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Tedのつゆ草の旅

母校関西学院ラグビー部とアメリカンフットボール部の試合を中心に書いているブログです。

社業に還る。 牟田至(関西学院大学前監督)

2020-02-25 17:54:54 | ラグビー
<figure class="eyecatch">【ラグリパWest】社業に還る。 牟田至(関西学院大学前監督) <figcaption>関西学院大で2期目の監督を3年やって、退任した牟田至さん。写真は勤務するサントリー酒類のテストキッチンの前で</figcaption> </figure>


 牟田至は社業に還った。

 籍はサントリー酒類。肩書はグルメ開発部の営業担当部長だ。
「お酒のご提案や提供などを含め、新規開店のサポートが主な仕事ですね」
 日焼けした顔は指導者の名残りだ。

 この3年間、母校の関西学院を率いた。監督とビジネスマンを兼ねた。

 最後の2019年度はチームを5年ぶりの大学選手権出場に導く。
 56回大会の8強戦では準優勝する明治に14−22。東京・秩父宮での8点差敗退は、関西の名門復活を印象づけた。

「よくやってくれました。100点ゲームになるかと思ったけど、これまでと違う力を見せてくれた。学生はすごいと思います」

 先発15人を比べると、明治は高校やU20など世代の日本代表経験者が10人。関西学院は3人。肩書通りの結果にさせないため、伝統である「学生主体」、言い換えれば自主性が発揮された。負けたくない思いで結束する。

「正直に言えば、逃げの論法という部分はあります。ウチは経済的にフルタイムのコーチを置けません。それがやれない以上、学生主体でいくしかありません」
 牟田は与えられた環境で戦った。

 関西学院の創部は1928年(昭和3)。90年超の歴史を誇る。戦後の昭和20年代は関西大学対抗戦(関西リーグの前身)で6回の優勝。しかし、スポーツ推薦入試の廃止や入学難が重なり、1957年の頂点を最後に低迷する。

 再び覇権を奪回するのは2008年。実に51年ぶりだった。監督は同じ牟田。第1期の2年目。1年目は5位だった。

 沈んでいた半世紀はOBの結束も弱くなる。予算獲得や環境改善のため、大学側に部の声を届けるOB職員の数は今でも2人。看板クラブのアメリカンフットボールは10人以上。この差は戦績に現れている。

 牟田が2期目の監督に就任したのは2017年度。1期目から10年近くが経過していた。どの学校も宣伝・広告の意図もあり、資本などを投下。簡単には勝てなくなっていた。

 再登板の理由は立て直しだった。前年度、監督と学生がもめる。同率3校間の得失点差で6位。さらにその前は8位で入替戦。2年連続して最下位に等しかった。

「カオスのようの状況でOB会から突然、行ってくれないかと言われました」
 牟田はOBの切り札だった。軸に据えたのは対話。「学生主体」のスタイルは変えない。できるだけ声をかけ、一方的に意見を押し付けるのではなく、学生の思いを聞いた。

「学生主体は絶対に大事。それがウチのアイデンティティーということもありますが、こちらが手取り足取りやっても身につかない。自分たちで何が足りないかを考え、取り組む。それは社会に出てからも生きるはずです」

 土日は自宅から車で15分ほどの上ヶ原のグラウンドに通った。12時間の滞在は当たり前だった。有給休暇は合宿などに充てる。

初年度は4位。最終戦で立命館にサヨナラPGを決められ、選手権出場を逃す。
「あと1年早く、牟田さんに会いたかった。厳しさも、優しさもある牟田さんがいれば、チームはもっと強くなっていたはずです」
 試合後、CTB金淳英(きむ・すにょん=現東京ガス)は涙声で語っている。

 次年度も4位。2年の成績からセットプレーの安定が不可欠と学生が実感する。そのため、春はスクラムを4000本組んだ。春季トーナメントは7位も、秋のリーグ戦は3位に食い込んだ。明治の善戦の源でもある。

 学生主体の尊重と同時に「チーム方針」を明確に打ち出す。
「タックルしないやつは使わない」
 3年目にそれを具現化したのがSH橋詰学やCTB福本泰平だった。2年生の橋詰は天理高時代、控え選手。4年生の福本は御影高出身。公式戦出場は0だった。有名校2軍でも無名校から来ても、努力すればレギュラーになれる。チームには公平感が漂った。

 牟田は48。練れる年齢になる。
 全国舞台を最初に知ったのは大阪・北野高。チームは1年時、42年ぶりに全国大会(67回=1987年度)に出場した。
「すごく人が入ったのを覚えています」
 3回戦で12−16と伏見工(現京都工学院)に敗れるが、観衆は2万超。2代前の花園ラグビー場はタッチライン際まで人であふれた。

 一浪後、関西学院に入学する。高校を同じくする双子の兄・誠は同志社を選び、同じFBとして活躍。卒業後は広告業界で生き、現在は台湾博報堂の社長をつとめる。

 当時の関西学院はBリーグ。強豪ではなかったため、サントリーへは一般試験で入った。その後、ラグビー部から召集がかかる。

 サンゴリアスと呼ばれるチームでは速さを武器に2年目から公式戦出場。日本代表キャップ8の今泉清を押しのけた。コーチ時代のエディー・ジョーンズからも指導を受ける。イングランド代表監督は今でも「ムタ」と気軽に声をかける。

 全国社会人大会(トップリーグの前身)では1回(48回=1995年度)、日本選手権では2回(33、38回=1995、2000年度)の優勝を経験する。ケガもあったため、2001年3月に現役引退。在籍は6年だった。その6年後、関西学院の監督になる。

