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Tedのつゆ草の旅

母校関西学院ラグビー部とアメリカンフットボール部の試合を中心に書いているブログです。

rugby

2010-11-25 21:59:02 | ブログ

リーグ戦第6戦、同大の意地に苦戦を強いられた後半。その窮地を救ったのはFWだった。固いディフェンスで凌ぎ、白星を挙げた。FWのコンタクト力は試合を重ねるごとに激しさを増している。

【努力の成果】
 「今年の関学はBK主体のチーム」。1年間、周囲からそう言われ続けてきたFW。昨年のFWの主力メンバーが抜け若いチームになり、勢いがある半面、確かに不安もあった。だが「FWはFWで勝負したい」。FW陣は春から夏にかけて、モール、スクラムを重点的に強化してきた。試合を重ねるごとに、その成果が表れ始めている。前節の摂南大戦でも、固いディフェンスで相手の攻撃を封じ込めた。そして全国にその名を轟かす同大相手にも奮闘。先制トライを許すも、ラインアウトからモールを押し進め、陣地を広げる。そしてディフェンス面でも果敢にタックルで相手をつぶしていった。後半終了間際、同大に意地のトライを許すが、FWの力強さで凌ぎきり、同大を下した。

【FWの圧力】
 若いFW陣の中に、今リーグ全試合スタメン出場を果たしているLO臼杵(法1)がいる。「試合に出させてもらえている限り、常に全力でやらないと」。臼杵は、1年生ならではの元気なプレーで果敢に攻撃に絡みにいく。
 そして、次節の天理大戦が優勝決定戦。全勝で迎える天理大に対して、関学は5勝1敗で迎える。絶対に負けられない一戦。挑戦者の精神で立ち向かう。「スタートから先制ねらって、前半10分、20分で優位に立てたら。キックオフからFWでチーム盛り上げていきたい」と臼杵。鍵を握っているのはFWのプレッシャー。どれだけ相手に圧力をかけ、相手ディフェンスをとめることができるのか。勝利はFWの動きにかかっている。

◆6戦連続トライ!止まらない男・小原渉
 これまで全試合にフル出場している小原。攻守の要であるNO8として、6試合連続トライを決めている。同大戦では前半16分、ゴール前のモールから抜け出しトライ。「エリアを取って、いいところで決められた」と小原。また3点差まで詰め寄られた後半には、ラックから抜け出し2トライ目をねじ込んだ。苦しい場面でのこのトライは、勝敗を分ける一本となった。この日の小原のトライは2本とも、FWで勝ち取ったトライ。「春からやってきたことの成果が出た」。試合後に小原はそう語った。「今年はBKのチーム」。小原を中心としたFW陣は、そんな前評判を覆す活躍を見せている。最終節、これまで無敗の天理大を相手に全試合トライを決めることができるのか。小原の活躍に期待がかかる。

◆INTERVIEW―大崎監督
 強い同大相手に、最後までよくタックルいってくれた。だが前半20分間我慢できずトライを許し、最後も戦力的に攻めてきた同大を止めることができず、まだまだ力不足。最後は凌いで勝ってくれてよかった。次は天理との優勝対決。やっとここまできた。ディフェンスのフロント3をどう止めるか、バック3も走力あるし、FWでのプレッシャーをどれだけかけれるかが鍵。ロースコアに持ち込みたい。3連覇へのチャンスは、そうないもので、二度とないかもしれない。上が育てた連覇を守りたい。タックルします。それだけです。


母校ラグビー

2010-11-21 21:13:44 | ブログ

5勝1敗で迎えた同大戦。最終戦に優勝争いを持ちこむためにも、負けられない試合となった。両校一歩も譲らない展開の中、気持ちの強さを見せ28―25で勝利。接戦をものにし、3連覇への望みを最終節の天理大戦に繋いだ。

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【全員DF】
 関学キックオフで始まったこの試合。開始早々、関学はミスから同大に攻め入られ、先制トライを許す。しかし16分、敵陣ゴール前でラインアウトを獲得。そこから得意のモールで前に前に進んでいく。最後はNO8小原(人3)がモールから抜け出し同点トライを決めた。このトライで流れは関学に傾き始める。敵陣22メートルライン、同大のラインアウトでボールを奪い取った関学。CTB村本(文3)、FL臼杵(法1)、CTB田中(商4)へ相手のディフェンスを崩す、華麗なパス回しを見せる。そして、最後にパスを受けた田中が空いたスペースに入り込みトライ。12―5とし、同大を突き放すことに成功する。その後、同大に2点差まで追い込まれるも、試合終了間際にはHO緑川(商4)がモールから抜け出しそのままトライ。前半を21―12で折り返す。

 9点リードで迎えた後半。自陣で激しい相手の攻撃に反則を重ねてしまう。ペナルティキックを与え、3点差まで詰め寄られる。苦しい場面が続く中、関学も意地を見せ小原がこの日2本目のトライを決めた。そして、同大の猛攻を懸命なタックルで凌いでいく。苦しい時間が続いた後半だったが、同大の追い上げに耐え抜き、28―25で白星を飾った。

