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ゆるふわ屋。 - 鏃キロク・若林浩太郎のブログ -

シナリオライター若林浩太郎のblogです

Vフォー・ヴェンデッタ

2006年04月26日 16時07分01秒 | レビュー
『岩窟王。……私の最も好きな映画だ』

映画「Vフォー・ヴェンデッタ」を観てきました。

突然ですが先に言っておきます。
主人公「V」を演じているのはエージェント・スミスです!
劇中では全く気付きませんでした。

よく映画の宣伝で「○○のスタッフが贈る~」っていう
キャッチコピーがあるじゃないですか。
でも肝心カナメの脚本や監督が全然違う人で、言い方は悪いですが
「テメーこの映画で何やったんだよ」っていう総指揮だけ同じだとか
そういう映画が多いわけなんです。

私が嫌いなパターンとして
ジェリー・ブラッカイマーが製作だけやってるのとか
スティーブン・スピルバーグが製作だけやってるとか
クリント・イーストウッドが監督やってる作品とか!!

はい、私の勝手な意見です。
スルーして下さいね~♪

この作品でも宣伝の流れは同じで
CMでは「マトリックスのスタッフが~……」と言い切ってます。
でも嘘じゃありません!

監督はマトリックスと同じ
ウォシャウスキー兄弟ではありませんが、
脚本を担当。これ重要!

でも主演がエージェント・スミスだとは
思いませんでしたけどね。

さて、この映画のポイントはCMや予告編を見ても
なかなか内容が想像できにくい、という点だと思うんです。
別に私ぁ配給会社の回し者じゃござんせんが、
そこを中心に映画のレビューといきましょう。

マトリックスを観て、キアヌ・リーブスのカッコよさや
アニメ・漫画的な奇抜な表現に惹きこまれた方にしてみれば
今作は「マトリックスの方が楽しい映画だった」と思うかもしれません。

実際、この映画の良さは伝わりにくかったようです。

何を根拠にそう言うのか。
どうやら興行成績の数字を見るに
ハリウッド映画としても
ウォシャウスキー作品としても
期待されていたよりも奮わなかったようです。

でも、この映画は私にしてみればマトリックスよりも
響くものがあった。この映画はそう、復讐劇なのだから。
ヴェンデッタという言葉を劇中では「血の復讐」と説明しています。

謎の男「V」は独裁者の支配する未来のイギリスで
政府に立ち向かいます。誤解を恐れず敢えて言うならば
単なるテロリストです。

復讐劇にありがちな「なぜ主人公は復讐するに至ったか」という
過程を描くことで受け手の共感を得て、
主人公が悲しく散ることで涙を誘う……
この映画の面白さはそのようなありふれた手法では
表現されていないように思います。

Vは一体何者なのか分かりますがしかし、ご覧になれば
それは決して重要でないと知るでしょう。

映画が始まって数十分、
私は決して自分に近い存在ではない「V」に
感情移入していました。
もちろん私はテロリストではありませんし、
そのような思想を語り歩いているような過激派とも違います。

でもVを衝き動かす、その力の源に
私は心を奪われたのです。

強く抑えつけられればられるほど、抗いたくなる。
ダメだと言われれば言われるほどしてみたくなる。
禁忌だと警告されればされるほど、冒してみたくなる。

そんな単純な力の作用・反作用がそこにあるように感じました。

宣伝から得られる情報からは
かけ離れた内容、それがこの映画の評価を下げている
原因かもしれないと私は思います。

かつてウォシャウスキー兄弟が
日本アニメ「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」にインスパイアされ
マトリックスをつくったように……。

攻殻の続編「イノセンス」に影響を受けた
ウォシャウスキー兄弟がつくった作品だとすれば、
おのずと映画の方向性が予想できるのではないでしょうか。

もし単純にスカッとする映画をお探しならば、
私自身まだ観ていませんが「トム・ヤン・クン」あたりを
チョイスした方が、私は無難だと思います。

でも「千と千尋~」あたりを理解した人は
良きにつけ悪きにつけ伝わると思います。
観てよかったです。
私はオススメします、この映画。

スゴい作りこみだ、ユグドラ

2006年04月25日 11時05分29秒 | レビュー
このblogで何度か書いている
GBA用シミュレーションRPG「ユグドラ・ユニオン」をプレイ中、
どうしても先へ進む方法が分からなくなり、
攻略ページを検索しチョイ見するつもりでしたが……驚愕。