「牟田さんはすごいですね」
 定期戦を行う立命館の監督・中林正一は言った。牟田の2期5年の成績は5、1、4、4、3位。5位以下のBクラスは1度のみ。元日本代表HOは6学年上の牟田に尊敬がある。

「いやー、しんどかった。大変でした」
 牟田は総括の言葉を吐き出した。
 家庭に帰れば、中1と小2の2児の父である。ようやく男親としての務めが果たせる。
 チームの後事は小樋山樹に託した。

 当初、2年で退任する予定だった。しかし、学生側から懇願され、1年延長をした。5年に及んだ監督生活は社業に影響を与えた可能性もある。ただ、強豪チームで若い人や組織を動かした日々はこれからに生きる。
 牟田は得難い経験をしたことになる。


関西大学ラグビー 入れ替え戦

2019-12-09 10:24:25 | ラグビー

関大、A昇格。大体大に完勝

 

関大、A昇格。大体大に完勝

 

 12月8日、京都・宝が池球技場で関西大学ABリーグの入替戦が行われ、A8位とB1位の対戦となった試合で関大が勝ち、来季のAリーグ昇格を決めた。敗れた大体大は2シーズンをAリーグで戦ったが、AからBへの降格はこれで2度目となった。

 A7位の摂南大は、B2位・龍谷大を66-21(前半33-7)で破って残留を決めた。

 関大が43-21で大体大を破った。前半は、17-14と僅差リードで終えた関大は、後半開始から再度アクセルを踏み込む。後半2分にハイパント、15分にチャージ、23分にはキックパスを起点にトライを重ねて突き放した。

運動量、キック攻防での安定感がスコア差につながった(撮影:早浪章弘)
 

 後半2分のトライは、キックオフ間もなくのキックラリーから。WTB勝又佑介が中盤のハイパントを絶妙の高いキャッチで抑えると、一気に逆タッチまで順目展開。やはりWTBの大西俊一郎が大体大デイフェンスの裏に中フライを上げて、自らインゴールで押さえてトライ(G成功)、後半早々に24-14と差を広げた。

 後半15分のトライも、キックで相手をゴール前に押し込んだラックから。ラック横から相手SH目掛けて狙い澄ましたチャージを決めたHO淡野徳蔵の殊勲だった。31-14とさらにプレッシャーをかけた。

 23分のキックパスはSO小松原柚貴主将から、WTB末廣賢三へ糸を引くようにつながった。38-14として大きく勝利に踏み寄った。その後は1トライを返されるも、危なげない試合運びで終盤へ。最後に1トライを加えての完勝だった。

 関大が、昨年の入れ替え戦で摂南大に敗れ降格してから1年、最速でのA復帰を果たした。

圧勝した摂南大。ヴィリアミ・ツイドラキはFBで躍動(撮影:早浪章弘)
 

関西学院 復活

2019-12-07 13:57:28 | ラグビー

関西学院、復活す。5年ぶりの全国舞台へ

 【ラグリパWest】関西学院、復活す。5年ぶりの全国舞台へ

5年ぶりに大学選手権出場を決めた関西学院大。ブレザー姿は牟田至監督、ガッツポーズをするのは原口浩明主将

関西学院が復活した。
 西の名門。通り名「カンガク」は5年ぶりに大学選手権出場を決める。「経験したことのない緊張感を味わうと思いますが、それを楽しみたいと思います」

 主将の原口浩明は声を弾ませる。
 167センチと小柄な左プロップは、最前線からチームを引っ張ってきた。

 11月30日、関西リーグの最終戦で大体大に42−14と勝利する。4勝3敗で京産大と並んだが、直接対決を28−21で制しており、天理大、同志社大に続く3位を確定させた。

 春季トーナメント7位からの躍進。理由はセットプレーの安定、とりわけスクラムの強化にある。ラグビーの根本に戻った。

 組み合いは4000本を設定した。コーチの張泰堉(ちゃん・てゆ)は振り返る。
「4月中旬から始めて、7月の第1週に終わりました。週に4日、100本以上組んだこともあります。よくやってくれました」
 30歳の元プロップはほおを緩めた。NTTドコモで現役を引退した張は総務部に勤務。週末に後輩たちの面倒を見ている。

 張と監督の牟田至の2人は春先、天理大学コーチの岡田明久に個人的に会ってもらった。
「まず物理的な数を組まないと」
 天理大のコーチから助言を得る。
 岡田の鍛えた漆黒のスクラムは昨年度、他を圧倒。第55回大学選手権決勝では、明大に17−22と5点差にまで詰め寄った。

 朱紺のスクラムは最終戦でも威力を発揮する。開始2分、大体大からコラプシングを奪った。前半、この手の反則は2つ。後半に入ればスクラムは走る。前半は14−7、後半は28−7。前への出方の変化が点数に表れる。

関西学院がリーグ戦を最後に制したのは2014年。それから5年間、苦闘する。

 翌年、ボールを動かすラグビーに固執するあまり、キックによるエリア獲りの意識が薄れた。首位から最下位の8位に一気に沈みこんだ。優勝監督だった野中孝介は辞任した。

 2016年、新任監督の大賀宏輝と部員たちが指導をめぐって懸絶する。大学職員でもある大賀は現場を離れた。1勝6敗で連続最下位の危機だったが、並んだ3校間の得失点差でかろうじて6位におさまった。

 

 関西学院は伝統として「学生主体」を掲げている。監督は基本的に強制をしない。話し合いで方向性が決まる。学生たちがラグビーで自主自立を学び、社会に出てほしい、という願いがある。ただ、時として両者に摩擦が起こってしまうこともある。

