ストラバイトSOS!

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50 酸性・アルカリ性食品は本当にあるのです

2006年06月05日 06時58分42秒 | 根拠なき体質説
 第1章で述べた酸性・アルカリ性体質という根拠不明の健康論と、現実に存在する酸性・アルカリ性食品とが、どこでどうして結びつくようになったのだろう。
 どうせ漢方あたりの焼き直しか何かだろうと、と軽く考えていました。でも、もしやと思い、私が獣医学生だった40余年前に古本屋で買った『内科診療の実際』(南山堂、大正11年初版)を開いてみました。
 今はどうだか知りませんが、当時(昭和38年)、この専門書は医学生たちのバイブルとされており、君たちにも役に立つから、と家畜内科の教官に勧められて買ったものです。
 獣医学なんて医学のマネの「従医学」だと学生に向かって自嘲する別の教官もいて、ヘソ曲がりの学生だった私の自尊心は、いたく傷つけられていたのですが、それでも、なけなしのバイト代をはたいて購入した懐かしの医学専門書です。
 ずっと後になって、獣医業界でそれなりの業績を私が誇れるようになってから、「獣医師は従医に非ずして『自由医』なり。動物の診療は西洋医学だろうが、東洋医学だろうが、あやしげな民間医療だろうが、はたまた独りよがりの自己流だろうが、とにかく動物の疾患・怪我を治せさえすればいい。何でもかんでも、自由に取り込んで好きなようにやればいいんだ」、などと広言するようになったのは、かって学生の前で卑下した教官への反発でもありました。
 それはともかく、この医学専門書は病名や用語にドイツ語とラテン語が併記されている古めかしいものですが、ここにちゃんと探したものが載っていました。もしかしたら、酸性・アルカリ性食品という概念は漢方由来でなく、西洋医学から直輸入されたものか、とも思われます。
 漢方か西洋医学か、そんな来歴調べはさておき、この医学専門書に書かれていることこそ、現在、書店の実用書コーナーに並ぶ酸性・アルカリ性食品に関する健康書の元祖になっているのではないか。そう思われましたので、古風な漢文調の文章を現代風に読みやすく翻訳して紹介いたします。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第3章「尿のpHに影響を与える3大要因の1(食品)」p56~57から転載)