「相ッ当ッ長い時間プレイしてるのに、
 クリアーまで、まだ半分いってない!?」

こりゃ、攻略本が1600円+税ってのも分かるわ。
このblog、読む人が興味持っても調べなくていいようにってことで
リンクしてますが、私には一円も入ってません。
ちゅうか……アフィリエイトとか、普通のblogで入ってくるものなのか??

閑話休題。

ユグドラ~は、私の中で非常に評価が高いです。
その理由は?
ええ、もちろんファミ通でプラチナ殿堂入りしたからじゃありません。

・続編でない
・テーブルデータを増やすことにより長く楽しめるシステムづくりにした
・キャラデザインやドット絵などのグラフィックの統一感
・大人から子供までのプレイヤーが同じような印象を受けるよう配慮された台詞回し

報われなかったハード、ワンダースワンカラーで
発売した前スティング・ブランド作品
「約束の地 リヴィエラ」
発売当時から高い評価を受けていました。
そしてハード衰退、GBA全盛、GBASP発売……。
「惜しいな、GBAで発売したらいいのに」と思ってたら出たわけですね。

発売日は、北海道の小樽に居ました。
私の出身地です。
雪がしんしんと降る11月のこと。
脳梗塞で倒れた祖母を見舞うため兄と二人、
小樽に飛んで何をするでもなく、ただ悲しみに暮れていました。

走れば氷となった地面で滑り、
歩けば寒さに体力を奪われていく……
そんなありふれた小樽の冬、
発売日に小樽のゲームショップに足を運んだのです。

いやー、その時はけっこうダークでディープでメロウな雰囲気が
我が家ならずとも親戚中を支配してましたが、
少しは私の心も明るくなりました。
ゲームオタクで良かった、のかな。

ともあれ、GBAで凱旋したリヴィエラも
高い評価を受けたわけですから、
続編を出してもおかしくないんですよね。
ところが新作で来た、これは高く評価できることだと思います。

そして、どうしても敷居が高くなりがちな
シミュレーションRPGをうまく作った。

これにより、テーブルデータ……つまり企画が作るような
アイテムのデータであるとかその入手方法などを
追加・変更することにより、一度遊んだだけでは
全てを網羅できない作りにしてあるという点。

ただし、そんな重箱の隅をつつくようなことをしなくても
十分楽しめるよう、チュートリアルモードを設けて
なるべくユーザーがゲームを楽しめるよう心がけた。

よくある「ゲームづくり」の技術なのですが、
プレイするとつくるとでは大違い。たいしたもんです。

ただ、一つ危惧しているのは、
まだ私がクリアーしていないということ。

その後の私の評価はどうなっているのか。
「後半は難しくなりすぎだ」とか
「バランスがおかしくなっていったぞ」とか
果たしてドッチへいくのか。

楽しみです。

ワンダと巨像

2006年04月17日 21時14分17秒 | レビュー
プレイヤーを泣かせるストーリーを見せたくて
つくられたゲームじゃないだろう。
巨像の攻略を見つけた時の、その楽しさ……
それだけを追求したゲームでもない。

このたび「クリアーしなきゃならないゲームリスト」から
一抜けしたワンダと巨像のレビューを書いてみることにしました。

まず、はじめてプレイした時の感触。
・難しい
・操作に難アリ(けっこー独特)

このゲームの難しさの種類はファミコン時代の
ゲームを彷彿とさせます。
スーパーマリオやってて、ジャンプ! 穴に落ちた。
死んじゃった、まあ仕方ないか、みたいな。

一度クリアーした後に、主人公ワンダの体力と握力を
アップさせる方法がわかるのですが……
最近のゲームに慣れた人々(もちろん私も含む)には、
まず一周目クリアーなんてムリムリ!!