 翌年、OB会が中心になって白羽の矢を立てたのが現監督の牟田である。

 卒業後、サントリーでフルバックとして活躍し、現在はサントリー酒類につとめるビジネスマンである。

  牟田は再登板だった。2007年、2008年の2年間、指揮を執った。1年目は5位、2年目は51年ぶりとなる関西制覇を果たしている。

 

 牟田は学生たちとの対話を重視する。
「主体はいいけれど、主導はよくない」 ミーティングを重ね、意思疎通を図る。
 主将は赤壁尚志。牟田は絶賛する。
「赤壁は『しんどい』と一切言いませんでした。大した男でした」
 自分たちの主張も大切だが、勝てなければチームは崩壊する。防ぐには協調しかない。お互いがその思いを強くする。

 2017年は3勝4敗で4位。最終戦の立命大は終了寸前に犯した反則をペナルティーゴールに変えられ、19−22で惜敗する。引き分けなら得失点差で選手権に出場していた。

 フッカーだった赤壁は現在、大阪の「はつしば学園小学校」で教員の道を歩んでいる。

「僕の周りには昔から子供がたくさんいて、一緒に遊ぶことが好きでした」
 大学を出てすぐに天職につける。

  2018年は4勝3敗で同じく4位。2年連続で選手権を逃す。開幕3連勝も勢いが続かなかった。主将はフランカーの勝川耀。卒業後の進路は、自分の地元・伊丹にも事業所がある住友電工に定めた。

「就職活動で『君と一緒に働きたい』と言ってもらえた会社でした」
 大学の4年で人物により磨きがかかる。

 2019年。牟田の3年目は同時に最終年でもあった。このシーズンで監督を退任する。

「それぞれの代にそれぞれ特徴がありました。僕の中で、いい、悪いはありません。でも、ひとつ言えるのは学生にめぐまれていた、ということでしょうね」
 48歳の指導者には感謝が残る。

  チームにとっては牟田の3年間だけではない。それ以前の迷走や闘争すら復活には必要だった。根幹をなす「学生主体」を在籍した部員たちはもちろんOBや関係者が再考するよい契機になった。

 

 2期5年目を総括して牟田は話す。
「学生主体というオリジナリティーがないと、ウチの存在意義はありません」
 2児の父ながら、週末は家族サービスを放棄。12時間、グラウンドに立っていた。

  主将の原口は、勝因を問われる。

「ブレないと言うか、やってきたことを信じた、ということですかね」
 4000本のスクラムに寄り、それにかけた。結果は出る。今後の人生の指針は定まる。

  就職先は大手ゼネコンの安藤ハザマ。実家は北九州・若松で「原口建設」を営む。父・和也が3代目の社長だ。従業員は10人に満たない、いわゆるファミリー・ビジネスだ。いずれは帰郷も視野に入れている。

 四角い体、顔全体の笑み崩しなど原口は、いい「親方」になる雰囲気を漂わせる。学生たちが主将を決める時、ほぼ満場一致だった。その人望が学生主体と溶け合った。

 スタンドオフの房本泰治(たいち)は副将としてナンバーエイトの杉原立樹(りき)と原口を支えた。

 右足からのハイパント、エリア取りのキック。正確なパスでバックスをまとめ上げた。

 「中学から10年間、同じグラウンドで過ごしました。色々なことがありましたが、最後にここまで来られて素直にうれしいです」

 父・英利も同じ位置で大体大や大阪府警で活躍した。その道を追い、中学部からこの一貫校で楕円球を追った。

  関西学院が5年間の思いをぶつける大学選手権は56回目を迎える。初戦は朝日大と九州共立大の勝者と戦う。12月15日(日)、大阪・花園で正午にキックオフされる。

  勝てば準々決勝でシード校の明大と激突する。関東対抗戦1位は前年度の優勝校でもある。監督の田中澄憲(きよのり)はサントリーにおける牟田の年少者。先輩後輩の対決が実現する。

 全国舞台を心待ちにする房本は、損保国内最大手の東京海上日動に、転勤が関西限定の地域職として入社する。

「卒業してもなんらかの形でラグビーに関わっていければいいなあ、と思っています」
 10年の日々は母校愛を運んでくる。

  練習場の第2フィールドの西には、こんもりとした甲山がある。その奥には六甲山系が広がる。季節によって色彩は緑から赤や黄、グレーと鮮やかに変化する。

 その山並みは、1928年(昭和3)の創部のはるか以前、太古からこの地にある。
 その美しい風景はこれからも変わらない。

 

 


関西大学ラグビーAリーグ 7節

2019-12-05 12:54:23 | ラグビー

前節まで1勝5敗で入替戦は決まっているが一つでも順位を上げたい大阪体育大学と3勝3敗の大学選手権出場に望みをつなぐ関西学院大学とどちらも必勝の一戦。

大体大のキックオフで始まった試合、先制したのは9分の大体大。ゴール直前右中間ラックからSO⑩石本康二のキックをFB⑮森本星也がキャッチし中央へトライ、ゴールも成功し7-0と先行した。

一方の関学大は序盤からFWを中心に接点に拘り大体大にプレッシャーをかけて反則を導き、優位に試合を運んだ。その関学大が28分ゴール前5MスクラムからNo.8⑧杉原立樹がサイドアタックでトライを奪いゴールも決まる(7-7)と、さらに38分、ゴール前5M左ラインアウトからモールを押し込みHO②竹内海斗がトライ、ゴールも成功し7-14と関学大リードで前半を終える。後半は大体大も強力FWを中心に前に出て、ミスが勝敗につながらないゲームを期待したい。

後半も先制したのは大体大。8分にゴール前5M左中間ラックからSH⑨三浦裕次郎のパスをHO②河野圭太郎が左中間にトライ、ゴール成功(14-14)。

しかし関学大も12分にゴール前5M左ラインアウトからモールを押し込みHO②竹内がこの日2本目のトライ、ゴール成功(14-21)。14分に関学大はゴール前5M中央ラックより右展開しHBのパスをWTB⑭中孝祐が右中間トライ、ゴール成功(14-28)。

