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Tedのつゆ草の旅

母校関西学院ラグビー部とアメリカンフットボール部の試合を中心に書いているブログです。

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2011-05-02 23:35:03 | ブログ

1年生デビュー戦に白星!大雨が降りしきる中行われた大経大戦。終始、関学のペースで試合を展開し、58-5で大勝。1年生は4年間の関学ラグビー部生活に、好スタートを切った。

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【初陣】
 大雨が降りしきる中、1年生はデビュー戦を迎えた。入場時には上回生の作る花道を通り、フィールドへ。そしてフィールドの中心で、全員で円陣を組み、試合に臨んだ。大粒の雨で地面はぬかるみ、ボールを持つ手もつい滑ってしまう。だがそんな状況にも戸惑うことなく、果敢に攻撃を仕掛けた関学。ゴールライン目前、モールを抜け出したナンバー8・徳永(商1)がトライ。先制点を奪った。その後も関学は攻撃の手を緩めることなく、相手を圧倒。積極的にパスを回し陣地を広げ、得点を重ねた。後半開始直後1トライを許すも、58-5で大経大を下した。
「4年間一緒に戦っていく仲間。勝ち以上はない。勝てて良かった」と鈴木(商1)は語った。デビュー戦に白星を飾れたことは、彼らの成長の第一歩になったことだろう。

【闘志】
 これから1年生も、レギュラー争いにも加わる。「同学年にも先輩にもプレッシャーかけて、上に上にあがっていきたい」と徳永。フレッシュさの奥に秘めた熱い闘志がある。層の厚い関学ラグビー部。フィールドに立てば学年は関係ない。ルーキー達もレギュラーの座を狙っているのだ―。

◆篠田、チームを支える影の立役者
 「みんな仲良くなって、全員が大きいケガもなく試合に出れて、大差で勝てた。一緒に練習して良かったです」。そう語るのは1年生の指揮をとった、フィジカルトレーナー篠田(総3)。この日までの1年生のトレーニング、そして試合前のアップを担当した。時間配分を考え、トレーニングを組み、指揮する。昨年の反省を活かし、グラウンド全体を使って練習できるように、朝練も行った。「昨日の夜から緊張してて。最初も少し緊張してたけど、思いっきりできたかな」。試合前、篠田のはつらつとした声が響いていた。その指示に従い、体を動かす1年生たち。そして試合中も1年生らしいフレッシュかつ大胆なプレーで躍動し、白星をあげた。
 「中には一般入試で入ってきた子もいる。みんなが大学で思いっきりできるように、みんなの成長をサポートできたら」。篠田の献身的なサポートは、チームを鼓舞する。


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2011-04-29 14:40:59 | ブログ

この敗北の先には勝利が待っている!先週、京大に100点差以上をつけて勝利し、春シーズンの好調な滑り出しを見せた新里組。しかし、この日行われた京産大との定期戦において31―49で敗れ初黒星を喫した。この敗北を意味のあるものにするためには、部員たち一人ひとりの意識改革が不可欠である。

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【一歩ずつ成長】
 今年の関学ラグビー部は昨年までのチームとは別物だ。昨年は「MOVE」というスローガンのもと、ボールを動かすことに重点を置きながら、従来の、キックで自陣を広げてモールでインゴールまで押し込むスタイルに変化はなかった。
 しかし、今年の新里組の目指すところは「攻撃のチーム」である。BKを攻撃の中心に据え、ボールを展開して敵陣に切り込んでいく。それこそが昨年、関西制覇を成し遂げるために関学ラグビー部に足りなかったものであり、選手権において国立を目指すうえで避けて通ることはできない道だと、新里ら4年生はミーティングを重ねた。そして、それはこの日の京産大戦で徐々に成果を見せつつある。奪った5トライすべてがBK起点の攻撃であり、これは「昨年のチームでは考えられないことだった」と萩井HCも太鼓判を押した。しかし、逆に奪われたトライは7つ。相手に容易に抜かれてトライを決められるなど、ディフェンスにおいて粗が目立ったことも事実である。今後はより一層個々人のプレーと意識についての修正が必要になってくるだろう。

【前進あるのみ】
 「春のうちは結果よりも内容。チームとしてテーマを持って臨んだことは実践できた」と今年からSOに転向した春山(文3)は振り返る。試合中、パントによる陣地の回復は一度も図られず、選手たちはひたすらパスのみでボールを回し続けた。そして、その結果として奪うことのできた5トライは勝利以上に価値あるものだった。
 新里組にとって初めての黒星を悲観的にとらえている選手は一人もいない。これは、「Challenge」のために必要な「Change」の道程なのだから。


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2011-04-24 07:24:22 | ブログ

完全復活だ!昨季リーグ戦・対近大以来のAチームスタメンとなったCTB吉原(桐蔭学園3年生175cm,85kg)。近大戦では緊張からかミスを連発し、チームの結果も敗北と「何一ついいところが無かった」と言っていた。しかし、学年をまたいで迎えた今試合では3トライを決める活躍をみせた!

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【猛烈アピール】
 新里組の春シーズン開幕を告げる京大との一戦。京大グラウンドには吉原の姿があった。実に174日ぶりとなるAチームスタメン入りだった。対する京大は格下の相手とはいえ一試合一試合を「Challenge」の気持ちで臨む新里組に慢心など無い。それは吉原も同様。この試合では80分間フル出場を果たし、3トライを決める活躍を見せた。レギュラー争いの激しいCTBのポジションで、これからも試合に出続けるための猛烈アピールだった。

【3年生として】
 試合後、吉原はこう語った。「もう3年生というのが大きい。引っ張る立場として、やらなきゃいけない気持ちが強いです」。しかし、この試合の出来を尋ねると35点だという。「あとの65点は、チームに僕がいるという絶対的な安心感が無かった。常にAチームに名前を置いときたいです。もう負けたくないんです」。
 層の厚い関学ラグビー部において、絶対的な地位を築くためにも、吉原の「Challenge」は終わる事はない。


