スサノヲの乱暴にたいして、アマテラスは騒動を、これ以上、天界に広げない方策はとお考えになられたのでしょう。スサノウが来るとお聞きになった時には。ご自分の御髪を解きて、闘争用である男性用の髪型
“御美豆羅<ミズラ>”
にしたぐらいです。戦えばそれだけの力は持っていたのですが、「戦いになれば」とお考えになられたのでしょう。この場を最善の方法で解決するにはと、女性的な平和的な解決方法で対処されたのではないかと私は思っております。その
“見畏<ミ カシコミテ>”
を、宣長は「スサノウノの荒き仕業に畏懼(おそれ)て」と説明しておりますが、どうでしょうかね???そのために
”閇天石屋戸而<アメノイワヤドヲ タテテ> 刺許母理坐也<サシコモリ マシマス>”
天石屋の中にお入りになり、その戸を堅く閉(と)ざして、中にお隠れになってしまわれたのです。
なお、書紀には、この「見畏」を
”発愠<イカリマシテ>”
と書いてあります。「怒って」天之石屋に入られた様に書かれていますが、古事記には「畏」とあり、辞書には「つつしむ。自分をいましめる。用心する」という意味もあると書かれていますので、古事記の記述の方がいいように私には思えますが。