【頂上決戦】
 「勝因は最後まで諦めなかったこと」と主将・緑川。後半の同大の反撃に耐え、関学は見事接戦をものにした。最終戦、3連覇に向けて天理大に挑む。これまで負けなしの天理大にどう立ち向かっていくのか。結末は12月4日に花園で確かめるしかない。


Rugby

2010-11-16 19:55:22 | ブログ

4戦を戦い抜き、リーグ戦も折り返し地点へ。3勝1敗で迎えた摂南大戦。関学は初スタメン2人を起用し、旋風を巻き起こす。積極的な攻撃展開で圧倒し、45―7で摂南大を下した。

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<『スピリッツ』vol.25>

【個々の活躍】
 開始10分、HO緑川(商4)のトライで関学の攻撃に火がついた。関学はあらゆる攻撃スタイルで敵陣に攻め込む。BK陣の華麗なパス回しでボールを進めれば、対するFWも力強いモールで一気に敵陣へ。CTB村本(文3)は、WTB長野(社4)のタックルによりこぼれたボールを奪い、そのままトライ。さらにライン際のモールからLO臼杵(法1)がボールを持ち出し、トライをねじ込み、19-0。相手を完封に抑えた関学のリードで前半を折り返した。

 後半では、初先発となったSH湯浅(人1)とCTB田中(商4)がそれぞれトライを決める活躍ぶり。果敢に攻め入る関学は着々と得点を重ね、突き放していく。そしてナンバー8小原(人3)が5試合連続のトライを決めた。ディフェンスのミスで1トライを許すも、最後まで攻撃の手を緩めることなく、最終スコア45-7で摂南大から白星を奪った。個々それぞれの役割が果たされ、それがチームの戦力となり、勝利へとつながった。リーグ戦も残すところあと2戦。相手がどこであろうと、全員が全力で戦うのみだ。

【確かな成長】
 「リーグを通して成長はしていってる。まだまだやけど、まだまだ成長するよ」と主将・緑川。試合を重ねるごとに強まっていくチーム力。そしてFW、BK共にこれまでの成果が形となって表れてきた。一戦一戦強くなっていく関学。だが彼らは満足することなく、さらなる高みを目指す。すべては栄光へとつながっている。緑川組の進化は続く。

◆両CTBパワフルトライ!田中・村本
 今季初スタメンとなった、CTB田中(商4)。「1番上の学年やし、できることやらないと」。そう思い、試合に挑んだ。FB小樋山(人3)からパスを受けた田中は相手DFを突破し、トライをねじ込んだ。「小樋山のおかげ。ごっつあんトライです」と苦笑するも、田中自身の力強いタックルがもたらしたトライ。「ミスが多くて迷惑をかけたんで、確実にできるようにしたい。残り2戦も体張ってばしばしトライ狙って。強い関学を見せたいっすね」。し烈なレギュラー争いを繰り広げる、CTB陣。田中は経験も豊富で突破力も抜群。力強いアタックを武器に、レギュラーの座を勝ち取ることはできるのか。

 また、同ポジション村本(文3)もレギュラー不動の座を死守せんと奮起した。今試合を通じて2本目となるトライは、立ち上がりの悪い関学の起爆剤として十二分に価値のあるものだった。また、エリアマネージメントを課題にあげる関学だが、今日はその点においても万全。「BKとFWがどっちも出来上がってきてる」と、リーグ戦すべてに出場している村本だからこそチームの成長を身をもって体感している。そして最終戦に控える天理大の強力外国人CTBのアイセア・ハベアについて尋ねると、「けっこう意識してる」と村本。去年の自称「ハベア係」は、今年も健在なるか。関学優勝請負人から目を離すな。


エースの代役

2010-11-15 14:41:31 | ブログ

エースの代役は頼んだぞ!リーグ戦も後半にさしかかり、摂南大戦でSH湯浅航平(人1)が先発する。春から存在感を放ってきたルーキーが、自身の公式戦初スタメンを白星で飾るか。
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【代役務める】

 リーグ戦後半を控え、怪我によりSH芦田一顕(人3)が離脱する事態が生じた。エースSHの代役を命じられたのは、若き闘士だった。10月31日の大体大戦で初の公式戦出場を果たしたばかりの湯浅が、今度は初のスタメンに選ばれた。

 「試合に出られるのは嬉しいんスけど、芦田さんの代わりなんで。それでチーム力が落ちたら、芦田さんに申し訳ない。補えるくらい、頑張りたい」。エースの穴を埋める、その重責を背負って試合に臨む。

【放つ存在感】
 春先からトップチームに名を連ねた。5月、芦田が怪我により戦線を離れていた間は、中西健太(経2)に続いて出場機会を得ていた。ルーキーのなかでも存在感を放ち、やがて夏にはU20日本代表にも選ばれる。大舞台でしか味わえない経験を身につけ、チームに合流した。

