強い教師」を貫いてください。
また再会できる日を楽しみにしています。
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