さらに関学大は21分、ゴール前30M右中間ラックよりSH⑨橋詰学からのパスをCTB⑫山本悠大が中央にトライ、ゴール成功(14-35)。また26分には22ML左中間ラックよりNo.8⑧杉原が走り込み中央トライ、ゴール成功し14-42のスコアで終了した。

最終順位で大阪体育大学は1勝6敗で8位入替戦へ、関西学院大学は4勝3敗で3位となり大学選手権出場を決めた。

 


関西大学ラグビーAリーグ 6節

2019-11-26 13:32:24 | ラグビー

ここまで2勝3敗の近畿大学、3勝2敗の関西学院大学、大学選手権出場の当確ラインが4勝3敗になりそうなだけにどちらもどうしても負けられない戦いは、11月末とは思えない暖かさの滋賀県東近江市の布引グリーンスタジアムで行われた。

先制は近大、3分に関学陣10m付近のモールからのこぼれ球に9番宇都宮佑介が反応してキャッチし右隅にトライ、12番福山竜斗のゴールも決まり、7-0とする。

近大は良い感じのゲームの入り方でその後も短いバックスラインで攻撃を仕掛けるが、関学はそれにしっかり対応し攻撃を寸断する。
10分に関学は相手陣ラックから左へ展開し14番中孝祐が右隅にトライ、15番奥谷友規がゴールを決め7-7と追いつくと、その後15番奥谷がトライ、前半終了間際には奥谷がPGを決め7-17とリードして終える。

後半も先制したのは近大、3分に12番福山がPGを決め、10-17と点差を詰めると、8分には相手陣ゴール前スクラムを押し込みターンオーバーし4番坂上知志が押さえて17-17と振り出しにもどすと勢いに乗った近大は18分に12番福山がトライ、22-17と逆転に成功。

関学は何度か相手陣で攻撃を仕掛けるが、ミスで攻めきれない。一方の近大はその後14番川井太貴がゴール前左隅に上げられたキックパスをキャッチしトライを重ねて27-17と突き放した。後半に入ってデフェンスを修正した近大が関学をノートライに押さえての勝利であった。

後半のキックでの陣取り合戦や近大陣での残り10分間の攻防など緊張感ある引き締まった一戦であった。


関西大学ラグビーAリーグ 5節

2019-11-13 18:49:01 | ラグビー

快晴で穏やかな風が吹く中、関西大学ラグビーAリーグ第5節、関西学院大学vs摂南大学は関学キックオフで試合開始。

 


開始直後3分、先制したのは関学。ラインアウトからモールで押し込み2番(竹内)のトライ。15(奥谷)のゴールも決まり7-0。
8分、摂南が敵陣5M中央のラックから左サイドへパスを回し11(岡田)トライ。10(ツイドラキ)がキックを外すも7-5と追い上げる。
17分、摂南陣ゴール前に攻め込む関学。摂南も力強いDFで守るが中央ラックから6(柴﨑)がポール下へトライ。センターからのキックは15(奥谷)が決め14-5。

 

22分、関学の素早い攻めに摂南は追いつけず、右サイドへ2(竹内)がトライ、15キック成功で21-5と突き放す。
32分、関学が粘りながらも少しずつ攻め込み4(渡邊)がラックから抜けトライ、15キック成功で28-5で前半を折り返す。

晴れているが後半になり風が強く、肌寒くなってきた後半。摂南キックオフで試合開始。
後半2分、自陣10Mで摂南ターンオーバーで20(タリフォロフォラ)から11(岡田)へパスが通りそのまま独走しトライ。10キックを決め28-12
このトライで勢いに乗ったかと思った摂南だが、パスミスなどのイージーミスが増え、なかなか攻め切れない時間が続く。


16分、関学9(橋詰)-10(房本)-13(福本)-15と左へ綺麗にパスを展開し最後は11(本山)がトライ。15キック成功で35-12。
19分、関学は敵陣10M相手のパスを見切ってインターセプトで14(中)トライ、15キック成功42-12後半30分、勢いに乗ったのは関学。またも敵陣10Mで関学インターセプト、そのままセンターへ8(杉原)トライ、15キック成功49-12。

34分、敵陣22M中央ラックから摂南10がキックパス、両者追いかけるも競り勝ったのは摂南14(嶋本)がトライ、10キック成功で49-19。
40分、関学は、敵陣ゴール前から外側にいた14へ大きなパスが通りトライ、15キック成功で56-19。
45分、ロスタイム2分を終えても粘った摂南だったが最後は摂南がキャッチミスしたボールを関学ターンオーバーし17(田畑)トライ、15キック成功で63-19
後半怒涛の攻めで突き放し、最後まで集中を切らさなかった関学の快勝となった。
MOMは関西学院大学FL6柴﨑 健。

 


関西大学ラグビーAリーグ 4節

2019-11-06 16:03:14 | ラグビー

関西大学ラグビーAリーグ、第4節は天候にも恵まれワールドカップ効果もあり、多くのファンを集めた天理親里ラグビー場で2試合が開催された。
第1試合は、戦前の予想では上位校にランクされていた京産大、立命大に勝利し勢いに乗る関西学院大学と、粘り強く接戦を制して勢いに乗る同志社大学。50日間のワールドカップ期間中に修正点を克服したかを問われる注目の好カード。

