かなり前のことになってしまったが、さる
ご親切な巨乳才媛友達が、「勤労意欲に欠けていて、稼ぎが悪く、きっとろくなものを食べていないであろう君に贈るよ、スガキヤを」――と「」に入れてはみたけど、そんなことは一言もおっしゃらずに健さんもかくやという無言っぷりで、あるものを送ってくださった。
名古屋が誇るファストフードチェーン
スガキヤとどういう関係か実はよくわからない(たぶんグループ会社)
寿がきや食品の
喫茶店のスパゲティである。
これがまあ、あなた、この手の「フライパンにぶちまけてから水をちょっと入れていためてソースを入れてできあがり」麺にあるまじき――いや、本来はこうあってほしかったのに、なかなか実現されなかった――「NOぶちぶち」なのである。袋をあけたときに、すでにスパゲティがある程度ほぐれていて、いためてもちっともぶちぶち切れることがなく、いんちき食(失礼)としては十分な
スパゲティらしい長さを保っている。調理を終えて食べるときには、「立派なスパゲティやん!」という感動すら覚える。普段何食ってんだよ>ぢぶん(ぼそっ)。
ナポリタンのソースはやや甘めで、人によってはぼんやりした味に思えるかもしれない。給食や喫茶店のナポリタン、いずれとも違うような気がするが、おうちのスパゲティでも喫茶店風にタバスコと粉チーズを用意する人には、このぼんやり味こそが福音となるだろう。お店ではやりにくい粉チーズどばどば、お店でも通用するタバスコ適宜を経て出現するのは、濃厚な味わいに変身したスーちゃんスパゲティなのである。じゃーん。
カレー味のほうも、このままでも美味しいが、お好みでどろソースなどをちょっと加えれば、ぴりから度がアップした味わいも楽しめる。
うーむ、名古屋食文化は、やはり奥が深い。
わたしと同時にもらって、わたしより先に食べ終えた友人は、「まだ残ってるの? えーなーえーなー」と言わんばかりの「おいしいですよ」推薦をしてくれていた。この友人が名古屋に引越すことはまずあり得ないのだが、わたしの場合、可能性がゼロとは言えない。
友よ!
わたしが見事名古屋に転勤(する世帯主にくっついて引越し)することになったなら、大人ぶりをいかんなく発揮して箱買いすると約束しよう!
そして、君に自慢しよう!
ところで、名古屋の喫茶店では、コーヒーにお茶請けがついてくるそうだが、スパゲティは鉄板に卵を敷き、その上に載せられて出てくるそうである。
食べたよー、と報告したら、「卵、敷いた?」と聞き返されてしまった。
すみません、敷きませんでした。だって、そんな鉄板ないもん。
大阪ではどの家庭にもたこ焼き用鉄板があるという噂だが(ほんと?)、名古屋には各家庭にスパゲティ用鉄板が常備されていたりするのだろうか?
さて、そんな恐るべき名古屋食文化が、万博を機に日本各地に広まってやってもいいがな、という程度の熱意で面倒くさそうに広まりかけたことを諸君はご存知だろうか<なんかノリが変よ?
コンビニの
サンクスで、4月には名古屋フェアをやっていたのである。天むす、味噌カツと並んで、(スガキヤの)スーちゃん焼きうどんというものがあった。フェア中にまた買いにくればいいや、と見かけたときに買わなかったら、その後、万博はまだ続いているというのに、スーちゃんも味噌カツも天むすさえも消えてしまった。
ところが。
スーちゃんスパゲティに感動した友人は、すでに5回ぐらいその焼きうどんを食べた挙句に「もう飽きた」などと不届きなことを言っていたのだが、「なんかねー、こっちじゃ売れ行きがよくて定番商品になったみたいよ(にんまり)」と報告してきたのである。
えー?
さっき、品揃えがマックスになっているであろうお昼ご飯直前の時間帯を狙ってサンクスへ行ってきた……が……やっぱりない。ありません。
名古屋より西側では受け入れられたスーちゃん焼きうどんだが、東側ではだめだったということだろうか?
いや、もしかしたら、5回も買うような客を特定した友人宅最寄店だけで特別に続いているのかもしれない。そのうち、「これ、新しいヌーちゃん焼きそばやけど、修正液でスーちゃんにしといたら、またあのお客さんが買いよるで」という不正販売が行われるかもしれない。
とりあえず、「違いますよ、名古屋より東でも立派にスーちゃん焼きうどんが定番商品として残りましたよ」というラッキーな地域の人は、よくよくその状況に感謝して日々お過ごしいただければ幸いである。