私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

次は「落雁美人」です

2015-11-26 09:39:12 | 日記

 その美しさの為、雁が飛ぶことを止めて地上に落ちる程の美人だったのが、漢の時代の「王昭君」です。中国四大美人の一人です。
 この女性は漢の皇帝「元帝」に仕えていた女官の一人です。
 当時、盛んに攻め込まれ手をやいていた匃奴の王「呼韓邪単于」から、この元帝の元に手紙が届きます。
  「お主の国と仲良くしたい。そのために、お国の女性を私の妻とする、一人届けくれ」
 と。そこで、元帝は考えました
  「わしに仕えている女性で一番醜い女をくれてやるか」
 漢王朝です、女官は何百人といたのです。皇帝が、未だ、一度も逢ったこともない女性も沢山おります。そこで、宮殿に一体どんな女性が居るのか調べてみようと思い、画家「毛延寿」に、その似顔絵を描かせます。
 「王様が一番醜い人を選んで匃奴の嫁にやるために、女官の似顔絵を書かせている。」
 それを聞いた女性は
 「お願い。私を出来るだけ美人に描いて」
 と、賄賂を画家渡し頼みます。

 だが、その中一人だけ、余程、自分の美貌に自信を持っていたのでしょうか、画家「毛延寿」に賄賂を出さなかった女性がいました。それが「王昭君」だったのです。賄賂を貰えなかった画家は、この「王昭君」を、大変醜く描きます。その結果、選ばれたのが、「王昭君」です。愈々「王昭君」が匃奴に送られる日になります。「どのような女性かな。」と、一目見ておこうと思い、元帝は、当事者「王昭君」を自分の前に連れて来させます。すると、どうでしょう。『あっと驚くため五郎』ではないのですが、「王昭君」のあまりのきれいさに驚きますが、時すでに遅し。「ああもったいないことをした」としきりに嘆きますが、もう今更、どうすることもできません。そのまま匃奴へ送りだします。

 この王昭君が、匃奴に連れられて行く途中の道すがら中、余りにも、己の運命の哀しさに嘆き悲しんでおりました。その姿があまりに美しかったので、空飛ぶ雁がねは飛ぶことを忘れて、その総てが地上の砂の上に落ちたのだそうです。それくらい美しかった女性なのだそうです。だから彼女は、「落雁美人」とも言われたのです。しかし彼女にも、ただ一つの欠点がありました。それは撫で肩であったのです。

 今から二〇〇〇年も昔の、中国での、美人にまつわるお話です。