お局

会社生活を送る上で、お局に悩まされている方は数多くいると思う。

オレの会社にも、有難いことにコテコテのお局がいる（笑）。
経営を任された当初、このお局には少なからず苦労を強いられた。
オレよりも社歴が長く、変にキャリアを積んでいる。
しかるに「自分のやり方」ってのに異常なまでのこだわりを持っていて
新しい提案や意見には断固として耳を傾けようとしない。
時流に合わない（とオレは思う）ようなやり方も、「私が築き上げた
最良の方法なのよ」と言わんばかり。
この人の考え方を変えさせようと思っても恐らくテコでも動かない
だろう。
幸いなのは、うちの会社はそれほど人数の多い会社ではないので女子社員
の数は少ないから、派閥ができたりなんだりってのはない。
いる女性は年齢層が高いから、どちらかと言うとお局と意見が合っちゃう
感じなので女性間トラブルが無いだけまだマシか・・・とかって思う。
これでオレが若い娘とか採用して、徐々にお局を追い込んで行ったら
いくらオレのお眼鏡の若い娘ちゃん（若いっつっても例えば３０ソコソコ
くらいをイメージしてんだけど）でも、きっとイジメに耐えられなくて
辞めていっちゃうかも知れない（笑）。

当初はお局と真っ向からヤリ合ってムダにイライラを募らせてたオレだった。
コレも、経営者になっていろんなことで参っちゃってたコトの中のひとつ
であったのだ。
で、ある時ふっと我に返った。
この人をなんとかして変えよう変えようって思ってるからオレはこんなに
イラついて苦しい思いをしてるんじゃないか？って。
対お局だろうが、妻だろうが部下だろうが、人間関係においてオレが一番
肝に銘じておかなければいけないことがある。
それは、「人は人を変えられない」ってことだ。
オレが「おかしい」って思ってるのはあくまでオレの主観でしかない。
そんな風な価値観を持ったオレのことを、他人様が見たら「おかしい」って
逆に思うこともたくさんあるだろう。
言い換えれば、お局だってオレのことを「ケツの青い小僧に言われる筋合い
はないわ」って思ってるかも知れない。
それに対していくらオレが「いやいや、お前の方がおかしい」とか「ケツは
青いけどチ○○は真っ赤で鋭いんだゼ」とかって言ったところでオレのこと
なんか（特にチ○○）には全く興味はないしオレの話に耳を傾けようとは
しないのだ！（笑）

だったらどう接するか。
やっぱり「愛」を持って接するしかない。
さすがにいくら野獣のオレでも、このお局に性欲は沸かないけど「愛」を
与えることはできる。
今まで「おかしいじゃん」って言ってたことも、「オレが○○さん（お局）
だったらそうするかも知れないネ」とかって言ってみると、相手の態度も
違って来る。
「変えよう」って思うより、このままのこの人をどうやったら受け入れられ
るかって考える。
そうすると、やっぱりキャリアがモノ言ってうまくやってるなって部分も
見えてきて、素直に認められるゆとりが生まれてくる。
お局のこと、女性社員もさることながら多くの男の社員が口には出さずとも
「色気のかけらもねえくせにわめき散らすババアはうざってえな」って
思ってるかも知れないけど、オレは経営者なのだ！
お局が少し言うこと聞かないなんてことは、これから先会社を発展させて
行こうと言う大きな夢・目標と比較すれば本当に些細なことなのだ！
小事に捕らわれて胃をムカムカさせるのはもう辞めよう。
こう決めてからは、お局も案外ワメかなくなった。
そう考えると、実は本当にこのお局にしかできない仕事がたくさんあって、
しかも小うるさいけど仕事に対しては意固地なくらい「マジメ」に取り組ん
でるので、ちょっとの「クセ」さえ受け入れれば会社にとってはまだまだ
有益な人なんだってことがわかる。
プラス、思い起こせばこの人にも少なからずかわいそうな過去があり、それを
おくびにも出さずにがんばってるんだもん。

これからはお局と手を取り合って、もっともっと優しい声でも掛けてあげるよ
うにしよう。
時々ムカついたら、「○○さんってどんな男性が好みなの？」とかって関係
無い質問したりして切り替えよう。

神様と呼ばれるくらいの悟りの境地に達してる人なら、例えば自分の最愛の人
を殺した相手にさえ愛を与えられるのかも知れない。
そういう人は、与えることによって真の幸福感を得ているんだと思う。

そう思ったら一緒の会社で、オレの会社の為に働いてくれてるお局なんて
オレからしたらやっぱり神様のように大切な、有難い存在じゃねーか。

いつも大きな声でおばさん笑いしてるお局さん、心からありがとうネ。
あなたがもっと幸せになれるよう、オレはこの会社でもっと稼いで給料を少し
でも一杯あげれるようにがんばります！！