私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

いきさつを語る火遠理命です

2019-02-15 09:49:05 | 日記
 「私は兄海彦から借りた釣り針をなくしてしまったのです。」と、父神に海の宮殿に来たいきさつを備(つぶさ)に語る山彦です。
 その話を聞いていた海神は、この情報は早くから塩椎神から聞いていたのでしょうが

    “悉招集海之大小魚問曰<コトゴトニ ハタノヒロモノ ハタノサモノ ヲ ヨビアツメテ>”

 「海にいる大<ヒロモノ>小<サモノ>の総ての魚を集めたのです。」常識的に考えるとそんなことがいっぺんに出来る筈はありません。事前に、何らかの方法で、総ての魚い伝えていたのだろうと考えられます。だから、何の混乱も起きずに集めることができたのです。その大群の魚を前にして海神は尋ねます。

         “若有取此鉤魚乎<モシ コノツリバリヲ トレル ウヲ アリヤ>”

 と。すると、どうでしょう。“諸魚曰之<モロモロノウヲドモ モウサク>” 沢山の魚が一斉に、
 「この頃、“赤海鯽魚<タヒ>(鯛)”の喉(のど)に鯁(こう=魚の骨)が刺さって何も食べれないと大層嘆いております。」
 と言います。そこで、早速に、鯛の喉を探してみたらあります。それを取り出してきれいに洗って火遠理命に渡しました。それを古事記では

        “於是探赤鯽魚之喉者。有鉤。即取出而清洗”

 と記しております