連れが家に来て、一体目の巨像と戦った時に
「こいつぁムズイな」と感想を漏らした後、
1時間ほどプレイして撃破ならず。

私も最初プレイした時に同じ状況でした。
「まさか一体すらも破壊できないなんて……ガクガクブルブル」

ですがそこは、ファミコン版の超迷作「スペランカー」
4周クリアーした実績を持つ兄貴の出番ですよ。

私がネットで攻略サイトを見つけていたので、
握力と体力をマックスまで鍛え上げ巨像をなぎ倒していきました。
結局、5回クリアーしたみたいですね。
昨日と今日で1回ずつ。変態です(w

これ以上ハナシが逸れると
キーボードのバックスペースキーを押す
懸命な諸君が居ると思うので、
それは断固として阻止せねばなりません。

ゲームとしての面白さは「ゼルダの伝説」に代表されるような
発見する喜びに集約されています。
操作する対象も1人のキャラクターならば、
破壊する対象も1体ずつ。

サイズは違えど1対1のタイマン勝負です。
敵の急所を探し、
そこに至る為の方法を考えて試行錯誤する、
その楽しさがワンダの面白さの核でしょう。

逆に言えば、何度も挑戦して方法が分からなかった人にとっては
面白くもなんともないわけで「クソゲー確定」の烙印を
押されてしまうのは想像に難くありません。

実際、私もクリアーするまでそう思ってました。

はっきり言って、攻略本やサイトのヒントなしで
クリアーした人はスゲェと思います。

でも、それだけの難しさを越えて辿り着いたエンディングを見た人は
滂沱の涙を流したんではないかと推測されます。
悲しいエンディングです。
でも……決してバッドエンドではない。

同制作チームが手がけた「ICO」をクリアーした人なら
ストーリーの繋がりが見えるエンディングになっており
ファンをニヤリとさせる要素も含まれています。

歯応えのあるオフラインゲームをプレイしたい、
ゼルダの伝説シリーズが好きだ、
PS2は持っている、
そんな方は試してみてもいいと思います。
いまショップでは中古で2980とか1980まで
下がってますので。
理由? やだなあ、上に書いてあるじゃないですか。

ゲームを買ってはスグに売ってしまう私ですが、
ワンダは売らずにおこうと思ったのでした。
理由? ハハハ、そこは推測してクダサイ。

グラナド・エスパダ マニュアル読まずにプレイ!

2006年04月15日 18時42分53秒 | レビュー
はじめに。
今回取り上げるのは「グラナド・エスパダ」というMMORPGです。

しかしながら、何時間もじっくりプレイするには至っておりません。
詳しく突っ込んだレビューをお探しの場合は、
他を当たられた方が宜しかろうと存じます。

私は、わざと短時間でマニュアルなどを読まずに
プレイし、その感想を書いてみました。

グラナドは昨日、14日の16時から日本で
オープンΒテストが開始した韓国産MMORPGです。

クライアントデータのDLは月頭から出来たので、
先にしておきました。よし、準備に抜かりはない。
いいぞ!
さあプレイしよう、と昨夜アップデートをかけましたが……
案の定、回線が混んでて断念。

ここまでは予想の範囲内。
回線がヘヴィになってるのは期待されてる証拠でもあるわけだし。
作業の傍ら、アップデートだけ実行。

気付いたら終わってたのでプレイ開始!
出来ない……なんで?
ハッ!!!
会員登録が済んでませんでした、テヘッ☆

会員登録するにしても、
メールを保存し、拡張子をHTML形式にして
画像をクリックしないとリンクに飛べません。
なんで!?
メールに書いてあるやり方、URLをコピペする方法じゃ
できないわけですねえ。これが。

プレイ開始。
グラナドの特徴ともいえる「家門作成」から入ります。

たいていのMMORPGがキャラクター作成から始まるように、
結局はキャラを作成することになるのですが
グラナドでは1人のプレイヤーが複数のキャラを同時に扱います。
1人で同時に3人。

たとえば私が「ヤジリ家」という名の家門を作ったなら、
「○○ ヤジリ」というキャラを同時に3人操ることになります。
なるようです……と、いうのもプレイ開始から
システムを把握するまでの導入部分では1キャラしか扱えないからです。

