pH(ペーハー、ピーエッチ)って何のことだか、おぼえてますか?
pHとは、溶液などの水素イオン濃度の指数を示す記号、と学校で教わったはずです。
でも、そんなことは忘れてしまった、という方が多いかもしれません。
しかし、小学生の頃、リトマス試験紙を使い、お酢やレモン汁が酸性、涙や石鹸水がアルカリ性、と勉強した記憶が残っているのではないでしょうか。
それでオーケーです。この本は肩のこる難しい学術書ではないので、酸性・アルカリ性について、その程度の記憶を思い出していただくだけで充分です。
この本が皆様にお勧めさせていただくことは、いたって単純。毎日一回でもいいから、弱酸性(pH6.4±0.2)の尿が出てくるようにする。たったこれだけです。
それをしたら、どうなる? さあて、どうなるのか私にもわかりません。
獣医師の私に確認できたのは、アルカリ性の尿を出し続けるイヌやネコの場合、尿を弱酸性にすれば、確実に燐酸系膀胱結石の予防や再発防止ができる、ということだけです。
それと、年がら年中、いつもpH5.6以下の酸性尿を出し続けていた私の場合、試行錯誤2年半、ようやく食事やウォーキングなどにより、どうにかこうにか、ほぼ毎日一回以上、弱酸性~アルカリ性の尿を出せるようになった、ということだけです。
酸性尿が出るのは私だけでなく、痛風(高尿酸血症)の方々も同じとのこと。他にも糖尿病や動脈硬化、および動脈硬化に由来する諸病でも酸性尿の可能性があるようです。
この酸性尿は、ほったらかしにしたままでも全く問題がないのかどうか、どなたか教えてくださいませんか?
でも、明答できる方は、たぶん一人もいないでしょう。
そこで、酸性尿を出し続けている皆様の自発的なご協力を期待し、この本を書く気になりました。弱酸性の尿が出るようにしても、ただの気休めにすぎないのかどうか。何かが好転しそうな兆候もなく、くたびれもうけに終わるのかどうか。なにとぞ、皆様ご自身の手で、尿のpHチェックをなさってみてください。
数年後、もしも幸いにして私の脳細胞がしなびきっておらず、また皆様からのデータやコメントが豊富に集まりましたなら、それらをまとめて、さらに充実した内容の本を書かせていただきたいと願っております。2005年夏至 中島健次
健康や趣味などの実用書には4っのタイプがあるようです。
A:徹頭徹尾、唯我独尊。神がかったユニークな自説だけを開陳している本。
B:我流の自説を展開しつつ、自説に好都合な既存の資料を借用している本。
C:定説・常識を重視しつつ、ちょこっと自説らしきものを書いている本。
D:全篇、他人が残した業績の整理・紹介に終始しているだけの本。
拙著「出てますか?弱酸性尿」は、もちろんBです。本当は一生に1冊くらいAの本を書いてみたかったのですが、残念ながら微才のため、どうしても既存の知識に支えてもらわなければなりませんでした。また小説などと違い、実用書には必ず前書き(はじめに)が付いています。ここに著者の言い訳やら自著への熱い想いが書かれている場合が多いので、なるべく目を通してやってください。
私が自著の前書きで強調しておきたかったことは、あくまでも「ご提案」です。酸性尿を出している痛風患者や糖尿病患者の皆様に、「どうぞ試しに尿のpHアップを目指されては如何ですか」、と提案させていただいているだけです。弱酸性尿が出るようになれば痛風も糖尿病も治るんだ、なんてことは決して申しておりません。
でも、室内で同居するペットの尿を、アルカリ性から弱酸性~酸性にするだけで確実に膀胱結石が回避できるのだから、痛風や糖尿病の人々にも何らかの喜ばしい効果があるのではないかと期待されてなりません。しかし、私一人が期待したってしょうがない。「もしかしたら、そうかもしれない」と直感してくださった方々に、ご自分で実験していただき、真偽を判定していただけますれば、こんな嬉しいことはございません。そして、皆様の実験結果を、このブログに投稿していただけますれば誠に幸甚に存じます。