なちゅらる

自然に生きていきたい

黒い絵

2007-07-31 | 絵画


マドリッドには「プラド美術館」「ソフィア王妃芸術センター」「ティッセン・ボルネミッサ美術館」と言う
三大美術館があります

今回は日程の関係で全部を観ることはできませんでした

ソフィアはピカソの「ゲルニカ」だけはどうしても観たかったので
短時間で廻りましたが、ティッセンは諦めました


プラドだけ時間を取って観ることに・・・
午前中いっぱいでしたが、それでも駆け足で時間が足りません


プラドには入り口がいくつかあって、私達は「ゴヤ門」から入ります
上の写真は正面のヘラケレス門です

ゴヤ門の前にはゴヤの像




  時間がないと解っていてもゆっくりと観たい。。。 





ゴヤの「着衣のマハ」と「裸のマハ」は並べて展示されています
カルロス4世の宰相ゴドイの依頼で描かれたといわれているこの2枚は
同じ時期に描かれ、宗教裁判所の調査対象ともなった「裸のマハ」
ゴヤはその真意を明らかにすることはなかったそうです

一緒に鑑賞していた友達のご主人に「どちらのマハが好きですか?」と聞いてみたら
「やっぱり、裸のマハですね」となんとも正直なお答えでした
ちなみに私は、着衣のマハの方が表情がリラックスしているようでいいなって思いました


ゴヤは不治の病で40歳を過ぎてから聴力を失ってしまいます
「聾の家」と名づけた住家の壁に描かれた絵は「黒い絵」と呼ばれています

ナポレオン軍のマドリッド侵略で、戦争とその中に置かれた人間の残酷さ無力さ
ゴヤの内面に存在する恐怖と不安が表れている絵です

プラドの一部屋にそれらの絵が展示されています
その中の「我が子を食うサトゥルヌス」興味がある方はポチッとどうぞ





ムリーリョは同じ「無限罪の御宿り」と言うテーマで沢山の絵を描いています

『神の子イエスを宿る聖器として選ばれたマリアさまも、
原罪(性交)なしで生まれた汚れなき存在でなければならない』とされていたそうです

今回観たのは「無原罪の御宿り -ベネラブレス-」(左側)でした

一番完成度が高いと言われている作品ですが
私は個人的には、日本に来た「-エル・エスコリアルー」(右側)の方が好きだな~

ムリーリョは続けて子どもを病気で亡くし
5番目の女の子が耳が聞こえなかった事から、その子を思ってマリアさまを描いたとも言われています
ムリーリョの描く子どもの表情はとても優しく、可愛らしい


プラドは広い中でも、時代と画家によって展示されているのでとても観やすいと感じました
もっとゆっくり観たかったなぁ~