ストラバイトSOS!

愛犬・愛猫の尿の中にキラキラ光る粒々(ストラバイト)が見えたらSOSです。尿のpHチェックに特許pHスティックをどうぞ!

排尿中の新鮮な尿の尿線カット(4)

2008年08月31日 11時46分32秒 | 犬・猫


  これが従来のpH試験紙で、真っ白な濾紙にpH指示薬の水溶液を染み込ませて乾燥させたものです。調べたい液が酸性なのかアルカリ性なのかだけしか分からないリトマス試験紙と異なり、かなり細かくpH値の比色判定ができます。強酸性(pH0)から中性(pH7.0)~強アルカリ性(pH14)までチェックできるように、測定可能範囲の異なる10数種類のpH指示薬が使い分けられています。
 電極を液に浸して測定するpHメーターなら、小数点2桁のレベルまで精密に判定できます。それに比べ、pH試験紙は極めてアバウト(大雑把)な判定しかできません。それにもかかわらず、100年前の日露戦争の頃に発明されたというpH試験紙が、未だに多くの分野で使われ続けているのは非常に簡便だからです。
 ただし、宿命的とも言える致命的な欠点がありました。基材の濾紙が液に濡れると急速に乾燥し始めるのです。液に濡れて発色した色調は乾燥に伴ってみるみる変色してしまうので、扱い方が非常に難しいというのが最大の欠点でした。
 そのため、
検査機関のプロたちは発色したpH試験紙に息を吹きかけないように気をつけつつ、息を止めて素早く比色表の色と見比べて判定しているのです。のんびりしていられません。時間にして数秒以内に検査しなければなりませんでした。
 医師・獣医師・衛生検査士などは、pH試験紙の使い方を学校で教わってきます。だからプロ専用品として流通が制限されており、メーカーはpH試験紙をドラッグストアなどに卸してないし、一般人が薬局などで購入もできないのです。
 ときたま、ブログなどでプロ用のpH試験紙を入手した飼い主さんを見かけますが、素人の他人様に勧めるのはあんまり感心できませんね。まず、あなたがプロ用のpH試験紙をちゃんと扱えているのかどうか、ご自分で確認してからにしましょう。
 
確認方法は簡単です。pHメーターを側に置き、pH試験紙の比色判定によるpH値とpHメーターによる測定値とを比較してみればよいのです。何度もテストを繰り返し、常に両者が一致するなら合格です。合格してからなら他人様に勧める資格ありと申せましょう。
 そうなれば、上の写真のようにpH試験紙をピンセットで挟み、排尿中の新鮮な尿の尿線カットが可能です。でも、♀犬や猫など尿線を目視できない場合、ピンセットでは尿が当たる微妙な感触を察知できません。この点、特許pHスティックは柄が弾発性の厚紙なので、釣りの当たりのような微妙な手ごたえを感じることができます。そのため、初めて使用する素人の飼い主さんでも、自分で愛犬・愛猫の尿のpHチェックが簡単にできるようになったのです。


排尿中の新鮮な尿の尿線カット(3)

