ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

草加市長選挙を考える~Part 2

2009-06-17 16:00:00 | 市議会議員として
※「情報公開請求に脅迫文」~2009年6月11日付けの読売新聞朝刊で報道された脅迫文事件は、翌12日までに新聞各紙が取り上げる、まさに"民主主義に対する挑戦"ともいうべき小さな大事件でした。

■情報公開請求者に脅迫文。~民主主義に対する挑戦

2009年6月11日(木)の読売新聞朝刊に報道された「情報公開請求に脅迫文」という見出しのこの記事によると、『草加市教育委員会に情報公開請求した草加市内の男性に「お前一人の知る権利で公共の福祉が損なわれている」「何様のつもりだ」などと書いた「脅迫文」が届いていたことがわかった。』とありました。

私はこの事件をきっかけに、かつて私の一般質問を止めさせようと恫喝に来たある男の存在を思い出しました。

そこで、この新聞報道があった当日の午後に予定されていた私の本会議質問でも、急遽、この問題を取り上げることにしました。

「地の塩・世の光」~闇の力について

※この映像は、2009年6月11日(木)午後1時過ぎから行った瀬戸健一郎の本会議質問の記録映像5本の内、最初の映像です。YouTubeでは最長10分間の映像しかアップロードできないため、この映像を含む10分間未満の映像5本全部(約48分間)を連続して自動再生する場合は、再生リスト「地の塩・世の光~闇の力について」(外部リンク)をクリックして下さい。前半の3本が瀬戸健一郎の質問、後半の2本が木下市長の答弁が中心となっています。

■暴力団の要求で公文書発行。~請負業者を指名外し

2004年6月4日付けの木下博信市長の公印文書「草加北通線街路築造工事(12-25)に伴う事故の経過と今後の対応について(照会)」(草契第286号)は暴力団擁護とも受け取られかねない内容の公文書でした。

この公文書発行と同時期に草加市は同社を公共工事入札から外していたこと、さらにこの業者がこの公文書に従って、和解金15万円を納得のいかぬまま「申出者」である暴力団組長に支払っていた事実が、草加市議会が設置した100条調査委員会の調査で明らかになりました。


※「(この)公文書は暴力団を擁護するものではない。職員と共にきちんと対応した。」と木下博信市長は説明しています。
※100条調査特別委員会委員長報告は、こちらをクリックして下さい。


■暴力団に市民の税金から104万円を概算払い。(市長決裁)

2005年9月6日に谷塚上町で暴力団組長Fが草加市が管理する市道において、ブロックが跳ねてベンツに傷がついたとして、草加市に対して損害賠償を請求。同年10月13日に草加市が異例の早さで暴力団組長Fに対して損害賠償金およそ104万円を市長決裁で概算払い(前払い)し、この事実を市議会に説明しないまま、議会の承認を得ました。

概算払いとは、通常の事故であれば損害保険会社から支払われるべき損害賠償金の一部を市が緊急性を認める市長決裁を経て、市民の税金から立替払い(前払い)することで、これは通常、入院治療費等を賠償額が確定する以前に支払う必要を認めた場合などに行われる決済方法です。

※今回の事件の場合、物損事故であるため、通常の概算払いのケースとは異なり、かつ損害賠償金は「スカーフェイス」と称する自動車修理会社からの見積もり額と、本来、自動車リース会社に損害保険会社から直接納入されるべき代車費用の総額が一度に概算払いされていました。

■恐喝事件の背景に市長との「親しい関係」。~携帯電話で5年間

執拗に草加市発注の公共工事現場で因縁をつけては恐喝を繰り返していた暴力団組長Fが逮捕された事件で、木下博信市長の選任した助役逮捕に続き、今期4年間で2度目の家宅捜索が草加市役所に入りました。それはなぜでしょうか?