 エース芦田を筆頭に、各学年に精鋭を揃える関学SH陣。公式戦ともなれば、出場チャンスは限られてくる。「(上には)芦田さん、健太さんがいるんでジュニアで頑張ろう」。シーズンの本格化を前に、そうした思いがあった。しかしリーグ第4戦でトップチームからお呼びがかかった。

 公式戦デビューとなった大体大戦では後半途中から投入された。試合への緊張もあったが、それよりもパス供給にプレッシャーを感じた。それは、すぐ背後に構える〝攻め屋〟渕本伸二郎(社4=SO=)のリズムを崩さないかという心配。「緊張しました」と振り返る。初スタメンの摂南大戦ではSO新里涼(社3)と組むことになり「思いっきりやりたい」と意気込んだ。

【エリア獲得】
 湯浅の持ち味はキック。エリアマネージメントの向上を図るチームにとって、何よりも頼もしい武器となる。「とことんキックで。敵陣深く攻め込めれたらと思います!」。『〝エリア〟の騎士』がエースの代役を務めるべく、楕円球を蹴り上げる。


闘士たちのMOVE 第4回「欲しいのは10?15?

2010-11-12 16:08:39 | ブログ

 ライバル関係。そう言ってしまうのは、見る者が当てはめた都合の良い相関図。実のところ、互いを意に介することはそれほどない。けれども、欲するものが同じものならば、必然として2人の思いは交錯する。それはアスリートが持って然るべきエゴか

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 10月31日、大体大戦。後半が始まってまもなく、チームはメンバー交代策を巧みに講じた。始まりはSH芦田一顕(人3)のシン・ビン(一時的退場)で、中盤がぽっかりと空く形に。その穴を埋めたのは、FBとして今季初スタメンを飾った小樋山樹(人3)だった。それまで位置していた最後尾から中盤へ。ものの3分間、FWからBKの中継役を行なった。そして後半13分にリザーブのSH湯浅航平(人1)がSO新里涼(社3)と入れ替わり投入される。湯浅はSHのポジションに。小樋山はまだ中盤、ときおり後方にも下がるが大体はSOの位置にいる。それから8分後、芦田に変わり渕本伸二郎(社4)がピッチに入る。渕本がSOに入り、小樋山はFBとして最後尾に戻った。

 約10分間で見られた選手たちのポジションチェンジ。そこには試合とは別の、10番と15番をめぐる水面下のバトルが少なからずあったように思える。本編の主人公は、小樋山と渕本の2人だ。

 「出られるなら、なんでもいい」。ポジションへのこだわりを問えば、そう一蹴されるに違いない。小樋山のレギュラーへの思いは強い。そのぶん、ポジションがどうと言うタイプではない。

 「どちらもやり慣れている。問題ない」。10番と15番のどちらに就こうとも、プレーできる自信を持っている。

 高校時代はSOで、大学1年生次の合宿からFBにコンバートされた。2年生の春にSOを担ったが、関西2連覇におけるFBとしての立役者のイメージがある。しかし、3年目の今シーズンは厳しいものになった。春先こそFBの定位置に座ったかに見えたが、やがて渕本がFBに就く。ならばSOはというと、ケガによる長期離脱から完全復帰した新里がディフェンスと堅実なプレーでレギュラーを掴んでいた。しばらくはBチームで過ごす日々が続き、リーグ戦が開幕しても状況は変わらなかった。

 「今までずっと1年から出させてもらってて。高校のときも1年から出られてて。こういうのは初めて」。ポジション争いに敗れ、挫折に直面していた。

 小樋山は自らの武器を強みに、一方で課題とむきあい、プレーを高めていく選手だ。精度の高いキックはSO、FBを兼任できうる最大の武器。それに加えてポジション柄、体を張ることができるフィジカルの強さが求められるが、彼の課題はそこだった。それを克服するために、今春にはCTBにも挑戦しタックルを磨いた。レベルアップのためには一切の妥協がない。

 それでも選ばれずにいた、レギュラーのポジション。「正直、くさっていた」と心が折れていた。だが、光は差す。リーグ第4戦、エリアマネージメントの向上を図ったチームは、小樋山をFBとしてスタメンに抜擢したのだ。

 「めっちゃ嬉しかった。今までとは違う気持ちで。慢心みたいな1年から出てたから。そこまでAチームの重みを感じてなかった。

 Aチームが一番上。みんなそこを目指している。幸せやなって思った」。

 小樋山はトップチームでプレーすることの喜びを噛みしめていた。

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 スタメンの席は15個。誰かが一つの席に新たに座れば、同時にそこにいたものが追い出される形になる。スタメン争いとはそういうもの。大体大戦で小樋山がFBに就き、リザーブとなったのは渕本だった。「悔しいっス」。彼と同じ状況になって、そう思わないアスリートはいない。

