「ヒトが食べる食品の中には、食べると体内で分解して体液を酸性にし、尿にも酸性を加える『酸性食品』 と、体液をアルカリ性にして、酸性の尿を弱酸性~アルカリ性に変える効果をもつ『アルカリ性食品』という 二つのグループが存在する」
前記の医学専門書(南山堂「内科診療の実際」)には、このように書いてあるだけです。2,736ページの本文 中、「酸性体質・アルカリ性体質」という文字は、どこを探しても見つかりません。大正時代、いわゆる酸性 ・アルカリ性体質なる健康論は、まだ萌芽のきざしもなかってのではないかと思われます。
ただし、同書に「酸性・アルカリ性食品の決定に二法あり。 ①食品を完全燃焼して得た灰分の水溶液の酸性なりやアルカリ性なりやに依る。アルカリ性元素(ナトリウム 、カルシウム、カリウム、マグネシウム)は植物性食品と果実に多く、酸性元素(塩素、硫黄、燐)は肉類及 び穀類に多い。 ②摂食後に血液のアルカリ度を低下するは酸性食品である。高上するはアルカリ性食品である。之は尿の反応 を検して大略の推測をする」(原文のまま)、と注釈されています。
上記②の記述で明らかなように、80年前の昔は、体液(血液)pH=尿pHというふうに大雑把に考えられて いたのかもしれません。
この間違った記述が世間に広まり信じられたが故に、「尿のpH測定で酸性・アルカリ性体質がわかる」など という奇説が横行するようになったのだとしたら、この医学専門書の罪は軽からず。かつてローマ法王がガリ レオ裁判の誤りを謝罪したのと同様、医学界の大御所に「尿は体液じゃありません」と修正宣言をしていただ きたいものです。
なにせ80年以上にわたり、数百万人(?)の医師たちがバイブルのごとく信奉してきたという医学専門書に 書いてあるのです。ですから、「尿=体液は間違いだ、おかしい」と気付いた医師がおられても、沈黙を守ら ざるを得なかったのだろうと推察されます。
うかつに異議を唱えようものなら、神聖なるドイツ医学に楯突く慮外者との烙印を押され、身の破滅になり かねません。そんな危険を冒してまで正否を争うほどの重大問題でもなし、「まあいいか」ということで長年 うやむやにされてきたのではないでしょうか。
この点、自由医師(獣医師)は気楽です。たいがいのことなら平気で何でも言えます。その伝で気軽に申し ますと、酸性・アルカリ性食品の効果をチェックするとき、それを体液の一部である血液のpH測定によって確 認するのは厄介な大作業です。それに比べ、尿での確認は極めて容易であり、誰でも簡単に自分の尿で効果の 有無・強弱を知ることができます。
よって、我田引水と言われてしまいそうですが、尿pHの測定こそ、酸性・アルカリ性食品の存在を人体で確 認する最善の手段である、と私は考えます。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第3章「尿のpHに影響を与える3大要因の1(食品)」p58~ 60から転載)
前記の医学専門書(南山堂「内科診療の実際」)には、このように書いてあるだけです。2,736ページの本文 中、「酸性体質・アルカリ性体質」という文字は、どこを探しても見つかりません。大正時代、いわゆる酸性 ・アルカリ性体質なる健康論は、まだ萌芽のきざしもなかってのではないかと思われます。
ただし、同書に「酸性・アルカリ性食品の決定に二法あり。 ①食品を完全燃焼して得た灰分の水溶液の酸性なりやアルカリ性なりやに依る。アルカリ性元素(ナトリウム 、カルシウム、カリウム、マグネシウム)は植物性食品と果実に多く、酸性元素(塩素、硫黄、燐)は肉類及 び穀類に多い。 ②摂食後に血液のアルカリ度を低下するは酸性食品である。高上するはアルカリ性食品である。之は尿の反応 を検して大略の推測をする」(原文のまま)、と注釈されています。
上記②の記述で明らかなように、80年前の昔は、体液(血液)pH=尿pHというふうに大雑把に考えられて いたのかもしれません。
この間違った記述が世間に広まり信じられたが故に、「尿のpH測定で酸性・アルカリ性体質がわかる」など という奇説が横行するようになったのだとしたら、この医学専門書の罪は軽からず。かつてローマ法王がガリ レオ裁判の誤りを謝罪したのと同様、医学界の大御所に「尿は体液じゃありません」と修正宣言をしていただ きたいものです。
なにせ80年以上にわたり、数百万人(?)の医師たちがバイブルのごとく信奉してきたという医学専門書に 書いてあるのです。ですから、「尿=体液は間違いだ、おかしい」と気付いた医師がおられても、沈黙を守ら ざるを得なかったのだろうと推察されます。
うかつに異議を唱えようものなら、神聖なるドイツ医学に楯突く慮外者との烙印を押され、身の破滅になり かねません。そんな危険を冒してまで正否を争うほどの重大問題でもなし、「まあいいか」ということで長年 うやむやにされてきたのではないでしょうか。
この点、自由医師(獣医師)は気楽です。たいがいのことなら平気で何でも言えます。その伝で気軽に申し ますと、酸性・アルカリ性食品の効果をチェックするとき、それを体液の一部である血液のpH測定によって確 認するのは厄介な大作業です。それに比べ、尿での確認は極めて容易であり、誰でも簡単に自分の尿で効果の 有無・強弱を知ることができます。
よって、我田引水と言われてしまいそうですが、尿pHの測定こそ、酸性・アルカリ性食品の存在を人体で確 認する最善の手段である、と私は考えます。
(Dr.中島健次著「出てますか?弱酸性尿」の第3章「尿のpHに影響を与える3大要因の1(食品)」p58~ 60から転載)