作成するキャラはいずれも耽美極まりなく、
「ベルばら」のような少女漫画に出てくるような○頭身で
きらびやかな衣装を身にまとった美形オンリー。

キャラの性別に関わらず、ここまで選択肢がないと
個性を出そうとアフロヘアの男とか
ドレッドヘアーの女とか作ってみたくなります。

わざとマニュアルは全く読まずプレイしてみました。
操作系は予想よりも良いです。

キーボードの十字で前進・後退・方向転換が可能。
もちろん、マウスでもいけます。
特に右クリックしながらドラッグ&ドロップすると
カメラを回せるのは、もはやMMOのお約束でしょう。

そして、わざと初期装備のまま敵と戦えるエリアに移動。
蜘蛛、つまりspiderらしき敵が出てきたと思ったら
どんっどん湧いてくる。

攻撃開始、1vs1で戦えて敵はaddしてきません。
5分戦うだけでレベルが2つや3つ上がります。
これにはちょっと驚きました。
オフラインよりもレベルアップの早いネットゲーには
出遭った事がなかったからです。

そして街に戻ろうとする途中で、
敵がワンサカ出る道すがら立っているNPCに
話し掛けると「街に戻るかどうか」を選べたりします。

OKを選ぶとスグに帰還。
ここらへんは今までのMMOの煩わしさを解決しようという
試みがあらわれており、評価できると言えます。

プレイしたのはここまで。
お約束のクエストなども一覧や目的などが
明示されており、いつでも確認できるため難しくなさそうです。

ここまで……導入部分をプレイした限りでは好印象。
ただし一緒にプレイする知人もおらず、
じっくりネットゲーをするほどヒマでもないので
今回限りかもしれません。

もしプレイしたら、
再びこちらにレビューを書いてみます。

プロデューサーズ

2006年04月14日 16時57分22秒 | レビュー
昨日、連れと観てきましたよ。

あまりCMとかも流れてないので、
認知度は低いと思うんですが映画「シカゴ」に勝るとも劣らない
ミュージカル映画「プロデューサーズ」

イイ感じでした。
5点満点でいうならばジャスト4点。
スタッフロールでも楽しませてくれます。
ぜひ「日本語版字幕~」っていうのが出るまで
劇場を出ずにご鑑賞あれ♪

連れは「下ネタ多すぎ」と辟易してましたが、
私はそんなに嫌じゃありませんでした。
それよりも気になったのは第2次世界大戦の話がネタに出てくること。

全年齢対象の映画ではありますが、
子供には分からないだろうから
そこは注意が必要ですよ、奥さん!(誰だよ

あと、ゲイの設定だっていう人たちが大勢でてくるんですが
QUEENのフレディっぽくて笑えました。
皮ジャンに皮のパンツで口ヒゲとかね。
「ああ、やっぱりゲイの人たちってこういう格好のが多いんだな」って、
なーんか妙に納得しちゃったりして。

話が逸れましたが、
ミュージカルを映画にしただけあって
強調したい部分は歌を歌ったりダンスをしたりで
大いに盛り上げてくれます。

脚本はワザと大きく捻らず、
わりとストレートに投げ込んできます。
特筆すべきは展開うんぬんではなく、それをどう映像にしたか。

劇中に出てくる演出家の台詞そのまま
「重い話なんて観客はみたくない」というポリシーのもと
あくまで楽しさを感じられるように演出がなされています。

終盤の展開も、ともすれば中だるみを
感じてしまいそうな展開なのですが
そこをうまく早巻きにして怒涛のフィナーレへ突っ切ります。

ミュージカルにかかせない要素!
みなさん歌も上手いです。

公式サイトをご覧になればわかりますが、
ブロードウェー版と同じ人・同じ役が多いので
歌も保証つきというものです。

どちらかというと、カップルで観ると
楽しさが倍増する映画ではないでしょうか。
メッセージ性の強い映画の場合は、こうはいきませんからね。

ちょうど「ナルニア」なんかが拡大ロードショーされていて
観たい映画がないなー……なんて感じてらっしゃるならば!
騙されたと思って観てみるのも良いかもしれません。