ストラバイトSOS!

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52 テレビ東京からご回答いただきました

2006年06月12日 21時24分05秒 | 根拠なき体質説

 当ブログNo.41で投じた異議申立に対し、本日、下記のとおり番組プロデューサー殿からご回答をいただきました。あまり釈然としない内容ながら、まあこれが精一杯のところかとも思われます。少なくとも、視聴者の一人である私への誠意が感じられましたので、とりあえず、これで善しとさせていただきましょう。斉藤勇プロデューサー殿に心から篤く御礼申し上げます。
 かくなる上は、番組に登場して根拠なき体質論を展開した出演者たちに証拠提供を求めるべし。とは思うも
のの、いささか厄介です。重い腰を上げる気になりましたら、改めて追求したいと存じます。 

 中島様 平素はテレビ東京の番組をご覧いただきまして、まことにありがとうございます。番組宛にいただきましたメールについて回答させていただきます。
 新聞のテレビ番組欄に表示致しました「飲み過ぎ救援ラーメン」とは、実際の放送でご覧いただきました通
り、飲んだ後の肝臓のために、なるべく肝機能を高めると言われている食材をいれたラーメンのことを表現したものであります。体液をアルカリ性に変えるためのラーメンとして紹介したものではありません。
 また体が酸性になるという内容につきましては、番組に出演いただいた医師と管理栄養士の見解であり、番
組はその見解に基づいて放送をさせていただきました。当番組は実験・検証を行う科学番組ではなく、視聴者の皆様からいただいた疑問について、専門家に話を伺うなどして、その疑問を解き明かすバラエティ番組であり、それについての実験は行っておりません。
 番組には毎回、視聴者の皆様から沢山のご意見がよせられます。今後は中島様をはじめ、皆様からいただき
ましたご意見を参考にさせていただき、より一層信頼される番組作りを目指したい思っております。  2006/06/12 テレビ東京 番組プロデューサー 斉藤勇
 


51 80年以上も前の医学専門書には……

2006年06月06日 07時25分24秒 | 根拠なき体質説
 「ヒトが食べる食品の中には、食べると体内で分解して体液を酸性にし、尿にも酸性を加える『酸性食品』 と、体液をアルカリ性にして、酸性の尿を弱酸性~アルカリ性に変える効果をもつ『アルカリ性食品』という 二つのグループが存在する」
 前記の医学専門書(南山堂「内科診療の実際」)には、このように書いてあるだけです。2,736ページの本文 中、「酸性体質・アルカリ性体質」という文字は、どこを探しても見つかりません。大正時代、いわゆる酸性 ・アルカリ性体質なる健康論は、まだ萌芽のきざしもなかってのではないかと思われます。
 ただし、同書に「酸性・アルカリ性食品の決定に二法あり。 ①食品を完全燃焼して得た灰分の水溶液の酸性なりやアルカリ性なりやに依る。アルカリ性元素(ナトリウム 、カルシウム、カリウム、マグネシウム)は植物性食品と果実に多く、酸性元素(塩素、硫黄、燐)は肉類及 び穀類に多い。 ②摂食後に血液のアルカリ度を低下するは酸性食品である。高上するはアルカリ性食品である。之は尿の反応 を検して大略の推測をする」(原文のまま)、と注釈されています。
 上記②の記述で明らかなように、80年前の昔は、体液(血液)pH=尿pHというふうに大雑把に考えられて いたのかもしれません。
 この間違った記述が世間に広まり信じられたが故に、「尿のpH測定で酸性・アルカリ性体質がわかる」など という奇説が横行するようになったのだとしたら、この医学専門書の罪は軽からず。かつてローマ法王がガリ レオ裁判の誤りを謝罪したのと同様、医学界の大御所に「尿は体液じゃありません」と修正宣言をしていただ きたいものです。
 なにせ80年以上にわたり、数百万人(?)の医師たちがバイブルのごとく信奉してきたという医学専門書に 書いてあるのです。ですから、「尿=体液は間違いだ、おかしい」と気付いた医師がおられても、沈黙を守ら ざるを得なかったのだろうと推察されます。
 うかつに異議を唱えようものなら、神聖なるドイツ医学に楯突く慮外者との烙印を押され、身の破滅になり かねません。そんな危険を冒してまで正否を争うほどの重大問題でもなし、「まあいいか」ということで長年 うやむやにされてきたのではないでしょうか。
 この点、自由医師(獣医師)は気楽です。たいがいのことなら平気で何でも言えます。その伝で気軽に申し ますと、酸性・アルカリ性食品の効果をチェックするとき、それを体液の一部である血液のpH測定によって確 認するのは厄介な大作業です。それに比べ、尿での確認は極めて容易であり、誰でも簡単に自分の尿で効果の 有無・強弱を知ることができます。
 よって、我田引水と言われてしまいそうですが、尿pHの測定こそ、酸性・アルカリ性食品の存在を人体で確 認する最善の手段である、と私は考えます。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第3章「尿のpHに影響を与える3大要因の1(食品)」p58~ 60から転載)