風上から攻める関学大SO10番房本のキックでゲーム開始、関学大のペースでゲームは進行した、
開始6分に中央20m付近から攻める関学大SO10番房本のキックパスを難しいワンバウンドで受けたWTB11番坂原が中央に回り込み中央に先制トライ、GKもFB15番奥谷が成功し、7-0。
反撃に出る同志社大は27分にペナルティから中央ゴール前5mスクラムからNO8斉藤が右に出て右中間にトライ、GKもFB15番原田が成功し、7-7とする。

33分には中央付近から攻め続ける同志社大のパスをインターセプトした関学大WTB14番中がそのまま走り込み中央にトライ、GKもFB15番奥谷が成功し14-7と再びリードする。

ロスタイムまで攻め込む同志社大だったが、得点に結び付かず前半が終了。

後半に入っても勢いがある関学大は5分に22m内ラックから左に展開し、HO2番竹内からのオフロードパスを受けたWTB14番中がそのまま走り込み左中間にトライ、GKもFB15番奥谷が成功し21-7とリードを広げる。

選手交代を積極的に行った同志社大は25分に20m付近のラックからせ攻め込みFL7番堀部からFB15番原田に渡り、再びパスを受けたFL7番堀部が右中間にトライ、GKもFB15番原田が成功し21-14と追い上げる。
勢いに乗る同志社大は35分にゴール前10m付近のスクラムからSH9番人羅からパスを受けた途中出場の21番桑山のキックパスをWTB14番山口が左中間にトライ、GKも難しい角度からFB15番原田が成功し、21-21とする。

予想通りの白熱した戦いとなったが、攻撃の勢いに乗る同志社大は39分自陣から走り込んだWTB14番山口がペナルティを得て、中央30mからのペナルティキックをFB15番原田が成功し、21-24と逆転。

ロスタイムになると関学大も粘り、ゴール前10mでペナルティを得た関学大はスクラムから逆転を目指すが一歩及ばず無得点、反撃及ばずノーサイドで同志社大が勝利した。


ラグビーWC 外伝

2019-11-06 14:06:19 | ラグビー

 

多くのファンに愛され、ラグビーW杯日本大会は大盛り上がりを見せた【写真:荒川祐史】

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 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は、決勝で南アフリカが32-12でイングランドを破り、史上最多タイとなる3度目の優勝を飾った。9月20日の開幕から続いた44日間の熱戦は幕を下ろした。今大会ではホスト国の日本が躍進。攻撃ラグビーでアイルランド、スコットランドというティア1の強敵を次々に倒し、史上初の8強進出を成し遂げた。また試合以外でも、日本人らしいおもてなしで世界のラグビーファン、メディア、選手たちの心をつかみ、多方面から絶賛を浴びた。

 大会は大成功に終わったのか。元日本代表主将で、4年前の日本の躍進を“影のリーダー”として支えた廣瀬俊朗氏が今大会を総括。「THE ANSWER」に語ってもらった。

 ◇ ◇ ◇

 南アフリカの優勝は見事でした。自分たちの強みの部分を出してやり切って勝ったと、改めて感じました。相手どうこうよりも、その点を出すことに集中しての勝利でした。準々決勝で日本を破った南アフリカですから、周りでも南アを応援する声もたくさん聞きました。イングランドはエディさんが監督でしたし、日本のファンにとってもいい決勝だったのではないでしょうか。

 日本の快進撃にも改めて触れましょう。4連勝での史上初の8強入りという結果はすごかったです。3年間、サンウルブズとして経験を積めた。そしてテストマッチで強い国と対戦できた。そうしてチーム力が高まり、戦術も固まった。やることが明確になりました。

 選手たちが長い時間を過ごすことで、結束が強くなっていったと感じました。多国籍の選手たちが一つになった。またジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は主体性という言葉を重視し、試合中に修正できるようなチームになった。ジェイミーHCが個々を尊重し、選手もそれに応えました。エディーさん(現イングランドHC)が率いた前回のW杯は規律を高め、当時としてはベストを尽くしましたが、そこからまた上のステージに到達したと思います。

 次のヘッドコーチが誰になってくるのか。HCだけでなく、コーチ陣も含めて大事ですが、個人的にはジェイミーが継続して指揮を執り、さらに積み重ねて、強くしていってほしいと願います。

ラグビー熱を継続させるために必要なこととは

 次へ向けて日本代表の強化ポイントは選手層でしょう。プール戦を突破して、決勝トーナメントで戦うには選手層がやや薄かった。プール戦で全力を出し切るチームと、準々決勝以降にコンディションを上げてくるチームの差が出たのではないか。選手層が厚くなれば、もう一つ上に行けるのではないでしょうか。

 このラグビー熱を継続させるために、選手がやれることはまずは自分のパフォーマンスを発揮し続けることだけです。プレーの面では自分を磨き、グラウンドの外ではボランティアだったり、普及活動だったり、対外的な活動でも積極的に表現の場を増やしていってほしいですね。

 あとは協会、まわりの人間がどうサポートしていくのか。プロ化という流れに向けて、どう事業化していくのかを考えていくことはマストだと思います。僕自身はトップレベルのキャプテンのサポートとグラスルーツ(草の根)のサポート、ラグビーだけじゃなくてスポーツに触れる機会を増やしていきたい。スポーツへの熱は確実に高まっています。

 今大会で得たレガシーをどう残し、どう次に生かしていくべきか。日本ラグビー全体としては、この8年間の積み重ねを振り返ることが大事。この実績がなくなることはない。どうやって勝ち、どういう風にして強くなったのか――。辿ってきた足跡を、受け継いでいくことです。強くなるためには理由がある。そこの価値観を共有し、理解することで、日本ラグビー全体はさらに強くなれると思います。