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2011-04-22 16:37:16 | ブログ

4月16日、京大グラウンドに於いて京大との定期戦が行われた。今シーズン初めての本格的な試合で、関学は京大を圧倒。156―0で勝利を手にし、新里組の初陣に白星を飾った。

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【春シーズン開幕】
 「今シーズン一発目の試合。いいスタートを切って、弾みをつけたい」。そんな意気込みを語った主将・新里(社4)のトライを皮切りに、関学は猛攻を開始する。開始早々のトライで勢いがつき、その後も点を重ねる関学。浮足立つ京大のディフェンスをよそに、WTB松延(商3)、FL丸山(社2)、ナンバー8小原(人4)と、次々にトライを奪っていく。相手につき入る隙を与えないまま、80―0と大差をつけ前半を折り返した。後半に入っても、関学の勢いは止まることを知らない。積極的にBKへパスを回し、トライを量産する。大量得点にも、攻撃の手を緩めることがなかった関学。最後まで京大にトライを許さないまま、156―0の完封勝ちを収めた。

【チャレンジ精神】
 「(京大の)ディフェンスが甘かったからこんなに点が入ったんです」と新里。大量得点にも浮かれることはない。そうはいうものの、この一戦ではチームの成長が垣間見えた。たとえば、萩井ヘッドコーチの立案によって始まったハンズアップ。この試みが功を奏し、試合中、膝に手を置く選手はいなくなった。また、この試合ではBK陣の活躍が光った。自陣深くからもキックを使わず、パスをつないで陣地を挽回。トライまで持ち込む場面が何度も見られた。「これから強い相手と戦うことになる。もっとチャレンジしないと」。更なる進化を誓う、新里組から目が離せない。

◆長澤大活躍 !
 シーズン開幕戦という重要な試合で、輝きを放った選手がいる。FL長澤(社2)だ。朱紺ジャージに腕を通すのは2回目だが、Aチームの試合では初めてだった。喜びを噛み締めながら臨んだ試合では、4トライを奪う大活躍。猛アピールでレギュラー候補に名乗りを上げた。「目標はリーグ戦に出ること」。厳しいレギュラー争いに闘志を燃やす。


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2011-04-12 21:27:22 | ブログ

4月9日、部内戦を終えた関学ラグビー部は、とうとう春シーズンを迎える。2ヶ月間練習してきた成果と、見えてくる課題。すべては秋に結果を出すため。新里組の春シーズンが始まる。

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【日進月歩】
 新里組が始動して、早2ヶ月が経つ。選手達は日々グラウンドで練習に励んでいる。今春から意識されている、「ハンズアップ」。背中の筋肉、肩甲骨を柔らかくして攻撃・守備の幅を広げようというもの。練習中も「ハンズアップ!ハンズアップ!」との声が飛び交う。
 3月中旬までは基本的な練習を中心に行っていたが、最近になり実践的な練習も増え、9日には部内マッチが行われた。練習の成果が出たところもあれば、まだまだ上を目指せる部分も。4回生の就職活動やケガ人など、練習への影響もある。「目標を見失いやすい時期だけど、みんなそれぞれ頑張ってくれている」と主将・新里(社4)。チームは同じ方向を向き、さらなるパフォーマンスを目指している。

【春の訪れ】
 ついに始まる春シーズン。「自分らの目指す形でトライを取れれば。レベルの高い相手にもそれができれば収穫。自分たちのラグビーにこだわりたい」と新里。今年はキックに頼らず、自陣からでも積極的に攻め込み、トライを奪うラグビーを目指す。秋、結果を出すためにも、春の試合は大きなステップとなる。今季、新里組はどのようなChallengeを見せるのか。


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2011-03-12 14:02:43 | ブログ

見つめるものは〝頂〟ではない。その前に立ちはだかる、そして、これまで打ち砕けずにいる〝壁〟を破ること。それが目標。その先に、頂に通じる道があると考えている。新たなスタートを切った関学ラグビー部、『新里組』を率いる者たちの所信表明。
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 2月5日、関学会館で行われたラグビー部納会の壇上で新里涼(社4)は大勢が見つめるなか口を開いた。主将として公に語る初めての言葉。それはどこか謙遜気味に、それでもしっかりとした口調だった。

 「驚かれて不安な思いを抱かれたと思いますが、期待に応えられるように頑張ります。

 (目標は)国立出場、ジュニア・コルツの全勝優勝。

 自覚、責任、感謝の気持ちを持って取り組んでいきたいと思います」

 新里組が掲げた目標は、例年とは異なるもので、新鮮であった。

 国立出場、つまりは全国ベスト4。全国制覇が山の頂上とすれば、それは2合手前と言おうか。去年一昨年のチームは『日本一』を、歴史が変わった3年前の室屋組が『関西制覇』(標高は違えど、関西リーグという名の山の頂上)を掲げたのとは違う。

 頂点が目標ではないのか? その真意を新主将に尋ねてみた。「国立出場」に定めた理由を。

 「ここ2、3年瑞穂で負けてるのがあって。そこを越えないことに日本一も見えてこない。そこの壁を越えることが先決。ここ2年間のチームの目標は『日本一』だったけど、みんな見えにくかったと思う。まだまだ雲の上の存在。『国立出場』だと、みんな見やすいかなと」

 いまだ朱紺の登山隊がたどり着いたことのない「てっぺんの2合手前」。関学ラグビー部にとって、頂点より先にクリアすべき場所があるとすれば、そこしかない。むろん、避けては通れない場所でもある。

 だから、あえて目標をそこに定めた。単純に下方修正の意味合いなど微塵もなく、むしろ〝現実的〟に捉えた決意に表れ。

 根底にあるキーワードは、「3年連続」と「瑞穂」だ。関西のトップクラスに位置するようになった一方で、それでもなお全国の舞台では3年連続で2回戦敗退を喫している。その事実を踏まえた上で新里は変化をチームに促そうとしている。

 「『キックでエリア取って、モール』で結果出してきたけど。ある程度は結果は出るけど、瑞穂で負けている以上、何かを変えないといけない」。そこでポイントとなってくるのは。