50 酸性・アルカリ性食品は本当にあるのです

2006年06月05日 06時58分42秒 | 根拠なき体質説
 第1章で述べた酸性・アルカリ性体質という根拠不明の健康論と、現実に存在する酸性・アルカリ性食品とが、どこでどうして結びつくようになったのだろう。
 どうせ漢方あたりの焼き直しか何かだろうと、と軽く考えていました。でも、もしやと思い、私が獣医学生だった40余年前に古本屋で買った『内科診療の実際』(南山堂、大正11年初版)を開いてみました。
 今はどうだか知りませんが、当時(昭和38年)、この専門書は医学生たちのバイブルとされており、君たちにも役に立つから、と家畜内科の教官に勧められて買ったものです。
 獣医学なんて医学のマネの「従医学」だと学生に向かって自嘲する別の教官もいて、ヘソ曲がりの学生だった私の自尊心は、いたく傷つけられていたのですが、それでも、なけなしのバイト代をはたいて購入した懐かしの医学専門書です。
 ずっと後になって、獣医業界でそれなりの業績を私が誇れるようになってから、「獣医師は従医に非ずして『自由医』なり。動物の診療は西洋医学だろうが、東洋医学だろうが、あやしげな民間医療だろうが、はたまた独りよがりの自己流だろうが、とにかく動物の疾患・怪我を治せさえすればいい。何でもかんでも、自由に取り込んで好きなようにやればいいんだ」、などと広言するようになったのは、かって学生の前で卑下した教官への反発でもありました。
 それはともかく、この医学専門書は病名や用語にドイツ語とラテン語が併記されている古めかしいものですが、ここにちゃんと探したものが載っていました。もしかしたら、酸性・アルカリ性食品という概念は漢方由来でなく、西洋医学から直輸入されたものか、とも思われます。
 漢方か西洋医学か、そんな来歴調べはさておき、この医学専門書に書かれていることこそ、現在、書店の実用書コーナーに並ぶ酸性・アルカリ性食品に関する健康書の元祖になっているのではないか。そう思われましたので、古風な漢文調の文章を現代風に読みやすく翻訳して紹介いたします。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第3章「尿のpHに影響を与える3大要因の1(食品)」p56~57から転載)

49 尿は体内からの廃棄物

2006年06月04日 08時04分31秒 | 根拠なき体質説
 では、尿とは何ぞや?
 毎日必ず数回~10数回も自分の身体から出しているものなのに、注目され脚光を浴 びることなど今まで一度もなかった……、のではないかと思われます。
 オシッコなんて汚い、臭い、恥ずかしい。人目を避け、こっそり隠れて処理するマイナーなもの。健康人に とって、それが当たり前のことです。でも、この本を手に取ってくださったのも何かの縁、どうか、もうしば らくお付き合い願います。
 体内を巡る血液が肺で外気と接し、腎臓で尿と接して、それぞれ物質交換を行っていることは、皆さんも子 供の頃に学校で教わりましたね。腎臓は、体内で不要になった廃棄物質を体外へ排泄することにより、体内の 内部環境を一定に維持する、という重要な役目を担っております。
 もう少し詳しく説明すると、腎臓の糸球体を囲むボーマン嚢で血液が濾過され、血漿から透過性の物質と水 が出てきます。この濾過液が尿細管を下ってヘレン係蹄と呼ばれる部位に達するまでの間に、糖や塩類など体 内で利用できるものは再び吸収され、人体に不要の廃棄物質だけが吸収されずに残り、余った水と一緒になっ て尿を形成するわけです。 
 つまり、尿は体外に捨てられる廃棄物そのもので、人体を構成する体液ではありません。これを素直に合点 していただけましたでしょうか?
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第1章「尿について、ちょっとだけ勉強しておきましょう」p17 ~18から転載)