 来年は東京五輪もあります。オリンピックでは7人制ラグビーも注目を集めることでしょう。すでに福岡選手が転向して目指すことを表明していますが、15人制と比べてもアスリート(タイプの選手)により適正があります。よりスピードを生かせるようなフィットネス、ハンドリングスキルも大事。1対1に強いような選手が重要になります。福岡意外では、松島選手や姫野選手、レメキ選手は7人制でも間違いなく活躍できる。パラリンピックの車いすラグビーもあります。僕はアンバサダーを務めていますが、色々なラグビーにも注目してほしいです。

他国のアンセムを歌う初めての大会に「すごく嬉しいこと」

 日本大会は大成功でしょう。プレー以外でも、様々な形での日本の“おもてなし”が話題となりました。もともと日本人がもっているいいところだと思います。そこがよりフィーチャーされた。個人的にもスクラムユニゾンという活動を通じて、他国の国歌・アンセムを歌って歓迎しようと呼びかけていました。今までのW杯では他国の国歌を歌って歓迎するという姿勢はありませんでした。それが初めて、日本で起きた。すごく嬉しいですね。

 日本人がイングランドや、スコットランドの国歌を歌う。こんなシーンは日本だからこそでしょう。ラグビーにはもともと、違いを認め、いいところを受け止めるという文化がある。そうしたところが、日本人の気質、相手を労り、リスペクトするような姿勢とうまくミックスしたのだと思います。成績はもちろん、運営の面も含めて、素晴らしい大会になりました。

 最後にこの大会でラグビーに興味を持ってくださったファンの方に伝えたいことがあります。大学ラグビーも始まりましたし、高校生では花園もある。来年1月には今大会で活躍した選手が多数出場するトップリーグも開幕しますラグビーへの熱を国内の選手に向けてみてください。


ラグビーWC ジャパン 外伝

2019-10-24 12:45:43 | ラグビー

日本代表・堀江 南ア戦は「15人全員が」痛み抱えていた、と明かす

 
 
南ア戦から一夜明け、会見する堀江翔太=都内(撮影・出月俊成) 南ア戦から一夜明け、会見する堀江翔太

 史上初のベスト8進出を果たしたラグビー日本代表の堀江翔太、松島幸太朗、福岡堅樹ら11人が21日、日本テレビ系「ニュース zero」に生出演した。

 20日の南アフリカ戦について堀江は「けっこう体がきつい状態で、15人全員がどこか痛い、って思いながらプレーしてる状態で。それでも体を張り続けた」と選手はそれぞれに負傷を抱えた状態だったことを明かし、「(相手は)フィジカルがめちゃめちゃ強かったです。(その中でもスクラムで競り勝つ場面があり、それはこれまででは)考えられないと思います。強いって分かってる中でも諦めずにプレッシャーをかけ続ければ、あれぐらいプレッシャーをかけ続けられるんやな、と僕は思いましたね」と強敵にも手応えを感じることができたことを話した。

 山中亮平は「すごいタフな試合だったと思います」と語り、松島は4年前のW杯での南アフリカとの違いを「まず、本気できてた。キック使いながらプレッシャー与えてくる戦術だったので、そこが前回大会との違い」と振り返った。また稲垣啓太は「僕らのことを研究してたと思うし、南アフリカのパフォーマンスはすごかった」と相手のすごさを称賛していた。


ラグビーWC ジャパン 外伝

2019-10-24 11:27:07 | ラグビー

流「具くんの雄たけびは胸にくるものがあった」W杯初8強戦士が振り返るベストプレー

 
 
 
前半35分、スクラムからターンオーバーしてレメキ・ロマノ・ラヴァから頭をなでられる稲垣啓太(カメラ・石田 順平) 前半35分、スクラムからターンオーバーしてレメキ・ロマノ・ラヴァから頭をなでられる稲垣啓太

 開催中のラグビーW杯日本大会で初の8強入りを果たした日本代表「ジョセフ・ジャパン」は21日、都内で記者会見を行い、同日解散した。20日の南アフリカ代表との準々決勝で敗れて4強入りには届かなかった。

 ◆戦士たちが振り返るベストプレー

 ―ベストゲーム、プレーは?

 田村「難しいですね…この期間中の毎日ベストでした。全部最高でした。これで大丈夫ですか?」

 稲垣「一つ選ぶとしたら、アイルランド戦の前半35分の、相手ボールのスクラムをターンオーバーしたシーン。スクラムの強さをティア1のアイルランド相手に証明できた試合。みんなが駆け寄って祝福してくれた、ペナルティーをとったときの一体感は忘れられない」

 流「僕も同じで、スクラムで押したときの具くん(プロップ具智元)の雄たけび。自己表現しない選手なんですけど、あのスクラムにかけていて、具くんの雄たけびは胸にくるものがあった」

 ラファエレ(隣の中村を見ながら日本語で)「日本のベストプレーはロシア戦の中村のオフロードパス。いいオフロードパスですよね」

 ラブスカフニ「非常に多く目立つプレーがあったんですけど、スコットランド戦で稲垣がトライしたシーン。そのトライまでフェーズを重ねて、チーム力を見せられた。オフロードパスをつないで最後にトゥポウから稲垣につながった」

 中村「グラウンドに出てないメンバーも徳永のウォーターボーイ(給水係)で(指示の)伝達は素晴らしいプレー。出てるメンバーだけじゃなくて、ワンチームで戦うって意味で、どのプレーがとかじゃなくて、それまでのサポートが土台として大きい」


ラグビーWC 桜ジャパン 散る

2019-10-21 11:51:00 | ラグビー

リーチ主将「胸を張ろう」8強敗退も歴史の開扉いた

 
 