2008年08月31日 07時20分40秒 | 犬・猫


 犬の尿線カットが容易なのに比べ、猫の場合は厄介な関門があります。猫が飼い主さんを好きか嫌いか、心から信頼しているかいないか、いっぺんで分かってしまうんです。
 特許pHスティックをお買い上げいただいた飼い主様たちのうち、犬の飼い主様の大半が続けて2回3回とご発注をリピートしてくださるのに対し、猫の飼い主様の約3割の方々は1回きりで終わります。たぶん、尿線カットができなかったんだろうと推察されますが、カットできた飼い主様たちは呆気ないほど簡単だったと言われます。
   確かに手法そのものは簡単なんです。上の写真(そらくん)のように、トイレで排尿姿勢をとったとき、「ちょいと失礼」と声をかけながら尻尾をつかんで腰を浮かせ、腰間にpHスティックを差し入れるだけでOKなんです。
   特許pHスティックお買い上げの飼い主様に限る話ですが、猫の飼い主様の約7割は愛猫に好かれ信頼されているからこそ、排尿中に尻尾をつかんでも平気なんだろうと思われます。猫を飼うからには、これくらいの信頼関係があって当然なんでしょうね。こうでなければ、猫を飼う楽しさ喜びを体験できないんじゃないかしら。
「尿線カットができない、トイレ砂に染みた尿でもpHをチェックできますか?」、という問い合わせも少なくないのですが、そういう猫はペットショップのケージで見つけた何10万円もする血統書つきの高級な猫たちばかりのようです。
 すべての事例を見てきたわけではないので、あんまり広言してはいけないのかもしれませんが、雨に濡れしょぼり、お腹を空かせてミャーミャー泣いていた哀れな捨て猫MIKが、拾ってくれた飼い主様への恩を忘れず、尿線カットごときに動じることのない素晴らしい本物の猫らしい猫になるのではないかと思われてなりません。
 あるいは、猫のせいなどでなく、飼い主さんの方が悪いのかもしれません。容姿・性格・学歴・家柄…、何がコンプレックスなのかわからないけど、血統書付きの純血種や珍奇な外来種を飼えば、他人から注目され尊敬されると思い込んでいる幼稚な人間も少なくないようです。
 
犬や猫は飼い主の歪んだ心理を敏感に察知するので、そんな飼い主さんを信頼しない。豪華な食事やケージなどで最高級の待遇をしてあげているつもりでいても、犬や猫にとって少しも嬉しくなく、何の効果もありゃしない。愛猫が尿線カットをさせてくれるかどうかは、飼い主としての資格の適否が知れるリトマス試験紙です。


排尿中の新鮮な尿の尿線カット(2)

2008年08月30日 14時27分31秒 | 犬・猫


 排尿中の尿線を、pH試験紙が貼られたスティックの先端部でサッと素早く横切る。この動作をカット(切る)と呼んでおります。尿線カットによって新鮮な尿のpHをチェックできるようになったのは、水を吸わない撥水性厚紙をスティックの柄に利用したからであり、世界で初めての最新技術です。
 ヒトや♂犬は、勢い良く排尿されている尿線が目視できるので簡単にカットできます。片や、腰を落として排尿する習性の♀犬、および猫や短足種の犬たちの尿線は見えない場合が多いので、釣りの当りのコツを応用していただくことになります。
 すなわち、排尿姿勢をとった♀犬や猫の腰間にpHスティックを差し入れ、尿がスティックに当たる振動を指先で感じたら、素早く腰間から引き抜きます。うまくpH試験紙に尿が命中していないときは、尿に濡れたスティックを下に傾け、尿滴を下降させてpH試験紙に浸み込ませてください。それでOKです。
 ヒトや♂犬の尿線カットには、長さ95mmのレギュラータイプ(R型スティック)が適しております。尿線の見えない♀犬や猫の尿線カットには、柄(190mm)の長いロングタイプ(L型スティック)が便利です。ただし、絶対にこれが良いというわけではなく、オシッコが指に付いても汚いと思わない方なら、どうぞ柄の短いR型スティックをご利用ください。
 初回用(2,100円、比色表付き)をお試しいただき、飼い主さんが自分で我が子(犬・猫)の新鮮な尿のpHをチェックできることの便利さを実感していただけましたら、次回からは割安な詰替(比色表なし)をご利用いただきたく、お勧め申し上げます。


排尿中の新鮮な尿の尿線カット(1)