 「BKがもっと成長しないとダメかなと。BKで展開してそういうラグビーが出来たら」

 立ちはだかる壁、浮き上がる課題と真正面から向き合う。短所是正によって、目標に到達しうる関学ラグビーとなれるか。そこが、新里組の1年の見所になる。

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 その新里組を率いるは新里と副将・小原渉(人4)。それぞれのラストイヤーを、スローガン『challenge』のままに過ごす覚悟でいる。

 新里涼にとっては最後の1年が勝負の1年でもある。入部当初から戦力として期待されたが、1年目のリーグ戦序盤で大怪我による離脱を余儀なくされた。そこから完全復帰に長い時間を要した。

 「つらかったスね。半年から1年間はラグビーできないって言われたときは、かなり落ち込んで。くさりかけたことも。怪我をしたことで、ラグビーを当たり前に出来ることが幸せなんやと考えさせられて。いい経験になった」

 3年目の昨年、怪我から完全復帰し、ようやく万全の状態でシーズンをむかえることが出来た。大学生活の半分を棒にふるったという過去は、良くも悪くも響いた。リーグ戦を前に「プレー経験はあって、ないようなもの」とこぼしたこともある。

 初めてフルシーズンを戦いぬいた3年目を新里は、こう述懐する。

 「春からずっとAチームで出させてもらう機会が多くて。最初はがむしゃらにラグビー出来てたかな思うんスけど、プレーで悩みとか増えて。Aで出てていいんかな、とか。思う必要ないとは思ってても、メンタル弱いんで。遠慮しがちなシーズンやったかなと」

 普段のおだやかな性格がゆえか、経験の浅さからか、ときに闘争心がくすぶった。「去年は何もチームに貢献できず」という思いがあるからこそ、ラストイヤーへの気持ちは高まる。就いた主将の重責も、自身をかきたてる好材料になる。

 「(主将に就くことは)かなりプラスになると思います。気持ちの面とか、ついてくると思うんで」

 新里にとって、おそらく4年目のシーズンはこれまでとは全く違うシーズンになるだろう。いや、違う1年になるように彼自身が歩を進めるに違いない。

 「いままでの自分とは変わるために。すべてのことに挑戦します!」

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緑川組のなかで、ひと際インパクトを残したプレーヤー。決してオフェンスシブではなかったチーム状況のなかで、トライを量産した男。小原渉が副将に就いた。小原の名を冠するリーダーの継承だ。

 「兄貴がキャプテンしてて、大変そうなのを近くで見てて。ぼく自身がキャプテンになるのもあったけど、支える立場になりたいなと」

 ラグビーを通じて小・中・高すべてで副キャプテンに就いた経歴を持っている。そうして大学でも、その道を選んだ。

 その副将に「すごいプレーヤーなんで、プレーで引っ張ってもらったら。みんなもそれを期待してる。思いっきりやってもらいたい」と主将は期待を寄せる。ポジション柄のアグレッシブさから、自然とプレーで牽引することが望まれる。小原自身は、いかなるリーダー像を描いているのか。

 「涼がプレーで見せる、ひたむきさとかで引っ張るタイプ。自分は声を出したり涼が出来ないことを補えたら。逆のスタイルで」

 新里組の主将・副将はどちらも、〝体を張れる〟タイプ。ま逆な点を挙げるなら、「声を出す」如何。物静かな新里と対照的に、小原は声を張り上げ鼓舞する。

 小原のそのスタイル血は争えない。『小原』の名の持つリーダー像。2年前のラグビー部主将、兄・正(社卒)を彷彿とさせる。兄はレギュラーに選ばれたときから、学年に関係なく、試合中は声を出しメンバーを盛り立てた。「練習のときでも声を出してくれてた、頼れる存在。みんなを引っ張っていける存在でした」。小原組のなかで頭角を現した弟・渉はシーズン最終戦で兄の姿をこう話していた。

 関学2年ぶりのリーダー『小原』のキャプテンシーに注目が集まる。その一方で、見逃せないのがトライゲッターとしての存在感だ。

 昨シーズンは不動のナンバー8として君臨。出場しては、公式戦全試合トライを記録し気を吐いた。かねてより目標に挙げているOBの西川征克(文卒)に、昨年の活躍で近づいたのでは

 「いや~まだまだ。たまに自分が2年のときの試合見るんスけど(敵わない部分は)ほとんどじゃないスか」

 毎試合トライを奪ってもなお、目指すところは上にある。チームを率いる副将として、チームを代表するトライゲッターとして。小原の4年目は自らの役割をまっとうすることに尽きそうだ。

 「国立に行きたいんで。関西で全勝優勝して、瑞穂で勝ちたい。そのためには毎日の練習とかも変えていかないといけない。質を変えていきたい。

 個人的には征克さんに近づけるように頑張ります!」

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憧れの国立へむけ熱っぽく語る主将と副将。だがチームの目標はそれだけではない。「国立出場」に加えて
「ジュニア・コルツの全勝優勝」。ここに、例年とは一味違う新里組のスタンスが感じられる。

 Aチームが関西大学Aリーグを戦うと同時期にジュニアリーグも幕を開ける。その下のコルツチームも各大学と総当りで戦う。リーグが始まれば星取表を意識するが、チームの目標として取り込み、なお大々的に掲げたのは例年にない試みだ。

 その狙いは、学生主体ゆえのチーム一丸になることにある。

 関学ラグビー部の大所帯ぶりはとどまることを知らない。そのなかでパフォーマンスの高低、怪我による戦線離脱、精神面の温度差部員の数だけ様々な思惑があり、1つのグラウンドに入り混じっている。同じベクトルを向くことは難しい。

 常につきまとうその状況の打開策、それこそが新里組が打ち出したスタンスだ。100人超の全部員の目指す場所があるその方針を具現化する役目を、主務の松村宜明(法4)は任された。新主務は語気を強める。