 ポジションへのこだわりでいえば、小樋山とうって変わって渕本は相当に強い。「正直SOの方が好き」が本音。その後に付け加える。「出れるなら、どこでも」。

 小学生時代から就くポジションで、大学進学後もSOとして関西2連覇に貢献した。昨年からFBも兼任するようになり、今シーズンは15番に座った。

 「SOは視野が大事。SOの経験があるから、FBでも。

 FBは全部見える。自分以外の残り29人全部が。状況判断しないとダメ」。10番で培った判断能力は場所を変えてもなお発揮されている。

 渕本の魅力は何よりもその攻撃性だ。SOにおいての特性か、15番で出場しようとも変わることはない。いわば『SO的FB』。チームとしてもダブルスタンドで臨む場面もある。ディフェンス面と堅実さに定評ある新里と、対照的に攻撃的でクセ者の渕本。2枚のSOの同時起用、それを狙ったうえでの、渕本のFBへの転換があったように今では思える。

 しかし第4戦で後輩FBに席を譲ることになった。自身にとって公式戦でのベンチスタートは2年生次のリーグ第2戦(対京産大)以来。いつもとは異なる緊張感とともに、「はよ出たいな」とピッチへの思いを募らせていた。そして後半22分に投入される。ポジションは待望の、SOだった。

 そのとき試合は2トライ差で関学がリード。「接戦だったんで、ぼくが入ることで得点を期待されてた。攻めどころ、かな」。普段からアタックが大好きな男が、大好きなポジションで躍動する。まさしく、水を得た魚のごとし。それからはBKが両WTBを中心にプレーを展開し、追加点を重ねた。

 試合後、SOのポジションについて聞くと「楽しいっス」と渕本は白い歯をのぞかせた。

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 スタメンの座をめぐって交錯する2人の思い。共通するは「出れるなら、どこでも」という台詞。それでも互いの心中は異なる。思惑や理想、ときにエゴが絡む。それはアスリートならば必ず持っているもの。むしろ、それなくして戦えるはずもない。他校との対戦と同時に繰り広げられる、チーム内でのレギュラー争いというバトルには。

 欲するものが同じである以上、必然としてライバルになる。就くのは10番、それとも15番? これからの戦いで鍵を握るのは相手より抜き出た武器か、思いの強さか。それとも、もうひとりのライバル、新里の存在か。

 さてリーグ戦後半、先発オーダーに記されるのは果たして。■


母校近景

2010-11-07 19:45:37 | ブログ

Kg_002ラグビー試合の合間に、ひさし振りに母校へ行った。

母校のシンボル:時計台

Kg_003

Kg_010僕が学んだ商学部:校舎

Kg_006 母校のルーツ:神学部校舎

Kg_008 白鳥がいた?:新月池

                                                

Kg_007 経済学部

Kg_015_2 体育会の精神を刻んだモミュメント

                   Kg_027                                                                                                                                   ラグビー部グランド


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2010-11-06 10:15:29 | ブログ

これで4戦連続だ!この日行われた試合で小原渉(人3)は試合を決定付けるトライを決め、チームの勝利に貢献した。「トライは常に狙っていってる」と語る小原。目標とする先輩・西川征克(文卒)のようなトライゲッターに向かって次の試合でもトライを決めてくれ!

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【周囲からの重圧】
 先週の敗戦でもうあとがなくなった関学。それだけにトライゲッターの背負う責任の重さは計り知れない。そんな中で臨んだ今日の試合。小原は前半23分にゴール直前左中間ラックよりボールを持ち出しトライ。これで4試合連続。「最近はボールをもらう機会が増えてきた。そこでどれだけ倒れずにいけるようになるかですね」。リーグを重ねるごとに他チームからのプレッシャーも増してきた。「今までやってきたことの精度を上げること」が、小原のみならずチーム全体がリーグ後半戦を戦い抜く鍵となるだろう。

【挑戦者の精神】
 「(天理大は)ちょっと気になる」と語る。関学を破った近大を相手に、この日48―0で大勝した天理大。その攻撃力はやはり関西トップクラス。「でも、どこが相手でも自分たちのプレーをするだけです」と小原。チャレンジャー精神を再燃させた関学。目の前の敵を一戦一戦確実に破っていくだけだ。そして、残り試合を全勝すれば優勝の可能性はまだある。小原のトライがチームに勝利を呼び込むのだ。

◆今季初出場!湯浅
 後半10分、SH芦田(人3)が反則を取られ、シンビンに。そこでリザーブとして投入された湯浅(人1)。湯浅にとってこの試合が今季、Aチーム初出場となった。「芦田さんとか、SHの先輩がすごいんで、その人と代わってもチーム力が落ちないように」と自らを奮い立たせた。SHはチームの攻撃の起点となるポジション。湯浅はSO渕本(社4)へとパスを回し、そこから関学は左へと展開。そしてWTB松野尾がトライを決めた。得点に絡み、デビュー戦を白星で飾った。湯浅は「渕本さんに従っただけ。それしかしていない」と謙虚に語った。 「まだ大学のラグビーに慣れていない。ビデオとかで勉強して、多くのプレーを身に付けたい。自分の持ち味はキックなので次出れるときには決めたいです」。湯浅はJAPANにも選ばれた実力の持ち主。レギュラーの座を勝ち取ることはできるのか。今後の活躍に期待がかかる。