2008年08月27日 06時49分19秒 | 犬・猫

 尿のpH検査と言って直ぐ思い浮かぶのは、コップなどの容器に尿を採取し、そこへpH試験紙を漬ける姿だと思います。会社員や公務員などが毎年1回、強制的にやらされる定期健康診断の一環として、トイレで使った白い紙コップが頭の中に刷り込まれいるせいだと思われます。
 動物病院の一部には、スポンジみたいなものに尿を吸わせて飼い主さんに持って来てもらうところも少なくないようです。ところが、容器やスポンジなどに保存された尿はアルカリ性に変性しがちだし、三重燐酸結晶が出現しがちなことは周知の事実です。
 これを嫌う動物病院では、来院した犬や猫の下腹部を青痣ができるくらい強く押し、膀胱圧迫により新鮮な尿を絞り出そうとしたり、あるいは膀胱に注射針を刺して直接採尿しています。見ちゃいられないほど、痛ましい光景です。
 でも、もうそんな無理はしないで済みます。特許pHスティックの柄は吸水しにくい厚紙で作られていますので、犬や猫が排尿中の新鮮な尿線を素早く瞬間的に横切ることができます。
 ジャージャーと尿を引っ掛け続けていると、pH試験紙に含まれているpH指示薬が流出してしまうため、瞬間的に接触させるのです。従来のpH試験紙では、鼻息がかかっただけで乾燥し、変色してしまうという重大な欠点がありましたが、特許pHスティックでは乾燥・褪色が著しく遅延され、風の吹きっさらす屋外でも犬の尿のpHチェックが可能になりました。そこが評価され、この技術は特許になったのです。
 昔ながらに、容器やスポンジに浸み込ませた古い尿を動物病院で検査してもらっている方々は、ぜひ特許pHスティックの便利さを試してみてください。我が子(犬・猫)の尿のpHチェックは自分でできる時代です。


リンゴ・スター様からのメール

2008年08月20日 07時29分51秒 | 犬・猫
リンゴJR(シーズー♀2歳)
 
 久しぶりに見事な日本語のメールをいただきました。主語述語テニヲハ句読点のどれもみな完璧で、非常に読みやすい本物の日本語です。国語力の著しく劣化した若者が多い中で、こういう立派な文章を書ける方もおられ、安心しました。

Dr.中島健次様 
 お世話になります。 YAHOOメールは無料だけあっていろいろ弊害があるのですね。機械オンチの私は気が付きませんでした。無事に発注フォームの買い物籠がスルーできたことをラッキーに思いますが、今後はYAHOOでのオーダーは控えたいと思います。ご親切にご指導ありがとうございました。 
 今年の夏の暑さは異常ですね。先生のことですから、猛暑にもマケズ、強烈な陽射しにもマケズ(宮沢賢治風に)歩いていらっしゃることと思いますが、あまりご無理なさらないでくださいね。
 私は毎朝5:30過ぎにはリンゴJrを連れて散歩に出ますが、6:00前になると既にお天道様が照り付けてくるので、つい全力疾走をおこたりぎみです。
 気合を入れてはみるのですが足に鉛でもぶらさがっているように、ただでさえ重量のある足が余計に重く感じられ思うようには走れません。それでもなんとかリンゴJrがワンコ仲間と走ったりボールや猫を追っかけたりして程よく運動してくれています。
 ストラバイトも約3ヶ月間出ていませんし、飼い主と同様食欲もあり、夏やせ知らずで、朝のpHも5.8~6.4くらいに安定してきましたので、もう4日に一度くらいしかpHをチェックしていませんでしたが、油断は禁物ですね。
 先日リンゴ婆が血迷って、昼に自分だけご飯食べてはかわいそうだし、もうリンゴJrは治ったんだからと思ったらしく、こともあろうに茹でニンジンやプチトマトを食べさせていたことを白状しました。
 怒ろうかと思いましたが半分ボケた老人に理屈を言っても通じないだろうし、ちょうど良い実験だと思いそれこそスルーして、翌朝チェックしたら案の定pH7.4まであがっていました。
 流石にあせりましたがいつもよりちょっと頑張って私も一緒に走り、次の日の朝はpHが下がっているだろうと思ったのにpH6.8にしか下がっていないのです。
 その日は動物病院に尿を持っていく日でしたのでドキドキでしたが、採取した尿が黄色く透き通っていたので大丈夫じゃないかと少し余裕がもてました。結果はpH7.0だったもののストラバイトもなく、その他の値もちょうど良くほっとしたとたん、中島先生のおっしゃることが正しいんだな~、野菜は本当にアルカリ食品なんだな~などと妙に感心してしまいました。
 その後は母にも注意して野菜・果物厳禁生活を再開、朝の散歩で極力走る、を実行して今ではpH6.2まで下がりました。
 pHの上下変動が甘く、まだまだパーフェクトとは言えませんが、尿のpHが7.0の中性でもストラバイトが出なかったことに逆に希望が持てました。
 これからも健康のため毎日適度な運動をさせていきますね。
 リンゴJrの尿のpH値は夕方のデータが無いので(夕方は母が散歩をさせているのと、家では絶対オシッコをしないためです。以前は家で出来たのに最近外でするほうが気持ち良いらしくて家で出来なくなりました)、お知らせできるほどのものは無いのですが、何かありましたらまた報告させていただきます。
 先生のpHスティックのおかげで、毎日の体の状態がわかりますので助かっていますしとても感謝しております。今後ともお世話になりますのでよろしくお願いいたします。敬具 リンゴ・スター(2008/08/19 16:22)