 
試合後、整列しリーチ・マイケルのかけ声であいさつする日本代表(撮影・清水貴仁) 試合後、整列しリーチ・マイケルのかけ声であいさつする日本代表

<ラグビーワールドカップ(W杯):日本3-26南アフリカ>◇準々決勝◇20日◇東京・味の素スタジアム

新たな歴史の扉を開けてきた日本代表の戦いが終わった。世界ランキング6位の日本(A組1位)が、同4位の南アフリカ(B組2位)に3-26で敗れ、準々決勝で敗退した。

自国開催の舞台で1次リーグを無傷の4連勝で首位突破。初の決勝トーナメント進出を決め、列島をラグビー一色に染め上げた1カ月。「ONE TEAM」を旗印に躍動した日々を戦い抜いた。準決勝のカードは26日がイングランド-ニュージーランド、27日がウェールズ-南アフリカとなった。

   ◇   ◇   ◇

南アフリカがボールを蹴り出すと、リーチは右膝をつき、天を見上げた。荒い呼吸で秋の夜風を吸い込んだ。初めて進んだ準々決勝。日本代表の戦いが終わった。ふーっと息を吐くと、もう、誰よりも強い主将の姿がそこにあった。ピッチでの円陣。ともに戦った仲間に「下を向く必要はない。胸を張ろう。今後の態度が大事だ」と力を込めて言った。涙を流す稲垣とがっちりと握手。ファンの待つスタンドにゆっくりと進み、深々と頭を下げた。

世界を驚かせてきた歩みは8強で止まった。だが、大会を通じ、日本の強さをこれでもかと見せつけた。「このチームの主将ができて誇りに思う。3年前から努力し、勝つためにすべてのことをやってきた。今日は南アフリカが素晴らしかった。80分戦い抜けたのはこのチームの強さ。多くのファンに感謝したい」。

持てる力は出し切った。前半は3-5と理想的な接戦に持ち込んだが、後半はセットプレーで守勢に回り、3度目の優勝を狙う強国の圧力にのみ込まれた。1対1の局面で少しずつ押し込まれ、3、8、23分に立て続けにPGで失点。25分には中央からのラインアウトを確保され、40メートル後退。中央を突かれ、守り続けてきたゴールラインを破られた。じりじり開いていく点差。真っ赤に染まったスタジアムの祈るような声援も届かず、29分には再び左サイドにトライを奪われた。

1次リーグから数えて5試合目。体はぼろぼろだった。それでも、ピッチに立った全員が力の限り走り続けた。試合前、君が代を歌い終えたSH流は泣いていた。左にレメキ、右に田村。肩を寄せ合った仲間の体温が、これまでの日々を思い出させた。点差が開いても、全員が足元に突き刺すようなタックルで耐えしのいだ。逃げない。ただボールを必死に追った。

80分間、死力を尽くした。試合後のスタジアムには、31人の勇者を心からたたえる拍手が鳴り響いた。歩んできた道に間違いはなかった。史上初のベスト8。色あせない結果とともに、どんな相手も恐れない姿は日本中の感動を呼んだ。ジョセフ・ヘッドコーチは続投する方針で、23年フランス大会へ、道は続く。3度目のW杯を終えた34歳の田中は、涙をぬぐい言った。

「ずっと思い描いてきた光景が目の前に広がっていた。15年W杯を見た選手が今回活躍した。この大会を見た若い選手が頑張れば、また次の道が開く。これが日本ラグビーの幕開け。日本は進化していける」

桜の戦士の歩みは止まらない。

▽プロップ稲垣 家族のようなチームで、この31人でもう試合が出来ないことを考えると悲しい。このチームでプレー出来たことを誇りに思う。

▽フランカーのラブスカフニ 南アフリカが改めて強いことが分かった。(南ア出身だが)日本代表として8強に進めたことは非常に誇りに思う。最高のチームだった。ファンのみなさんもありがとう。

 


ラグビーWC 選手外伝

2019-10-15 15:49:27 | ラグビー

日本W杯8強の立役者・福岡、持ち前のステップは「ピアノのおかげ」

 
ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。トライを決めて喜ぶ福岡堅樹(2019年10月13日撮影)。 ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。トライを決めて喜ぶ福岡堅樹

ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)で、開催国の母国をとんとん拍子に準々決勝へと導いたWTB福岡堅樹(Kenki Fukuoka)は、自身の技術はピアノによって磨かれたと自負している。

 日本が28-21の歴史的勝利を飾った13日のスコットランド戦で2トライの活躍を見せた福岡は、3歳でピアノを習い始めた。試合の合間に時間があるときはピアノの鍵盤をたたき、ベートーベン(Ludwig van Beethoven)の楽曲で気持ちをリラックスさせているという。

ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。トライを決める福岡堅樹(2019年10月13日撮影)。 ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。トライを決める福岡堅樹

 ベートーベンのピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」がお気に入りだという福岡は、スコットランド戦を終えて「自分のステップの感覚はピアノのおかげ」と地元メディアにコメント。「このときのために、全ての時間をささげてきた」という27歳は、横浜で行われたスコットランド戦では50メートルをわずか5.8秒で駆け抜けた。

ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。トライを狙って走る福岡堅樹(2019年10月13日撮影)。 ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。トライを狙って走る福岡堅樹

 ロシア戦(30-10)、アイルランド戦(19-12)、サモア戦(38-19)に続き、スコットランドも下してプールA首位通過を果たした日本は、20日の準々決勝で南アフリカと対戦する。

 

ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。チームメートとトライを喜ぶ福岡堅樹(右から2人目、2019年10月13日撮影)。 ラグビーW杯日本大会・プールA、日本対スコットランド。チームメートとトライを喜ぶ福岡堅樹

 

 

 

 


