ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

暴力団組長に木下市長が関与~19日の100条委員会

2006-06-20 04:32:12 | 市議会議員として
暴力団組長である被告人に不当要求された業者に「誠実な対応が図られてきたとは判断し難い状況にあります。」とする木下市長の公印文書が公開されました。この直後、この業者は公共工事の指名から外され、その後、金銭解決で示談しています。

■事件の発端は平成14年草加北通線街路築造工事現場

平成14年3月6日「昨日現場を通りかかった際に石が跳ねて車に当たった。現場の保安が悪いので工事を中止しろ」と政治結社の塾長を名乗る被告人がS社の工事現場の現場代理人に申し入れ、翌日3月7日にS社は草加市新田西部土地区画整理事務所に呼び出され、市職員同席の元、被告人から、工事の再開を許されたことがこの事件のすべての発端であることが、19日の100条委員会で明らかになりました。

■その後S社は警察と弁護士に相談して藤沢被告に対応

被告人からS社への最初の苦情事件から毎日のように工事現場に被告人が街宣車など乗り付けるなど執拗な訪問を受けるようになり、平成14年3月12日にS社は草加警察署に相談。3月13日にS社は被告人との対応を弁護士を通して行う旨の報告を新田西部事務所に対して報告。3月14日以降、弁護士を通して対応するようになり、被告人からの不当要求はなくなりました。

■それから2年~平成16年5月19日被告人、木下市長と市長公室で面会

平成16年5月18日に2年間余の沈黙を破り、被告人がS社を訪問。2年前の事故について「示談はまだ終わっていない。(中略)草加市は県内で犯罪が一番多い、おたくたちが下水管を入れた3m下に埋めれば死体は出てこないから殺人事件にはならないし、草加市長に連絡したら公共事業がしにくくなるだろう。」などと話した。翌日5月19日に被告人はこの件について未解決である旨、市長公室において木下市長をはじめ、契約担当部局幹部職員、市長室職員、新田西部事務所職員ら市長を含む5名の草加市関係者に対して苦情を申し入れました。この際、草加市はS社社長を市役所に呼び出したが、S社社長は「弁護士から(被告人氏名)氏と直接話してはいけない。」と言われていることを説明し応じなかったことが明らかになっています。

■木下市長の公印文書「草契第286号」~(被告人氏名)氏に適切な処理解決をせよ

                              草契第286号
                              平成16年6月4日

S社代表取締役N様

                               草加市長木下博信(公印)


草加北通線街路築造工事(12-25)に伴う事故の経過と今後の対応について(照会)

 平成13年度に本市が発注した草加北通線街路築造工事(12-25)の現場で、平成14年3月5日午前8時頃発生した事故において申出者(被告人氏名)氏の車に対し損害を与えたとされる事案に対し、貴社は事故発生時以降、途中の中断期間はあったものの、今日まで適切で誠実な対応が図られてきたとは判断し難い状況にあります。
 特に、本年5月19日以降、数度にわたり申出者は本市に貴社の誠実な対応を求め、来庁している状況にあります。
 つきましては、事故の形態を勘案するなかで、草加市建設工事請負契約約款第28条第3項の規定に基づき適切な処理解決に当たられるようお願いします。
 またこの事案に対し、発生時から今日に至るまでの対応経過と、今後の貴社の対応とその結果について平成16年6月21日までに報告されることを求めます。

担当:総務部契約課
048-922-0151

■平成16年6月15日指名委員会~S社指名を遠慮いただいた。

上記公文書(全文掲載)での報告書提出期限は平成16年6月21日であるのにも関わらず、6月15日に開催された指名委員会で「新田地区での最終処分がまだなので、一度遠慮いただいた。」として、S社が公共下水道第5処理分区氷川中幹線敷設工事(16-14)の指名業者とはなりませんでした。その後、6月21日の期限どおりにS社は報告文書を草加市に提出。平成16年6月30日にS社は自動車修理代金15万円を支払って藤沢被告と示談。その旨、草加市に報告しています。ちなみに、工事価格が5,000万円を超える工事の業者指名は市長の決済事項です。


■木下市長が指示~どのような方であっても、一市民として対応するように。

再三に渡る公共工事請負業者への被告人の苦情事件があったにも関わらず、また、被告人と面識を持ったすべての職員や関係者が「その筋の方」もしくは「怖い方」と認識していたのに関わらず、昨日19日の100条委員会の証人尋問で証言した市役所幹部は、木下市長自身から、「相手がどのような方であっても、一市民として対応するように。」と指示されていたと証言しました。また、被告人は同幹部職員の前で直接、木下市長に携帯電話を使って連絡することがあったことを証言しています。この際、被告人は木下市長を「木下」と名前で呼び捨てにしていたことが明らかになりました。

■被告人の要求に応じなければ指名から外される既成事実が出来上がる。

当初、草加警察署に任意提出されていた今回、公開されたこの市長の公文書1枚と、20数ページにも及ぶS社が提出した顛末書はその内容の確認が取れていませんでした。しかし先週末にこの文書が草加警察署から草加市役所に返還されたことから、100条委員会で公開されました。

この一連の資料と証人の証言により、今回、被告人が逮捕されるに至るまでの過程において、公共工事請負業者から金を脅し取るのに十分な材料、つまり、被告人の木下市長との携帯電話でやりとりする程の関係を通じた被告人自身の「草加市の意思決定への影響力を裏付ける既成事実」=「市長名の公文書による業者指導」+「有無を言わさぬ(業者の回答期限前の)工事指名外し」を木下市長自身が結果的に作り出していたことが明らかになったことに私もショックを隠すことが出来ません。

20日の朝刊各紙がこの事件をどのように報じるのかに、目を向けていきます。そして今後は当面、無用な裁きが不用意に周辺の職員や公共工事請負業者に向いていかないように、一切の責任転嫁を許さないように、市議会のチェック権能をしっかりと果たしていかなければなりません。そして、100条委員会で明らかになった事実に対しても、調査終了後、市議会全体としての対応を協議しなければなりません。正直、気が重い作業となる予感がいたします。

20日も午前10時から100条委員会が開かれます。引き続き、皆さんの傍聴をお願いいたします。そして皆さんの声を私たちに聞かせてください。心からお願い申し上げます。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor
自由市民クラブ議員団団長
President, Liberal Citizens' Club

※事件を起こし、逮捕され、有罪が確定した、この事件の被告人は2年間の服役を終えました。彼と彼の妻子が幸せに残りの人生を生きていけるように、実名を伏せることにしました。彼がまじめに社会復帰できますように祈ります。(2009.08.05 16:00)


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1 コメント

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ひどい話 (バットマン)
2006-06-21 08:53:02
まったくひどい話です。26日には最高責任者の仮面をはがして、白日のもとにさらしてください。
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