「リンゴ・スター様 いつも流れるような筆致の素晴らしい名文で、つくづく感服いたしました。それはそれとして、尿のpHがアルカリ性であるのは、決して悪いことではありません。野菜を食べればアルカリ性の尿が出るのは普通の正常な生理現象だし、飼い主様に可愛がられて嬉しくなれば、副交感神経が作動して尿pHが急上昇するのは、ごく自然の日常的な現象です。だから、アルカリ性であっても気になさる必要は全くありません。
 悪いのは尿がアルカリ性になったまま低下しないときです。こんな状態が半日くらい続くと尿の中にキラキラ光る粒々(ストラバイト)が見えるようになります。キラキラが見えても慌てないこと。急いで運動させれば、翌朝の一番尿でキラキラは消えています。
 また、「朝の尿がpH5.8~6.4くらいに安定してきました」という認識も間違いです。酸性尿が悪いなんてことは全くありません。尿が酸性のまま安定し、停滞してしまうのがイケナイのです。痛風(高尿酸血症)や糖尿病だと常に酸性尿しか出なくなります。尿のpHは絶えず目まぐるしく上昇下降の変動を繰り返しているのが正常で健康の証拠なんです。敬具 Dr.中島健次拝」
Dr.中島健次様 
 いつもお世話になります。ご意見をいただきましてありがとうございました。
 尿のpH値が5.8~6.4じゃなきゃいけないなんてことは無いということは、先生に何度もご指導いただいているはずなのに、ちょっとアルカリ尿が出ただけで過剰反応してしまい、ほんとに馬鹿ですね?
 多分初めてリンゴJRの尿の中の砂粒を発見し、ストラバイト尿石症と診断された時のショックが頭から離れず、本能的にアルカリ尿に反応してしまうのでしょう。
 でも良く考えて見ればこれが普通ですね。これからもアルカリ尿が出たり酸性尿が出たり、をめざして頑張ります。物覚えの悪い私に何度もご指導いただきありがとうございました。リンゴJRとリンゴ婆ちゃんの検査結果、送らせていただきますね。ありがとうございました。敬具 リンゴ・スター(2008/08/20 16:08)

[註]リンゴ婆さん(80歳)の尿のpHデータは「酸性尿のpHアップ術研究会」に掲載

[011 微細な尿結晶は無害]

