船旅
2008-01-12 | 絵画
長い長い船の旅を終えて日本にやってきた陶磁たちに会いに
京都国立博物館に行ってきました
憧れのヨーロッパ陶磁と日本との出会いは、すでに400年近くに及んでいます
今回、ヨーロッパ各国との修好通商条約締結150周年を記念して開催されている
「憧れのヨーロッパ陶磁」~マイセン・セーヴル・ミントンとの出会い~
どの作品もただただ溜息が出るものばかりです
日本で唯一の宮廷建築家と言われる、片山東熊氏(かたやまとうくま)の代表的な建築である博物館は
フランス17世紀の華麗なバロック様式を取り入れながら
日本的な叙情性や繊細な感覚が表現されています
フランス セーブル
1878年のパリ万博でこの一対の壷を入手するためだけに
日本はなんと69点もの古陶磁を引き換えました
それだけ、セーブル焼は高価な物だったのですねもちろん現在でもですが
1907年ドイツのホッホベルク伯爵がアジア、オセアニア地域を巡る旅の最終地に日本を選び
2ヶ月程の滞在ですっかり日本びいきになった伯爵が、帰国後母国の誇るべき工芸品として
マイセン等の作品群を現在の国立博物館に贈りました
40点を超える寄贈品は、100年前に日本を旅したドイツ貴族の厚意を今に伝えています
この猿達もマイセンですが、面白いコメントが添えられていました
「寄贈品のお礼状に、船旅で何点か壊れていたことを書くと
伯爵から同じものが贈られてきました」
ヴィクトリア女王の時代に活躍した工芸デザイナーのクリストファー・ドレッサーが選び
日本へもたらしたイギリス陶磁の数々も時を越えて、目の前に現れました
ドルトンとウエッジウッド
今回六つのスペースに分かれて展示されてあり
マイセンの磁器で、当時を再現するテーブルコーディネイトもありました
私達が今憧れるヨーロッパ陶磁、そのデザインの源流となったのが
東洋のやきものであったこと、マイセンが有田焼に学んだことなど
実際に見比べることができ、少し嬉しくなったki-rinでした