暴力団組長Fが木下市長と携帯電話で市長初当選以来5年間もやりとりしていたこと、恐喝現場からも木下市長に携帯電話で直接連絡をしたり、市長公室に出入りしていたことなどが100条委員会の調査でも明らかになりました。

今回の恐喝事件を裁いた2006年9月19日宣告のさいたま地方裁判所の判決文では、「暴力団組長である被告人と市長の親しい関係が明るみとなって市を揺るがす事態ともなっており、地域社会に与えた影響も大きい。」と今岡健裁判官が指摘した点は重大です。

■何よりも暴力団との関係が原因。~市長不信任案提出

2006年7月24日、市の公共工事における恐喝事件を調査した100条調査特別委員会は、このブログ記事でも報告したとおり、木下博信市長と暴力団の不適切な関係や事件に対する対応のまずさを明らかにしました。

そして、これらを原因として浅井康雄議員が提案者となって、木下博信市長に対して不信任決議案が草加市議会に提出されましたが、採決の結果は議員総数30名中20名の圧倒的な賛成多数(=不信任票)を集めました。しかし、可決に必要な4分の3の特別多数議決に3票及ばず、否決されました。

憲法改正でさえ、3分の2の可決要件であることを考えると、当時の市議会の採決結果は憲法改正に求められる3分の2をクリアしながらも、市のトップを刷新することができなかったというのが現実でした。

※その後2006年7月31日、木下博信市長に対する辞職勧告決議案が可決。

■暴力排除都市宣言パブリックコメント期間に暴力団事務所移転完了。

2007年12月19日に告示された草加市暴力排除都市宣言は、同年6月19日の草加市議会本会議で瀬戸健一郎が提案し、可決した「暴力排除都市宣言に関する決議」を受けて実現した新たな都市宣言でしたが、木下市長はこれをパブリックコメントに付すとして成立に半年の時間をかけました。その期間中に、暴力団事務所の移転が完了してしまいました。ちなみに、パブリックコメントを求めたものの、宣言文も掲載せず、広報そうかでは数行の告知のみでしたから、一般市民からのパブリックコメントは1件もありませんでした。

■あらゆる暴力に対する毅然とした態度が問われている。

統治(政治)には人を従わさせる2つの「力」が必要です。それは「権力」と「権威」。英語で言うと、「パワー」と「オーソリティ」。前者は文字通り力で物事を進め、人を動かす力であり、後者は人々が自らの意思で従おうとする力。

ですから、権力は権威を伴わなければ、暴力になり得る。

「暴力団といえども法を犯さない限り一般市民として扱え。」という木下博信市長の姿勢に少なくとも私は共感することはできません。それは現代社会における様々な暴力が法解釈によって正当化されるかたちで実在しているからです。

■さあ、みんなで考えよう!~このまちのあるべき姿を…。

草加市民のみなさん、このブログ記事上部の埋め込み型のYouTubeプレイリスト「地の塩・世の光~闇の力について」を是非ともご覧いただき、市長のあるべき姿を、このまちのあるべき姿を、ともに考えていただきたいのです。心からお願いいたします。

私は28歳の時、まだ東武線高架事業が始まったばかりの頃、松原団地駅西口駅頭で「草加を変える。」というノボリ旗を立てて、ハンドマイク片手に、何を語ったらいいかすら分からず立ちすくんでいました。そして、私の口から最初に出た言葉を今も忘れることはありません。

「みなさん、このまちに目を向けて下さい。みなさんの意識以上のまちに、このまちはならないのです。」でした。

今、これを言い換えれば、「みなさん、みなさんの意識でこのまちは変わります。」となります。

さあ、みんなで考えよう!

「だれもが幸せなまち」へ、「草加を変える。」ために・・・。


瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あくまでも (悲しいねぇ)
2009-06-17 19:34:25
市長を選ぶのは有権者なのだから有権者のジャッヂに任せればいいと思います。でも、有権者だって草加市政の事の顛末は判っていることだとおもいますし、敢えて今ブログで掘り下げても相手陣営から提訴されかねません。表現の自由は認められても、行きすぎた誹謗中傷はどうかと思います。そのことが仮に事実であったとしても。
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なんだか変ですよ。 (部外者)
2009-06-18 22:06:24
暴力団について調べていてここにたどり着きました。このブログの関連記事も読ませてもらいましたが、草加市はすごいことになってますね。悲しいねぇさんのコメントも、どこが行きすぎた誹謗中傷なのか分かりません。仮にってどういう意味ですか?事件は事実だと部外者の僕にも分かります。草加市はなんだか変ですよ。
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投票率 (考える人)
2009-06-20 16:02:10
このブログを読む限り、木下市長には市長の資格がないと思います。なぜ今でも市長でいるかと言うと、前回2期目の市長選挙の時には「暴力団との癒着」という事実が明らかになっておらず、私も含めた市民が無関心でいたからです。そしてその事実を知った議会も不信任案を成立させられなかった・・・。