2008年08月19日 21時29分36秒 | 犬・猫
 本にも書き、ホームページにも書き、出版予定『ストラバイトは「?」で溶ける!』の2次原稿にも書き、特許pHスティックご利用の飼い主様たちにも言い続けてきましたのに効果なく、いまだに顕微鏡でなければ見えない微細な尿結晶ごときに振り回されている飼い主様がおられるのは、たいへん残念でなりません。
 医師や歯科医師と同様、獣医師のレベルにもピンからキリまであります。中には、微細な尿結晶が有害だと説いて飼い主さんを騙し、しないでもよい無駄な診療を強いて収入増に励んでいる不心得者がいないとも限りません。
 最近(08/17)も特許pHスティックご発注の飼い主様(ヨーキー♂3歳)から、こんなメールをいただきました。

「動物病院で尿検査、レントゲン、エコー検査をした所、何も問題は無かったのですが、『エコーで膀胱に白いものが写ったので検査したら結石は無いけど蓚酸カルシウムの結晶がある。この結晶は100%の確率で膀胱結石になって外科手術になるから、治療食以外食べさせるな』、と言われました。
うちの子は今のドライフード以外食べないし、色々調べた所治療食はストラバイトがメインなので、逆効果になりそうでやりたくないし、それに、普段野菜は食べないんですが、検査の前3日ほど続けてアスパラを食べてたんですね。
私はとりあえず散歩の回数を増やして、水を飲むように犬が好んで多く飲む水に変えて、オヤツも成分を見て8割がた処分しています。
一ヶ月後に検査に行ったら、蓚酸カルシウムの結晶は消えてたんですが、主治医に『膀胱結石はできる体質じゃないとできなくて、一度でも結石ができると絶対再発するから、2週間後にエコーに来なさい。あと、絶対に治療食に変えるように』と言われて納得できず、自分で尿のpH検査をしてみようと考えました。xx」

「xx様 枝豆を食べた翌朝の尿には、誰にでも蓚酸カルシウムの結晶が出てきます。でも、医者も学者も誰もそんなことを 気にしてないし、枝豆禁止を主張する者は一人もおりません。すなわち、蓚酸カルシウム結晶に限らず、尿の中に顕微鏡でなければ見えない大きさ僅か数ミクロンの微細な結晶が出るのは、 ごく普通の正常な生理現象にすぎません。尿と一緒に体外へ捨てられてしまうのだから、全く無害です。膀胱に蓚酸カルシウム結石が出来るのを心配しておられますなら、茹で野菜厳禁により確実に予防できます。 どうぞ、このページをお読み願います。敬具 Dr.中島健次拝」

「先生のメールを読んで、とってもさっぱりしました! 主治医の話は納得できない部分が多くて…。参考にさせていただきます。ありがとうございました!」

[010] 第2の原因は去勢・避妊手術か?

2008年08月18日 15時33分56秒 | 犬・猫
 犬・猫の尿にストラバイトが出てくるのは、①運動不足、②野菜・果物、③電磁波、④可愛がり過ぎが原因だと信じておりましたが、もしかするとアルカリ性食品よりも去勢・避妊手術の方が重大な原因になっているのではないかと思うようになりました。
 疑問を抱いたきっかけは、M夫人に可愛がられていた五つ子(猫)です。やむを得ない事情で6畳間に閉じ込められた環境条件が同じ、餌も遊具も同じ。それなのに、2頭の♂猫とM様が一番可愛くないと思われていた♀猫1頭だけにストラバイトが出ました。
 ストラバイトの出なかった♀猫2頭は、リングタワーの天辺の座を奪いあって死闘を繰り返していたという。
 当初、ストラバイトの有無は単純に運動量のせいだと思っておりました。しかし、♂猫2頭が部屋の隅で委縮してうずくまっていると聞き、運動量じゃないのではなかろうか。生殖能力のない♂猫は、元気な♀猫たちにバカにされ、一猫前に扱ってもらえず、タワー天辺の争奪競争に参加できず、部屋の隅っこでうずくまるしかなかった。それで運動不足になり、ストラバイトが出てしまったのではなかろうか。
   これを確かめたいと思い、特許pHスティックの発注フォームに去勢・避妊の有無を記入していただくようにしました。それから1年、お客様の大半が去勢・避妊済みの枠にチェックしておられます。まだ、データを集計しておらず、私の感触にすぎないのですが、ストラバイトが出たのは、犬・猫とも去勢・避妊した個体が圧倒的に多いようです。でも、去勢♂の数が避妊♀の数よりも多いという感じではありません。
 去勢や避妊手術をした動物は性格が温和になり、肥満しがちで短命になりがちと言われております。もしかしたら、そうなる原因は♂も♀も生殖能力を失うことで誇りや気勢が減衰するのではなかろうか。そのため運動不足となり、肥満やストラバイトに直結しているのではなかろうか、と思われてなりません。