 「下の子らが目標をあきらめないために、場を用意してあげる。雰囲気だったり、当たり前のことを大事に。つきつめていきたい」

 自らもプレーヤーとして活躍することを長年夢見ながらも、2年生次にスタッフとしてチームを支える道を選んだ。周囲に支えられていることを実感し、サポートに全力を出す。

 マッチメイクも然り。「今年も練習試合とか力入れたい。最初から最後までしっかり」

 ときおり日本一への思いを漏らしながら、責務を果たすべく奔走する。

 「がむしゃらに。口だけじゃなくて、ひとつ、芯が通ったことをやって表現していくことが大事かなと」

 その姿勢がぶれることはない。

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 すべてのカテゴリーの選手に目指すものが与えられている。トップチームは国立の舞台、ジュニア・コルツには無敗での優勝。たとえレギュラーから漏れたとしても、下位チームから抜け出せなくとも。明確な目標があるから、戦う理由がそこにある。

 小原は話す。「学生主体でやっている。だから、一つにまとまっていかなきゃならない。上下関係なく、目標を達成するために挑戦する」のだと。

 新里組のスローガンは『challenge』。そして部員の誰が言ったか、その文字のなかには『change』の意味が込められている。

 「ベスト8の壁を破るためにも〝挑戦〟を。関西制覇も逃しているので、取り返すためにも。

 いままでと一緒なら、一緒の結果に終わる。何かを変える必要がある。BKもFWも、ひとりひとりが〝変わって〟、〝挑戦していく〟」(新里)

 変革のための挑戦。新里組が挑む戦いは、関学ラグビー部史を大きく変えるそんな予感を漂わせている


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2011-01-11 23:31:05 | ブログ

戦いは幕を閉じた。関東対抗戦王者という、かつてない強敵を相手に挑み、そして散った。だが、そのラストゲームは『完敗』という単純な表現を用いるには惜しい、どこか惹きつけるものがあった。
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 大学選手権の出場校が出揃い、トーナメントの抽選が行なわれる前から、その席は決まっていた。『関東大学対抗戦1位』と『関西大学Aリーグ2位』にはシード権が与えられていたのだ。互いが勝ち進めば2回戦で交わる。組み合わせが決まった当初から主将・緑川昌樹(商4)は目を輝かせていた。その対戦を喜ぶかのように。

 「やりたいよ!そりゃあ。そのためには福岡(大)に勝たないと」

 同じブロックに名乗られた両校は、果たしてそれぞれの一回戦の相手を下し、ぶつかることとなった。

 緑川組が8強で対峙した相手、それは『関東大学対抗戦王者』早稲田大だった。

 チームにとってはリベンジの場でもあった。公式戦では4年前の大学選手権で戦い(7-85)、それ以降は対戦なし。今年、念願かなって夏の菅平合宿で練習試合が実現した。だが、そこでは次元の違うラグビーを見せつけられ、同時に自分たちの現状をただ嘆く結果に終わった(5-99)。

 だからこそ、再戦は願ったりだった。先の言葉のように緑川自身も対戦を望んでいたし、シーズンが深まるにつれ成長したチームをもう一度ぶつけてみたい。むろん全国の頂を目指す以上、避けては通れない道でもある。選手権を前に『リベンジ』の気持ちは高まり、それゆえに初戦の福大戦も気合いがのって戦うことが出来た。

 けれども世間は、朱紺のジャージなぞ、どこ吹く風。なにせ相手は対抗戦を劇的に制した、アカクロだ。かたやリーグ戦で2敗し、関西で抜き出ていた天理大には太刀打ち出来ずに終わった『関西大学Aリーグ2位』。夏の結果もある。下馬評は、言うまでもなかった。試合をむかえ、「ワセダが、どれだけ圧倒するか」という少なからずの視線は、グラウンドへ注がれていたはずだ。

 12月26日、瑞穂ラグビー場。そのムードはより濃くなった。第1試合は関西王者・天理大と関東リーグ戦王者・東海大のカード。そこでは天理大がノートライで敗北を喫する結果に。それだけに、『ワセダ圧倒』の空気がスタンドに漂っていた。

 関学早大、そこにある明らかな実力差に誰もがうなずく。緑川も「強いんちゃうんかな」と前置きしたうえで、闘志をたぎらせた。「やってみな分からんね!絶対、気持ちやと思う。気持ちでどれだけやれるか」。

 名前負けは避けたいということ? そう問うと主将は「そうそう」と、うなずいた。

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かくして始まった大学選手権2回戦。早大のキックオフで戦いの火ぶたは切られた。開始早々、関学は陣地を奪い敵陣でプレーを展開する。だが7分に早大がボールを奪うやいなや、攻撃の鐘が鳴った。展開ラグビーで関学陣に攻め込んでくる。早大のペナルティで難を逃れるも、攻撃の手がゆるまることはない。緑川がはじかれるシーンもあった。そこはターンオーバーに成功し、ピンチを脱したが。しかし前半14分、ハーフラインから早大がボールをつなぎ最後はBKで人数を余らせての、先制トライを易々と奪う。流れるような得点シーンを目にし、これから早大が圧倒する姿を浮かべる。相手のノックオンなどのペナルティもあって、追加点は許さないが、その後もスピードで勝る早大オフェンスが関学ディフェンスを翻弄した。

 が、前半20分、スタンドの空気が一変する。好位置でマイボールラインアウトを獲得すると、すぐにモールを形成しインゴールへ。そこから緑川が抜け出す。今年を象徴する得点パターンで同点にしたのだ。まずは前半20分を終えたところで、7-7というロースコアでの同点。いつも立ち上がりの悪さが目立つ関学が、である。早大もミスや反則でチャンスを自らつぶしている。『ワセダ圧倒』への期待から、『カンガク粘る』という驚きまじりの空気が客席に漂う。そして、ここから次第に、そのムードは加速していくことになる。

 その直後のプレーではWTB長野直樹(社4)がプレッシャーを与え、相手のミスを誘発する。25分、相手BKが関学ディフェンスを完全に抜き去ってゴールエリアへ向かうが、追いついたWTB松野尾允(社4)が捨て身のタックルで止める。続く27分には個人技で突破を許し、ゴールライン直前まで走られるも、サイドラインを割っていたという判定が下る。早大は悠々と攻撃を展開している、それはまぎれもない事実。それでも、だ。関学がゴールを割らせていない事実もまた然り。実力差のあるチーム同士の対戦がこうした展開になると、えてして匂ってくるものである。『ジャイアントキリング=番狂わせ』の予感が。