48 尿は体液ではありません

2006年06月03日 06時54分56秒 | 根拠なき体質説

 汗や涙、鼻水などと同様、尿も「人体から出てくる液体なんだから、体液の一種である」。そう思い込んでいる方が少なくないのではないでしょうか。もしかして、あなたも?
 岩波書店『広辞苑』(第5版)には、「【体液】動物体内の脈管または組織・細胞の間を満たすすべての液体の総称。血液・リンパ液・脳脊髄液など」と書かれていて、汗や尿など体外に出てきた液体まで体液に含めるとは書いていません。ほかの国語辞典も似たりよったりで、明記されてはいないものの、体内から体外に出てくる液体は体液でなく、体内の液体だけを体液と呼ぶことになっているようです。
 手元の百科事典や医学専門書の記述をまとめてみますと、体液とは「人体を構成する60兆個の細胞内に充ちている細胞内液と、細胞へ栄養分や酸素を運び込み、老廃物を運び去る機能を有する細胞外液(血液・リンパ液・組織液など)との総称」という定義が正しいように思われます。
 聞きなれない「組織液」とは何なのか。『岩波生物学辞典』(第3版)には、「細胞間にあり細胞の環境となっている液体成分。細胞に栄養を供給し、細胞からの排出物をうけとる。毛細血管から血漿が生理的に濾出したもので、大部分はリンパ管に入ってリンパ液となり、ふたたび血管系にもどる。組織液の病的に増加した状態を浮腫または水腫という」、と書いてあります。
 この説明で組織液は尿と関係ないことがわかりました。血液やリンパ液が尿と同種の液体でないことぐらい、誰でも知っています。したがって、腎臓で作られ、尿路を通って膀胱に溜まった尿は、体外へ排出されるものであるからして絶対に体液と呼ばれるものではないはずです。
 でも、それなら涙(pH7.2~7.5)や唾液(pH5.6~7.6)、胃液(pH1.0~1.5)、膵液(pH8.0~8.5)、胆汁(pH6.5~7.9)、腸液(pH7.7)、精液(pH8.1~8.4)などは体液と呼ばないの?
 「レイプ被害者の衣服に犯人の体液が付着していた」などとテレビドラマで刑事役が言ったとき、その体液が血液か唾液か、なんて思い迷う視聴者は一人もいないのではないかしら。
 体液という言葉について、世間一般に通用している概念はかなりあやふやなようです。が、これ以上あまり深く追求しないで先へ進ませていただきます。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第1章「尿について、ちょっとだけ勉強しておきましょう」p15~16から一部修正して転載)


47 尿のpH検査で体質がわかるわけがない

2006年06月02日 08時37分51秒 | 根拠なき体質説
 血液と同様、尿のpHを調べたって酸性・アルカリ性体質とやらのわかるはずがありません。何故なら、尿は体液でないし、尿のpHと血液のpHが同じであるなんてことは絶対にあり得ないからです。
 それにもかかわらず、あるサプリメントの宣伝文句に堂々と書かれていたのでビックリしました。それを飲むと酸性体質がアルカリ性体質に改善できるというのですが、その根拠として、尿のpHが酸性からアルカリ性に変わる、だからアルカリ性体質に改善された証拠なのだ、と書かれていたのです。
 こんなバカな話をでっちあげてサプリメントを売る方もおかしいし、それを真に受けて買う方もおかしい。でも、それくらい「体質」という健康論が一部に根強く浸透し、信奉されているが故の珍現象かもしれません。
 あるいは双方とも、尿=体液と思い込んでいたのかもしれません。それで、尿pHがストレートに酸性体質やアルカリ性体質を識別する指標だと、単純に考えてしまったのではないか、とも考えられます。だとしたら、双方ともたいへんお気の毒なことです。世間を惑わすこんな誤解は二度とあってはなりません。
 「尿は体液でなく廃棄物である」。これが常識となり、皆様の頭の中に強くインプットされますよう願っております。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第1章「尿について、ちょっとだけ勉強しておきましょう」p28~29から転載)

46 血液のpHはめったに変動しない

2006年06月01日 08時09分36秒 | 根拠なき体質説
 そもそも、ホメオスタシスが働いてくれているおかげで、血液のpHなんて、そんなにめったやたらと変化するものではないのです。
 もしも、本当に血液がpH7.35よりも低い中性ないし弱酸性に傾くことがあれば、それはもう体質どころの騒ぎでなく、アシドーシス(酸血症または酸毒症)と呼ばれる本物の病気です。
 アシドーシスは、飢餓や急激な運動、麻酔、糖尿病、腎不全、痙攣性疾患、肺炎、肺気腫などの疾患で起きやすいとされ、頭痛、倦怠感、食欲不振、嘔吐、めまい、眠気、不眠などの自覚症状に襲われるそうです。
 アシドーシスの反対に、血液中の予備アルカリが正常以上に増加し、血液がpH7.45以上のアルカリ性に傾いた状態はアルカローシス(アルカリ血症)と呼ばれています。
 脳炎やヒステリー、発熱や炎暑が原因で過度の呼吸を続けたり、嘔吐や胃洗浄を繰り返して胃酸を失いすぎると、アルカリが体内に蓄積されすぎて起こるとされています。が、アシドーシスほどの自覚症状はないとのこと。
 いずれに、愉快に笑ったから血液がpH7.45以上のアルカリ性になった、悲しくて泣いたから血液がpH7.0の中性やそれ以下の酸性に傾いた、などという血液pHの激しい変動は、絶対にあり得ることではない、と断言してはばかりません。
 ですから、血液のpHを測定したって、酸性体質だのアルカリ性体質だのということがわかるわけがないのです。もしも、血液がpH7.4±0.5の範囲を超えて変動したとき、それはアシドーシスやアルカローシスという本物の病気です。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第1章「尿について、ちょっとだけ勉強しておきましょう」p26~27から転載)