[006 「ストラバイト結晶」は誤称です]

2008年08月15日 07時31分15秒 | 犬・猫
 「ストラバイト結石」という呼び方は間違いだ、「ストラバイト由来の結石」と呼ぶのが正しい。獣医業界雑誌「小動物臨床」(2005年1月号、山水書房)に発表してから3年半が経ちました。その頃は、まだ耳にしなかった「ストラバイト結晶」などというヘンなコトバが、またもや性懲りもなく流行りだしたようです。
   言い出したのがどこの誰だか知りませんが、ストラバイトというコトバの由来を知らないが故の無知の産物だと思われます。
   昔、サケ缶やカニ缶などの缶詰業界で注目されたのは、缶詰を食べるとき、口の中でガリッと邪魔になったガラス状の結晶です。von STRUVITEという貴族の領地の缶詰工場で最初に発見されたという説があります。これが本当かどうか確認しておりませんが、その異物は欧米の缶詰業界でstruviteと呼ばれ、日本の缶詰業界ではストラバイトと翻訳されました(水産百科事典に明記)。
 struviteの成分を化学分析し、結晶の正体は缶詰内で魚骨やカニの甲羅から溶出したリン酸塩類であること。缶詰内の環境がpH7.0以上になると、燐酸+アンモニウム+マグネシウムが結合して目に見えない微細(数ミクロン)な結晶を析出することが判明しました。しかし、速やかに胃液に溶けてしまうので、食品安全法の取り締まり対象にはならなかったのです。
   これが歴史上の事実です。だから、「ストラバイト結晶」という呼び方は二つの誤りを冒しているのです。
①ストラバイトとは、口の中で噛むとガリッとなる大きな結晶のことであるからして、顕微鏡でなければ見えない微細な燐酸アンモニウムマグネシウムをストラバイトと呼ぶのは間違いです。因みに、医学領域では「三重燐酸結晶」と呼ばれてます。
②ストラバイトとは、口の中で噛むとガリッとなる大きな結晶のことであって、燐酸アンモニウムマグネシウムのことをストラバイトと呼んだのではありません。ここを勘違いし、ストラバイト=燐酸アンモニウムマグネシウムと誤解したものだから、「ストラバイト結晶」などというヘンなコトバを作ってしまったんだろうと思われます。
  恥さらしな誤称は早急に廃止すべきです。  文責:Dr.中島健次(獣医師)

[005 pHチェックのベテランさんでも迷う] 2008/08/10

2008年08月14日 13時48分53秒 | 犬・猫

    駒ちゃん(ラブラドール♀8歳半)のママABAB様(横浜市、L型スティックご利用5回)から、尿のpHについてお尋ねがありましたので、下記のように回答し、ご納得いただけました。皆様も、pHチェックのやり方や結果判定、ストラバイトの不安などについて何かご質問があれば、どうぞ遠慮なく私にメールしてきてください。
   残念ながら、ABAB様は写真電送が苦手とのことで、駒ちゃんの写真を掲載することだできませんでした。

