第86回天皇杯・準決勝 2006.12.29(Fri) 15:00K.O
浦和 2(1-0)1 鹿島@国立競技場 観衆35,782人
浦和で始まり、浦和で終わった1年でした。。。
『やっぱ、浦和強えなぁー。負けねえモンな』が、一緒に観戦した友人、鹿島ファンFちゃんの第一声でした。
ワシントン、トゥーリオ、サントス、坪井、田中達也、長谷部(出場停止)がいなくても、負けない、負けない。これで2年連続の元旦ファイナリスト。非浦和ファンの私が観ていても「今の浦和は負ける気配が全くしない」んです。
前半序盤は、完全に鹿島のペース。本山が自由に動き回って、左から新井場、右から野沢がアーリークロスを浦和ゴール裏に雨アラレのごとくバンバン上げまくる。坪井が欠け、ネネが胃腸炎から復帰したばかりの浦和最終ラインは鹿島の先制攻撃にアップアップ。左から決定的なクロスが2本あったけど、ゴール前に詰めた野沢が僅かに届かず、圧倒的に攻めながらも得点できない鹿島。
浦和ゴールが次第に遠くなり、鹿島にイヤ~な雰囲気が漂い始めた40分。ゴール前でFW永井が巧みにポストをこなし、後方に控えた鈴木啓太にボールを戻す。これを鈴木がノートラップで左に開いてマークをズラしていた小野伸二にダイレクトパス。この絶妙パスを小野もダイレクトでシュートする。ボールはきれいなカーブを描いて、鹿島GK曽我端の右を破り、ゴールイン。ここまで押されていた浦和が先制、1-0。強烈なシュートではなく、ゴールマウスにパスを送る「教科書の見本」のような小野の芸術的な右足だった。サッカーのシュートと言うよりは、ゴルフのパットを見ているような、そんなファインゴールだった。”ズドン”ではなく「コロン」とボールがネットインしたのが印象的だった。
前半に先制してから後半の半ばまでは、浦和のペース。積極的に攻めるわけではないけれど、要所要所でボールをキープして、鹿島にスキをまったく与えない。浦和の試合巧者振りが目立つ時間。鹿島は柳沢、新井場を下げて、深井、ダ・シルバを投入。このまま、1-0で浦和の勝利かと思われた69分、鹿島が左サイドの好位置でFKを得る。野沢が上げたセンタリングを岩政が「執念のバック(背中)」で押し込んで、同点、1-1。鹿島ゴール裏は沸騰、湯気出てました。
残り30分余り。ここから試合はヒートアップ。ここまで劣勢だった鹿島が息を吹き返して、浦和を攻め立てる。
「3戦連続の延長戦かな?」とも思い始めた82分。左サイドの相馬が鹿島陣内へ切り込み、小野へパス。小野がヒールで背後に走りこんだポンテヘボールを回す。躊躇無くシュートを放つポンテ。GK正面に放たれたシュートだったが、鹿島DF青木に当たりコースが変わった弾道には曽我端も反応出来ず。浦和の勝ち越しゴール、2-1。
ロスタイム3分終了まで、諦めることなく攻め返した鹿島だったが、試合巧者浦和がこのまま逃げ切り、試合終了。
酷な言い方だけど、CBの青木よ、あれはポンテのゴールじゃなくて、自殺点じゃないかい? あの場面は文字通りに身体を張ってポンテのシュートをブロック、跳ね返して欲しかったゾ! 無意識の恐怖心によって顔を背(そむ)け身体を右に傾かせたことで、シュートをブロック出来ずに、ゴールをアシストしちゃったんでないかい? ここまで好守備を連発していただけに残念だったゾ。これを教訓に、ボールを恐れず、顔面でブロックしても、鼻血くらいじゃゴールを許さない、ファイター型DFに成長して下さい。今後の活躍に期待しています。
で、元旦決勝は「浦和vsガンバ大阪」に決まりました。
2006年間観戦試合数 計78試合