◆INTERVIEW―大崎監督
 近大戦の敗戦後、2日間ほど重苦しい空気が流れていた。しかし、その後は負けを受け入れ、しっかりと前を向いて大体大戦に備えた。コミュニケーション不足の改善など、1週間でできることをやった。そうしたことが勝利につながった。だが、勝ちが決まった後に奪われた2トライは余分。気持ちの緩みが原因であり、反省点だ。最終戦のことは考えず、チャレンジャーだと思って一戦一戦を戦っていきたい。


my rugby club

2010-11-04 23:59:26 | ブログ

この男が久々にAチームに帰ってきた!小樋山樹(人3)が今季初出場となった大体大戦で、ここまでスタンドで見ているだけだった鬱憤を晴らすパワフルなプレーでチームを勝利へ導いた。中でもコンバージョンの成功率は100%を誇り、レギュラー奪取へ猛烈アピールを見せた。

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【感謝の気持ち】
 今までとは違う気持ちで臨んだ一戦だった。
一年生次よりレギュラー不動の座を守り抜いてきた小樋山。しかし開幕戦でAチーム入りを果たせず、スタンドから観戦する日々が続いた。「正直、Bではくさってた」。こう振り返る。だからこそ、「Aでやるラグビーって幸せなんやなって思った。今までは心のどこかで(Aでやるのが)当たり前やと思ってたんかな。今日の試合はチームの代表という重みを感じてプレーしました」。

 この日、小樋山はこれまでの鬱憤を晴らすかのようにフィールドで躍動した。走ればボールを少しでも前に進め、コンバージョンを蹴れば五回中五度成功の職人技を見せつけた。以前「(Aチーム入りをするためには)これという武器が必要。コンバージョンの精度をもっと上げたい」と語った。それだけに、今日の結果は自信につながった。今後、強敵と試合をするなかで1点を争う展開になった際、小樋山の正確無比なキックは勝敗を左右するだろう。

【挫折を越えて】
 「試合に出れない人がいる。その人らの分も頑張りたいし、満足してもらえるプレーをしたい」。大学に入って初めて経験した挫折も、その悔しさもすべては今の小樋山につながっている。ようやく前線に舞い戻ってきた小樋山のプレーから、今後目が離せない。


◆心機一転―主将・緑川
 いつも通りフィールドに出てくる朱紺の闘士たち。そこにいつもと異なる姿がひとつだけあった。主将・緑川の坊主頭だ。「(近大戦の)敗戦から心機一転するため」。と緑川は話す。大体大戦では、課題であったコミュニケーション不足を克服するために、自らが積極的に声掛けをした。そして見事勝利。嫌な流れを断ち切ることに成功した。残る試合はあと3戦。緑川を中心におごることなく、一戦一戦を挑戦者の気持ちで突き進んでいく。


母校ラグビーチーム

2010-10-25 14:04:41 | ブログ

開幕負けなしで関西3連覇に向けまい進していた関学ラグビー部。しかし、突如として巨大な壁にぶち当たった。今日の相手である近大に12―24で敗れ去ったのだ。試合後「敗因は気持ちの面」とこぼした主将・緑川(商4)。気持ちを切り替え、次戦からの巻き返しに期待するしかない!

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【王者の油断と慢心】
 試合前から選手たちの気合は十分。今日も勝利し、3連覇へ弾みをつけたいところだった。しかし、いつもと変わらない試合前の光景も、選手たちの内心には相手チーム・近大への油断や自分たちへの慢心が巣くっていたのかもしれない。

 そして、その予感は的中する。前半3分、いきなり相手に独走トライを許す。さらに18分、追加点を許し0―12。このままで終わらない関学は、判定トライで7点を返し、7―12で前半を折り返した。まさかの 5点ビハインドで前半を終える。それでも、関西王者の関学なら必ず逆転できるだろうという確信があった。

 しかし、後半になってもいっこうに勝利への糸口が見えてこなかった。26分、ゴール前でモールから持ち出したナンバー8小原(人3)がトライを決めて同点に追いつくが、試合の主導権を握っていたのは近大だった。そして残り5分を切ったところで、何かが決壊したように、連続トライを決められ試合終了。歓喜に沸く近大サイドとは対照的に、関学陣営は水を打ったように静まり返っていた。

【よみがえれ挑戦者】
 試合後のフィールドは現実感のない光景だった。しかし、これはまぎれもない事実。今日の敗北をプラスに捉えるところがあるとすれば、それは「挑戦者」の気持ちを再燃させることができたこと。「日本一」を目標に掲げる関学が、こんなところでつまずく訳にはいかない。気持ちを切り替えて次戦に臨むしかない。もう、絶対に負けられない。


母校ラグビー

2010-10-22 20:49:25 | ブログ

「MOVE」をテーマに掲げている今年の関学。BKのスピードが勝利への鍵を握っている。チームを引っ張るべき存在であるはずBKが、京産大戦では不発。FWに肩を借りる結果となった。