 「暑い毎日です。お元気でお過ごしのことと存じあげます。ラブラドール駒も元気です。水が好きなので散歩の後は水浴びです。食欲旺盛で夏痩せなどどこ吹く風邪状態です。少し気になることがありメールいたしました。よろしくお願いします。駒はたまに膀胱炎を起こし、ストラバイトが出ます。その時だけ抗生剤を飲み、ペーハーコントロールの餌を忠実に与えます。
その後は3分の一から2分の一は人間と同じ食材を与えます。ご飯、鶏肉、卵、いりこ、牛乳、ヨーグルト、豚肉、・・・・などが主な食べ物です。最近気になるのは朝一番の数値がpH6.2から6.8くらいが多いということです。pH6.0くらいまでが良い数値ですよね。
   午後に不定期にもう一度計るのですがその時はpH5.6からpH6.2~6.0位までが多いように思います。 一度はpH6.0以下が出るのでストラバイトの心配は無いと思って食事は人間の食材を与えていますがこれでよろしいのでしょうか?  朝一番が高いのが心配になっています。ご指導よろしくお願いしたします。ABAB」(2008/08/06 8:44)

 「ABAB様 尿のpHは動かないのが病的であり、ご愛犬のようにちゃんと変動しているのが健康な証拠です。
   朝一番尿がpH5.8前後まで低下する例が多いのは事実ですが、だからと言って、そうならなければならないと考えるのは間違いです。
   現に、今朝の私の尿は、05:33にpH6.4(尿量230ml)、先ほどの08:17にpH6.2(115ml)でした。昨夜のヌルヌルが美味くて飽食した里芋の効果が今朝まで続いているのだと思い、全く心配しておりません。
   ご愛犬もクーラーの当りすぎ(電磁波)とか、歓喜(ご主人の可愛がりすぎ=副交感神経優位)など、ABAB様の気づいておられない何かの原因があったのではないかと推察されます。でも、ちゃんと弱酸性~酸性の尿が出ているのだから、全く問題なし。不安要素なし。
  何卒、あんまり神経質になりませぬよう。滅多なことで犬は病気になどなりませんよ。敬具 Dr.中島健次拝」( 2008/08/06 10:16)

  「お返事、さっそくありがとうございます。中島先生から全く問題なし、という言葉を頂くとほっといたします。神経質にならないようにとは思いますが、ついつい思いすぎてしまうんですね。  家族の一員ですから・・。我が家の姫様です。威張っています。暑い日が続きます。どうぞご自愛下さい。ありがとうございました。ABAB」(2008/08/06 12:26)


ジャンプ嫌いな猫の運動には抱き上げて床に落とす

2008年08月03日 08時14分04秒 | 犬・猫

 「猫は上下運動でストラバイト結晶が出にくくなるとか聞いたことあるし運動は大事だと思うんだけど…、」

 ブログ「可愛すぎて辛い!」に書かれていました。これを見て私はとても嬉しくなりました。これで良いのです。運動療法の発明者が誰かなんて、不必要な瑣末な問題です。要は、運動療法が普及し定着することが肝心なことなんです。だから、これで良いのです。
 昔、私が獣医学生だったころ、太古の大昔からフィラリアに侵されることなく免疫力のない島国の日本の犬がフィラリアに苦しめられていたとき、蚊が中間宿主になって犬に媒介していることを発見してくれた学者がいました。蚊の体内に寄生するミクロフィラリアを殺す特効薬を発明した製薬会社に大儲けさせ、日本の犬たちをフィラリアの惨害から救った大発見でした。でも、恩人の名前は残っていません。私も覚えていません。これで良いのです。こうやってストラバイトというコトバが死語になるんです。
 でも、ジャンプ嫌いの2歳の愛猫が可愛すぎるほど可愛いからと言って、ジャンプさせなければ猫もあなたも辛い思いをしなければならなくなります。どうか心を鬼にして運動を強制してください。愛猫を抱き上げて床に落としたり、背中の皮をつかんでソファに投げたり、ジャンプ嫌いの愛猫に嫌われることをしなければなりません。それが猫を可愛がるということです。それが親心というものです。
 すでに投猫療法を実践し成功したU・N様M夫人など先人たちの見事な実績を学んでください。必ずお役に立つと存じます。敬具 Dr.中島健次拝