 紙一重の場面もあった。早大が追加点を奪い、むかえた前半32分。相手BK陣が外へ展開し、またしても独走を許す形に。詰め寄る朱紺ジャージの頭を越すパントキックのボールはインゴールへ転がる。双方のジャージがボールを競り合う。一瞬だけ触った早大にダウンボールが認められ、トライを告げるホイッスルが鳴った。関学にとっては悔しい、ギリギリのプレーで喫した失点だった。

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やがて前半終わって7-24。大方の予想は覆り、『カンガク善戦』の様相を呈することに。両チームの応援席がそれぞれの勝利を願うのは当然だが、それ以外の、訪れた観客たちも予想以上のゲーム内容に釘づけになっていた。その会場のムードを作り上げていたのは、朱紺の闘士たち。

 上昇するボルテージ。後半開始早々、長野がタックルを決め、相手のノックオンを誘う。攻撃に転じては、ドライビングモールで猛進。ゴールライン直前でFW陣が粘り、最後はナンバー8小原渉(人3)が飛び出してトライを決める。関学スタンドの部員たちは〝いつもの〟喝采コールを響かせた。直後、早大が個人技を見せトライを奪い、こうして後半は点の取り合いで始まった。そこからは互いに持ち味を出して競り合う。早大が展開力で攻め、対する関学はモールで前進する。このときスコアは12-31。ともに細かなミスで得点機を逃し、このまま停滞するが、ボールは行き交っている。

 このゲーム展開を前に、席を立つ観客は数えるほどしかいない。後ろにいた観客の一人は、こうつぶやいた。

 「点差はある。けど、帰ろうとは思えない試合」

 ゆうに3トライの差がある。プレーレベルを見ても、実力差は明らか。だが、観る者を惹きつけてやまない。早大の選手が見せる超絶な個人技に感嘆の声が上がり、はたまた関学がチャンスを逃すとスタンド全体からはため息がこぼれた。

 そうして時計の針が進み、試合開始から60分ほど。ジャイアントキリングの予感をわずかながらも漂わせていた『カンガク善戦』劇は、ここで幕を閉じることとなる。後半20分を境に、朱紺のジャージの動きがにぶくなる。易々と突破される場面が見られるようになり、追加点を重ねられる。関学の足が止まるころに、まだ走れると言わんばかりの波状攻撃が関学陣で繰り広げられた。

 試合時間も残り10分、スタンドでは席を立つ観客の姿が多く見られるようになった。

 そこからは一方的にアカクロのジャージがボールを動かし、次々とゴールを割る。やがてノーサイドの笛が鳴り響き、12-62で試合は終わりを告げた。

 終わってみれば『ワセダ圧倒』のスコアで、実力どおりであった。運も味方し関学に好機は訪れたが、それをものに出来なかったというのは、それだけの実力であったということ。

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緑川組の戦いは幕を閉じた。またしても大学トップの力を見せつけられる結果に終わった。敗北への悔しさ、シーズンが終わったことへの寂しさから、涙がほおをつたう。けれども選手たちの表情の奥には、どこか晴れやかなものがあった。

 ひとつ確信できることがある。敗北感に変わりはない。しかし、達成感に満ちていた、と。

 思い出してみる。数ヶ月前の対戦では、成す術なく終わった。モールでは結局ゴールを割ることが出来なかった。攻め込まれては、そのままトライを奪われた。ブレイクダウンでは、まったく手が出なかった。勝利なぞ、微塵も見えなかった。

 それが、である。FWで得点を決めた。ブレイクダウン・ターンオーバーも幾度と獲った。懸命にタックルにいき、ミスを誘うほどのプレッシャーを与えた。大物食いの予感も匂わせた。

 これを成長と言わずして、何と言おうか。強敵を相手に臆することなく、自分たちの力を出すことができ、何よりひたむきにプレーをした。だから選手たちは、あのような表情を見せたのだ。

 緑川組にとってのラストゲーム。そこで見せたのは、まさに目指し続けた『MOVE』ラグビー。期待感そして充実感あのとき瑞穂にいた観客の心を動かしたことが、その確かな証である。

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2010-12-30 14:23:06 | ブログ

終わった―。日本一を目指し、「MOVE」のスローガンのもと始動した関学ラグビー部の挑戦は、一昨年、昨年と同じ場所で夢破れる結果となった。関東の大学相手に実感した力の差。しかし、その中で見つけることの出来た成果もあった。緑川組の一年は、来年以降の朱紺の闘士たちに確かに息づいていくだろう。

【関西大学Aリーグ】
 リーグ開幕前の周囲の下馬評は、決して芳しいものではなかった。それは春・夏を通して思うように勝ち切れなかったことと、全体的に若いチームを不安視する声があったからだ。しかし、選手たちはそんなプレッシャーをはねのけ、初戦の立命大戦を制する。

 そしてリーグ最終戦では、3年連続で天理大学との優勝決定戦となった。今年の天理大は圧倒的な試合展開で全勝を続けてきている相手。関学の勝機はロースコアに持ち込むこと。しかし、攻撃的な天理大オフェンスに押され14―50で敗北。関西V3は逃したが、選手たちの目に曇りはない。目標は遥か高み、「日本一」。関西第2代表として全国の舞台へと出陣する。

【大学選手権大会】
 選手権2回戦の相手は天下の早大。しかし、その圧倒的なネームバリューを前に、選手たちに気負いは一切なかった。「若い」と言われ続けてきたチームはいつしか、大きく成長を遂げていた。試合には惨敗するも、この一年間FWが重点的に取り組んできたモールで2トライを奪うなど、成果を見せる場面もあった。

 試合後、「この一年間しんどかったけど、楽しかった」と緑川。後輩たちには「気持ちでラグビーすること」の大切さを説いた。今年、日本一の夢を叶えることは出来なかったが、頂への距離は確実に縮まった。