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【FWの活躍】
 FW合戦が予想されていた京産大戦。去年に比べサイズダウンした今年は、BKのスピードが鍵を握っていた。「京産大の強力FWに耐え、関学はBKの展開力で対抗し、どこまでやれるのか試したい」。大崎監督はそう話していた。しかし、実際に攻撃の主体となったのはFWだった。前半のトライはすべてFW陣によるもの。BKのキックで陣地を広げ、FWにつなぐ。FWとBKが一体となった攻撃ではあるが、FWに引っ張られる形となってしまった。しかし、後半にはWTB長野(社4)がこぼれ球から中央へ独走トライ。「トライとディフェンスが自分の役割。どんな形であってもトライを取る」と力強く語った。

【BKに期待】
 京産大から白星を奪ったものの、BKは不発に終わった。FW陣の活躍により、BK陣にもさらなる期待がかかる。スピードがウリの今年の関学。BKが攻撃の起点となれるのか。テーマである「MOVE」を象徴するのは、BKだ。スピードのあるパス回しと展開力で勝利へと導く。BKが爆発する時を待つばかりだ。
◆硬式野球部の応援に行きました
 この日の試合後、ラグビー部の選手たちはある場所に向かった。それは、わかさスタジアム京都。野球場だ。そう、ラグビー部は試合後の疲れもなんのその、硬式野球部の関関戦の応援に行ったのだ。互いの主務の何気ない雑談から実現したこの企画。硬式野球部17年ぶりのリーグ優勝の懸かった大一番にスタジアムはおおいに盛り上がった。緑川も「体育会の横と横のつながりは大事にしたい」と語る。試合は9回二死満塁から四番・萩原(商2)の打順にまわり逆転のチャンスをつかむも、惜しくも敗れ4年生たちは引退となった。同志の無念を目の当たりにした関学ラグビー部。彼らはそういった人のためにも負けるわけにはいかないのだ。
◆INTERVIEW―大崎監督
 出来る子たちだとは思っていたが、ここまで春、夏を通して自分たちに自信をつけることができないままリーグに突入して、不安はあったと思う。今日の相手は京産大、強いFWで来ることは分かっていた。だからこそ逃げるのではなく、「やられるやろうけど自分たちの実力を知る絶好の相手だと思ってやってこい」と萩井ヘッドコーチも試合前に言っていました。FWで我慢して、BKでトライを取っていく作戦だったのが、実際はFWだけでだいぶ通用したのは嬉しい誤算。選手たちの自信にもつながったと思う。 去年の『遺産』を自分たちの実力だと過信して始まった春から、だいぶまとまってきたと思う。初戦も今日も、BKが簡単に相手を抜かせてしまう場面があったのが、まだチームが若い証拠。今後はこういったプレーが命取りになるから、気を引き締めて近大戦に臨んでいきたい。


母校ラグビー

2010-10-19 19:54:20 | ブログ

BKの展開からFW陣が爆発!京産大の強力FWを封じ、開幕2連勝を飾った。夏の努力が実を結び始めたFW。BK陣との連携でさらなる攻撃へ。緑川組は進化を続ける。

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【大差で勝利】
 初戦の立命大戦に勝ち、勢いに乗ったまま迎える京産大戦。優勝するには一戦一戦が重要となるリーグ戦。関学は勝利目指して臨んだ。

 晴れ渡る空の下、関学のキックオフで試合が始まった。序盤、京産大のFWを中心とした攻撃に苦しめられる関学。ゴール前での危ない場面が続く。しかし関学も粘り強い守りを見せ、相手の思うようにはさせない。そして前半28分、ゴール前中央ラックからHO緑川(商4)が抜け出し先制トライ。その後もFWを中心とした攻撃で果敢にトライを狙っていく関学。PR幸田(経2)、NO8小原(人3)もトライを決め、前半を26―17で折り返す。

 リードして迎えた後半。開始4分、敵陣22メートルラインからSH芦田(人3)、SO新里(社3)、CTB村本(文3)へパスをつなぐ。そしてそのまま村本が右中間にトライ。31―17とし、京産大を大きく引き離す。自陣でのプレーを強いられる場面もあったが、堅いディフェンスで京産大の攻撃をしのいでいく。後半21分には、ゴール前のラックからFL安田(人2)が抜け出しトライを決める。さらに相手のパスミスからWTB長野(社4)がボールを奪い、相手を全く寄せ付けずに独走トライ。試合を決定づけた。後半は相手に一つもトライを許さなかった関学。47―17で勝利し、初戦に続き白星を飾った。

【一戦必勝!】
 次戦の相手は近大。今年昇格してきたチームではあるが、油断はできない。「現状に満足してはいけない」と試合後、緑川は部員達に呼びかけた。3連覇に向けた戦いは、まだ始まったばかりだ。


10月10日 花園ラグビー場

2010-10-13 22:24:06 | ブログ

『闘いはここから始まる。』

 若いFW陣。今年のチームをひも解くなかで、それは外せないキーワードだ。10月10日の開幕戦でスタメンに選ばれたFW陣の面々を見れば、それは明確だった。今シーズン、朱紺の闘士に抜擢された若きLOが振り返るオープニングゲーム。

