私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

「曠世罕儔」。世にたぐいまれな美女です。稚媛は

2015-11-23 10:29:34 | 日記

  さて、その姿や形だけでなく、心まで、すべてにおいて、非の打ちどころがないほど完璧な美人(種々相足<クサグサノ カタチタレリ>)だった稚媛<ワカヒメ>です。このような絶対の美女であった彼女は、更に、「どうしようもない」「とんでもない」ほどの女性としての特性の美を持っていたのです

 それを「③花弗御蘭澤無如」と書き表しております。「花」とはお化粧で、「」とは鉛のことで、白粉の原料です。「弗御」は[つかわず]と読ましております、「弗」という字は、現在では「ドル」に宛てていますが、本来は「不」、「あらず」で、物事の打消の助字として使われます。
 次の「蘭」ですが、これは「カ」と読まし、「香」にあたります。要するに香水など一切使う必要がなかったのです。それを「澤無如<ソユルコトナシ>」と。なお、「澤」<ソユル>は、「潤す」で「身に添える」と云う意味になります。
 最後の「④曠世罕儔⑤当時独秀者也」は<④ヒロキヨニ タグヒマレナラム⑤タダイマニハ ヒトリスグレタリト>と読ましております。

 どうでしょうか、これほどの美女のお話、聞いたことがありますか。あの光源氏やかぐや姫の美しさも、この書紀の「稚媛」をヒントにして書かれたのではないかと、私は、常々、思っているのですが。

 どうでしょうか。こんなん「曠世罕儔<ヒロキヨニ タグイマレナラム>」身も心も大変な美しい女性が備中の国「窪屋郡」から生まれていたのです。
 こんなお話、かって、聞いたことありますか。それこそ日本一の美女のお話です。