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2010-12-23 12:03:48 | ブログ

地元パワーで勝利に貢献だ!選手権1回戦で福岡に遠征した関学ラグビー部。アウェーのはずのレベルファイブスタジアム。しかし、一部の選手にとってはホーム同然だった。東福岡高出身のSO渕本(社4)と小倉高出身のWTB松野尾(社4)は、この日の試合で得点につながるプレーを連発。選手権二回戦(対早大)に向けてBKの底力を見せつけた。


【渕本伸二郎】
 この試合に臨むまで、しばらくスタメンを離れる試合が続いた。前半をピッチの外から眺める自分に焦りを覚えることもあった。そんな中、迎えた選手権一回戦。舞台は地元の福岡。そしてスタメン表には数試合ぶりに渕本が名を連ねる。「今日(地元)に間に合って良かった」と渕本は話す。福大には高校時代の仲間も多い。SHの国弘やCTBの守田などがそうだ。昔の同志が今、倒すべき敵となって目の前に立ちはだかる。しかし、そういった相手にも物怖じすることなく渕本は自分のプレーにのみ徹した。

 その最たるものが前半21分のアシストパスだ。右中間22メートル付近ラックより芦田が渕本にボールを回し、最左翼の松野尾への「2人飛ばしパス」。その瞬間スタンドからは「おぉ~」という声援が沸き起こる。松野尾はそのまま左スミにトライを決め、試合を有利に進めることとなった。渕本も「あれは持ち味出せた」と試合後に語った。

 そして試合にも勝利し、チームは2回戦進出を果たす。しかし、勝利の瞬間をピッチで迎えた渕本には、まず反省の気持ちがあった。「自分のタックルミスでトライを取られたりして…気持ちの良い勝利ではなかった」。次戦の相手・早大は優勝候補筆頭。1秒も気の抜けない試合となることは必至だ。さらに「向こうのキャプテンは同期なんで、圧倒されないように」。全国に散らばったかつての仲間たちが、渕本のモチベーションとなり最高のプレーを演出するのだ。(山本大輔)

【松野尾允】
 レベルファイブスタジアムで行われた福大との一戦は、関学にとってアウェー。しかし小倉高出身の松野尾は地元での試合に「知り合いも多くていい感じで試合できた」と振り返る。その言葉通り、この日の松野尾はいつもとひと味違った。前半21分、22メートルライン内側で渕本からの飛ばしパスを受け取りそのままトライ。なかなか点を取りきれなかった前半に、チームに勢いをつける追加点をあげる。また、残り時間が10分を切り、少しでも相手を引き離したい後半33分。またも松野尾が見せた。敵陣でパスを回しながら攻め込み、最後はゴール前でボールをもらい、2本目。このトライで点差は24点に。関学の勝利を決める貴重な得点を奪った。

 そして、この勝利を受け「小さい頃から早稲田は強いって知ってた。やっと届いた。楽しんでやりたい」と先を見据える松野尾。早大戦、勝利を呼び込む松野尾の活躍に期待したい。


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2010-12-22 23:15:22 | ブログ

全国大学ラグビー選手権大会、初戦の相手は九州では負けなしの福大。九州の強豪を相手に「関学らしさ」を見せつけ、43―12で勝利を手にした。

【目標は日本一】
 再び出陣のときがやってきた。日本一を懸けた朱紺の戦士たちの戦いが始まりを告げる。関西大学Aリーグでは天理大相手に敗戦を喫し、3連覇の夢は散った。その敗戦から2週間、チームはディフェンス面を見直しさらなる強化を図る。そして、全国大学ラグビー選手権大会に挑んだ。

 初戦の相手は全勝で優勝を決めた九州の強豪校である福大。自力では勝る関学だったが、前半は得点を奪うことができず苦戦する。相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)するパス回しを繋いでいく。何度もトライのチャンスが巡ってきたが、相手の粘りのディフェンスを前に点を取り切ることができない。しかし前半16分、相手の反則からゴール前でラインアウトを獲得。FWがリーグ戦を通して見せたモールの強さを見せつける。最後はナンバー8小原(人3)がラックから抜け出しトライ。関学が得意とする形で先制点を奪い取った。5分後にはSO渕本(社4)の絶妙なパスでWTB松野尾(社4)がトライを決め5点を追加する。その後福大に1トライ許し、12―7で前半を折り返す。

 後半開始早々、ミスから陣地内でボールを奪われ危ない場面を迎える。しかしその場を何とか凌ぎ切ることができた関学。この最大のピンチを切り抜けた後、流れは関学に傾き始める。後半8分、HO緑川(商4)が2本続けてトライ。相手を突き放すことに成功する。勢いに乗り出した関学は小原が2つ目のトライ、最後はWTB長野(社4)がダメ押しのトライを決め、43―12で試合を制した。

【次戦の相手は】
 見事初戦を突破した関学。目標とする日本一に一歩近づいた。しかし次戦の相手は関東大学対抗戦Aで優勝を果たした早稲田大。夏の練習試合で大敗を喫した相手でもある。その相手にどのように戦うのか、関学の真価が問われる。


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2010-12-09 20:47:12 | ブログ

リーグ最終戦、天理大に大差で敗れ緑川組の関西V3の挑戦は幕を閉じた。部員の中に、関西2位という結果に満足するものは誰もいない。朱紺の闘士たちの次なる舞台は全国へ。気持ちを切り替え再び不死鳥のごとく蘇るのだ!


