なちゅらる

自然に生きていきたい

一握りの砂

2006-12-22 | 絵画
鳴門海峡の砂からタイルを!
そのアイディアから始まった、美術陶板開発
当時、陶磁器で大型製品を制作することすら難しく
アメリカでも20枚のうち1枚だけしか合格しなかった1m角のタイルを
100%合格という素晴らしい成果を収めました

そして出来上がった「大塚国際美術館」
1mx3mの陶板を並べ、1000余点の名画を原寸大に複製
名画だけでなく、古代遺跡や教会などの壁画を環境空間ごとそのまま再現されています




全部複製だし・・・とたいした期待もなく訪れた私の頭をガーンとカナヅチで叩いたのがモナリザでした
有名すぎるほど有名な「モナリザの微笑み」
それまで、あまりにも有名で少し敬遠していたのですが
何年か前に、大塚で出会ったモナリザは私にルーブルに来るように!
と指令を出されました(笑)

そして今年、ルーブルで本物のモナリザと対面し、感動で涙が流れたのです
今回はその報告に、大塚のモナリザに会ってきました




絵画の他に、システィーナ礼拝堂、ポンペイの秘儀の間などが実際にその場にいるような気持ちにさせられます

その中で、私が一番好きな場所が、スクロヴェーニ礼拝堂です
この礼拝堂を建立したエンリコ・スクロヴェーニの父は高利貸しで財をなした人で
ダンテの「神曲」の中にあさましい姿で登場します
エンリコは父の罪の消滅を願ってこのお堂を建てたそうです

ルネサンス絵画の礎とも言われるジェットの描いた、壁画が圧巻です
青の色がなんともいえません




かつて、スペインにあったエルグレコの大祭壇衝立画
19世紀初頭、ナポレオン戦争で破壊され、幻の祭壇画となってしまいました
それを、世界で初めて推定復元したのが「エルグレコの大祭壇衝立復元」
プラド美術館から5点、ルーマニア国立美術館から1点、選ばれて復元されています




ボッティチェッリ・サンドロ「春」
何度言っても覚えられない名前です
大きな作品になると、陶板が並べてあるのが解ります



レオナルドダヴィンチの
「岩窟の聖母」
ナショナルギャラリーとルーブルの2枚が並べて観れるのも、面白いです

このお部屋の壁には、ダヴィンチの「最後の晩餐」が修復前と修復後、向かい合って描かれています




ゴッホコーナー



ルノアールコーナー




最後は、パブロ・ピカソ「ゲルニカ」
ゲルニカの町に対するナチスドイツの無差別爆撃に衝撃を受けたピカソが
わずか1ヶ月でしあげた大作
時代の暴力と悲劇に敢然として抗議を表明しました

何を描いてるのかよく解らないピカソの絵ですが
このゲルニカの前に立つと、怒り、哀しみが伝わってきます
以前、ピカソ展で「白いドレスの女性」(タイトルは定かではありません^^;)
「盲人の食卓」を観て、鳥肌がたったことを思い出しました
専門的なことは何も解りませんが、すごい人なんだなぁ~って思います

オランジュリーのモネの「睡蓮」もあるのですが屋外にあり全然違う・・・
どうしてかな?と考えてみたのですが
周りの海や緑の自然に、絵画が勝てるはずもなく
屋内で見るからこそ、素晴らしいのかなと一人で納得したki-rinでした