こうなったら選挙で結果を出すしかありません。草加市政に無関心な市民がいたら是非この事実を知ってもらい、危機意識を持って投票所に足を運んでもらうしか方法がありません。
もし今回も市長選挙の投票率が30%台ということになれば、また4年間も暴力が支配するおかしなまちでありつづけることになります。
是非市長選挙の投票率が上がるように市民皆が努力しましょう!
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Unknown (綾瀬川)
2009-06-20 18:16:30
上に貼ってあるyoutubeの瀬戸さんの質問を見て、背筋が寒くなりました。市長にしか話してないのに、そんなことがあったのですか・・・。

草加市長選挙を考える~Part 1でも、口封じとも思える意見を述べる人が沸いていましたが、市長に逆らうと身の危険を感じる市ってどうなんでしょう。ここにコメントすることも恐ろしくなってきて、名前を変えました。

情報開会請求しただけで脅迫状が届くなんて、明らかに草加市はおかしいです。また、こういう場で意見を述べるのも勇気が必要になるとは・・・。これが健全な市と言えるのでしょうか。
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だから。 (悲しいねぇ)
2009-06-20 23:18:32
木下市長も今度選挙に出馬されるのだから、あまり行き過ぎた書き込みをして、先方から名誉棄損とか選挙妨害だぁとか言われたら瀬戸氏のブログ自体吹っ飛んでしまう可能性だってないとは言えません。
それよりも、マスコミで騒がれたぐらい市長の不適切な関係の事は有権者も判っていることです。不適切な関係だって友達だったのか市長自身が何か脅されていたのか真実は分からないのです。だから、有権者のジャッヂに任せるべきだと私は思っているのです。個人的には市長候補全員をアコスホールに招いて公開討論会すべきでは?政策も知りたいです。
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お久しぶりです (パペポ)
2009-06-20 23:51:34
しばらくぶりのコメントですが、時々おじゃましてました。「行き過ぎた書き込み」、「名誉毀損」、もしくは「選挙妨害」を理由に「提訴」されるとか、「吹っ飛んでしまう」というのは穏やかじゃないですね。部外者さんがカキコしてるように、どこが「行き過ぎ」なのか、「名誉毀損」なのか、「選挙妨害」なのか、はっきり指摘するといいと思いますよ。

もっと、草加市民にすべてを伝えるべきですよ。あの事件の頃、大新聞のゴロツキ記者が相当事実を歪曲しましたからね!私たちも協力しますよ。
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組織が機能していません (匿名で)
2009-06-23 19:50:57
昨年の12月に生徒の個人情報の管理について
自治推進課に伝えたのですが、

『確認することができなかったとのことでした。』
という同じ回答でしたが、
明らかに調査していなかった事は明白なのです。

自治推進課では何も出来ないのでは?
指導する事も調査権限も無いように思えます。
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木下市長の決起集会 (一市民)
2009-07-14 23:23:26
アコスホールで開かれたはずですが、各政党の代議士さんや県議さんは出席されたのですか。詳しい方のご報告待ってます!
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新しい市政を育てる会の暴言 (ようすけ)
2009-07-27 02:43:03
新しい市政を育てる会の宣伝カーが数日前に、吉町のヨークマート前で演説しているのに出会った。
3期目を目指す現職市長を後援する会なのに、なんと市役所の職員の悪口しか言わない。
前は市役所の職員は態度が悪かったが、現市長になってから、市長の功績で態度が良くなったといっていた。
とんでもない!!!
今も以前もそんなに大きくは変わってはいないです。
良い人は良いし、悪い人は悪い、即ち人によるのです。今も以前も。
そしてなにより、市長の部下である職員を悪者にして手柄話をするというのはどういう神経をしているのか・・・
結局、これといった功績もなく、不祥事だらけの中で、言えることがなかったというのが事実かも・・・
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「草加市長」とはそういうものです。 (元八潮市市民)
2010-10-28 15:01:41
木下博信市長は、まちがいなく暴力団の
いちみですね。

>木下博信市長の姿勢に少なくとも私は共感す
>ることはできません。

>>「暴力団といえども法を犯さない限り一般
>>市民として扱え。」
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