【切り替えの朝】
 12月6日、午前7時半。関学第2フィールドに男たちが集う。天理大との優勝決定戦から2日のオフを挟み、最初の練習。BKは特にメニューを設定せず、各々がこれまでに見つけた課題に取り組む。「(天理大戦では)FWを助けてやることができなかったから、全国ではBKでチームをリードできるようにしたい。次からは負けたら終わりやから、後悔のないように」。ラストイヤーも最終章に突入し、長野(社4)の顔つきも違う。選手権では、BKの爆発力に注目だ。

 BKとは対照的に、FWは終始セットプレーの見直しに取り組んだ。「あと2週間かけて、全部見直す」と緑川(商4)。「(気持ちは)切り替えられてます。多分、みんなも」。主将の目には、早くも次の試合への闘志がみなぎっている。また、天理大戦でトライを決め、全試合得点を果たした小原(人3)は「でも、負けたのは悔しい。自分たちのやろうとしてたことをやられた」と語った。そして、「(今後は)セットプレーだけじゃだめ。天理にはフィールドでかなり負けてたから」とも。得点という点において、今リーグ一番チームに貢献した男は、チーム全体のことを常に考えている。

【どこが来ても】
 選手権初戦の相手は福大となった。そして、順当に勝ち進むことが出来れば2回戦には早大との一戦が待っている。早大と公式戦をするのは実に4年ぶり。緑川も「やりたいね。夏のリベンジもしたいし」と意気込む。しかし、選手権だからといって特別なことはしない。これまでやってきたことを確認するのみだ。そして、誰もが口を揃えてこう言う。「どこが来ても一緒。自分たちのプレーをするだけ」と


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2010-12-08 15:07:24 | ブログ
 リーグ最終戦、天理大に大差で敗れ緑川組の関西V3の挑戦は幕を閉じた。部員の中に、関西2位という結果に満足するものは誰もいない。朱紺の闘士たちの次なる舞台は全国へ。気持ちを切り替え再び不死鳥のごとく蘇るのだ!




【怒涛のリーグ戦】
 日本一を見据える緑川組の通過点である、関西リーグ。春、夏は負けが続き、決して準備万端で迎えた、とは言えなかった。だが、厳しい練習を耐え抜いた努力の成果が実を結び、初戦で立命大を下し、弾みを付けた関学。京産大とのFW合戦を制し、波に乗ったかと思われた。しかし、今年1部昇格を果たした近大にまさかの敗北。ここで再び胸に宿った、〝挑戦者〟の気持ち。彼らは後の3試合で勝利を収め、5勝1敗で最終戦を迎えた。

 最終戦の相手は全勝中の天理大。この試合の勝者が関西の栄冠を手にすることができる。何としてでもロースコアに持ち込みたい関学。だが、序盤から天理大のBK展開に圧倒され、0-24で前半を折り返した。このまま引き下がるわけにはいかない関学フィフティーン。FWから必死に攻撃を仕掛ける。後半10分、ナンバー8小原(人3)が執念のトライをねじ込んだ。その後も激しい試合を展開するも、些細なミスからボールを奪われ、一気に攻め込まれる。天理大の多様な攻撃スタイルにディフェンスを崩され、14―50で試合終了。最終戦で白星を挙げることができず、5勝2敗、関西2位でリーグ戦を終えた。関西V3の夢も潰えてしまった。

【日本一への挑戦】
 緑川組の挑戦はまだ終わりではない。関西第2代表として、全国の舞台へ出陣する。2週間後には大学選手権が始まる。「相手はどこでも一緒。やるだけ」と主将・緑川(商4)。関西での悔しさを全国の舞台で晴らすべく、朱紺の闘士は立ち上がる。目指すものは頂点、ただひとつだけだ。もう負けは許されない。緑川組の真の挑戦が幕を開ける。

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2010-12-03 00:30:11 | ブログ

第47回を数える全国大学ラグビーフットボール選手権大会(以下「大学選手権」)の抽選方式が変更されました。

●出場全16校のうち、まず8校がシードされ、バラバラに振り分けられる
●残る8校は1回戦で同一リーグとの対戦を避けるために予備抽選を行う
●それでも同一リーグ同士のカードができた場合は全カード決定後に入れ替える

8校のシードは以下の通りです。
1:関東対抗戦1位(前年度大学選手権優勝リーグの1位)
2:関東リーグ戦1位
3:関東対抗戦2位
4:関東リーグ戦2位
5:関東対抗戦3位
6:関東リーグ戦3位
7:関西リーグ1位
8:関西リーグ2位

これでいくと関西大学リーグ1位は関東の3位校より下の扱いで、関西出身者としては何とも言えない気分ですが…。日本協会は「この抽選方式は、昨年度の大学選手権の結果、またここ数年の結果を鑑み、より一層魅力ある大会にするべく、決定しました」と同協会のHPで広報していますが、昨年度のように1回戦で関西大学Aリーグ同士の対戦が2試合、関東大学リーグ戦1部同士の対戦が1試合行われてしまうことを避けるためには必要な変更でしょう。

過去45回の最多出場を誇り、過去唯一、3連覇を達成したことのある同志社大や、27回出場の法政大と常連校が出場権を失った今大会は、年末の12月19日(日)に開幕し、2011年の1月9日(日)に決勝戦を迎えます。また、今大会の抽選は12月6日(月)16時から、東京都港区の日本協会会議室(秩父宮ラグビー場の隣)で行われますが、一部ファンへの公開抽選となるそうです。

◆第47回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会/実施概要
●日程
1回戦:2010年12月19日(日) 秩父宮・熊谷・瑞穂・近鉄花園・レベスタ
2回戦:2010年12月26日(日) 秩父宮・瑞穂
準決勝:2011年1月2日(日) 国立
決勝:2011年1月9日(日) 国立
●出場チーム
・関東大学対抗戦Aグループ :4チーム
・関東大学リーグ戦1部:5チーム
・関東大学第5代表:1チーム
※関東大学対抗戦A5位 vs. (東北学院大vs.北海道大の勝者)
・関西大学Aリーグ:4チーム
・関西大学第5代表:1チーム
※関西大学Aリーグ5位vs. (東海・北陸代表vs.中国・四国代表の勝者)
・九州学生1部リーグ:1チーム


Rrugby and American football

2010-11-30 16:54:16 | ブログ

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いよいよ、母校ラグビー部とアメリカンフットボール部が大詰めの試合が今週末にもようされる。

僕はラグビー部の出身だが部室がアメリカンフットボール部の隣に在って部員同士は結構仲が良かった。

然し、シーズンに入ると試合の多くは日程が重なってアメリカンフットボールの試合は観たことがない。

卒業してからもそうである。

先日の神戸ユニバーでのアメリカンフットボールの試合はたまたま空いていたので観戦に行った。

結果、関西大に勝ち立命館と共に3校同じ優勝になった試合を観たのである。

アメリカンフットボールはアメリカで出来たスポーツので結構華やかである。

チアリーダの女子が跳ねたり跳んだりでのハーフタイムショウは面白かった。

今週末にそのアメリカンフットボール部が甲子園ボウル出場をかけて又、関西大と対戦する。

ラグビー部も又、関西大学リーグ戦の決選が花園ラグビー場で開催される。

ラグビーはTVの放映があるがアメリカンは無い・・ラグビーを録画してアメリカンに応援に行くか?