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【緊張】
 開幕の4日前、藤原慎介(商2)は困惑と期待が混じる複雑な表情を浮かべていた。

 「まだ実感沸いてなくて。花園が初めてで、観客が多い大きい会場でやるのも初めて。のまれへんように…。

 そんな緊張するタイプやないんで、まだ。前日に緊張がすごくなるかも」

 いよいよ始まる関西大学リーグ。これから彼が幾度も立つであろう主戦場『聖地・花園』のピッチを、彼はまだ踏み入れたことがなかったのだ。             加えて、藤原にとって2年生でむかえるリーグ開幕戦が、初の公式戦。着るのはもちろん朱紺のジャージ。                                   本人の気持ちに覆いかぶさるようにプレッシャーの波は押し寄せてきていた。

 それは藤原だけの話ではない。初の公式戦、初の花園のピッチ、それらを初めて経験する選手は今年のレギュラーには数えるほどいる。とにかく『若い』のだ。

 そんなチーム状況を見た大崎監督は試合前日のミーティングでこう話した。

 「『固くなるな』と言っても固くなる。FWは新しいメンバーで、緊張すると思う。緊張をほぐすには、しゃべるとか、ビーバー(山本有輝=文4=)のように叫ぶとか」

 そして上級生、とりわけ公式戦経験者の役割は必然として大きくなる。WTB長野直樹(社4)は言う。

 「リーグの雰囲気自体が無知な選手が多い。知っている人間がどれだけ導けるか」

 むかえた緑川組の初陣。若き闘士はいかなる胸中でピッチに立ったのか。

【初陣】

 10月10日、近鉄花園ラグビー場。関西大学Aリーグが幕を開けた。近づく試合開始にむけ、選ばれし朱紺の闘士たちが戦闘態勢を整える。その顔ぶれは『花園経験組』と『花園初体験組』に分かれる。試合前、主将・緑川昌樹(商4)は「がむしゃらに楽しんでやれ!」とフレッシャーズに言ったという。そして藤原は周囲からこう言われて心が安らいだ。「グラウンドに立ってしまえば一緒やろ」。

 藤原の邂逅。「控え室が一番緊張した。入ったときに観客も多くてビックリして。 試合前、緊張しました。でもグラウンド立ったら」。次第に落ち着きが顔をのぞかせてきた。だからこそ「はやくボール持って落ち着こうと。けっこう早めにボールもらえて、安心したんで。そのあとも何回かボール持って」

 藤原自身は平常心を取り戻していた。一方でチームは細かなミスから流れをつかめない。風下もあいまって、キックも上手くはまらない。そんな苦しい状況にも、スタンドからの歓声は飛ぶ。そのとき藤原は確かに耳にした。

 「走れッ!」

 誰が言ったかは分からない。けれどもそのゲキが聞こえたとき、藤原のスイッチは入った。走らなあかん―。

 ここ最近消極的なムードが続いた藤原だったが、先輩の「がんがんいけ」という喝に奮い立たされ、ゲーム中の声援に後押しされた。

 「積極的にいけた。いつもよりは体はれたかな。このゲームがバネになって、次につながるんじゃないかと」

 やがて勝利を収めた開幕戦を終え、プレッシャーをはねのける強さを手にした藤原がそこにはいた。

【抜擢】

 経験値をはじきだせば藤原はレギュラーのなかでも低い部類に入るだろう。  高校はラグビー有名校ではない。「(関学で)やっていけるんかな」という不安もあった。しかしガタイの良さを買われ、2年目で抜擢された。関学の『5番・LO』に。

 緑川は期待もこめて(?)、藤原を茶化す。

 「関学の『5番』や言うたら、〝人間〟じゃない人がするポジションやで」

 ここ2年間で、そのポジションに座った面々を見れば言わずもがな。鵜川慎之介(経卒)、松川太郎(経卒)のビッグマンたち。そのラインナップに今シーズン、藤原慎介(神戸市立六甲アイランド高等学校卒・2年生181cm、105kg)の名が新たに加わる。


ラグビー開幕戦

2010-10-12 00:46:43 | ブログ
ついに始まった関西リーグ。3連覇を懸けて臨んだ関学は、去年からの大幅なサイズダウンや周囲からの期待などの逆境を打ち破り、見事立命大を21―15で下した。この勝利は単なる一勝ではない。今後の快進撃を予感させる値千金の大金星であった。


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【出陣の時】

ついにこの時がやってきた。待ちに待ったリーグ戦、初戦の相手は関学と相性の悪い立命大。3連覇へ勢いを付けるためにも負けは許されない。奮起したのはナンバー8小原(人3)だった。



「走ってタックルしてトライしたい」。試合前、小原はそう意気込みを語った。試合開始早々、立命大に先制トライを奪われた関学。その後も自陣に攻め入られ、我慢の時間が続く。しかしリードを許したまま前半を終えられない。FWを中心に反撃を開始。モールで攻め込み関学に流れを引き戻す。そして前半31分、積極的にトライを狙っていきたいと話す小原が魅せた。ゴール前のスクラムから抜け出した小原が試合を振り出しに戻すトライ。コンバージョンキックも決まり、逆転に成功。7―5と勝ち越して前半を折り返す。



