ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

東京ガス供給指令センターを視察。

2007-05-30 00:45:06 | 市議会議員として
※画像左側が「東京ガス供給指令センター」、右側は約4,000カ所の「地区ガバナ」に設置されている地震計「SIセンサー」からのデータを解析して地図に落としたコンピュータ画像。

一昨日、東京都港区にある東京ガス株式会社の本社ビルを草加市議会として視察させていただきました。この本社4階にある東京ガス供給指令センターで大震災時における都市ガスの供給管理がどのように安心・安全を保つために行われているのかが今回の視察目的でした。

■都市ガスの安全管理の視察に21名の議員が参加。

以前のブログ記事「オープン!ぽんぽこフォレスト。」でもご紹介した、エネスタ草加(株式会社丸久総合住設)の久野会長の薦めもあり、市議会としても一度、都市ガスの安全供給体制のしくみを視察しておく必要があるとの認識から、30名の議員中、議長を含む21名の超党派の議員が参加しました。

■供給指令センターは東京ガス本社ビル4階にある。

最初の画像は、東京ガス本社ビルの耐震診断の結果、最も震災被害が少ないと診断された4階部分に、床部分をさらに免震構造に改良を加えて設置した「供給指令センター」の様子です。外部からの電力供給が遮断されても、ガスタービンによる自家発電によって、機能停止しないシステムだそうで、東京ガスが都市ガスを供給している1都6県のガス供給システム全体の遠隔操作が可能。24時間体制で安全を見守ってくれています。

■震災時にガス管はだいじょうぶなの?

私たち市議会として視察したポイントは、大地震でガス管が破裂したり、ガス漏れ事故などによって火災が同時多発的に発生することをどう食い止めるのかという点でしたから、実際の管理システムを見ながらの研修は、安心感に直結します。

実際に、都市ガスは根岸、扇島、袖ヶ浦の3つのガス精製工場で作られ、これが次の画像のとおり、「高圧導管」~「中圧導管」~「低圧導管」と受け継がれて、私たちの家庭や施設に届けられています。


※LNGタンカーで世界各地から運ばれた液化天然ガス(LNG)は、一度、地下タンクに貯蔵され、品質を均一化し、臭いをつけて都市ガスとして高圧で「ガバナーステーション」に送られ、減圧され、ガスホルダー(円形のガスタンク)や「地区ガバナー」へと送られます。地区ガバナーでさらに減圧された都市ガスが、私たちの住宅や施設に供給されています。

■圧力の違う3つのガス導管~高圧導管・中圧導管は万全。

それぞれの導管の間で圧力を調整するガバナという施設を通じて供給指令センターからガスの供給停止操作などが行える仕組みになっているのですが、高圧導管と中圧導管については、どんな大地震が起こっても被害はゼロであることが過去の大震災でも実証済み。たとえば、橋が落ちてもガスの導管はしなやかに曲がり、ガス漏れは起きない構造になっているそうです。

■地域で各個に供給している低圧導管が課題だ!

しかし、私たちの自宅や施設に直結している「低圧導管」については、全長が地球1周分もあるため、個別の導管に万が一亀裂や寸断などによってガス漏れが発生した場合には、その周辺全体を面で管理する必要があるため、これまで「中圧導管」と「低圧導管」の間にある「地区ガバナ」を手動操作でガスの供給停止を行っていたため、この操作に約40時間を要していたそうです。

■地震防災システム「SUPREME(シュープリーム)」って?

この問題を解決するために東京ガス株式会社が開発したのが、超高密度リアルタイム地震防災システム「SUPREME(シュープリーム)」という最新鋭のシステム。東京ガスの供給地域内に約4,000カ所ある「地区ガバナ」すべてに、地震センサー(SIセンサー)を設置し、約1k㎡に1機という高密度でガス漏れを管理しています。

■40時間かかった供給停止作業が15分に短縮!

実際に震災被害を引き起こす特定の波形(SI値)を感知するSIセンサーが、自動的にガスを遮断するわけですが、このセンサーからの情報が供給指令センターに集約され、解析されて、自動遮断が行われなかった遮断対象区域内の地区ガバナをセンターから遠隔操作で遮断する2重管理体制になっているため、これまで40時間かかっていた一連の対応が、現在では約15分にまで短縮されています。

■みなさんのお家の「マイコンメーター」をご確認ください!

また、もっと手前に私たちのガス漏れ事故を防ぐ手段が私たちの住宅各個に取り付けられている「マイコンメーター」であることもあらためて説明していただきました。ガスが地震など、何らかの影響で供給遮断された場合の多くは、マイコンメーターに添付されている説明の通りに操作すれば、自分でガスの供給を再開できるシステムであることも分かりました。

※ガスメーターの復帰方法はこちらをクリックしてください!
http://home.tokyo-gas.co.jp/userguide/anzen/meter/reset/index.html


■病院などには都市ガス供給車両の派遣も・・・。

都市ガスが広範囲で供給停止になった場合で、なおかつ大きな基盤復旧が必要な場合でも、迅速に復旧活動が行われる体制をとっていること。復旧までの期間でも、病院などの施設には都市ガス供給車両が派遣されることも分かりました。

私たち草加市議会議員は、24万市民の命と暮らしの安全を守るため、電気、ガス、水道といった、いわゆるライフラインの各事業者とも連携しながら、より安全で快適な都市生活空間の創造に務めなければならないと決意をあらたにしています。私たち議員の防災意識の啓蒙啓発に有意義な視察研修となりました。

これからもいろいろな勉強をしていきます。

だれもが幸せなまち―草加を創るために・・・

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor

SUPREME=Super-dense Realtime Earthquake Monitoring Equipment かと思われますが、公式に何の略かは確認できません。上記の英語名を直訳すると、「高密度リアルタイム地震観測装置」となりますから、当たらずとも遠からずだと思います。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
災害時のガス管は・・・ (ヨットマン)
2007-06-03 15:09:24
瀬戸議員さんへ

 なるほど、災害時の都市ガスの供給や、復旧など
は良く分かりましたが・・・実は、我が家はプロパン
ガスなんですよ。
 常々、思っているのが、このプロパンガスの場合、
ほとんど無防備な状態で、各家々に備えられてます
よね、(但し、電話回線で、プロパンの供給に異常が無いかを常時、チェックしているシステムがある事は
、私も知っていますが)
 草加市で都市ガスと、このプロパンガスは混在して
いますので、今後は、このプロパンガスの災害時の、
いや、日常の安全についても、頭の片隅に入れて下さい。
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