それとも、我がラグビーの応援に行くか悩ましいところである。

ラグビーもアメリカンも母校の高等部が全国大会に出場する。

いやはや、今年の秋は忙しい( ^^) _U~~


rugby

2010-11-29 16:23:26 | ブログ

4年間が過ぎてなお、男は戦い続ける道を選んだ。そうして臨んだシーズンで、また一つプレーレベルを上げようとしている。CTB田中健太(商4)が挑むラストシーズン。
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 昨年暮れに小原組の戦いが終わり、季節は変わった。2010年春、主将にHO緑川昌樹(商4)が就き、スローガン『MOVE』を掲げ、新しいチームは歩みを始めた。そこにただひとり、昨年から残留を果たしたラガーマンがいた。田中健太、ポジションはCTB。

小原組の中心選手であり、これまでの関西2連覇のピッチを知る男である。その彼が今シーズンも関学ラグビー部に籍を置いた。5年目の理由を聞けば、苦笑いしながら「学業」と答えるが、そのことが楕円球を追い続けるきっかけでもあった。

 彼のなかでは、早々からラグビーを続けるという決心はあった。それは大学を卒業して、その先の社会人というカテゴリーでプレーする思いから。「将来続けるから。そのためにはプレーを続けなあかん。必然的に」。学業の事情で5年目突入が決まった以上、ラグビーの選択肢は言うまでもなかった。

 幹部学年として臨んだ昨年はBKリーダーに就任し、チームをけん引した。その1年間は常にプレッシャーが付きまとっていたという。そこから一転して、今シーズンはいわば自由の身に。解放感から、プレーに集中できる状態になった。ならばと、この1年間はレベルアップに費やすことにした。

 「去年は相手に当たっていったり、相手をとばしたりして。今年はわざとそういうプレーをやめて、ずらしてスペースに走る。それを課題に1年ずっとやっている。1対1の練習とか、セットの練習とかやっているし」

 ラガーマン・田中健太のプレーの幅は確実に広がっていた。

101126tanakap1 来期、プレーするkubotaのジャージーの田中健太

 これまでのチームの中心選手が、さらなる成長を遂げている。となると、出場機会は設けられる。春先からトップチームに名を連ね、頼れる存在として周囲の期待を集めた。「必要とされているなら、やるだけ」。

 レギュラー陣を含め、一気に若返ったチーム状況のなかで後輩たちには戦う姿勢を説く。「とりあえず気持ちでやれ、と。ディフェンスも抜かれたら、しゃあないやん。全部止められるわけないし。次、止めたら。

 オフェンスは、好きなように自由にやってくれ、とか」

 経験の豊富さが、言葉に重みを持たせる。一方でプレー面でチームから求められるものは。

 「インパクト、なんかな。あと、強さ」

 敵がぶつかってこようとも跳ね返す強さ、そこで生じる衝撃は流れをこちらに引き寄せる。いまはバリバリのプレーヤーを務める同期LO山本有輝(文4)も持ち味とする『インパクトプレー』。それは小原組闘士2人に共通する武器。劣勢を覆すその武器は、ゲームの途中でも重宝される。上半期の戦いを振り返るなかで、主務・橋本憲典(商4)はこう口にしたことがある。「怖くないですか!? 相手にとっては。健太さんが途中から出てきたら」。

 やがてリーグ戦が始まり、山本とともに田中はリザーブとしてレギュラー入りを果たした。だが、そこではスタメン起用への思いをにじませた。

 「途中から入るのが苦手。一発目からガンガンいきたい」

 むろん途中投入でもピッチに立てば「やるだけ!」と闘志をむきだしにする。けれども、『インパクトプレー』をゲーム開始から発揮していきたいのが本音。そうして戦っていくなかで、リーグ第5戦にスタメンに選出された。

 「全然やりやすいね!自分らしさを出せるかな、と」

 より強さと衝撃を増したプレーは、チームを勝利に導く一撃となって表れる。

 11月14日。初スタメンを飾った摂南大戦の後半13分、相手ディフェンスの合間を縫うようにゲインしたFB小樋山樹(人3)のすぐ後ろを追走しボールを受ける。「ごっつあんトライ」とゴールを割った。

 勢いは止まらない。続く20日の同志社大戦ではステップワークを駆使しインゴールへ駆け抜け追加点をゲットする。「前から相性がいい。同志社戦のときは、〝何か〟持ってる」。昨シーズンから掴んだ『対紺グレ』時に発動する、好プレーの波。最終戦に先駆け、重要な試合となった同志社戦でもトライとなって具現化した。

 奇しくも、田中がスタメンを飾った2試合には、小原組の面々が多く応援に駆けつけた。「みんなの声がむっちゃ聞こえて。がんばらなって。同志社戦のときは『今日のMVPやな』って言われたり」。そう話すとき笑顔をはじけさせる。〝何か〟それは〝仲間〟かもしれない。

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 関学ラグビー部がこれまでに刻んだ関西2連覇の栄光。その瞬間を2回とも、田中はグラウンドで味わっている。そしていま、3度目が訪れようとしている。12月4日、天理大との優勝をかけた直接対決。「やるしかない。後悔せんように」。大一番のなかで戦うイメージはもう彼のなかに出来上がっている。

 「外国人を一発で止めて、2トライ」

 対峙するであろうCTBトニシオ・バイフ(日本航空石川)を封じ込める。かたや、攻撃面では2発。それは、これまで1試合につき1トライしか取れてないことに対する〝自分超え〟宣言でもある。

 シーズンが深まるにつれ存在感をより増してきたベテランCTBの進化が止まることは、しばらく無さそうだ。