 2点リードで迎えた後半。両者一歩も譲らず、一進一退の攻防が続く。敵の厳しいアタックにも屈しないディフェンスを見せる関学。そんな時、相手のミスからチャンスを手にする。そしてスピード感のあるパス回しで相手を翻弄(ほんろう)。徐々に流れが関学に傾き始める。リーグ戦初出場の選手が多い今年の関学FW。「自分が引っ張らなければ」。その思いが小原を奮起させた。後半27分、ゴール前のモールから抜け出した小原。相手をかわし2本目のトライを決める。その後もリードを保ち続け、試合終了。21―15で難敵立命大を撃破。初戦で見事白星を飾った。この日小原が決めたトライは二本。二本とも、春から力を入れて練習してきたモールとスクラムからの得点だった。





【FW勝負】

 勝利を手にしたものの、ミスが目立ち、課題の残る試合となった。次に戦う相手は京産大。FW戦になる可能性が高い。FWが鍵をにぎる次戦では、鍛え抜かれたセットプレーで京産大に立ち向かう。関西3連覇を目指す、彼らの挑戦はまだ始まったばかりだ。



関西大学ラグビーAリーグ

2010-10-08 15:42:23 | ブログ
 いよいよ、待ちに待った関西大学ラグビーAリーグ戦が10日(日)にラグビーのメッカ花園ラグビー場で開幕する。
母校ラグビー部もいざ、出陣のポスターが構内に貼られた。
今シーズンの緑川組のポスターを公開。いよいよ迫ったリーグ戦にむけ、高まるムード。学校や試合会場で要チェック!
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▲『MOVE』イメージポスター
 今年のチームスローガン『MOVE』を全面に打ち出したイメージポスター。栄光の金色が、背景の紺色に映える。主将、主務、副将の3人が登場。その下には全部員の名前が刻まれており、「全員ラグビーで挑む」という意味が込められている。
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▲リーグ戦スケジュールポスター
 関西大学Aリーグの日程を記載したポスター。昨年同様にこちらは『いざ出陣』がタイトル。左上に書かれた『GLADIATOR IN REDBLUE=朱紺の闘士』を代表する5人の表情が印象的な仕上がりになっている。
 これらのポスターは学内や大学近辺に掲示中。試合招致のキャンペーンで配布もされる予定だ。

母校ラグビー部

2010-09-07 00:19:38 | ブログ

 〝らしさ〟全開だ!リーグ戦を前に最後の大学同士の試合となった青学大との定期戦。FB渕本伸二郎(社4)が走っては自らトライ、蹴ってはコンバージョンをすべて成功させる大活躍を見せた。その躍動ぶり、リーグ戦でも見せてくれ!

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【アタッキング】

 気合いが違った。チームは夏の間、勝ち星に恵まれなかった。リーグ戦をひかえ、大学生同士の試合としては、この日が最後。「勝って勢いつけたかった」。自身の意気込みに応えるように、渕本の調子も上がっていた。

 そうして立ったフィールドでは、これまで以上の躍動ぶりを見せる。前半にはゲインするWTB吉原(人2)に併走し、最後パスをもらうとそのままゴールラインへ駆け抜け、チーム一発目のトライをゲット。自らの得点で反撃の狼煙(のろし)をあげると、後半はゴールシーンの演出家に。パントで敵陣深くへボールを送りこむと、そこからチームは攻撃を展開する。同点となった得点シーンではWTB松野尾(社4)へのアシスト、勝ち越しの場面も基点となったのは渕本お得意の「裏パン」だった。かねてより「アタック好き」を公言する男が、攻撃面でそのプレースタイルを全開させた。くわえて任されたコンバージョンキックも7本すべてを成功させ、まさに絶好調。「自分はキックを決めて、チームを安心させてやろうと」の台詞にはまわりもニヤリ。走らせても蹴らせてもそしてしゃべらせても、波に乗ったこの男は手がつけられない。

【スタンド能力】

 昨シーズンからFBとしての出場機会も増えた。本人は本来のSOのポジションにこだわりを見せるが「出れるならどこでも」。むしろFBながら、要所ではSOとしてプレーすることもある。この日も後半の「大事な部分では」本職に就いた。熊野BKコーチに買われている〝スタンド能力〟は、ポジションに関係なく発揮されそうだ。

 チームに久々の勝利をもたらした渕本。リーグ戦でもゲームを作るのは、この男だ。

◆誓った!!V3

 入部してから常に優勝を目標においている渕本。ラグビー部ホームページでも毎年記され、3年前は「関西制覇」、翌年は「V2」そして今年は「V3」となっている。高校時代、花園の決勝まで進んだものの栄光を逃した苦い記憶が渕本をかきたてる。3年前の天理大との大一番の前には「関西制覇するしかないっスね!」と意気揚々とふるまっていた。


 ラストイヤーの意気込みを、当然のように「関西3連覇して、日本一目指して」と語った渕本。栄光の立役者になれるか。