ストラバイトSOS!

愛犬・愛猫の尿の中にキラキラ光る粒々(ストラバイト)が見えたらSOSです。尿のpHチェックに特許pHスティックをどうぞ!

尿線カットによるpHチェックのタイミング

2008年10月27日 08時11分32秒 | 犬・猫

 ヒトもイヌもネコも、尿のpHは絶えず目まぐるしく上昇下降を繰り返し、pH約4~10の範囲内で変動しています。変動範囲全域をチェックできるpH試験紙もあることはあるのですが、反応精度が粗くて0.5や1.0刻みでしか判定できません。
 そのため、尿のpHのチェックには昔から㈱東洋濾紙(現在はアドバンテック社)の製品No.20(測定可能範囲:pH5.0~8.0)が賞用されてます。したがって、特許pHスティックの先端部に貼ってあるpH試験紙にもNo.20(0.2刻みで判定)が採用されてます。
 このpH試験紙を使用して尿のpHをチェックすると、pH5.0とかpH8.0の数値が測定されることは珍しく、たいていの場合、上図の黄色に示した弱酸性域(pH6.2~6.8)の数値が得られる場合が多いようです。
 そのため、尿のpHの正常値が弱酸性であるかのように誤解されてしまったようです。誤解されるに至った原因は、pHチェックのタイミングにあるのではなかろうかと思われます。
 すなわち、頻尿爺の私は夜間でさえ3~4時間ごとに尿意を感じて目覚めさせられるし、アルカリ性食品を食べた後には良くて2時間ごとに、不調なときは30分間隔くらいで少量の尿が出続けてしまうのです。
 それに連れ頻繁に尿線カットをすることになりますので、必然的に尿のpHの変動カーブの谷間(酸性)や頂上(アルカリ性)付近の尿のpHをチェックする機会が増えます。
 いっぽう、犬や猫の排尿回数は1日にせいぜい数回にすぎず、特に♀猫では1日1回あるかないかです。そうすると、どうなるのか?

(1)中和:腎臓で濾過されたばかりの「源泉尿」は、体内の事情によって酸性だったり、アルカリ性だったり様々です。それらが膀胱に流れ込むたびに、すでに溜まっていた古い尿と混合し、酸性-アルカリ性の尿が化学的に中和する。そのため、尿道口から排出された尿は弱酸性の場合が多くなるのではなかろうか。たまたま源泉の酸性尿が少なかったときには、膀胱からアルカリ性の尿が出てくるのではなかろうか。

(2)チャンスは2倍:上図の尿pH変動カーブをご覧ください。カーブの頂上(アルカリ性)や谷間(酸性)よりも、中腹の中性付近のときに尿pHをチェックする機会の方が単純計算で2倍も多いことになります。頻尿爺に比べ、犬や猫や常人の皆さんは、ただでさえ排尿回数が少ないのに、尿線をカットする機会は中性付近のときが多いのです。だから、尿のpHの正常値は弱酸性だなどと誤解してしまうのも無理からぬことかもしれません。しかし、地球が太陽の周りを回っているのと同様、尿のpHは約5~10の範囲で変動しているのが真実です。故に、pH測定値の個々のデータに一喜一憂するのでなく、続けて数回チェックして測定値が上下変動していることを確認してください。変動していれば、ストラバイトが溶けて消える弱酸性を通過しているはずです。