ラグビーWC 選手外伝

2019-10-08 14:44:34 | ラグビー

日本代表フランカー徳永祥尭(よしたか、27=東芝)は兵庫・関西学院高3年時の10年度に、同校史上初となる花園4強入りを果たした。安藤昌宏監督(48)が高く評価するのは、第三者が気付かない場面での仕事。教え子の背中から伝わってくる魅力を明かした。

      ◇       ◇

安藤の目に、激しく動き回る背番号5が映った。185センチ、100キロの背中は、未知の花園で戦う不安をサッと拭った。10年12月30日、全国高校大会2回戦。Bシード関西学院にとって、初戦突破で勢いに乗る日本航空石川は難敵だった。

先陣を切った徳永の残像を、安藤は忘れない。「ドーンと真正面から、ぶつかっていった。その徳永がいて、周りが続いた。口ではなく、プレーで。徳永がおってくれたから安心した。『すごいな』と思いました」。相手FWは今春の日本代表候補に選出されたロック長谷川峻太、トンガ人留学生のNO8ツポウ・テビタ(ともにパナソニック)を擁した。その相手キーマンに徳永は突き刺さった。

FWで全6トライを奪い、終わってみれば36-10。3回戦で田村熙(サントリー)がSOを務めた国学院栃木を21-15で退けると、準々決勝は国学院久我山(東京第2)に5-0で競り勝った。師は「勝ち上がっていく間『徳永がいるからすごいですね』とは特段言われていない。僕が思うにはそれが『すごさ』。目に見えないところで、彼がやっている」と思い返す。徳永は一見目立たない攻防で先頭に立ち続けた。

オーストラリアへ2年間コーチ留学していた安藤は08年春、入学してきた徳永に出会った。「一番びっくりしたのはおしりの大きさ。いい意味で外国人みたいだった」。1年春から1軍で起用し「指導せんでもできた」と技術面は申し分なかった。部活動指導で大切にするのはマナー、モラル、取り組み方。徳永はプレーで目立つ半面、恥ずかしがり屋な性格から周囲に埋もれようとしていた。スタンスは「“僕は”やっています」。中心選手としての自覚、チームを巻き込んでいく必要性を常々訴えた。

変化が見えたのは2年時、U-17(17歳以下)日本代表に選出されてからだった。安藤は「アカンことはアカン、と他人に言えるようになった」。全国の同世代から刺激を受け、仲間や自らの成長につなげた。卒業後は関学大へ進学し、東芝に入団。7人制では16年リオデジャネイロ・オリンピック代表にも名を連ねた。今も自宅に招くなど交流のある指揮官は「ものをしゃべれるようになった。向こうから(会話の)ボールも投げてくれる」と人間的な成長を喜び「でも、彼の良さは変わらない。高校生にも偉そうにしない。『もう少しあってもいいのに』と思うぐらい」と人柄をたたえる。

同校初のワールドカップ(W杯)戦士を目指す徳永への期待は、あの日の花園で披露した真骨頂に自然と結びつく。「今回W杯に出てくれたら、僕たちも幸せ。あの子は愚直に低い姿勢でプレーできる。外国人のような体で、日本人の特徴を出せるところを見せてほしい」。その背中が持つ力を、安藤は信じている。

17年6月17日、ラグビーテストマッチ日本対アイルランド 突進する日本フランカー徳永祥尭
17年6月17日、ラグビーテストマッチ日本対アイルランド 突進する日本フランカー徳永祥尭

ラグビーWC ジャパン健闘す

2019-10-08 14:26:09 | ラグビー

日本、3連勝で勝ち点14=イングランドは8強一番乗り-ラグビーW杯

 
 
 
サモア戦の後半、トライを決める松島(左)=5日、愛知・豊田スタジアム 

サモア戦の後半、トライを決める松島(左)=5日、愛知・豊田スタジアム

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会第14日は5日、愛知・豊田スタジアムなどで1次リーグ3試合が行われ、A組の日本はサモアを38-19で下して開幕3連勝で勝ち点を14に伸ばし、初の準々決勝進出へ大きく前進した。13日にA組最終戦でスコットランドと対戦する。サモアは1勝2敗の勝ち点5で、1次リーグ敗退が決まった。

 日本はCTBラファエレ(神戸製鋼)のトライなどで前半を16-9で折り返し。後半に2トライを加えた後、終了間際にWTB松島(サントリー)が4トライ目を挙げた。

 C組のイングランドはアルゼンチンを39-10で退けて3連勝。勝ち点15として一番乗りで準々決勝進出を決めた。D組ではオーストラリアがウルグアイを45-10で下し、2勝1敗の勝ち点11とした。ウルグアイは1次リーグ敗退が決定。

 
 

 


関西大学ラグビーAリーグ 第3節

2019-09-23 14:58:48 | ラグビー

昨年度2位の立命館大学と4位の関西学院大学との戦い、昨年は最終節で立命館が45-24と関西学院を圧倒した。共に1勝1敗で迎えた第3節、上位に踏みとどまるためには落とせない一戦である。

先制したのは関西学院。前半8分にバックスラインをフォローした左PR1番キャプテン原口浩明が左中間にトライ。立命館も直後の13分にこちらはバックスが大きく展開し、最後は左WTB11番木田晴斗が左隅に押さえて7-5と追いすがる。

しかし中盤、関西学院はFW陣が立て続けにトライを重ね、前半を21-12とリードして終える。

後半も一進一退の戦いが続き両チーム2トライずつをあげるが、前半のリードを守った関西学院が33-26と昨年度の雪辱を果たした。


両チーム共、得点力はあるもののその反面DFの甘さも目につく。上位チームとの戦いではこのあたりの修正が求められる。
MOMには様々な場面で攻守の要となった関西学院CTB12番山本悠大が選出された。